スペースマーケット 代表取締役 重松大輔さんが語る大企業からベンチャー/スタートアップ転職のリアル

本記事、「大企業からベンチャー/スタートアップに転職する際、90%の人が陥る7つの勘違い」にはたくさんの方から反響を頂戴しました。
 
 
特に印象的だったのが、株式会社スペースマーケット 代表取締役 重松 大輔さんから頂戴したコメントです。
 
株式会社スペースマーケット 代表取締役 重松 大輔 
 
2000年NTT東日本入社。主に法人営業企画、プロモーション(PR誌編集長)等を担当。 2006年、当時10数名の株式会社フォトクリエイトに参画。 一貫して新規事業、広報、採用に従事。国内外企業とのアライアンス実績多数。 ゼロから立ち上げたウェディング事業は現在、全国で年間約3万組の結婚披露宴で 導入されるサービスまでに育つ。2013年7月東証マザーズ上場を経験。2014年1月、全国の貸しスペースをマッチングする株式会社スペースマーケットを創業。
 
重松さんも大企業のNTT東日本からベンチャー・スタートアップに挑戦されてた1人です。
 
株式会社スペースマーケット 代表取締役 重松 大輔さんから頂戴したコメント

私も2006年に従業員ウン万人の大企業から社員10数人のスタートアップにjoinした経験があり、下記ほぼ全部当てはまってました。転職して割とすぐに順応したのですが、当初は完全に痛い大企業出身者だったかも。

当時はまだSNSもmixi、greeくらいで今みたいにスタートアップで働く実際などの情報も自分が取りに行こうとしても少なく、世の中も「ライブドアショック」でスタートアップにとってはアゲインストな空気。大企業との「オープンイノベーション」とも程遠い時代。

あれからかなり世の中は変わり、スタートアップが市民権を得て、有名大学や大企業からの優秀人材も巷に溢れてくるようになったのは凄い事だな、と。私自身は完全にゼロイチ立ち上げのスタートアップ向きだったわけですが、みんながみんな向いているわけでは無いと思います。

ビジネスモデルがある程度見えて30人-100人のステージが得意な方や、IPO後ある程度世間の評価が固まった100人-300人のステージが向いている方も。スタートアップ、ベンチャーといってもステージや、成長市場にいるかどうかで全然違うので、大企業出身者の方でスタートアップに興味をお持ちの方はなるべく早い段階から社会人インターンで働いてみたり、協業してみたり、同世代の経営者とぶっちゃけ話してみたりして、疑似体験をしてみるといいと思います! 個人的にどんどん優秀人材は飛び込んで来ていただきたいです!

 

これからもベンチャー・スタートアップのリアルをたくさんの方に発信し、働くみなさんが最も輝ける場でご活躍されるよう応援したいと思っております。私自身、人は適材適所、自分が最も輝ける場所で輝くことの大切さを痛感しており、それを少しでもサポート出来ますと幸いです。

それでは、もう一度、「大企業からベンチャー/スタートアップに転職する際、90%の人が陥る7つの勘違い」を確認してみたいと思います。

 

勘違い①:企業ブランドを、自分ブランドと勘違い

大企業においていかなる実績があったとしても、スタートアップ、ベンチャー企業に転職した場合は、一旦その実績はリセットされると考えておいた方が良いですね。取引先企業はブランド企業にいるあなたと付き合っているのであって、会社を辞めたら付き合えないことが実際に多いです。辞めた場合に「頑張ってください」「応援しています」と言われることが多いのですが、基本的には社交辞令です。何か具体的にしてくれる人は驚くべきほど少ないのが実情です。

一方で辞めても本当に取引してくれる取引先等もいるはずです。それで自分の価値が判断できると思います。

自分ブランドで勝負する実力主義の世界を楽しみましょう。

 

勘違い②:経営幹部、仕事の内容を勘違い

大企業であれば、経営幹部には秘書がおり、アシスタントがおり、部下がいるので、自分で手を動かすことは少ないでしょう。一方でベンチャー/スタートアップ企業では経営幹部も頭を使うばかりではなく、率先垂範で行動する必要があります。会社のなかで、最も率先して実務も行なっているというのが実情です。

もちろん転職後、周囲の信頼が得られれば、細々としたことはメンバーがやってくれますが、転職直後からその立場にあり、マネジメントなので、手足は動かさないよという姿勢ではメンバーはついてこないでしょう。

動かない&使えないおじさん・おばさんが大企業からやってきた、と揶揄されないように、細かいことから率先垂範で動きましょう。

 

勘違い③:仕事の守備範囲を勘違い

30人くらいの規模までは特にそうなのですが、営業、人事、経理、エンジニアなど特定のポジションで入ったとしても、一人二役、三役くらいこなさなければいけないことも多いものです。野球に例えれば先発もするし、中継ぎも、そしてしかも抑えもする必要があります。大谷のようにピッチャーもバッターもやるまで極端なことはないですが、隣接する仕事領域はカバーする必要があります。そのような状況が楽しめる方、結果を出すためにコミットし、仕事を選ばないタイプの方が向いています。

ベンチャーといっても100人を超えればかなり機能が分かれてきます。自分は専門特化していきたいのか、まだ色々やった方が良いのかについては、30人くらいまでと100人規模、そしてそれ以上で変わってきます。あれこれやるのは嫌だなという方はスタートアップすぎる会社には向いていないと思われます。

 

勘違い④:交際費・経費の桁を勘違い

大企業の時には、使える交際費や経費が潤沢にあります。これがスタートアップやベンチャー企業に転職した場合は、かなり小さくなります。社内外において本当の意味においてコスト意識が求められます。

飲んでばかりで経費を使うだけの、使えない大企業出身者と思われないように気をつけましょう。

 

勘違い⑤:会社で一緒に働く仲間への期待値を勘違い

前職がいわゆる就職偏差値が高い投資銀行、戦略コンサルような会社で働いていた場合、経営者以外の仲間について、前職のようなレベルでの仕事の進め方、考え方や意識の方は少ない会社が圧倒的に多いのが実情です。

前職では言ったことを納期前に何も言わずにやなかったという人は存在しないような、ある種レベルの高い会社にいた方からすると、「忘れてました」や、勝手に優先順位をつけて「やりませんでした」という方もいます。

今まで学生時代含め会ったことがない、または友達にはいないタイプの方もいます。そういった様々な方を含んでいることが大半です。

 

勘違い⑥:大企業のプレミアム年収を自分の実力と勘違い

大企業からベンチャーへの転職の場合、ステイもありますが、即戦力でない場合に下がることが多いです。人によっては半分ですとか3分の1ということもあります。それでもなおやりたいことがある。将来は事業をやりたい。経営者になりたいなど、何らかの意志がある方が飛び込んできます。この年収に対する感覚がズレていると内定が出ませんし、そもそも転職してからとても苦労してしまうと思います。

 

勘違い⑦:ストックオプションについて勘違い

絶対ではないのですが、現状ですと入社時にストックオプションが○○パーセントと決まり、提示する会社はとても少ないです。

幹部転職の場合は、口頭ではこのくらいといったやり取りはあります。

特にCFOの方の場合は、転職するその方がストックオプションについて設計することになります。

起業家がシリアルアントレプレナーの場合は、かなり詳しいケースもありますが、多くの会社の社長は、そもそもストックオプションの仕組み自体も詳しいわけでは実はありません。証券会社や株主の方などと相談して決めていることが多いです。

私自身もよく相談されます。明確な相場があればそれを参考にしたいところなのですが、断言できるほどはないとも言えます。

一つ参考になるものをあげるなら、上場する際に、新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部)をチェックしましょう。後ろから数えて数ページ目のところに株主の状況や新株予約権について記載があります。類似の会社を調べてみると、実情を推測できます。

参考:新規上場会社情報http://www.jpx.co.jp/listing/stocks/new/)

私自身、過去入社した月日と調達のタイミング(シリーズA、Bなど)も含めて、様々調べてみたのですが、明確な法則があるとは言いがたい状況です。

ただし、参考にはなるといったところでしょうか。またストックオプションや株に限らず、Iの部は面白いですし、役に立ちますので、上場企業ごとに読んでみることを強くオススメしたいと思います。

スタートアップ、ベンチャーの面接を受ける方で、経理財務、CFOの方は読んでいるのですが、それ以外の職種の方は存在すら知らないという方も多いです。読み進めてみるとこの会社の事業内容や強み、どういう取引先などかなどあげるときりがないくらいわかることがあります。

 

会計士の「大企業からベンチャー・スタートアップ転職のリアル」

これは、結婚してお子さんがいらっしゃる監査法人で働く会計士のAさん(34歳)のお話です。ベンチャー・スタートアップへの転職を検討されていました。

転職活動を始めるにあたり譲れないことがありました。「家庭があるため、年収ダウンは避けたい。」「嫁ブロックでそもそも大企業を辞めることを大反対される。」みなさんが格闘するお悩みであると思います。しかし、人生で挑戦出来るラストチャンスと、家族を説得し年収1000万円から企業とも交渉を重ね年収800万円でベンチャー ・スタートアップに転職されています。

大企業では、部下の教育やマネジメントまで経験し、評価も高く、何もかもが順調でした。意気揚々と転職されたAさんはまさかの、仕事の壁にぶち当たります。

転職後は会計士ということで社長からは管理系はなんでもできる期待されていました。しかし、実際は監査法人でやってきて事業会社にくれば行かせることは一部です。ゼロから調べたり、考えて仕事を進めるしかありませんでした。現実的に会社の財務内容を踏まえれば800万でも相当頑張って出したという状況に自分でも気がつきました。

今度は自分が面接し、オファーを出す側となった時、気がつくことが多々ありました。

従業員の給与を計算してれば、いくらハイクラスで経験が豊富な方といえども、大企業の前職のような高いオファーは出せないこと。良くてもステイ、高い人は自分と同じようにダウンして入社してもらう必要があることなど様々です。自分自身がダウンして覚悟を決めて転職しているからこそ口説けるところもありました。

改めて、当時の自分は経営目線もなくあくまでも従業員・雇われ目線だったことに気が付いたタイミングでした。給与もできればステイできないのかななど考えていた自分に恥ずかしくなったそうです。

今やAさんの会社は上場直前期で会社の業績や組織面に課題はあるものの概ね順調と言えます。本当に転職して良かったと言えるかどうかはこれからですが、ご自身も転職を経て、苦労こそ多いが、この歳でも日々学びや気づきが多く、仕事が心から楽しいと言えるとお話しされています。妻からも前よりいい表情になったねと言われているそうです。

 

大企業からベンチャー/スタートアップに転職する際、90%の人が陥る7つの勘違いをまとめさせて頂きました。皆さんの想像以上に、大企業とベンチャー/スタートアップは環境が異なるのではないでしょうか?気になることがありましたら、いつでもご連絡ください。ベンチャー/スタートアップのリアルをお話しさせて頂きます!

 

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、30社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。

 

 

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