バーチャルYouTuber(Vtuber)の企業まとめ

求人紹介

2018年、バーチャルYouTuber(通称Vtuber)が大ブレイクしましたが、その勢いがなかなか止まりませんね。Vtuber関連の求人もかなり増えています。

先日ですが、2019年5月13日には、こんな珍事件(?)が起こりました。

上記のようなツイートがVtuber自身から発信されたのですが、結果、資本金を300万円以上上回る金額の支援が集まったようです(笑)。

それほどまでにVtuber市場が成長してきたことを象徴する出来事でした。

この記事ではVtuber領域について、「そもそもバーチャルYouTuber(VTuber)ってなに?という疑問を解消し、Vtuberを事業にしている企業をまとめてみたいと思います。

Vtuberとは?(Vtuber:バーチャルYouTuber)

改めてになりますが、Vtuberは「バーチャルYouTuber」の略語です。いわゆるアバター(化身)を2D3D上で作り出し、そのアバターを使って動画配信活動を行っている人のことを指します。Vtuberという言葉自体は、YouTuberから派生して生まれたものですが、今はYouTube以外のプラットフォームをメインに情報・動画発信している場合もあります。

ブームを発端は「キズナアイ」ですね。2016年末から活動しているVtuberです。
「バーチャルYouTuber」という言葉を使ったのもこのキズナアイが最初のようですね。

Vtuberを人間やアニメキャラクターと比較すると面白いです。

例えば、アニメキャラクターと比較すると、バーチャル世界で交流できることが人気が高まっている理由の一つだと思います。アニメのキャラクターは交流しようと思っても、アプローチできないですし、リアルな世界に着ぐるみとして出てきたりしても喋れませんからね。双方向性があるのは、ファンを作る上でも利点があると言えると思います。

また、Vtuberはアニメキャラクターよりも柔軟性が高く、企業側のニーズに応えやすいというメリットがあります。アニメキャラクターの場合は、アニメのイメージがつきものなので、プロモーションしたい商品とイメージが違うとなかなか起用できません。ただ、Vtuberの場合は、リアルでのロケに挑戦するなど柔軟性の高さが伺えます。そのため、アバターでありながら、人間のタレントのような特性を持てるのが特徴ですね。

例えば、キズナアイはLAWSONとコラボして「店員になりきってみた」という企画をやっていました。別のところでは、「訪日促進アンバサダー」として日本のよいところを紹介するなど、プロモーションしたい内容に柔軟に応えられるため、企業に限らず自治体からも起用されていたりするわけです。

あとは、人間と比較すると、Vtuberだとスキャンダルが起きるリスクがないので、人間よりも起用しやすかったりするのかもしれないですね(笑)。人間だとなにが起きるか予測できませんから、マーケティングしたい企業・自治体からするとリスクが小さい方を選びたいわけです。

大手企業が公式Vtuberをデビューさせるケースも出てきました。例えば、サントリーの「燦鳥ノム(さんとりのむ)」、ロート製薬の「根羽清ココロ(ねばせいこころ)」などが挙げられます。茨城県も「茨ひより(いばらひより)」がPR担当として起用されていますね。

上記のような点から、ユーザー・クライアント両方の期待に応えられる要素があるのが、このVtuber領域です。

 

Vtuber関連の事業を営む企業での仕事

Vtuber関連の事業を営む会社には大きく5つの職種があります。

制作・ディレクター
Vtuberが活躍するために、TVに出ているタレントと似た仕事があります。
一つは、タレントディレクターと呼ばれる、タレントの方向性を決める(マーケティング戦略を決める)役割です。TVタレントも個々人のキャラを意識すると思いますが、その方向性をまず決める必要があります。

その上で、芸能人のマネージャーをイメージしてもらえるといいと思いますが、アシスタントプロデューサーがいます。タレントディレクターが決めた戦略を実行するために、すり合わせやスケジュールの調整などを行います。Vtuberも向こう側には人がいますから、人と同じように調整が必要になるということです。

一度見てもらった人にファンになってもらう必要があるため、さらに好きになってもらうための商品(グッズ)・コンテンツ開発の仕事があります。

 

エンジニア
Vtuberプロデュースに関連する開発の場合、クライアントサイドをUnity, C#で開発する場合がほとんどです。ユーザーのアクションによってタレントの反応が変わるなどの、ゲームロジックを組み立てるのは、Unityエンジニアの仕事になりますね。
サーバーサイドについては、各社バラバラですが、RubyやGOを使って開発している企業が多いですね。

 

クリエイター
サービス全体のUI/UXを描くUI/UXデザイナーやグラフィックデザイナーは例に漏れず必要になります。加えて、この領域では3Dモデリングが必要になるため、3DCGクリエイターの存在が不可欠になります。

配信をすることになったらAVスイッチング、音声、PAを担当する人も必要になります。TVでいう音声さんなどですね。この人をスタジオオペレーターと呼びます。リアルタイム配信でない場合は、映像を編集した上で配信することになりますので、映像制作の仕事もあります。

 

セールス
Vtuber事業におけるセールスとは、Vtuberを使ってもらえるよう、企業に働きかけることになります。そのため、なぜVtuberが必要なのか、Vtuberで何が改善できるのか、顧客に対してマーケティングに関するコンサルティング営業をするのがセールスの仕事です。

 

コーポレート
コーポレートの仕事は、多くの企業と変わりありません。ただ、Vtuber市場は成熟しきっていないこともあり、特に法律面などは整備されきっていないところがあるため、法務の募集が特に多い気がします。他のスタートアップ同様、財務責任者候補なども積極的に採用している企業が多いですので、ご興味ある方はお気軽にご連絡ください。

 

Vtuber事業を営む企業まとめ

Activ8

キズナアイが参加しているVtuberプラットフォーム「upd8」を運営している企業です。キズナアイの紹介ページに世界初のバーチャルYouTuber(自称)とありますが、おそらく世界で最初にVtuberを事業化した会社と言えると思います。「Activ8」と検索すると上場が出てくるほど注目されている企業ですが、現在、全方位的に採用を強化しています。

 

いちから

「にじさんじ」というバーチャルYouTuberが多数参加するプロジェクトを運営している会社です。人気Vtuberでいうと、月ノ美兎、樋口楓、静凛というVtuberが参加しているそうです(なお、YouTubeに限らないため、ライバーという表現をされています)。いちからさんも伸びているので、絶賛採用強化中です。

 

ZIZAI

バーチャルYouTuber事務所「ENTUM」、「IRIAM」といライブ配信サービスの運営会社です。「ミライアカリ」という人気YouTuberが参加しているプロジェクトがあります。最近では珍しく調達をほぼせずに、足元で収益を大きくあげて事業を増やしている、堅実な会社です。以前、取材をさせていただきましたが、社長の塚本さんがビジネス界の明石家さんまさんかと思うくらい明るいです(笑)。社名もかわり刷新された印象です。ここ最近のスタートアップの中でもかなりエッジが立っています。

 

COVER

ライブ配信サービス「ホロライブ」を提供している企業です。「ときのそら」という人気Vtuberが参加しています。中国の動画共有サイト「bilibili」を運営する上海寛娯数碼科技有限公司と契約し、中国での活動を進めているのが注目を集めています。

 

Vtuber事業運営各社、採用強化しています

求人一覧をみていただければわかるのですが、事業がものすごい勢いで伸びているので各社採用拡大中です。Vtuber知ってはいたけど、働くイメージがつかない、というような方はぜひ一度話を聞いてみてください。まさに市場を作っているフェーズですので、なんでも揃っているという環境でないはずですが、自分が行動したことが業界の当たり前になっていく、というような手触り感が感じられるタイミングなのではないかと思います。ご興味ある方はぜひご相談ください。

執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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