営業であれば営業、企画であれば企画、エンジエアであればエンジエアといったように、同じ職種で、同業界の競合他社に転職をするパターンを同業界、同職種転職と呼びます。

外資金融業界のように、業界上位から下位に転職しにくいケースもありますが、一般的には業界順位を問わず、実績次第で比較的容易に転職することは可能です。

競合他社に転職をすれば、通常、年収が下がることはまずありません。下がる場合は、ポジションがあがります。公開前の会社ならストックオプションが付与されるなど、何かしらのメリットがあるケースもあります。

企業から見て、競合他社にいる人材であれば即戦力になるわけですから、喉から手が出るほど欲しいケースが多いものです。転職先の会社で活かせるスキルがもうすでにあるわけですから、これは大きなメリットです。

「年収は下がることはない……えっ?年収アップを目指しているので現状維持ならあまり魅力を感じないなぁ……」

ちょっと待ってください。それは少し、せっかちすぎるのではありませんか?

「どうしてもこの人が欲しい」と望まれている場合であれば、個人からの言い値で契約されることも可能ですが、通常は転職先の給与テーブルに見合った年収を提示されるのが常。いきなり年収アップというわけにはいきません。転職する際、年収が下がらないだけでも、まずは好条件なのだと認識してください。

年収アップを実現するのは、転職後の成果次第です。今の会社と比較して、年収アップの早期達成が見込める会社を選択することこそ、「セカンドキャリア」のポイントなのですから。

私の前職企業、インテリジェンス(現パーソルキャリア )においても、リクルート社に転職した人もいれば、リクルート社から転職をしてきた人もたくさんいました。人材紹介の業界は、今、まさに伸び盛り。中でもリクルート社は、先駆者的存在として、成熟期に移行しつつある会社です。一方のインテリジエンスは、成長期を経て競争期に移行しつつあります。

共通点としては、ともに活気があり、自由度が高く、若い人材に活躍の場がある。相違点は、組織の規模やブランドカ、平均年齢です。

リクルート社では30代後半〜40代の年齢層も活躍していますが、当時のインテリジェンスでは社員の平均年齢がさらに若いため、その年代のゾーンはまだ欠落しています。リクルート社にはより大きな組織ピラミッドがあり、インテリジェンスには、もっと小さな組織……年代層の低いピラミッド構成があるのです。

ここで、転職した場合の年収アップのスピードについて整理してみましょう。

インテリジエンス→リクルート社

リクルート社→インテリジェンス

どちらに軍配があがると思いますか?

年収アップを想定した「セカンドキャリア」のポイントとして理解していただきたいのは、ライフサイクルの図式にあてはめた場合、ワンステージ前のステージに移行したほうが、より年収アップの可能性が大きくなるということです。

成長・競争期の企業から成熟期の企業に移るより、成熟期の企業からワンステージ前の競争期、あるいはツーステージ前の成長期の企業に移ったほうが、結果を出したときに評価されるスピードが速いのです。

ゆえに、リクルート社から転職してきた人が、インテリジェンスの中で実績をあげれば、前職よりも年収アップのスピードは速くなったわけで、実際にそういった人が数多くいました。

同業界、同職種転職においては、この点を押さえた企業選びをすれば、年収アップの可能性は大いに広がるはずです。

 

 

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。

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