こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。
最近、AI関連のスタートアップ・ベンチャーの資金調達や上場が目立ちますね。AIには様々な技術がありますが、技術を用いて、クライアント企業のAI導入推進と自社サービスの展開を同時進行することもできるのは、AIを活用した事業の魅力の一つですよね。
私も『AI白書2020』(独立行政法人情報処理推進機構 AI白書編集委員会,2020,角川アスキー総合研究所)を読むなどしてみていますが、AI技術の進歩は加速しており、楽しみな未来が広がっていると感じました。AIの現在の活用状況や今後の見込みを知りたい方は、ぜひお手にとってみてください。
書籍の内容なので、あまり詳しくは書けませんが、マクドナルドのドライブスルーにAI導入した実例もあれば、AI人材育成に関する指針も書かれているなど、読み応えがある一冊になっています。
また、最近私のまわりでも、日本ディープラーニング協会が実施しているG検定を受けた人が多く、それだけAIが着目されていることを感じます。
G検定はジェネラリスト検定とも呼ばれており、「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して事業応用する能力を持つ人材」を育成・認定するための試験です。そのため、実装するための専門的なエンジニアリングについて問われるというよりは、AIのビジネス活用など基礎的なことを問われます。
実装するエンジニア向けには、「ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を持つ人材」の育成・認定を目的とする、E資格が用意されています。ぜひチャレンジしてみてください。
さて、前置きが長くなりましたが、今回はAI関連のスタートアップ・ベンチャー企業をまとめてみました。
まだまだ抜け漏れあるかと思いますので、「AIスタートアップやっています!」「このAIベンチャー注目しています!」という方がいらっしゃれば、コメント・ご連絡いただけますと幸いです!
目次
- 注目の国内のAIスタートアップ・ベンチャー
- AIQ(アイキュー)
- bespoke(ビースポーク)
- Aidemy(アイデミー)
- Neural Pocket(ニューラルポケット)
- Preferred Networks(プリファード・ネットワークス)
- Alpaca Japan(アルパカ)
- WealthNavi(ウェルスナビ)
- PKSHA Technology(パークシャ・テクノロジー)
- LeapMind(リープマインド)
- ABEJA(アベジャ)
- Cogent Labs(コージェントラボ)
- AI inside(エーアイインサイド)
- QuantumCore(クアンタムコア)
- rei frontier(レイ・フロンティア)
- RIDGE-I(リッジアイ)
- Stockmark(ストックマーク)
- EXAWIZARDS(エクサウィザーズ)
- mobilus(モビルス)
- GHELIA(ギリア)
- AISing(エイシング)
- alt(オルツ)
- OPEN8(オープンエイト)
- cinnamon AI(シナモン)
- empath(エンパス)
- Aillis(アイリス)
- ROBIT(ロビット)
- 海外で成長する注目のスタートアップ・ベンチャー
- AIベンチャーの時価総額、バリュエーションにはかげりがでている
- AIベンチャーの新卒、インターン採用は?
- AIスタートアップ・ベンチャー転職を目指す方に
注目の国内のAIスタートアップ・ベンチャー
AIQ(アイキュー)
AIQは、独自のプロファイリングAI「LiveReal(リブリール)」を特許技術として保有し、Instagram版SEO分析ツール「AISIGHT(アイサイト)」を開発、運営している企業です。2020年3月には、シリーズBで約11億円の調達を実施しています。
プロファイリングAIとは、人工知能を活用し、消費者インサイトを可視化、ユーザー像を明らかにすることです。インタビュー調査ではバイアスがかかってしまい明らかにならない、SNS投稿を調査するには工数が大きすぎる、といった悩みがありました。
AIQの技術を使うことで、ユーザーがより自分に合った情報を得て、企業がより正確なターゲットにアプローチすることができるようになります。
AIQ代表 高松睦さんが提案する、個人と企業の新しい関わり方とは
bespoke(ビースポーク)
bespokeはAIチャットボットサービス「Bebot」「Bebot CrisisConnect」を提供する企業です。
Bebotは成田空港や地方自治体、宿泊・観光施設などに導入されており、観光客向けにAIチャットボットを用いたサポートをAIチャットボットを用いたサポートをするサービスです。「Bebot CrisisConnect」は、災害などの緊急時コミュニケーションにおいて、地域住民および観光客とのコミュニケーションをリアルタイムで実現するサービスです。
特に現在は日本でのコロナウイルスが流行している中で、旅行者や外国人居住者をサポートしています。どのような症状に注意すべきか、予防策はどのようなものがあるか、などの感染拡大を防ぐための情報、各種の統計情報を提供しています。
綱川明美(Bespoke代表)さんが語るプラスαの感動を提供する仕事論
Aidemy(アイデミー)
Aidemyは、「Aidemy Business」「modeloy」「Aidemy Premium Plan」「Aidemy」など、AIを経済に実装・定着させるためのサービスを提供する企業です。
Aidemy Businessでは、企業がAIプロジェクトを内製化する支援をします。AIを使った事業や事業改善に取り組みたい企業は多いですが、AI人材が不足していることからなかなか導入が進みづらい企業もあります。そこで、AI人材を育成することから、組織の構築、運用までを併走して行うことで、内製化を実現します。
modeloyは、データサイエンティストがAI/MLを運用するためのプラットフォームです。ブラウザ上でAI/MLモデル保守・運用が簡単にできます。
Aidemy, Aidemy Premium Planはそれぞれ、AIを学ぶためのサービスです。Aidemyで無料で簡単に学ぶことができ、さらに深く学びたい場合はPremium Planで学びを深めることができます。
個人的には、代表の石川さんのイニシャルがA.I.であるというお話が好きです。AIづくめの会社ですね。
アイデミー代表の石川 聡彦さんがAIのビジネス活用の現在地と展望を徹底解説!
Neural Pocket(ニューラルポケット)
ニューラルポケットは、AIによるファッショントレンド解析サービス「AI MD」を開発・提供、AIソリューションを提供する企業です。2020年7月にマザーズ上場承認が降りました。おめでとうございます!
「AI MD」では、2,500万枚の画像データを使って、ファッショントレンドを分析し、商品投入や在庫・廃棄の縮減を支援しています。
他にも、独自のAIライブラリを組み合わせることで、都市ごと、シーンごとに合わせたスマートシティの推進、広告連動型のAIサイネージなどを提供しています。
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Preferred Networks(プリファード・ネットワークス)
Preferred Networksは深層学習やロボティクスなどの最先端技術の様々な分野への応用・実用化をすすめる企業です。コンピュータビジョン、自然言語処理、音声認識、ロボティクス、コンパイラ、分散処理、専用ハードウェア、バイオインフォマティクス、ケモインフォマティクスといった幅広い分野で研究開発を行っています。
トヨタやファナック、日立製作所といった、日本を代表する技術系の大企業からも大型の資金調達をしています。
代表の西川さんは、「天才があこがれる天才」とも称されており、非常に敏腕で注目の経営者です。グーグルやAppleのような名だたる世界的企業からも人材が集まっています。
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Alpaca Japan(アルパカ)
AlpacaはFintech領域を中心としてAIを活用したサービスを提供する企業です。社員数は50名と少数精鋭ながら、三菱東京UFJや松井証券、カブドットコム証券のような金融機関とも協業しています。
中長期のマーケット予測をするAI「AlpacaRadar」は主に、ヘッジファンドや市場リスクコントローラーに向けたサービスです。2000種類以上の説明変数から必要なものを自動抽出し、予測をするそうです。中長期のマーケットを対象とするAlpaca Radarに対して、「AlpacaForecast」はFXマーケットを中心とした、短期為替予測AIです。
他にも、ミンカブ・ジ・インフォノイドと共同で「Alpaca x Minkabu」というASPソリューションを提供います。ミンカブの保有する金融データ・ビッグデータとAlpacaの技術を組み合わせて、金融機関・投資家向けの投資に関する情報ソリューションを展開しています。
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WealthNaviは、長期・積立・分散」をサポートするロボアドバイザー「WealthNavi」を運営する企業です。「世界水準の資産運用とリスク管理をすべての人に」というミッションを掲げ、事業を展開しています。
金融、特に投資に関するノウハウは一部の資産家、投資家に集まりがちです。しかし、WealthNaviでは世界水準の資産運用、金融アルゴリズムを取り入れ、誰でも高い水準での資産運用ができるようになっています。WealthNaviは運用実績も公開しており、2016年1月から2020年6月までのリターン実績では、ドル建てで17.5%~22.9%、円建てで12.5%~17.6%という数字を残しています。
PKSHA Technology(パークシャ・テクノロジー)
PKSHA Technology(パークシャテクノロジー)は、「未来のソフトウエアを形にする」をミッションに掲げ、主に機械学習や深層学習、画像認識、自然言語処理技術などのアルゴリズムソリューションを展開する企業です。
多くの ソフトウエアは、一行ずつエンジニア自身の手で記述されてきましたが、深層学習技術によってソフトウェアがデータによって記述されることができるようになりました。PKSHAでは、長期的には現在のソフトウエアの多くは、帰納的推論能力をもつアルゴリズムと知能化されたもの (Algorithm Embedded) に置き換えられていくと考えているそうです。
LeapMind(リープマインド)
独自の極小量子化技術を活用した超低消費電力推論AIアクセラレータIPを開発する企業です。また、機械学習を用いたソリューションを多くの企業に提供してきました。
重くなりがちな処理・モデルを軽量化し、容量と計算量を削減する極小量子化技術や、映像中の物体の動きを知るオプティカルフロー推定、関節や主要点から姿勢を推定する姿勢推定、画像分類、異常検知、物体追跡などの技術を駆使して、個々のニーズに応じたソリューションの提供をしています。
ABEJA(アベジャ)
ABEJAは、200社を超える導入実績のある、ディープラーニングソリューションwの提供する企業です。また、深層学習の運用基盤として「ABEJA Platform」を提供しています。これにより、豊富な知見・ノウハウをもとに、運用・再学習まで見据えたビジネスへのAI実装を実現しています。
最近では、No codeによるプログラミングが話題になっていますが、ABEJA Platformはプログラミングなしで、ブラウザ上で自社のビジネスに合わせてAIモデルを作成し、運用することができます。なんとAIを導入・継続することで、50%以上の運用コストを削減した事例も出ているそうです。
Cogent Labs(コージェントラボ)
Cogent Labsは、人工知能の研究開発、それらを用いたソリューションの提供をする企業です。具体的なサービスとしては、「Tegaki」「Kaidoku」「Time-series Forecasting」などを提供しています。
Tegakiは、手書き文字の認識率が99.22%の精度となった研究を元に、手書き文書のデータ入力効率化を実現するAI OCRソリューションです。
Kaidokuこれまでのデータベースでは分類したり、分析することができなかった非構造化データを扱える文書検索のためのシステムです。
Time-Series Forecastingは、様々な市場のデータを同時処理することで、これまでの統計手法では検出できなかったパターンを検出することを可能にします。これによって、株式や為替の相場予測をします。
AI inside(エーアイインサイド)
AI insideは「DX suite」というAIソリューションの提供、「AI inside Cube」というエッジコンピュータの開発・提供をしている企業です。
DX suiteの機能としては、「Intelligent OCR」という書類のデジタルデータ化ツール、「Elaastic Sorter」という書類の仕分けツール、「Multi form」というデータ抽出ツールなどがあります。
Intelligent OCRでは、手書き文字から活字やFAX、写真で撮影した書類まで、書類をデシタルデータ化することができます。Elastic Sorterでは、一括アップロードした書類を形式別に自動仕分けすることができます。
Multi Formでは、異なるフォーマットの中から指定した項目を抽出することができます。
これらを組み合わせることで、総合的に書類に関する業務をかなり効率化できそうですね。
QuantumCore(クアンタムコア)
Quantum Coreは、レザバーコンピューティングを活用した、新たな次世代多変量時系列処理(RNN)ソリューションを提供する企業です。
WebAPIで精度・速さともに高いレベルで時系列処理を行うことができます。エッジコンピューティングまでをカバーするなど、幅広さも兼ね備えています。
複雑な時系列処理などの深層学習と同じタスクを、特殊なハードウェア必要なく、約100分の1オーダーの少ない学習データ量で、約100倍近く高速に実行することができます。
具体的には、少量の学習データで、9名の音声データから話者を分類するタスクで、チューニング無しで99%を超える精度を実現したそうです。少ない学習データ量で、高速処理できる技術は注目を集めています。
rei frontier(レイ・フロンティア)
レイ・フロンティアは位置情報に関する技術を提供する企業です。位置情報分析のプラットフォーム「SilentLog Analytics」では、位置情報や行動情報を可視し、俯瞰視点から人や物の動きを把握することができます。1日の行動情報や地区ごとのヒートマップ、ある地区にどこから流入があったかなどの情報をデータ化します。
位置情報収集エンジン「SilentLog SDK」はSDKをアプリに組み込むことによって、精緻な位置情報を収集し、利活用できるようになります。「SilentLog Analytics」と合わせて分析することで、さらに付加価値の高いデータとすることができます。
RIDGE-I(リッジアイ)
リッジアイは、画像解析ディープラーニングをはじめとした様々な技術とAIを組み合わせた開発に強みがあります。社会課題にも取り組んでおり、JAXAから受託した土砂崩れ解析ディープラーニングでは、第4回宇宙開発利用大賞、経済産業大臣賞を受賞しています。
他にも、白黒映像を自動でカラー化する技術をNHKアートと共同開発し、ごみの質を認識するディープラーニングを荏原環境プラントと共同開発するなど、幅広い分野にディープラーニングの技術を実装しています。実際に、NHK番組や船橋市で実際に使用されているそうです。
Stockmark(ストックマーク)
ストックマークは、膨大な情報から知るべき情報を抽出して情報収集を効率化するプロダクトを提供しています。
Anewsでは、組織・個人が知るべき情報を収集・シェアすることを可能にしています。チームと個人の関心事に合わせてビジネスニュースから最適な情報をレコメンドすることで、情報感度や共有度合いが高まります。
Astrategyでは、市場と競合の変化やその兆しに気づくことを可能にします。日々、ビジネスのスピードが上がる中で、新たな動きを検知し、競合に勝つための戦略策定をサポートしています。
Asalesでは、なかなか管理することが難しい、トップセールスだけがつかめている顧客ニーズや提案内容をAIで構造化、組織共有するサービスです。営業をAIで改善することができれば、属人性が下がると同時に、トップセールスの方の価値はさらに高まるでしょう。
EXAWIZARDS(エクサウィザーズ)
EXAWIZARDSは、メーカーや小売、金融、飲食、医療、製造、教育、IT通信など、幅広い産業・業種においてソリューション提供を実行してきました。また、企画から実装までを 一貫して対応するワンストップでの深いサービスも特徴となっています。
また、ソリューション提供する際に関わるのは、エンジニア、コンサルタントだけでなく、その領域の専門家も含まれます。実際にその領域に知見のあるEXAWIZARDSの社員に加えて、その領域の第一人者の方にアドバイザーとして関わっていただくこともあるそうです。
mobilus(モビルス)
モビルスはコミュニケーションを支援する企業で、チャットサポートシステム「mobiAgent」やAI電話自動応答システム 「mobiVoice」チャットボット学習プラットフォーム「mobiConsole」などを提供しています。
mobiAgentは、人工知能を活用したコンタクトセンター向けのシステムです。オペレーターが最適なワークシェアをするために活用されています。各種SNSも含めて、多様な顧客チャネルのチャットによる問い合わせに対応しています。よくある質問や手続きは、人を介さず、AIチャットボットで対応できるなら便利ですよね。
mobiVoiceはAI電話自動応答システムです。様々な注文の一次受付やアウトバウンドコールに対応しており、短時間で電話自動応答を公開することができます。コールセンター業務もサービスや業種によっては、離職率が高くなってしまうことがありますが、自動応答できるようになれば安心ですね。
チャットボットを運用してぶつかるのが、チャットボットの改善の難しさです。傾向を分析して改善するとなると、工数削減のために取り入れたのに、改善に大きな工数を持っていかれてしまうことがあります。mobiConsoleはチャットボットの学習プロセスをAI化して組み込んだPDCA学習プラットフォームで、先に挙げたような運用担当者の悩みを解決してくれます。
GHELIA(ギリア)
ギリアは、画像解析や強化学習、自然言語処理、姿勢・視線解析、データ分析などのAI技術を組み合わせてソリューション提供する企業です。
また、ギリアの提供する「Deep Station」は深層学習用に最適化されたハードウェア、ソフトウェアをセットで提供するサービスとなります。なんと、マウス操作だけでAI開発が可能になる「Deep Analyzer」というソフトウェアを搭載しており、簡単にディープラーニングを導入することができます。
AISing(エイシング)
エイシングはエッジAIを提供する企業です。従来のAIはクラウド側で処理することが多かったのですが、エッジAIはエッジデバイス側で処理をするようになっています。クラウド上で処理を行うと、エッジデバイスとの通信の際に、タイムラグが生まれることが問題になっていましたが、エッジAIではラグなくリアルタイムで処理をすることができます。
さらにエイシングは独自の技術で、予測だけでなく学習までを行うエッジAIを開発しています。学習する際も、クラウドサーバーを経由することなく、エッジデバイスで処理を完結して学習することができます。大型のGPUなども必要なく、デバイスに直接埋め込むことができる軽量なものとなっています。
エイシングの事業や採用/求人、代表取締役 出澤 純一さんについてまとめました
alt(オルツ)
オルツはPersonal Artificial Intelligence(P.A.I.)を開発する企業です。P.A.I. とは、自分自身の意思をデジタル化したものを、クラウド上に配置し、デジタル作業をクローンに実行させることを目的としてAIです。
情報量が増え続けている中で、細分化されて数が増加したアプリケーションを操ることは、非常に難しくなっています。そうした中で、デジタル化された自分、P.A.I.がクラウド上で稼働することで、一人ひとりができることを最大化しようとしています。
OPEN8(オープンエイト)
動画コンテンツの制作や配信ノウハウをAI技術と組み合わせて独自開発した、インハウスでのAI動画編集を支援するクラウドサービス「VIDEO BRAIN」を提供する企業です(リンク先は紹介動画になっています)。
これから5Gが広がっていく中で、テキストと静止画よりも、より態度変容に繋がりやすいリッチコンテンツが普及してくると考えられます。オープンエイトは、AI×動画技術を通じて、自社で動画編集を支援するクラウドサービス「VIDEO BRAIN」を提供する企業です(リンク先は紹介動画)。
そのほか、動画制作に関するAPIや機械学習サービスを提供しており、企業が個々のニーズに合った情報を発信する支援をしています。
cinnamon AI(シナモン)
シナモンは「Flax Scanner」「Rossa Voice」「Aurora Clipper」などのプロダクトを提供し、AI技術でクライアントの課題を解決する企業です。
Flax Scannerは、フォーマットが統一されていない書類でも、事前の設定作業なし、かつスキャンするだけで読み取みを自動化できるAI-OCRです。Rossa Voiceは、音声認識のAIソリューションですが、音声認識だけでなく、その他の技術も組み合わせて、音声認識後に発生する業務までをカバーしています。最後に、Aurora Clipperは文章理解・情報処理することで、業務を効率化する自然言語処理のAIエンジンです。
empath(エンパス)
Empathは、音声・感情を解析するAIを提供する企業です。
Empathでは音声の物理的な特徴量の解析を通して、言葉に依らずに喜び・平常・怒り・悲しみの4つの感情、元気度を算出します。膨大な音声データベースを元に、喜怒哀楽や気分の上下を判定することができます。導入する際も、Web上にサンプルコードを埋め込むだけで簡単に始めることができます。Web Empath APIはすでに世界40か国、500社以上で使用されています。
また、バーチャルアシスタントを搭載したコールセンターAI「DARUMA」の開発も行っています。電話対応している顧客とオペレーターの音声からそのときの感情をリアルタイムで解析し、DARUMAがオペレーターに寄り添ってサポートをすることで、従業員満足度を向上させることが見込まれます。
Aillis(アイリス)
Aillisは「人工知能技術を用いた高精度・早期診断対応のインフルエンザ検査法」を開発している企業です。
コロナウィルスの流行で、検査精度などが話題になりましたが、実はインフルエンザの現在の検査法では、発症後24時間以上経過しないと診断精度が十分に上がらないそうです。精度自体も6割ほどと言われており(*)、まだまだ改善の余地があります。
その中で、日本で新たな診断手法が生まれました。インフルエンザ濾胞と呼ばれる、罹患者の喉にできる腫れ物を発見する方法です。この手法であれば、早期診断・高精度で診断できる可能性があります。
しかし、濾胞のでき方は人によって個人差があり、用意に発見できるものではありません。そこで、画像解析・パターン認識技術を用いて、写真を比較し特徴・異常を検出しようとしているのがAillisです。
※Bruning AHL, et, al. Rapid Tests for Influenza, Respiratory Syncytial Virus, and Other Respiratory Viruses: A Systematic Review and Meta-analysis. Clin Infect Dis. 2017 Sep 15;65(6):1026-1032.
ROBIT(ロビット)
ROBITはAI技術を駆使して、BtoB、BtoCの両方でプロダクトを開発・提供する企業です。
BtoBでは、TESRAYという自動で外観検査するプロダクトと、PIQというばら積みピッキングのプロダクトを開発しています。いずれも、独自のハードウェア技術とソフトウェア技術を組み合わせることで、製造業を中心にプロセスの効率化を実現します。
BtoCでは、めざましカーテン「mornin’+」というサービスを提供しています。朝、カーテンを開けて朝日で目覚めると身体に良いとよく言われますが、カーテンを開けるまでが億劫なこともありますよね。そんなときに、スマホで制御してカーテンを開いてくれるのがmornin’+です。
海外で成長する注目のスタートアップ・ベンチャー
Evie
Evieは面接のスケジューリングをしてくれる、AIコーディネートサービスを提供する企業です。担当者と求職者との間のやりとりを処理して、適切な日時で面接をスケジューリングしてくれます。
各種テレビ電話のツールがあり、しのぎを削っていますが、セキュリティ面やCE(Candidate Experience)においてまだまだ便利になりそうなところはありそうですよね。Evieは、面接設定時に各面接のための安全なワンタイムリンクを生成してくれ、面接官と候補者は、送信された招待状から安全かつ簡単にオンライン面接に参加できます。
Authenteq
Authenteqはブロックチェーン技術を活用した本人確認およびKYC(身元証明)サービスを開発・提供する企業です。
本人確認は完全に自動化されており、デスクトップおよびモバイルと、様々なチャネルでシームレスに動作します。モバイルの場合は、強力なApp-in-App SDKを介してKYCプロセスをお客様のアプリに直接統合することも、Authenteqアプリを使用することもできるそうです。セキュリティ、使いやすさ、プライバシーも強固なものとなっています。
Hoomano SAS
ソーシャルロボティクスのソフトウェア開発を行っている企業です。ソーシャルロボティクスは、ソフトバンク・ロボティクスのPepperくんのような対人で機能するロボットのことを指します。HuumanoのソリューションはNaoにも導入されています。
今後、小売業、ホスピタリティ、フレックスオフィス、公共サービスなどで活用することが期待されていますね。また、他のロボットメーカーとのコラボレーションも行っています。
Reality AI
AIとセンサーを組み合わせて、ハードウェアを解析し、異常などを検出するツールを開発する企業です。
エッジデバイスにおける信号処理AIを、リーズナブルなコモディティハードウェアを使ってリアルタイムで実現します。具体的には、歯ブラシや時計といったモノから身体情報を収集し、データから特徴を抽出します。
実際に、ハードウェアに実装する前に、クラウドベースでテスト・検証ができることも人気の理由のようです。
Imagimob
Imagimob AIは、エッジAIアプリケーションを開発するためのソフトウェアツールです。エッジAIは、インテリジェンスとデータ処理機能を備えた小型デバイスを可能にし、お客様やお客様の顧客にリアルタイムで実用的な洞察力を提供します。I
magimob AIはSoftware-tools-as-a-Serviceとして提供しており、Imagimob AIで使用しているAI技術はディープラーニングであり、あらゆるタイプの時系列データをサポートしています。
他にも、モーションセンサーで人間の動作を即時でAI処理する「SensorBeat」を開発しています。
AIベンチャーの時価総額、バリュエーションにはかげりがでている
AIベンチャー、スタートアップはここ数年で一気に増えました。時価総額は1000億を超える会社も。一方で成長し続けている会社は少ない。現状としては大手企業がAIの取り組みをはじめた。それも一巡してAIに投資した結果が求められているフェーズに入っています。未上場のスタートアップにおいても上場ベンチャーでも、求められているのは本当に価値のあるサービス。価値があれば継続取引になりチャーンしない、ストック型になります。コンサル、受託にしても継続して依頼がされる。見かけだけのAIではなく結果が出るAIスタートアップ、ベンチャーが求められる時代にシフトしてきています。
AIブームが一巡。各社成長が鈍化。または下がっているところも。そもそもAIだったのかという会社も。企業側も一通りなんらかのAI、DXはすでに実践。今後はAI、DXの実践の成果、結果が求められる。結果が出なければ解約される。AI、DXブームも淘汰され、真価が問われる時代に突入。
— 高野秀敏/ベンチャー転職/エンジェル投資家/キープレイヤーズ (@keyplayers) October 23, 2021
AIベンチャーの新卒、インターン採用は?
AIベンチャーは即戦力の中途採用が中心です。一方でプログラミングスキルが高い、インサイドセールスですでに他社でインターンをしていてかつ実績も出している、デザインができる、コンテンツマーケティングができるなどスキルのある学生さんは大変重宝されます。AI業界の経験というよりもスタートアップ、ベンチャーでの実務経験がある方、自分ですでにコンテンツマーケティングをしていて、B2Bのリード獲得につながるコンテンツマーケティングの起案から運用ができる方はかなり重宝されます。
AIベンチャーの年収は高いのか?
AIだから特段と高いということは現状ない。シード、アーリーだとまだまだ低いところが多く、ミドル、レイター、上場と段階をふむごとに高くなる傾向にある。AIを掲げているわけではないが、スタートアップ、ベンチャー系でなんと言っても給与が高くて話題になったのはプレイド社。ヤフーファイナンスによると平均年収887万円。また、ベンチャー、スタートアップの年収については別途記事を書いたので、こちらにリンクしておきますね。
参照:【スタートアップの給与は?】社長/役員からメンバー社員まで公開
AIスタートアップ・ベンチャー転職を目指す方に
キープレイヤーズでは営業職・エンジニア職など幅広く転職支援中
これまで、AI関連のスタートアップ・ベンチャーを紹介してきました。AIの開発スキルがあり企業を探している、AI技術を扱っている企業でBizdev、営業をしてみたい、という方もそれぞれいらっしゃるかと思います。
キープレイヤーズでは、AIをはじめとした成長産業への転職を惜しみなく支援しております。職種も営業・コーポレート・エンジニア・デザイナーなど、職種を問わず、キャリア相談を承っておりますので、お気軽にご連絡くださいませ。まずは、現在地を知りたいという方は、無料で年収査定も承っております。
ベンチャー企業の求人をお探しの方は、こちらでまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ベンチャー転職におすすめの転職エージェントはこちらの記事で紹介しています。
大企業からスタートアップ転職する際のポイントや陥りがちな失敗はこちらの記事で紹介しています。
キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。