面接対策の基礎の基礎

中途採用において、特に、ご自身のキャリアアップやミスマッチ・機会損失を防ぐためにも面接対策は大切です。自己投資と考え時間をとって準備をしたいものです。

キャリアアドバイザーをしていて、様々な方にお会いする中で、経営者・著名人・芸能人などその道で活躍されている方は、(そもそも面接を受ける機会がないかも知れませんが) 面接対策が不要な印象を持ちます。

これらの方々は、登壇やインタビューを日常的にこなしているため、ご自身の経歴や人生について人前で話す機会が多々あります。気が付かないうちに自省をして自分の人生を振り帰り、ご自身の志向性や趣味、今後の目標について言語化する機会があります。同時に、人前でお話できるほど、自分の人生に胸を張れるとも言えます。

面接対策を転職活動で内定を獲得するための、対策という行為と考えるのではなく、自分自身と再度向き合い、自分の素敵な人生を見つけるプロセスと捉えてみましょう。

 

自分の考えを言語化する

面接対策では言語化がキーワードになります。緊張感のある面接の場で自分の考えを簡潔に述べることは至難の技です。

例えばご自身が買い物で、赤いセーターか青いセーターを購入するか悩み、直感的に赤いセーターを購入したとします。この意思決定は直感的に赤いセーターを選んだのではなく、必ず赤を選んだ理由があります。

赤いセータを選んだ想定される理由としては、「家に青色系のセーターが一着ある。」「青色の服は似合わない。」「今年の流行色は赤だから。」など、多数挙げられます。その時は、直感的に意思決定をしたと思いがちですが、全ての意思決定に理由があることを意識して下さい。ここのフィーリングを言語化するのが本当に難しいのです。

特に、最終面接のフェーズに入ってくるとA社かB社、どちらも素敵で決めきれないと悩むことが多くなります。しかし、面接官からはなぜ弊社なのか質問を頂戴することが多いです。ここの回答を、直感ではなく言語化し、ロジカルに話せるように整理してください。

具体的な回答例:「なぜ弊社なのか?」

・将来的には営業組織のマネジメントができる人間になりたい。現在、営業組織を拡大している御社では、営業成績を残した後、早期にマネジメント職に挑戦するポジションがあると認識しているから。
・ユーザーとして御社のサービスを使っていたが、ここまでユーザー目線の自分自身が愛せるプロダウクトはないと思っています。特に、◯◯の部分は、自分自身でもこれまで培った◯◯のノウハウを活かし、サービスの貢献に関与出来ると考えております。

 

 

転職活動は椅子取りゲーム!?

転職活動は、椅子取りゲームに似ています。例えば、あなたがどんなに優秀でもあなたと似ているご経歴の方が、1ヶ月前に入社されていたら、あなたのポジションはありません。野球選手に例えると、直近で新しいピッチャーが3名入った組織に、同じようなピッチャーを迎え入れるのなら、現在、少し能力は劣るが不足しているバッターを探すような考え方です。結局、試合に出ることが出来るのは1人のピッチャーになるので、双方のために有意義な判断であるとも言えるでしょう。

これは、転職でも同じことが言えます、営業部長を採用した企業は、そのポジションをクローズさせます。その1ヶ月後、優秀な営業部長が面接に来ても、今のフェーズに営業部長2人は必要ないという理由で、これまのご経歴やスキル・お人柄は評価されてもお見送りになることがあります。これは企業が組織として動いているため避けられない事象です。

このように転職活動はタイミングも加味されるため、少しでもキャリアに悩んでいたりキャリアアップを検討されている場合は、まずは行動してみることも大切です。新しい方にお会いし、お話をすることで自分のキャリアや仕事観が見えてくることが多いです。

「転職活動を開始する=転職しなければならない」というルールはありません。あまり萎縮せず、まずは、情報収集や自己理解を深めるためにも動き出してみてください。

 

必須!!面接の事前準備

ご自身のキャリアのために転職活動のスタンスとして、まずは話を聞いてみることも大切です。しかし、企業側はビジネスタイムを使っていることを必ず意識してください。

ビジネスタイムを頂戴している最低限のマナーとして、HPや企業のニュース記事は必ず目を通し、競合情報も見ておきましょう。また、ご自身でも自分の時間を使い、まずは話を聞いてみようと思ったのかそのきっかけ(=その時点での志望理由)を言語化しておきましょう。

全ては、お互いに有意義な素敵な時間を過ごすための準備です。表面的な話ではなく、突っ込んだお話をすることで双方の学びや気づきがあると思います。この出会いは、転職先だけではなく、将来のクライアントや同僚・上司など様々な可能性を見出すこともあります。

 

面接の心構え

面接には最低限のビジネスマナーを再確認した上で臨みたいものです。最低限のマナーとしては、挨拶・入退室の動作・服装・髪型・言葉使い・話す姿勢・聞く姿勢など多々挙げられます。日々の仕事の振り返りも含め、もう一度ご自身のマナーを見直してみたいものです。面接官はこの方が「自社の名刺を持ち、会社の名前を背負って外を歩いても恥ずかしくないか?」という視点で見ています。

また、ファーストインプレッションが面接を左右する・開始3分で面接結果が決まるのも100%ではありませんが、事実であると考えられます。ビジネスマンとしての緊張感をもちながらもリラックスして面接に臨みたいものです。

加えて聞かれた質問に対して回答しすることを意識しましょう。長く話せばいいということはありません。寧ろ質問に対する回答はなるべく端的にするべきです。

カレーの調理例に具体例を挙げてみます。「あなたの一押しの美味しいカレーの作り方を教えてください。」と、質問された場合を想定してみます。両極端の2つの回答が可能です。

a.まず、鶏肉・じゃがいも・玉ねぎ・にんじん・カレーのルウを購入に行きます。次に、購入してきた材料を一口大に切ります。厚手の鍋にサラダ油を熱し、切った野菜をよく炒めます。水を加え、沸騰したらあくを取り、弱火~中火で材料が柔らかくなるまで約15分煮込みます。いったん火を止め、ルウを割り入れて溶かし、再び弱火でとろみがつくまで約10分煮込む。最後にご飯と盛り付けて完成です。

b.インド人が経営している◯◯という店舗のインドカレースパイスを入れてカレーを作ると本場のインドカレーの味になります。

今回の質問者はカレー好きで、一味違ったカレーの作り方を質問していたため、aの長い解答には聞く耳も立てず、bの端的な回答に食いつきました。このように1つの質問にも解答方法は多様にあり、面接官が本質的に何を聞きたいか少ない質問から判断するのは難しいのです。

こちらの勝手な解釈で回答するのではなく、聞かれた箇所に適切に回答していきましょう。面接官は魅力的に感じだ部分・深堀したい部分はさらに突っ込んだ質問をしてくれますので、そのタイミングで回答すればいいのです。面接では聞かれた質問に回答することも意識してください。

 

 

中途面接とは?

ここからは、実際の中途面接の内容を確認します。新卒の採用面接や面接官のご経験で認識しているかもしれませんが、大きく分けて面接の形式は2つあります。

a:質疑応答型の面接
b:カジュアルな会話形式の面接

a・bどちらも面接官の目的は採用面接のため、本質的に聞かれていることは同じです。実は気をつけるべきはbのカジュアルな会話形式です。

カジュアルな会話形式の面接はカフェでの友人との会話のようなフランクな雰囲気で進むことが大半です。ここで気をつけるべきポイントは、伝えたいことが伝えきれず雑談で終わらないようにすることです。世間話で終わってしまい、面接後、自分の本質的な話ができなかったと反省をしている方もいらっしゃいます。また、ネガティブな会話が引き出されやすく、お悩み相談やキャリア相談の場になってしまわないように意識することが大切です。

また、中途面接では、ご自身の配属予定のチームの直属の上司や同僚が面接官となることが多いです。将来的に、一緒に働く方とお話をしていることも意識してみてください。

 

中途面接の流れ

実際の中途面接のフローを確認します。a:質疑応答型の面接・b:カジュアルな会話形式の面接のどちらの形式も雰囲気は異なりますが、お話する内容は同じです。

▽中途面接の流れ

1.自己紹介

2.3つの時間軸の自分

  i.過去:これまでの経歴

 ii.現在:転職理由

 iii.未来:将来何がしたのか

3.質疑応答

 

1.自己紹介

まずはお互いの自己紹介です。ご自身の自己紹介はスムーズに1分程度で簡潔に話せるようにまとめておきましょう。

次に、面接官の自己紹介や会社紹介を聞くことが多いです。

2.3つの時間軸の自分

i.過去:これまでの経歴

次に過去の話です。「なぜこの会社に入社したのか?」「これまでどんな仕事をしてきたのか」「何が出来るのか?」、第二新卒の場合は、「新卒ではどんな会社を見ていたか?」「どんな就職活動をしたか?」「新卒時と現在の仕事観の変化」などを聞かれることが多いです。

ここで意識することは、実績を定量的に語ることです。ある営業職の方を例に考えてみます。

「これまで営業成績は常に社内トップでした。また、入社以来3年連続で売上ノルマを達成しております。入社後2年半で営業チームのマネージャーになりたくさんのチームメンバーをマネジメントしていました。会社からも毎年営業のエースとして評価を頂いております。」

これは、一見素晴らしい成績に見えますが、以下のように定量的にな部分を加えるとどうでしょうか?

「これまで営業成績は常に社内トップ(営業マン3人のみ)でした。また、入社以来3年連続で(先輩の既存顧客のルート営業)売上ノルマ(売上ノルマは3人全員達成)を達成しております。入社後2年半で営業チームのマネージャーになりたくさんのチームメンバー(3名のチーム)をマネジメントしていました。会社からも毎年営業のエース(単価の高く利益率の高いプロダクト担当)として評価を頂いておいります。」

このように実績を数字で語ることで、その人の仕事量や仕事のレベル感が手に取るように分かります。ここを的確に話すことが大切です。

営業成績が1番である必要はありません。今回の企業側が用意しているポジションにその方これまでの働き方から、タスク過多やストレスにならないか、物足りなくならないかすり合わせをするためにも定量的に語ることを意識してください。

同時に面接官は、「ロジカルにはなすことができるか?」「数字に強いか?」「地頭がいいか?」など、様々な視点から見ております。

 

ii.現在:転職理由

次に、転職理由です。「なぜ、転職活動をしているのか?」ここの理由は人それぞれですが、必ず1度は、書き出し・声に出してみてください。明確な転職理由が思いつかない方は、ご自身で一旦、整理した後、キャリアアドバイザーに相談し、壁打ちすることをオススメします。

気をつけるべきことは、現職の不満にしないこと・仕事に対して高揚感が持てるお話をすることです。

 

iii.未来:将来何がしたのか

次に、未来に関してです。「その会社に入ったら何をしたいのか?」「3年後はどうなりたいのか?」「10年後どうなりたいのか?」ここを整理しておきましょう。誰も10年後など分かり得ませんが、自分のゴール設定や目標を持つことが出来ているかを確認しています。

例えば、エンジニアになるか・営業になるかで会社から受け取れるリソースやキャリアの方向性は大きく異なります。

海へ行くか山に行くか2つのルートがあるとします。海側へ行きたいひとは海岸へ向かいますし、山側へ行きたい人は内陸へ向かいます。自分の本音を理解出来ておらず、本当は海に行きたかったのに、山がある内陸に向かってしまったらその移動は単なる無駄な移動になってしまいます。

これは、転職される方のキャリアにとっても時間の無駄になってしまいますし、企業にとってもその方が活躍できる道を準備できないので双方にとって不幸な選択になってしまいます。

残念なお見送り理由として、「この人は素敵な方だが、キャリアの方向性が分からないため、お見送りとさせてください。」とのコメントを頂戴する時があります。ここでは、海に行きたいのか山に行きたいのか分からないため、海へ向かって行く弊社へは無理くり誘えないという事を指します。

面接官も会社の成長・転職者の人生の成功を第一に願っていますので、合理的な判断になります。

これまで述べた現在・過去・未来の整理で参考になるのが、リクルート社のwill・can・mustの思考法です。will:将来何がしたくて・can:今何が出来て・must:それを達成するために何をしなければならなのか?再度整理してみてください。

3.質問


最後に、質問の時間がありますここでは、働くイメージを膨らませて本質的な質問をしてください。条件面・給与・勤務時間・残業時間はエージェント経由で聞くことができるので、この場では必ず、仕事内容や働き方・人やチームなど、今しか聞けないことを意識してください。

入社するのは一社ですし、もしかしたら現職に残る判断をされるかもしれません。加えて、転職活動は、一線で活躍するたくさん方とお会い出来る素敵な時間でもあります。

面接をお互いにとって有意義にし、中長期的な関係構築ができる場とするため、ご自身の準備を怠らないように心がけてください。

 

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、30社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。