日本の転職者数

日本では毎年、何人ぐらいの人が転職しているのか、ご存じですか?総務省の「労働力調査」によると、2017年の転職者は、311万人転職者となっております。

転職者の定義は「就業者のうち前職のある人で、過去1年間に離職を経験した人」です。つまり、前の会社を辞めて「l年以内に転職した人」の数ですから、転職活動中の人や転職活動を検討している人を含めると、潜在的な転職志望者の数はその倍以上の550~700万人に達するとも言われています。

詳しくは、こちらの「労働力調査(詳細集計)平成29年(2017年)平均(速報)」をご覧ください。

転職で年収が上がるとは限らない?

また、転職自体が珍しくなくなってきた一方で、誤解もあります。それは、転職すると「年収やポジションが上がる」と考えることです。日本の場合、欧米とは違い、転職がストレートに年収アップや地位向上につながるケースはほとんどありません。基本的には現状維持、中には年収ダウンで転職する方も少なくないのが現実です。

では、年収が下がっても、転職する理由は何でしょうか?
IT系メガベンチャーで取締役を務めていたAさんは、2000万円の年収を捨て、新興のベンチャー企業に転職されました。ストックオプションつきの条件で、移籍先での年収は800万円です。収入面だけ見れば、3分の1に減ってしまったことになります。

しかし、会社の事業内容と将来性に魅力を感じたAさんは、提示された条件をのみ、決断されました。社長も年下でしたが、ビジネスパートナーとして経営を一緒に切り盛りしていくに足る人物だと見込んでのことです。その企業は、順調に業績を伸ばし、近い将来、株式上場が視野に入る段階にまで成長しています。株式の時価総額が300億円だとすれば、1%のストックオプションで3億円の収入を獲得することになるでしょう。

Aさんは、今では会社のナンバー2として確固たる地位を築いています。目先の年収より仕事のスケールややりがいを重視したのです。結果的に年収も大幅にアップすることになり、経験やスキルが思う存分、発揮できる成功パターンになりました。

 

年収ダウンの転職のチャンスとリスクは紙一重

ベンチャーへの転職はリスクが大きいと考える方もいるでしょう。しかし、企業にはライフサイクルという寿命があります。現在、大企業と言われるホンダ、パナソニックなどの企業も、最初はベンチャー企業でしたし、楽天やソフトバンク、Yahoo!なども急速に成長した企業です。ひと昔前は、企業の寿命は約30年と言われていました。経済環境の変化により、年々短くなっていますが、次のように推移していくことには変わりません。

①導入期(会社規模:従業員1~100人未満)

②成長期(会社規模:従業員100~300人未満)

③競争期(会社規模:従業員100~300人未満)

④成熟期(会社規模:従業員300~1000人未満)

⑤衰退期(会社規模:従業員1000人以上)


Aさんは、業績が飛躍的に伸びる「導入期」にある会社に転職しました。目先の年収にこだわらす、自分の資質と合致し、将来性のある会社を選ぶことで、成功したのです。
まずは会社がどのステージにあるのか見極めましょう。この会社には将来性があると感じたら、希望年収より低くても前向きに入社を検討してもいいでしょう。

逆に年収にこだわるあまり、失敗するケースもあります。
たとえば、転職支援金として200万円が支給され、今までより高い年収を提示してきた企業に魅かれたBさんは、事業内容にも興味があったため、転職を決めました。

しかし、入社してみると自分の能力が発揮できる仕事があまりなく、業績も急速に傾いてしまったのです。
また、ノルマが厳しく、早く結果を出すことが求められ、達成できない場合は、居づらくなったり、解雇になるケースもあります。

年収に関しては長い目で見ることが大切です。

 

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、30社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。

 

 

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