現在の仕事で市場価値を高めることはもちろん大切ですが、どうせなら自分がより高く評価される市場で勝負したいもの。そこでひとつ、みなさんに着目していただきたいポイントがあります。それは、企業にはライフサイクルという寿命があるということです。

ひと昔前は、企業の寿命はおよそ30年といわれていましたが、経済環境の変化により、最近では15年説もささやかれるぐらい、企業の寿命は年々短くなってきています。

そのため、個々の企業に求められる人材も細分化されつつあり、巨大企業、成熟した会社と、成長企業.、若い会社を比較すると、求められている能力は以前よりも格段に差別化されつつあります。

求められる能力が差別化されている以上、「俺はどちらのタイプの組織でも適応する自信がある!」というスーパービジネスマンでもないかぎり、一般的には、人それぞれ得意な企業ステージで仕事をするほうが望ましいといえるでしょう。

逆にいえば、自分の得意なステージで働いていなければ、活躍は難しい。企業のライフサイクルを把握し、自分に適したステージであるかどうかを見極めることこそ、「セカンドキャリア」における重要なポイントとなってくるのです。

具体的に各ステージで求められる人材についてご説明しましょう。

1 導入期(スタート時期)〜成長期会社規模「1〜100人未満」

できたばかりの会社ですから、仕事の進め方に前例がありません。そこで、前例がなくとも、ゼロから何かを生み出すことができる人が求められます。同時に、会社の看板にたよることができないので、特に営業職であれば、自助努力、自分の看板でクライアントの信用を勝ち取ることのできる人でなければならないのです。
組織が10名以上になれば、小さなチームのリーダーをまかされるようになるかもしれませんが、いわゆる管理職ではありません。プレイングマネジャーとして率先して社員を先導し、トッププレイヤーとなり、かつメンバーの不足している点をサポートし、チームを成功に導くことが求められます。

メリット:経営者的な視点で仕事ができる・自分=会社と考えることができる・営業と企画、秘書と広報など、一人で何役かを担当できる可能性が高い

デメリット:会社のブランドがないため新規開拓が困難・専門性がつきにくい

企業の規模が200名以上の組織になると、プレイングマネジャーというよりは、完全にマネジメントに特化した、管理職も必要になります。この時点で、創業以来活躍してきたプレイングマネジャータイプよりも、管理をすることが得意な中途採用者の評価が高くなるケースが多くなるようです。

2 成長期〜競争期会社規模「100〜300人未満」

完全にゼロベースから立ち上げるという発想は必要がなくなってくるため、日々、仕事に対する改善や新たな企画などを、社外のみならず社内に向けて提案できる人が求められるようになります。強いリーダーシップを発揮して部下を引っ張っていくタイプの人だけではなく、上司をフォローできるような参謀タイプの人が活躍しはじめるのが特徴です。


得意な中途採用者の評価が高くなるケースが多くなるようです。営業で数字を出せる人よりも、社内全体を見渡し俯厳しながら、今何が最優先事項であるのかを判断し、かつ実践的行動に移せる人が望ましいというわけです。


メリット:経営者的な視点で仕事ができる・営業と企画、秘書と広報など、一人で何役かを担当できる可能性がある・会社の知名度もあがり、他社からの引き合いも出てくる

デメリット:分業化がはじまる会社のビジョンが曖味になるにつれ、一体感、統制が乱れはじめる

3 競争期〜成熟期会社規模「300〜1000人未満」

この規模になってくると、リーダーの資質として、仕事に対し安定した運用能力を持っていることが求められるようになってきます。そこで、マネージャーとプレイヤーは完全に分離され、スペシャリストとしての実績を持っている人が高い評価を受けると同時に、プレイングマネジャースタイルのマネジメントはほとんど見られなくなります。

こうした組織は、教育部門が正式にできている場合が多く、研修が半年〜1年単位で行われます。個々のキャリアプランが10年ぐらいのロングスパンで想定されており、キャリアアップのスピードを望む人には、もどかしく感じる体制かもしれません。

実際、10年程度は、マネジメントをするチャンスはめぐってこないと考えていたほうが賢明でしょう。

メリット:職種に特化したスペシャリストとして仕事ができる

デメリット:組織が完全に分業化され、ゆえに個人が経営者的な視点を持つことは難しい

4 成熟期〜衰退期会社規模「1000人以上」

ここまでくると、仕事内容や待遇は非常に安定してきますが、その分組織が硬直化しているため、役員クラスとしてではなく、一般社員で入社した場合、活躍できる可能性はきわめて低いと考えぎるを得ないでしょう。

こうした、もはやいったん完成されてしまった組織で、さらなる企業の発展のために求められる人材は、ターンアラウンドマネジャー、それこそカルロス・ゴーンさんのように成功体験を持ち、合理的に組織変革ができる人材に絞られてきます。

つまり、大企業ですでに役員かそれに準ずるポストに就いており、組織全体の変革に成功したようなトップ経営者としての実績を持っていないと、万が一入社しても、活躍するチャンスがめぐってくることは、きわめて可能性が低いと考えられます。

「セカンドキャリア先」としては、あまり望ましくないといえるでしょう。

メリット:会社の看板・ブランドがあり、紅織力が強い

デメリット:会社の看板がないと仕事ができなくなる可能性あり

さて、みなさんは自分にとっての適正規模・適性ステージはどのエリアだと感じましたか?そして今現在、どのステージで、仕事をしていますか?

みなさんの「市場価値」はステージによって大きく異なります。自分がより活躍できる場を求めて、市場の開拓にぜひ、チヤレンジしてみてください。

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。

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