辞めたい理由だけの人は採用したくない

転職を考える人は、多かれ少なかれ、今の会社でやりたいことがやれていません。そして、社内であと一歩、評価されていないと感じていることでしょう。
もし、勤めている会社で十分評価されていれば、転職しようとは思わないからです。

役職や給与面でもそうですし、たとえば、会社の上層部から自分が可愛がられていないとか、同期に比べてあまり声がかからないとか感じているでしょう。
そういう感触は、人間同士だからなんとなくわかりますし、主流にいない疎外感は、年を重ねるごとに強くなってくるものです。

だから、今の職場に見切りをつけて、新しい職場に行きたいと思いはじめるわけです。ただ、それは個人としての「転職理由」であって、「志望動機」ではありません。では、この2つにはどのような違いがあるでしょう。

Mさんは、直属の上司とウマがあわず、転職を考え始めました。実際、いきなり残業を言いつけられたり、必要とは思えない書類の作成をさせられたり、あまり評判のよくない上司でした。一度、納得できずに、反論したところ、それ以来、Mさんに対する風当たりが強くなりました。

しかも、その上司は将来の社長と言われる取締役に目をかけられていて、社内では主流派です。このままでは査定もいいとは思えず、昇進も昇給も期待できないと感じたMさんは、転職活動をスタートしました。

ところが、最初の面接でことごとく落ちてしまいます。志望動機を尋ねられ、今の上司の理不尽さを訴えてしまったからです。最終面接にも進めず、すっかり意気消沈したLさんは、すっかりやる気を失ってしまい、会社でもミスを連発。別のセクションへ左遷させられてしまいました。

一方、Nさんは業界2位の会社から、業界3位の企業へ転職しました。前の会社も居心地はよかったのですが、圏内中心の事業展開で保守的な体質でした。このままではジリ貧だと危機感を覚えたNさんが、最初は小規模でも海外へ進出すべきだと提案しても受け入れられず、上司が握りつぶしてしまいます。次第に限界を感じるようになったNさんは、歴史も浅く積極的な営業方針をとっているその会社のほうが自分にあっているのではないかと考えたからです。

同じ業界ですから、業界事情にも精通していますし、会社の方針の違いもよく理解しています。その中で、自分のやりたいことをアピールしたNさんは、企業側にとって魅力的な人材でした。収入面では若干ダウンしましたが、新規事業部のスタッフとして、今までより権限のあるポジションにつき、やりがいを感じています。

採用側は、会祉を辞めたい理由を聞きたいのではなく、「なぜウチの会社に来たいのか」を知りたいわけですから、面接を受ける前にしっかり整理しておく必要があります。
志望動機をきちんと説明するには、次の3つをしっかり伝えなければなりません。

志望動機の3つのポイント


●業界の魅力

●企業の持っている魅力

●仕事内容の魅力

もし、同じ業界にいるのであれば、競合他社から見たその会社の魅力や価値観の良さを伝えれば説得力がありますし、別の業界なら、その業界ならではのおもしろさや将来性、自分自身が興味を持った仕事について言及すればいいでしょう。

いずれも企業側が「なるほど」と思える視点で、「御社を志望する理由」を説明する必要があります。
ところが、だいたい、どれか1つしか言わない人が多いのです。転職理由と志望動機がごちゃまぜになっていることもよくあります。そこをきちんと区別してアピールしないと、今の会社が嫌だから辞めるという感じにしか受け止められません。

「志望動機」がなく、「辞めたい理由」だけがある人は面接ではいい印象を与えません。
やはりどの企業も不満だらけの人より、活躍している人がほしいのですから、少なくとも今あげた3つの魅力を、自分なりにまとめ、説明できるようにしておきましょう。

 

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