こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。
今回は、農業に関わる領域で成長中のベンチャー企業とその転職求人・採用情報についてまとめたいと思います。
実は私自身も農家の長男で、父も地元の農協の代表者でした。今も田植えをしております。
最近のコロナで外出自粛ムードがあり、飲食業や一次産業に大きな影響が出ていますね。どれくらい続くのか分からず、不安な中ですが、力を合わせて頑張っていきたいものです。それでは見ていきましょう。
ベンチャー企業の求人をお探しの方は、こちらでまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ベンチャー転職におすすめの転職エージェントはこちらの記事で紹介しています。
大企業からスタートアップ転職する際のポイントや陥りがちな失敗はこちらの記事で紹介しています。
目次
AgriTech(アグリテック)とは?
いわゆる○○Techの農業版です。AgricultureとTechnologyからなる造語ですね。私の父も農業を営んでいますが、まだまだIT化が進んでいるとは言えない領域なので、可能性が残されているように思います。
一部の作物ではドローンを用いた効率化や遠隔農業などの取り組みもされていますが、まだまだ農家の方が持っているノウハウ・暗黙知は活かされきっていない部分があるのではないかと思います。
農業就業者は年々減少傾向にあるので、IT化・効率化していくことが求められる領域だと思うので、どんどんAgriTechが進んでいくといいですよね。
でまた、農業は既存の権益が強い領域でもあると思うので、新しいテクノロジーがどのように関わっていくかは注目ですね。共存なのか、代替なのか、気になるところです。
未上場の国内農業系ベンチャー企業とその求人・採用情報(募集職種一覧)
ここからは、AgriTech(今回は広義で農業や一次産業の関わるITベンチャー)企業とその求人/採用情報を紹介していきます。
「食べチョク」が急成長中のビビッドガーデン
食べチョク、今話題になっていますよね。食べチョクは農家が農作物を出品できるプラットフォームです。農作物以外にも、魚介類なども販売されています。
元々、農作物は既存の流通ルートを辿ると、生産者の取り分は売価の30%ほどになってしまいます。その分、流通過程の手間はカットできるわけですが、価格を自由に決めることができなくなるので、農家の方の取り分はどうしても小さくなってしまいます。
そこで、直接農家の方が出品・販売できるプラットフォームを作ったのビビッドガーデンです。発送まで農家の方自身が行う必要があるのですが、価格を自由に設定することができ、取り分も売価の80%と収益の改善が見込めます。
また現在は、コロナウィルスの影響で余ってしまった生産物の販売にも力を入れていますね。利用している生産者の方からも非常に好評のようです。消費者としても、全国の美味しいものが早く、手軽に手に入るというのは嬉しいですよね。
ビビッドガーデンでは、エンジニアやセールスマネージャーの採用を強化しています。
・アプリエンジニア
・Web・アプリデザイナー
・UI/UXデザイナー
・プロダクトマネージャー
・セールスマネージャー
・カスタマーサポート/CS
・ボランティアスタッフ
稼げる農業にするために多くの事業にチャレンジするアグリメディア
サポート付き市民農園「シェア畑」を運営しています。後継者不足などで、遊休状態になってしまっている農地をリメイクして、都市部の人も気軽に野菜づくりを楽しめるようになっています。全国に96か所あるそうです。
他にも、農業、酪農、牧場を中心とする農業関連の求人サイト「あぐりナビ」も運営しています。農業求人をまとめたサイトは少ないので、農業領域の仕事を探している人は重宝しそうです。
「農家を子どもに継がせたくない」「この畑は売り上げより経費の方が高くて赤字」というように、農業を継承することを諦めている農家の方も少なくないようですね。
そうしたところに対して、農業が儲かる産業になるように、様々なビジネスモデルにチャレンジしているのがアグリメディアです。
他にもアグリメディアは多くの事業を運営しており、絶賛採用強化中です。
・エンジニア
・人材コーディネーター/農家営業
・<シェア畑を新設する農地を開発>提案営業
・市民農園”シェア畑”の農園マネージャー
・<農業×地域活性>企画コンサルタント
・農業×飲食店舗立ち上げのプロジェクトマネージャー
・農業ビジネスを躍進させるWebデザイナー
・『道の駅 清川』運営スタッフ【契約社員】
神奈川県鎌倉で自動野菜収穫ロボットを開発するinaho
inahoは自動野菜収穫ロボットを生産、レンタルしている企業です。販売ではなく、レンタルという形式を取ることで、初期費用&メンテナンス費用の無料化を実現しています。収穫高に応じて利用料を支払う仕組みになっているようです。
現在レンタルしている野菜収穫ロボットは、 きゅうりやナス、ピーマン、 アスバラガスなどを一台で収穫できるそうです。機能拡張にも対応していて、作物の病害判定や土壌診断にも対応している設計とのこと。
収穫の自動化に成功しているのは驚きですね。しかも、収穫時期の野菜を判別して収穫してくれるようです。
跡継ぎがいないから、なんとか農業の魅力を伝えようと、全国の農業就業者の方が頑張っていると思いますが、このように人手不足を解消する別のアプローチにも注目したいですね。
初期費用が出せない事情にも配慮されているので、収益化が実現すれば一気に普及していく可能性もあります。
inahoで募集中の職種は以下のとおりです。
・電気設計エンジニア
・サプライチェーンマネジメント候補
・研究開発プロジェクトマネージャー
・【九州】ロボット導入サポートインターン・短期アルバイト
・【佐賀支店】 一般事務 営業事務
・テック系アグリコミュニケーター
・ロボットシステムエンジニア
・コンピュータービジョンエンジニア
・機械設計エンジニア
薬剤の散布と生育診断を同時にできるドローンを開発するナイルワークス
ナイルワークスは農業用ドローンを開発するベンチャー企業です。圃場の上空30~50㎝で自動飛行させて、薬剤散布と生育診断を同時にすることができます。
自動飛行のため、特別な操縦スキルも必要ないそうです。農薬の散布といえば、厚い中ぶ厚い防護服をまとって行うイメージがあったので、それが自動でできるようになるというのは、大きな変化ですよね。
イスラエルはAgriTechの先進国と言われているのですが、イスラエルではすでに農業用ドローンの利用が積極的に行われているそうです。日本でも導入が早く進められることを期待しています!
募集中の職種は以下のとおりです。
・サーバーサイドエンジニア(モバイルシステム)
・ 画像処理エンジニア
・フライトコントローラ関連技術者
・機械設計エンジニア
みどりクラウドで農業のIT化を進めるセラク
「みどりモニタ」という温室内の環境を遠隔でモニタリングできるシステムを開発・提供している企業です。
私の実家は農業を営んでおり、小さい頃は手伝っていたりもしたのですが、やはり難しいですよね。このように、モニタリングできるシステムを入れることで、長年農家でやってきた方の暗黙知を数値に落とし込むことができたら、農業に参入するハードルも下がるかもしれません。
すでに、データ分析を用いてAIが収穫時期の予測や病害虫発生原因の推定、収穫量予測などのサービスが提供されるようにもなっています。
セラクの募集中の職種は下記のとおりです。
<実務未経験者>
・ITインフラエンジニア
・アプリ開発エンジニア
・WEBディレクター
・Salesforceエンジニア
・営業職
<実務経験者>
・セキュリティエンジニア
・Salesforce事業の技術責任者
・社内業務システムSE
・営業職
・デジタルマーケティング
・IoTエンジニア
・農業ITサービスのIT/IoT開発エンジニア
・データサイエンティスト
・Salesforce事業のマーケティング担当
・WEBマーケティング責任者(常駐/受託)
・ITインフラ運用責任者(受託)
細胞培養技術を用いた人工培養肉を開発するインテグリカルチャー
話題の人工培養肉「クリーンミート」を開発するベンチャー企業です。インテグリカルチャーの細胞培養技術を用いれば、人工培養肉の生産コストを約10,000分の1に抑えられるというから驚きです。
なんとこの肉のタンパク質は、動物を殺すことなく生産できるそうです。すでに、鶏肝臓細胞を大規模培養することによって「鶏フォアグラ」を作ることにも成功しています。
余談ですが、インテグリカルチャーのHPにはStoryというページがあります。このページ、彼らの問題意識が丁寧に書かれていて、事業に取り組む文脈がよく伝わってきます。こういう企業は特に応援したくなりますよね。
募集中の職種は下記のとおりです。
・【D2Cコスメ事業(新規事業)】クリエイティブディレクター(ブランディング責任者)
・【研究職】オープンポジション
その他の注目の農業ベンチャー
動画で農業の知見の継承・シェアを目指すアグリスマイル
農業向けの情報通信技術(ICT)を手掛けるAGRI SMILE(アグリスマイル)は、全国の篤農家の技術を1分間動画の視聴サービス「AGRIs」を提供する企業です。JAや法人向けにも、動画で農業技術を継承するサービス「AGRIs for Team」を提供しています。
農業の後継者不足はかなり大きな問題ですよね。これまで培ってきた知見が次の代に受け継がれないことは、業界的にも大きな損失になってしまうのではないかな、と思います。それを動画でナレッジシェアしていくというのは、時代にも合っていて面白いですよね。
動画視聴の他にも、農薬の種類と使い方が検索できたり、不明点や悩みを質問できる機能も付いており、データベースとしての拡大も期待できますね。
農業フランチャイズモデルを提供するseak
seakは、農業フランチャイズモデルを作っている企業です。AgriTechからは若干脱線するかもしれませんが、他業界で成功しているビジネスモデルを横展開する面白いビジネスだと思うので紹介させてください。
「LEAP」というのが、seakが提供している仕組みです。農地の開拓、施設の構築、栽培技術の提供、販路の確保、そして資金の斡旋の5つのステップを、新しく農業を始めるひとに垂直統合でパッケージ提供する仕組みです。
「農業をやってみたいけど、どうしていいか分からない」という人が農業を始められるようになれば、後継者不足の解消にも繋がりますよね。
コンビニのフランチャイズの場合は、コンビニが出店件数を増やしたいタイミングとも重なり、順調に伸びました(最近は純減というニュースもありましたが…)。農業のフランチャイズも、後継者を本当に増やさなきゃ、という動きが加速したときに、一気に伸びるかもしれないですね。応援しています!
最後に
農業の領域は高齢化が進んでいてIT化のハードルが高いことや、収益性の高い事業の前例がないので、なかなか起業家も手をつけづらいのかな、と思います。その中で、チャレンジしている企業にはぜひ成功してほしいですし、応援していきたいなと思っています。
農業系のベンチャーへの転職を考えている方いらっしゃいましたら、キャリア相談に乗れますので、ぜひご相談くださいませ。
キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。