こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。
今回は株式会社リミックスポイントのCEO小田玄紀さんとCMO金田誠直さんにお話を伺いました。
株式会社リミックスポイントでは、エネルギー関連事業・中古車関連事業・金融関連事業・レジリエンスソリューション事業など様々な事業を展開している、大注目のベンチャー企業です。
事業内容や今後の展望をお伺いしました。
目次
リミックスポイントの概要とCEO小田さんのキャリア
高野:今回は大変注目のベンチャー企業、株式会社リミックスポイントCEOの小田玄紀さんとCMOの金田誠直さんをお迎えしております。どうぞよろしくお願い致します!
まずはCEOの小田さんから、自己紹介と会社紹介をお願いします。
小田:よろしくお願いします!
まず私自身の紹介ですが、20年前に1社目にマーケティングの会社を立ち上げたのが経営者としてのキャリアの始まりです。学生マッチングの会社を始めまして、その事業を2003年に売却して、その売却資金を元手にベンチャー投資を始めました。
高野さんもずっとベンチャー投資家として活動されているかと思いますが、私自身も2003年くらいからベンチャー投資というものをやっていました。
この2003年は、現在でいうスタートアップ系投資やベンチャーキャピタルが全くと言っていいほどなかった時代でして、ベンチャー投資は会社の決算資料三期分を持ってこないと、そもそも投資検討のテーブルにすら上がらないという時代だったんです。
自分自身が会社をやっている中で、それはやっぱりおかしいと思い、これから起業する方に投資し事業支援するということを始めまして、結果的にそれは上手くいきました。
今の仕事を始めるきっかけになったのが、2011年の東日本大震災が起こった年だったのですが、震災によってリミックスポイントの前経営者の経営が苦しくなって、会社の再生・再建に出資しようということになりました。その一環として、リミックスポイントに社外役員として参画したというのが経緯です。
参考までに、色々な取り組みに対して評価をいただきまして、2018年に紺綬褒章をいただいたり、2019年に世界経済フォーラムでヤンググローバルリーダーズという形で任命いただいております。
また、IPOした当初が2012年だったのですが、その段階で時価総額4億円で、2018年に時価総額1000億円と上場している会社で250倍というのは、自分自身でも結構頑張ったなと思っているんですが、そういった実績もあげさせていただきました。
そして事業内容ですが、今大きく4つの事業がありまして、エネルギー関連事業・中古車関連事業・金融関連事業、この金融関連事業でBITPOINTという仮想通貨交換業を行っているのですが、同時にレジリエンス対策という事業も行っています。
一見、何の共通項もないと思われますが、共通点があります。それは”社会が変化するタイミングで生じる問題点を企業として解決していこう!”という点です。
エネルギー事業に関しても、電気事業法の改正で今まで電力会社からしか電気を買えなかったんですが、それを我々の様な会社から電気を買えるようになったりとか、金融関連事業に関しても、まさにBITPOINTでビットコインが買えるようになるとか、そういった点を踏まえて事業を作っています。
簡単に、それがうちの会社の特徴かなと思っております。
高野:面白いですね!小田さんは早くから起業し、投資家としてもイノベーター的な方で、事業再生をしつつ上場会社の経営をやられているということなので、ベンチャー経営の幕の内弁当くらい、なんでも揃っているなと感じています。
企業再建・再生については社長が本も書いていらっしゃるので、興味がある方は是非ご覧ください!
リミックスポイントCMO金田さんのキャリア
続いて、CMOの金田さんの自己紹介をお願いします!
金田:私は小田のような華々しい経歴はなく、通常の四大を卒業した後、サラリーマンとしてずっとやってきました。
もともとは、コピーライター志望で広告業界に入ったと言うのが学生時代から卒業してのファーストキャリアです。
そのあと、ニューヨークに本社があるヤング・アンド・ルビカムという外資系の広告会社と電通が作ったジョイント・ベンチャー「電通ヤング・アンド・ルビカム」というブランディングの広告会社で約20年働いていました。
そこでブランディングやマーケティングということを、クライアントに提供する仕事の中で学んできたというのがキャリアの一番の中心になっています。
そこでは外資の銀行のシティバンクの口座開設であったりとか、紳士服のメーカー・口臭系・虫歯や歯磨きに関する日本のメーカー・外資のフルーツメーカーなど、多種多様な業務を経験させていただきました。
その中でやっぱり広告会社の限界みたいなものがあったので、事業会社として一般の方に提供する物の価値をどう投げかけるか?ということを試してみたくて、一旦、広告会社を辞めて、事業会社に転職したというのがマーケティングの担当者・責任者のキャリアのスタートです。
一番最初に転職した先が、イモトのWi-FiというWi-Fiレンタルをしている会社でエクスコムグローバルという会社でした。
そこではWi-Fiのレンタル事業のマーケティングの責任者をしていたんですが、新型コロナの流行と重なり、海外旅行がゼロになったことによって売上が95%下がるという危機的状況となりました。
そこでエクスコムグローバルの西村社長が、PCR検査を一般に対して唾液で始めることができるので、そのサービスをスタートしようということになりました。
私はマーケティング責任者だったのでオペレーションの企画、実際にPCR検査をどういう風に実施するかというところや、コミュニケーションだけではなくてマーケティングの基礎のキ、+αとして最初のリソースを含めて仕組みを作るところから、約1か月半で個人向けの郵送でのPCR検査の仕組みを立ち上げ、コミュニケーションの準備もしたというのが一番最近での大きなトピックスになっています。
これが約1年半で100億円以上のビジネスとなりました。
こちらがひと段落した時に、小田さん達からお話をいただきました。
内容としては、当時私は機能としてあまり認識してなかったのですが、感染予防だけではなく、感染予防も含む日本全体を強靭化するという意味での、レジリエンスの事業で力を入れていきたいというお話があり、そんな中でサポートできないかということで、リミックスポイントさんにジョインしたのが今年の5月です。
“すごい水” のBtoCマーケティングの裏側
現在はレジリエンス事業部の一環として、感染予防の1つのMATという画期的な仕組みがあるんですが、大阪大学が解明したMATを採用した雑貨品にあたる除菌消臭スプレーだとか、今までになかったタイプのマウスウォッシュのマーケティング活動の準備をしております。
この8月からBtoC向けのコミュニケーションとして開始しているというのが、直近のトピックスになっています。
一般公衆向けのコミュニケーションをするということが、大きなミッションとしてありまして、8月からなのでまだひと月経ってないのですが、ある程度コンシューマーに向けての発信ができるんじゃないかなとは考えているところが現状です。
高野:Youtubeとかにも出ている、あのかわいいやつですよね。
金田:そうです。
小田:これは私もびっくりしていて。芸能人の温水洋一さんを起用しているのですが。キャラクター選定からすべて、金田さん凄いなと思いました。
高野:みんなが聞いたことがある、なじみの曲ですよね!マーケティング的にやっぱり大事なんでしょうか?
今、IT系の企業もこういった動画ですとか、テレビとか、タクシーとか、様々な広告を活用したマーケティング・ミックスみたいな時代で、やっぱり動画ってすごいな、と私は思っています。
この辺りは広告を出すとどういう効果があるかとか、どうやってタレントさんを選定しているのかとか、どういう風に考えているのでしょうか?
金田:色々な考え方もあると思いますが、先程お話ししたように、リミックスポイントとしてはBtoCのコミュニケーションはほぼ行ったことのない会社です。
まず、リミックスポイントという会社の認知度が低いことも一つですし、今回、この商品として”すごい水”っていう強烈なインパクトではありながら、商品の特徴が一切浸透していない。
新しい仕組みを使っているという意味で言うと、誰も知らないものをどういう風に扱うかということが課題の根本的なことかな、と考えまして、そういう場合でいうとマーケティングはものすごくシンプルな答えです。
”知ってもらうこと”をどうするかということを最初に小田さんとブラッシュアップしました。
どんなにいい物を作ってもBtoCであれば、知ってもらわないことには選択が出来ないということと、「誰に知ってもらうか」を方程式の一番最初に設定するというのが、基本じゃないかと私は考えています。
それは広告会社の時もそうですし、PCR検査の事業の時もそうなのですが、知ってもらわないと選択されず、どうやって知ってもらうかということを徹底的に考えるというのが、まず最初かなと。
そのときにありがちな、好感度が高い人を起用するというのは、一見、社内で言えば通りやすいのですが消費者に向けてはあまり正しくない答えなんじゃないかな、という風には考えています。
ただ結果として、好感度が高い人を選ぶことはあるかもしれません。
でも好感度ありきで、誰もが知っているタレントさんでスタートしようとすると、作っている人間にとっては納得出来るにしても、見た人には何のインパクトも残さなかったりとか。
どこの企業が作っても、同じに見えちゃう事だけは避けないといけないかなと思ってます。
今回のCMって音はありませんでしたが、あの絵を見ただけでも一度見た動画は忘れないだろうし、温水さんが変な水のCMやっていたっていう印象だけでも残れば、それは動画を流すことでの大正解だと思っているんです。
高野:そうですよね。認知が取れますよね。
金田:温水さんを起用したCMで認知が取れれば、まず最初の課題はクリアかなと。
その上で検索するキーワードのすごい水、何とかの水、が残ってくれれば、ほぼほぼ100%、この動画としての役割はOKだなと思っています。
その辺は小田さんにもご理解いただけたので、すごく挑戦的なことができました。
普通、初めてこの動画をアップすると、手堅いものになってしまうので言いたいことを言っただけで、何も残らない気持ちのいい感じの動画になっちゃうんですけど、この動画は変だっていう動画ができたことは大正解だと思います。
リミックスポイントが革新的なマーケティングをできる理由
高野:マーケティング、CMO的なパターンのお仕事をされる時って基本的には、ユーザー、コンシューマーの方向けのプロモーションだと思いますが、会社にいる以上は社長がいて、社長の決裁をとらないといけないという点もありますよね。
どちらも顧客というと、あまりいい表現ではないかもしれませんが、その辺りの塩梅がきっと大事になるんですよね?
金田:そうですね。本当にこれは外にいても中にいても、どっちから見てもよくわかることですけど、一番最初の対象は、コンシューマーじゃなくて社内の人間だっていうのは強いです。
その点、リミックスポイントはいい会社で、直接社長と話をしながら、こんな感じですって、ストレートで1回くらいのやり取りで済みますけど普通の会社はそれがない。
それがCMOだとしても、役員会だったりで社外取締役の役員会の他の方など何人かへのプレゼンを経た上で、しかも、代表のプレゼンをして、3人か4人の意見を取り込んだものという段々無難なものになってきて、やっとOKがもらえるみたいなことが多いです。
そういう意味で言うと、リミックスポイントの魅力の一つである、良し悪しが一発で判断していただける所がここに繋がってきてると思います。
小田:そこは仰る通りで、現場や事業側からこれやりたい、あれやりたいって言われても、現場から言われてダメだってあまり言わないんですよ、私自身も。
基本的にはそれぞれの事業に、ある程度の裁量権を持ってやってもらっているというものはあると思うので、金田さんもそういう意味では今年の5月に入っていただいて、そこから、5.6.7月で3か月間ですね。
全部袋詰めしたっていうのはうちの特徴だと思います。
金田:そうですね。そういう意味で言うとすごくスピード感があります。
高野:ありがとうございます。会社の様子も見てとれる部分かなと思います。
金田:もちろん面白ければ何でも良いということじゃなくて、自信のある商品をちゃんと伝えるためにどうするかっていう事はずれていなくて。
その中でスピードとか裁量を持って検討していただけるので、そこは強みなんじゃないかなと思います。
リミックスポイントの今後の展望
高野:ここからは小田さんの方に、先ほど、会社のご説明をいただいておりますけども、そういったことも踏まえて、今後どういう会社にされていきたいのかをお伺いできますでしょうか?
小田:BtoCにも展開していこうと思っています。これまでは、BtoBの営業部隊がいて、営業部隊が営業していくというのが多かったんです。
“すごい水”に関しては当然BtoCなんですが、そういった会社の文化としてBtoCが弱かったです。今回、金田さんもジョインしていただいたということもありますので、会社としてはBtoCに向けたマーケティング体制を強化していきたいと思っております。
場合によって、採用も金田さんと一緒にマーケティングをやっていくっていう点を打ち出して採用したいと思っています
金田:その補足をさせていただくと、ここでは直接ではなくて、私がジョインする前から事業として電力の小売りみたいなところで、ちょうどJリーグのマリノスとスポンサー契約をした所でした。
BtoCの先駆けとして弊社はより皆さんに、露出を増やすということを行っている真っ最中という所があります。
よりコンシューマー向けのマーケティングに力を入れていくフェーズが、まさに今スタートの時期だったなということは現場として思います。
高野:なるほど!ありがとうございます!
以前お話しさせていただいた中で、いろんな事業が組み合わさって露出を増やしているところが会社の1つの良さだという、そういうお話もありましたね。
サッカーチームのスポンサーって、なかなかできる会社ってベンチャーだと限定的だと。仮想通貨、暗号資産市場というのも、これはこれで、取引所をお持ちなので激アツな業界ですよね。
小田:そうですね、いい意味でも悪い意味でも、話題性が大きい業界だと思っているんですけど、やっぱり可能性としては、まだまだこの業界は大きいとは思っていますし、NFTのマーケットとかも含めてこれから大きくなっていくマーケットなのかなとは考えています。
高野:エイダコインも、取り扱いされてる。ニュース性としては、常にニュースがありますよね。
小田:いろんなニュースがあるので、いい意味でだといいんですけどね。
あとこれは、意外かもしれませんけど、うちって結構ちゃんとディフェンスもしっかりやってはいてですね、そういった意味では、今回のNFTを活用したCMに関しても、薬機法や景品表示法などかなりしっかり対応しています。
仮想通貨、ビットコインの方もうちが東証二部に上場したといっても、多分、一定の経営管理体制がちゃんと評価されたんじゃないかなと思っていますし、そういう観点で言うと、一応ちゃんとオフェンスとディフェンス、両方。
むしろ、これまでディフェンス側が強かったんじゃないかなという感じはしています。ディフェンス側が強いがゆえに、私が勝手にオフェンスという感じの役割分担してはいたんですけど、意外と私もディフェンス側の人間なので。
金田:世の中的には小田がオフェンス側ととられていて、いろんな形で取り上げられることが多いんですけど、会社としては手堅いというか、きっちりとして、守っているところは守ったうえでの攻めなので、攻めが目立っている状態だったかもしれませんけどね。
リミックスポイントの求める人材
高野:そんな状況を踏まえて、これから、どんな方に来てほしいかという所をお伺い出来ますでしょうか?
小田:大きく2つあるのかと思っています。
1つ目が、これから色んなチャレンジをしていくに当たり、ある程度ディフェンスのトップである人が必要だと思っているんです。そういった観点で言うと、CFOもしくは管理部長みたいな方です。
ちゃんと自分でお金は集めて何とかするから、事業の方は自由にやってくれとか、そういった事を言ってくださるようなCFO、管理部長的な方。そういう方が入ることによって、もっと会社のステージが上がっていくんじゃないかなと思っています。
2つ目が、やっぱりこれからもうちはいろんな可能性があると思っているので、自分で会社をやってみたいけれども、なかなか自分で起業するのは事業価値はない、一方でこんな事業をやってみたい、みたいな、そういう方がいらっしゃったら、一緒にやっていきたいなと思っています。
高野:あとはリミックスポイントさんっぽい人とか、うちはこういう人は合わないな、みたいなところで言うと何かありますか?
金田:一般的ですけど待っているというか、自分から動かないというか、指示待ちっぽい人間はあまり合わないような気がします。
真面目だけど、何かしたいとか、することが好きだとか、行動が根っこにある人は合うかもしれないです。言われるがままやっていれば安心して、指示通り動くことで安心するタイプはちょっと合わないかと思う気がしますね。
高野:リミックスポイントさんは事業自体もワンプロダクトというよりは、色々なチャンスを伺って、世の中に求められている事業を立ち上げていく、というタイプの会社さんだと思うので、個人的にはとてもエキサイティングな環境があるかなと思っています。
そういった形で事業を立ち上げているからこそ、攻めの人材はもちろん必要ですし、ちゃんとCFO的な部分も含め、守りの人材といいますか、やはり攻めるための事業を色々やっていくっていうためには、ちゃんと脇を締めてやっていかなければいけないと言うことで、攻めも守りも、力のある方に来ていただきたいというのが、リミックスポイントさんの皆さんが期待していることなのかなと感じています。
本日はありがとうございました!
取材あとがき
今回は温水さんによる面白いCMの裏話から、事業の展望まで様々なお話しを伺うことができました。
小田さんは国から褒賞まで得ているという、投資家イノベーター兼経営者と言うことで、謎キャラと言いますか、企業全体で見ても話せば話す程、沢山の要素と魅力がある企業だと感じました。
リミックスポイントさんはかなり採用強化していますので、興味のある方はHPから採用情報から問い合わせ、もしくは私までご相談くださいませ!