「私は○○の営業をしているんですが、うちの商品は他社とあまり違いがないんです。特性がないんです。サービスや商品が自社よりも優れている会社に行きたいんです」キャリア面談の時に、営業の方から、もっとも多く出される要望です。

商品が好きになれる会社に行きたい!要約すると「差別化された戦略のある会社に入社したい」というケースです。みなさんの中には、「えっ、何か間違ってるの?」そう思われた人もいるでしょう。一見正しいように感じられるかもしれませんが、こんなふうに考えているのであれば、転職(就職もですが)はたいていうまくいきません。

なぜだと思いますか?

そもそも、研究開発型の会社や技術系の特化した会社でもないかぎり、サービスや商品というものは類似するのは当然のこと。ひとつでも何かヒット商品が出れば、競合他社が二匹目のどじょうを狙うのはビジネス社会の競争原理です。

大学で同期だった技術系の友人にも聞きましたが、特許を取って商品化しても、別の技術で類似した商品をつくることができる場合が多く、技術系の企業といっても本当に差別化を図ることは難しいとのこと。

こういった要望をされる転職希望者の深層心理を探ってみると、前向きに聞こえる志望理由にすりかえている場合があるのです。よくよく話をしてみれば、将来への不安がいちばんの転職理由であることがわかってきます。紹介しても、その後ろ向きな気持ちが面接で伝わってしまうので、結局、採用されないケースが多いのです。

商品が特化していない……商品への愛着がないから営業がうまくいかない……という自分への言い訳・逃げ腰の姿勢を見抜かれるということです。魅力的な商品、サービスを売りたいというのは営業マンの本音です。

ただし、商品やサービスには、良い点もあれば課題もあるもの。隣の芝生は青く見えるかもしれないですが、どの商品、サービスでもそれなりの難点があるものです。

だからこそ、営業マンが必要なんです。現職の会社でやりたいことができないと思っている人。よくよく話を詰めてみると、漠然と何かをやりたいと思っているだけで、ビジネスレベルの実践的な企画に落とし込むところまで考えていない人が、とても多いですね。

現職の会社に実際に企画を提案したり、アクションを起こしたりする努力もしないまま、中途半端な思いから転職を考えるのは、あまりお勧めできません。後ろ向きな志望理由からは良い結果は生まれないものです。

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。

人気のコラム記事