27歳は、大卒なら4年以上の社会人経験を経てある程度実績がついてくる頃、高校・専門学校・短大卒なら社会人として6〜8年が経つので既に役職についている人もいるかもしれません。
ある程度の社会人経験を経て自分なりの仕事の仕方や考え方を持つようになり、今後のキャリアを見つめ直す機会も増えるタイミングです。結果、新しいことにへの挑戦や、将来のキャリアアップを目指すなどの理由から転職を検討する方も多い時期だと思います。
この記事では、27歳の転職事情や転職経験談、成功のポイントを解説します。求められる経験やスキル、アピールのコツも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
27歳で転職する人はどれくらいいる?
残念ながら、27歳で転職する人数をピンポイントで表した信用できるデータベースはありませんでした。
25歳〜34歳で転職する人の人数は総務省の労働力調査で判明しており、2019年に86万人ほどで、転職者比率は7.8%です。
15歳〜24歳の転職は年々増えていますが、25〜34歳の転職者数はほぼ横ばいの状況です。
27歳の転職事情〜転職しやすい?転職しづらい?〜
27歳は、高卒なら社会人10年目、短大、専門卒なら7,8年目、大卒なら社会人5年目の方が多いと思います。
27歳になると、大卒でもある程度の社会人経験を過ごしていることになるので、早すぎる転職であるとマイナスイメージをもたれてしまうこともほぼないでしょう。これまでの実績をもとに知識やスキルをアピールすることも可能です。
高卒、短大・専門卒の方は、実務経験が長くなるので、前職での評価や実績が重要になります。
とはいえ、27歳は、社会人全体では若手として扱われます。20代前半の頃と比べるとキャリアチェンジの難易度は上がりますが、まだまだ新しいことに挑戦できる年齢です。これから異業種へ挑戦したいと考えている人も、諦めずに行動してみましょう。
一方で前職の実績を重視されるのは事実なので、異業種への転職であっても、これまで自分が培ってきた経験やスキルの活かし方に焦点を当てて考えてみると良いでしょう。
27歳転職の成功事例
27歳女性の転職成功事例です。
新卒ではIT系の企業に就職。法人営業として契約を取りに行くところから、顧客のアフターフォロー、計上業務までを幅広くこなしていた。
営業も楽しかったが、25,6歳をこえた頃から専門的なスキルを身につけたいと感じるようになり、仕事上関わることの多かったSEの仕事に興味を持つようになる。社内で営業職からSEへ転身した例はほとんどなかったため、プログラミングスクールへ半年通いながら基本スキルを習得。
転職市場では未経験からSEへの転身はハードルがあるものの、営業で培ってきたIT知識とコミュニケーションスキルが評価され、現在は社内SEとして活躍している。
27歳転職の失敗事例
一方で、27歳で転職して失敗してしまったと感じている人もいます。
とくにやりたいことが見つからない場合は無理に転職を決める必要はありません。ただ、転職サービスに登録することで自分の市場価値を知ることができるメリットもあるので、情報収集目的で利用してみるのもよいでしょう。
27歳転職のメリット
27歳で転職するメリットを紹介します。
若手として扱われながらも実績を見てもらえる
1つ目のメリットは「若手として扱われながらも実績を見てもらえる」ことです。
20代前半ではポテンシャル採用がほとんどですが、27歳のタイミングなら若手として将来の可能性に目を向けてもらえる一方で、経験値も評価してもらうことが可能です。
30代をこえてくると未経験職種に転職するのはかなり難しくなるため、ポテンシャルが評価してもらえる27歳のタイミングはキャリアチェンジを図るには最後のチャンスであるともいえます。
ビジネスパーソンとして評価される
2つ目のメリットは「ビジネスパーソンとして評価される」ことです。
20代前半では、実績よりも人間性や意欲など、ポテンシャルに目を向けて採用する企業がほとんどですが、社会人経験が4年を超えてくると、その人ならではの価値観や仕事の仕方がはっきり現れるようになるので、即戦力のあるビジネスパーソンとして評価されやすくなります。
実績をアピールする必要があるので、今の会社で培ってきたスキルや知識を一度洗い出してみるとよいでしょう。
思い切ったキャリアチェンジを考えるなら今が最後
27歳であればポテンシャル採用の可能性があるので、「異業種にも挑戦できる」ことがメリットですが、思い切ったキャリアチェンジを考えるなら今が最後であると考えた方がよいでしょう。
30歳までに新しい業界である程度の実績や経験値を積もうと考えると、27歳のタイミングでの転職が最後のチャンスです。
27歳転職のデメリット
27歳で転職するデメリットを紹介します。
今の会社での実績がないと転職が難しい場合も
1つ目のデメリットは「今の会社での実績がないと転職が難しい場合もある」ことです。
特に営業など、数値で結果が判断される業種の場合は前職での実績が重視されます。今の会社で思うようにパフォーマンスが出せていないと感じる人は、もう少し頑張ってみるのもよいでしょう。今の会社を続けてみて、実績が出たタイミングで転職するのもひとつです。
年収が上がるとは限らない
2つ目のデメリットは「年収が上がるとは限らない」ことです。
27歳のタイミングでは、勤続年数に応じて新卒の頃よりも給与が上がっている場合も多いでしょう。転職先が同様の待遇で受け入れてくれる場合は良いですが、すべての企業がそうとも限りません。特に異業種へ転職を考えている場合は、まず給料はダウンすると考えた方がよいでしょう。
一方で、例えば営業の職種は変えずに異業界へ転職する場合など、これまでの実績が評価されて年収がアップする可能性もあります。
自分にとって何を重視するのかをよく考え、悔いのない転職活動を行いましょう。
27歳で転職すべきケース
27歳で転職すべきケースを紹介します。
プロフェッショナルを目指して転職したい場合
1つ目は、「プロフェッショナルを目指して転職したい」場合です。
27歳になって、スキルや経験が全く身についていないと感じた場合、転職することで解決できる可能性があります。行動にうつすのは早ければ早いほどよいでしょう。
とはいえ、27歳のタイミングでは、初めて転職活動を行う方も多いでしょう。スキルや経験がないと感じている中でどのように転職活動を行って良いかわからないかもしれません。
そんなときは転職サイトやスカウトサービスに登録して、自分の市場価値を知ることからはじめてみると良いでしょう。
27歳前後の若手人材を採用したい企業は想像以上に多いです。転職するのに遅すぎるということはないので、まずは情報収集からはじめてみてはいかがでしょうか。
理想のキャリアアップが現職では難しい場合
2つ目は、「理想のキャリアアップが現職では難しい」場合です。
社会人経験を重ねるにつれて、仕事に対する考え方や価値観に変化がでるのはごく自然なことです。新卒入社から数年が経つと、思い描いていたキャリアとは違う方向に進みたいと考えることも珍しくありません。
会社によっては、社内異動や公募制度が用意されているケースもあるので、まずは自分のキャリアアップが現職で叶えられないか相談してみると良いでしょう。一方で、制度はあるものの空きがなかったり、配属部署の人手不足などの理由からすぐには対応してもらえないこともあります。
あまりにも先が見えないと感じた場合、自ら転職に行動を移す方が早いでしょう。
自分ではどうしようもない環境面で悩みがある場合
3つ目は、「自分ではどうしようもない環境面で悩みがある」場合です。
パワハラやセクハラなど、自分ひとりでは対応しきれない問題で悩みを抱えている場合は周りの人に相談しましょう。
相談先が見つからない場合は、厚生労働省の運営する「あかるい職場応援団」を利用すると良いでしょう。職場に関する悩み・相談を受け付けてくれています。
同時に、転職活動を進めるとよいでしょう。
27歳での転職で問われる能力・スキル
27歳の転職で問われる能力・スキルについて紹介します。
ある程度の即戦力
27歳では、まだポテンシャル採用をしてもらえる年齢ですが、一方で社会人経験のあるビジネスパーソンとしても扱われます。
20代前半の頃は周りの先輩からの教育も手厚いですが、27歳であれば、周りの人も基本的なビジネススキルは身に付いているものとして接してきます。もちろん仕事内容のレクチャーはしてもらえますが、ある程度自発的に業務を進める力が必要になります。
わからないときは適切な自分から確認を取りに行ったり、自分で対応しきれないと感じた業務は早いタイミングで他の人に任せたりするなど、成果を出すことを重要視して、日頃から適切な行動を心がけておきましょう。
- 分からないことは自分から確認する
- ホウレンソウができる(報告・連絡・相談)
- 適切なタイミングで他の人に業務を依頼できる
新しい仕事を適切に吸収すること
27歳は「若手」に分類されます。新しい仕事を素直に吸収する姿勢は評価されるでしょう。
一方で、ある程度の臨機応変さも必要になります。何か問題が出たときは勝手がわかっている人に相談できるなど、自分ひとりで何もかも解決する必要はありませんが、適切な1次対応能力が求められる年齢です。
後輩とも十分なコミュニケーションがとれる
27歳になると、先輩や上司との関わりだけでなく、後輩へのコミュニケーションを取る機会も多くなります。自分の仕事だけに目を向けている人と、後輩まで面倒をみることができる人では、印象に大きく差が出ます。
特に将来役職のつくようなキャリアを目指している場合は、後輩とのコミュニケーションは必須です。
入社からある程度の年月が経つと、後輩が入ってきている人も多いでしょう。自分が身につけた能力や経験は惜しまずに後の代へ伝えるように日頃から心がけてみましょう。
自分自身の指導力が身につくだけでなく、実際に転職した際は引き継ぎがスムーズになるメリットもあります。
転職の際に役立つ資格についてよく質問されますが、資格で転職が有利になることは少ないです。基本的には実績が重視されるので、資格だけで転職できるとは思わない方が良いでしょう。
ただ、「その資格がなければできない業務がある資格」は、そもそも転職の条件として定められていることも多いです。
【転職条件とされる資格の例】
- 税理士
- 宅地建物取引士
27歳転職に成功できる人の共通点
26歳転職に成功できる人の共通点を紹介します。
自分について誠実に話すことができる
1つ目は、「自分について誠実に話すことができる」ことです。
転職の際は、実績や経歴を誇張して話してしまう人も多いです。しかし、面接官は多くの人材を見てきているので、ほとんどの場合バレてしまうことになります。
経歴を伝える際は以下のポイントに注意してみましょう。
- 携わっていた事業・サービス
- 自分の立場
- 具体的な業務
- 自分の追っていた目標
- 実際に出た成果
キャリアの棚卸しができている
2つ目は「キャリアの棚卸しができている」ことです。
27歳はそれなりの業務経験があると判断されるため、これまでに培ってきた知識やスキルを時系列にまとめてスムーズに伝えられるようにしておきましょう。
また、自分が関わってきた業務内容は最低限説明できるようにしましょう。
転職先の企業にとって自分がどう役に立つのか説明できる
3つ目は、「転職先の企業にとって自分がどう役に立つのか説明できる」ことです。
新卒の頃はやりたいことや熱意で評価が通るケースもありますが、27歳になると相手の立場に立って物事を考えるスキルが重要視されます。転職先の企業にとって、自分を採用することでどのようなメリットがあるのかを的確に伝えられるようにしましょう。
やりたいことや熱意ももちろん大切ですが、自分本位の考え方になりすぎないように注意しましょう。
27歳転職に失敗する人の共通点
一方で、26歳転職に失敗する人には以下のような共通点があります。
後先考えずに退職してしまう
1つ目は「後先考えずに退職してしまう」ことです。
人間関係や業務量のストレスなど理由は様々かと思いますが、辞めたいという気持ちが先に出て、今後のことを深く考えないまま退職届を出してしまう人もいます。
そのような転職でも上手くいくケースがないわけではありませんが、できれば現職につきながら転職活動した方がよいでしょう。
また、離職期間が長引くと、職務履歴書にブランクに対する理由も説明しなければならなくなります。レファレンスチェックのある企業を受ける場合は、退職時に揉め事を起こしていることが転職先にわかってしまうこともあります。
収入面から必要以上のプレッシャーを感じてしまうデメリットもあるので、よほどの事情がない限りは現職で働きながら転職活動するとよいでしょう。
他人や環境のせいにしてしまう
2つ目は「他人や環境のせいにしてしまう」ことです。
自分の行動を顧みずに他人や環境のせいにばかりしてしまうと、自ずとネガティブな発言が出てしまいます。面接官に良い印象を与えることはできませんし、これからの転職先に対しても同様の不満を繰り返してしまう可能性があります。
前職の環境を伝える場合も、自分のとった行動や改善努力と併せて伝えるようにしましょう。「現状を打破するために、自分は最善をつくせたのか」という視点で振り返ってみるのもポイントです。これは転職時の面接でも深堀りされるケースの多い質問です。
自己評価が高すぎるケース
3つ目は、「自己評価が高すぎるケース」です。
自分の評価が適切にできていない場合、本来の実力に対して高すぎる条件や待遇を求めてしまうことになり、転職先が思うように見つからない可能性があります。
とはいえ、自分を客観的にみるのはとてもむずかしいことです。どのように進めて良いかわからない場合は、人材のプロである転職エージェントに相談してみると良いでしょう。
客観的な第三者の意見を聞いて、より詳細な自己分析を行ってみましょう。
27歳からの転職を成功させるためにすべきこと
27歳の転職を成功させたい方は、以下の3点を守って転職活動をすることをおすすめします。
複数社の選考を同時に受ける
転職するときは、複数社の選考を同時に受けるのが鉄則です。一社ずつ慎重に受けたいと考える人もいますが、そのような判断はあまりおすすめしません。
複数社の選考を受けることで、希望する業界の同業他社などを比較検討することができますし、自分の市場価値も知ることができます。とくに異業種への転職を考えている場合は、業界に対する知識がない場合がほとんどかと思いますので、業界への理解を深めるという目的で数社受けてみるとよいでしょう。
転職に適した時期に転職する
基本的に自分が思い立ったタイミングで転職活動を行えば良いのですが、転職しやすい時期が存在することも頭に入れておくと良いでしょう。4月入社・7月入社・10月入社・1月入社がおすすめです。
多くの会社が3月決算のため、上記の4つを提示しましたが、決算期が異なる場合は、それに準じて四半期決算が締まる翌月に入社できるように動きましょう。採用側も同様にスケジュールを組んでいることも多いです。
転職する際は、面接を受けて2ヶ月後に入社するスケジュールで動くことが多いです。希望している企業のスケジュールに応じて逆算して考えてみるとよいでしょう。
転職サービスに登録しておく
基本的には転職サービスを利用しましょう。転職サービスでは企業側が報酬を払う仕組みなので、一般的には無料で受けられるサービスばかりです。活用できるものはフル活用しましょう。
転職エージェント
転職エージェントは、求人紹介や面接対策を行ってくれる転職サポートサービスです。
27歳だと日々の業務が忙しい中、自力で転職活動をするには限界があります。転職エージェントは、一人ひとりに担当がついて、転職をサポートしてくれます。
スケジュール管理もサポートしてくれるので、現職に勤めながらでも安心して転職活動を行えます。
スカウトサイト
スカウトサービスは、自分に興味を持った企業からスカウトをもらえるサービスです。
転職活動を進めたいと思っても、現職の忙しさから、なかなか自分からアプローチする暇がない方も多いでしょう。
スカウトサービスは、登録しておくだけで興味を持った企業からスカウトがもらえるので、受け身の姿勢でもある程度情報を得ることができます。
スカウトにより自分の市場価値判断にもつながるので、スカウトサービスも合わせて登録しておくといいでしょう。
まとめ
以上、27歳で転職する人の割合から、転職可能性、実際の事例まで紹介しました。
27歳ではポテンシャルを評価してもらえる一方で、相手の立場に立ってものごとを考えるスキルが求められます。自分実績やスキルを適切に伝えられるように準備しておきましょう。
異業種・異職種に転職する場合も、自分の培ってきた経験から、なぜ初めての業種・職種で活躍できるのかを説明できるようにしましょう。説明できそうにない場合は、いまの会社で実績を作るまでもう少し頑張ってみるのもひとつの選択です。
もし、どのように転職活動をすすめたらよいかわからない場合は、転職エージェントを頼って客観的なアドバイスを受けながら、効率的に転職活動を進めてくださいね。
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