27歳の転職は遅い?【2026年最新版】JAC平均596.8万円・年収アップ率69.2%の実態と、30歳までに勝ち筋を作る7ステップを高野秀敏が解説

執筆者:高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、12,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。80社以上の投資、9社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。178社上場支援実績あり。顧問、アドバイザー、社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。「ベンチャーの作法」ダイヤモンド社5万部を超えるベストセラー

こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職支援を27年続けているキープレイヤーズの高野です。

「27歳って、未経験の仕事に挑戦できる最後の年ですよね?」「もう第二新卒ではないし、かといって胸を張れる実績もない」——27歳の方との面談は、だいたいこの二つの不安から始まります。大卒なら社会人5年目、同期の何人かが転職したり、昇格したりして、自分だけ取り残されているように感じる時期でもあります。

先に結論をお伝えします。27歳の転職は遅くありません。むしろ、20代で一番「年収を上げて転職しやすい」年齢の一つです。ハイクラス層に強いJACリクルートメントの公開データでは、27歳で転職した人の平均想定年収は596.8万円、年収アップ率は69.2%、平均アップ額は100万円前後。厚生労働省の最新調査(令和7年)でも、25〜29歳の転職者の49.8%が賃金アップ、減少は23.9%にとどまっています。

ただし、27歳は「ポテンシャルだけでは採られなくなり始める年」でもあります。企業は「伸びしろ」と「実務で何をやってきたか」の両方を見ます。同じ27歳でも、半年で年収100万円以上上げて移る人と、書類で落ち続けて「やっぱり遅かった」と思い込む人がいる。その差は年齢ではなく、ほぼ準備の差です。

この記事では、①27歳転職の最新データ、②「遅い」と言われる理由と実際、③男女別の転職理由、④企業が27歳に期待すること、⑤メリット・デメリット、⑥向いている人・向いていない人、⑦未経験・異業種転職のライン、⑧成功事例と失敗パターン、⑨成功させる7ステップ、⑩エージェントの使い分け、⑪FAQ——を、私が支援してきた20代後半の方々の事例を交えて解説します。年代ごとの全体像は年齢別転職ガイドにまとめています。

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目次

結論:27歳の転職は「遅くない」——ただし評価の軸が変わる

2026年時点の27歳転職のリアルを、まず一覧にします。

論点 27歳転職のリアル(2026年) 意味すること
①年収は上がる人の方が多い 25〜29歳の転職者は賃金増加49.8%・減少23.9%(厚労省 令和7年) 前年(増加46.3%・減少29.2%)よりさらに改善。若手の取り合いが続いている
②ハイクラス層の平均は596.8万円 JACの27歳転職者:平均想定年収596.8万円・アップ率69.2%・平均アップ100万円前後 27歳全体の平均(doda 399万円)を大きく上回る層もいる
③20代で一番動くのは後半 25〜29歳の転職入職率 男性14.1%・女性17.1%(厚労省 令和7年) 27歳の転職は「例外」ではなく、ごく普通の選択肢
④初めての転職がほとんど JACの27歳転職者の大半が初転職(集計表では転職回数0回が82.6%) 1社目で積んだ経験を、初めて外に出して値付けする年
⑤管理職での入社はまだ少ない 課長以上での入社は3.7%(JAC) 採られるのは「プレイヤー+伸びしろ」。役職は入社後に取りにいく
⑥未経験の扉は狭まり始める 30歳以降は実務経験の比重が一段上がる 大きく職種を変えるなら、27〜28歳が現実的な最後のタイミング
⑦市場は売り手寄り doda転職求人倍率 2.86倍(2026年8月) 求人はある。問題は「自分が何者か」を説明できるかどうか

私の実感でも、27歳前後の方の転職はこの数年で決まりやすくなっています。成長企業ほど「社会人の基礎ができていて、まだ吸収が速い人」を探していて、27歳はまさにその真ん中にいるからです。前後の年齢との違いは26歳の転職、28歳の転職もあわせてご覧ください。

27歳転職の最新データ——数字で見る「遅くない」理由

データ①:25〜29歳の転職入職率は男性14.1%・女性17.1%

厚生労働省「令和7年 雇用動向調査」によると、2025年の1年間に転職して入職した人の割合(転職入職率)は、25〜29歳で男性14.1%、女性17.1%でした。30〜34歳になると男性11.4%・女性13.1%に下がります。20代後半は、働く人の7〜6人に1人が1年のうちに転職している年代です。「27歳で辞めるなんて」という感覚は、もう統計とは合っていません。

また、JACの20代の転職者を年齢別に見ると、25歳7.0%、26歳14.3%、27歳21.1%、28歳26.6%、29歳31.1%と、年齢が上がるほど増えていきます。ハイクラス寄りの転職ほど、20代後半に集中しているということです。

データ②:転職で賃金が上がった25〜29歳は49.8%

年齢 増加 うち1割以上増加 変わらない 減少 増加−減少
20〜24歳 55.2% 44.2% 19.9% 17.5% +37.7pt
25〜29歳 49.8% 34.2% 25.0% 23.9% +25.9pt
30〜34歳 48.6% 32.8% 20.8% 29.0% +19.6pt
35〜39歳 43.5% 32.8% 28.1% 23.9% +19.6pt
全年齢 40.8% 28.2% 25.5% 31.0% +9.8pt

出典:厚生労働省「令和7年 雇用動向調査結果の概況」表6 転職入職者の賃金変動状況別割合(2025年)

25〜29歳は、転職で賃金が上がった人が約半分、1割以上上がった人も3人に1人います。前年(令和6年)は増加46.3%・減少29.2%だったので、1年で「上がる人」が増え、「下がる人」が減りました。

データ③:JACの27歳転職者は平均596.8万円・年収アップ率69.2%

項目 27歳転職者の実績(JAC)
平均想定年収 596.8万円
年収アップした人の割合 69.2%(平均アップ額は100万円前後)
アップ額の内訳 50万円未満24.6%/50〜99万円29.3%/100〜149万円20.8%/150万円以上25.3%
転職後の年収帯 400万円台19.3%/500万円台32.2%/600万円台26.0%/700万円以上19.7%
課長以上での入社 3.7%

出典:JACリクルートメント「27歳の転職は厳しい?」(年収関連は2019年1月〜2024年12月の同社実績)

JACはハイクラス・専門職に強いエージェントなので、27歳全体の平均ではありません。それでも、アップした人の半分近く(46.1%)が100万円以上上がっているのは、27歳の市場価値を考えるうえで大事な数字です。経験の中身と業界の選び方次第で、これだけの差が出ます。

データ④:27歳の平均年収は399万円(doda)

データ 全体 男性 女性
doda 27歳の平均年収 399万円 430万円 371万円
国税庁 25〜29歳の平均給与(令和7年分) 425.0万円 459.6万円 382.7万円
国税庁 30〜34歳の平均給与(令和7年分) 461.9万円 — —

出典:doda「27歳の平均年収」(2024年9月〜2025年8月の登録者)、国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」

dodaのデータでは27歳の年収は300万円台が34.0%で最も多く、400万円台が27.2%で続きます。27歳で年収400万円前後なら「ちょうど平均」。一方、上の表のとおり転職で500万〜600万円台に乗る人も少なくありません。年収と手取りの関係は年収・手取りガイドで整理しています。

27歳の転職が「遅い」と言われる4つの理由と、実際のところ

よく言われること 実際のところ
第二新卒枠が使えない 確かに「新卒3年以内」の枠は外れる。ただし26〜29歳を「若手の経験者」として育成前提で採る企業は多い
未経験の仕事は無理 大きく職種を変えるのは30歳に近づくほど難しくなるが、27歳はまだ十分に可能。業界か職種のどちらかを残す「半歩ずらす」なら、なおさら
実績がないと通らない 求められるのは「大きな成果」より「何をどう工夫したか」を説明できること。数字で語れる経験が1つあれば勝負になる
年収が下がる 25〜29歳の転職で賃金が減った人は23.9%。増えた人(49.8%)の半分以下

「遅い」と言われる理由はどれも半分は本当で、半分は思い込みです。本当に遅くなるのは、「まだ27歳だから」と準備を先延ばしにして、30歳を過ぎてから焦って動く場合です。30歳の転職市場のリアルは30歳の転職ガイドを見ておくと、27歳のうちにやるべきことがはっきりします。

27歳で転職する理由【男女別・最新データ】

厚労省「令和7年 雇用動向調査」で、25〜29歳の転職者が前の会社を辞めた理由(「その他の個人的理由」などを除く)を見ると、男女で上位が少し違います。

順位 男性(25〜29歳) 女性(25〜29歳)
1位 給料等収入が少なかった 13.1% 労働時間・休日等の労働条件が悪かった 14.1%
2位 会社の将来が不安だった 11.0% 給料等収入が少なかった 13.4%
3位 職場の人間関係が好ましくなかった 10.7% 職場の人間関係が好ましくなかった 10.5%
4位 労働時間・休日等の労働条件が悪かった 10.5% 能力・個性・資格を生かせなかった 5.2%
5位 仕事の内容に興味を持てなかった 6.5% 結婚 5.1%

出典:厚生労働省「令和7年 雇用動向調査結果の概況」表5 転職入職者が前職を辞めた理由別割合(2025年)

男性:年収と「この会社の先」への不安

27歳の男性で多いのは、「同年代と比べて年収が低い」「この会社に10年いても、上の人のようになりたいと思えない」という相談です。社会人5年目前後になると、自分の会社と業界の給与水準が客観的に見えてきます。結婚や住宅購入を意識し始めるのもこの頃です。「会社の将来が不安」が11.0%と高いのは、20代後半の特徴で、30代前半(10.0%)より高くなっています。

女性:働き方とライフイベント

27歳の女性で最も多いのは労働時間・休日の問題です。また、「結婚」を理由に辞めた割合は25〜29歳が5.1%で、全年齢の中で最も高い水準です。結婚や将来の出産・育児を見据えて、「今の働き方を続けられるか」を考え直す方が多いということです。最近は、リモートワークやフレックスを前提にした成長企業も増えているので、「働き方を変えるために、年収を下げる」必要は以前よりずっと小さくなっています。

企業が27歳に期待すること

採用する側の目線で見ると、27歳に期待することははっきりしています。JACも「即戦力性」と「将来の伸びしろ」を同時に期待される年代だと書いていますが、私の感覚でも同じです。

期待されること 具体的には 面接で見られるポイント
自走できる実務力 指示を待たずに仕事を進め、困ったら早めに相談できる 「自分で決めて進めた仕事」を1つ語れるか
数字で語れる経験 売上、件数、改善率、工数削減など、何でもよい 結果だけでなく「どう工夫したか」を説明できるか
吸収の速さ 新しい業界・ツール・やり方を素直に取り入れる 前職のやり方に固執しないか
後輩・周囲を巻き込む力 後輩指導、他部署との調整、小さなチームのリード 将来のリーダー候補として見られるか
キャリアの筋 なぜ今動くのか、次に何をしたいのかが一貫している 3〜5年後の姿を自分の言葉で語れるか

特にスタートアップやベンチャーは、27歳前後を「数年後に事業やチームを任せる候補」として採ります。企業側がどんな考え方で若手を採っているかはスタートアップ採用ガイドに書いていますので、面接の準備として一度読んでおくと、相手の質問の意図がわかるようになります。

27歳で転職するメリット・デメリット

メリット デメリット・注意点
若手として伸びしろを見てもらいながら、実務経験も評価される 第二新卒枠は使えず、「何をやってきたか」を必ず聞かれる
年収アップを狙いやすい(25〜29歳の49.8%が賃金アップ) 未経験の職種へ大きく移る場合は、一時的に年収が下がることがある
大きなキャリアチェンジができる現実的な最後のタイミング 失敗して短期離職すると、30歳前後の転職で説明が必要になる
30代でリーダー・管理職になる準備期間を確保できる 結婚・住宅購入などライフイベントと重なり、判断が複雑になりやすい
成長企業の「将来の幹部候補」枠に乗りやすい 1社目の会社の評価基準しか知らず、自分の市場価値を高く・低く見誤りやすい

私が27歳の方に必ずお伝えしているのは、「27歳は、転職してもしなくても、30代の入り口を決める年」だということです。今の会社に残るなら残るで、30歳までに何を身につけるかを決める。動くなら、30歳時点でどんな経験を持っていたいかから逆算する。どちらにしても、何となく過ごす1年が一番もったいない。

27歳の転職に向いている人・向いていない人

今すぐ動いていい人 もう少し今の会社で粘った方がいい人
今の会社で3年以上働き、数字で語れる経験が1つ以上ある 異動したばかりで、今の仕事の成果がまだ出ていない
挑戦したい業界・職種がはっきりしていて、30歳までに経験を積みたい 「とにかく辞めたい」だけで、次にやりたいことが決まっていない
業界の給与水準が低く、頑張っても年収が上がる見込みがない あと半年〜1年で昇格や大きなプロジェクトが控えている
会社の業績や将来性に、具体的な根拠のある不安がある 人間関係の不満が中心で、異動で解決できる可能性がある
長時間労働などで心身に負担が出ていて、改善の見込みがない 年収だけが理由で、仕事内容や成長環境を比べていない

パワハラ・セクハラなど、自分ひとりでは解決できない問題で悩んでいる場合は、ためらわず周りの人や専門窓口に相談してください。厚生労働省の「あかるい職場応援団」では、職場のハラスメントに関する相談窓口を案内しています。心身を壊してからでは転職活動もできません。相談と並行して、転職の準備を進めましょう。

27歳の未経験・異業種転職はどこまでいける?

27歳は、未経験の仕事に挑戦できる「最後の年」ではありませんが、選べる幅が狭まり始める年ではあります。現実的な難易度を整理すると、次のようになります。

パターン 難易度 例 年収の傾向
同じ職種 × 別の業界 低い メーカーの法人営業 → SaaSの法人営業 上がりやすい
同じ業界 × 隣の職種 中 ITの営業 → カスタマーサクセス、プリセールス 横ばい〜上がる
経験を生かした職種転換 中 事業会社の経理 → FP&A・経営企画、営業 → 営業企画 上がることが多い
コンサル・専門職へ 中〜高 事業会社 → ITコンサル、総合コンサルのアナリスト 上がりやすいが選考は厳しい
まったくの未経験職種 高い 営業 → エンジニア、販売 → マーケター 一時的に下がることが多い

JACが公開している27歳の事例は、どれも「経験を持ったまま業界を変える」パターンです。自動車メーカーのビジネスアナリストが銀行のデータマネジメント職へ移って650万円から1,000万円に、化粧品メーカーのマーケティング企画が広告代理店のビジネスプロデュース職へ移って650万円から900万円に上がっています。27歳の異業種転職で年収を上げる人は、ほぼ例外なく「持ち運べるスキル」を軸にしています。

まったくの未経験職種に挑む場合は、①独学やスクールで基礎を身につけたことを形で示す、②年収が一時的に下がることを受け入れる、③3年後にどのくらい戻せるかを確認する、の3つを先に決めてください。未経験で入りやすい職種はスタートアップに未経験でも転職できる職種、年齢と採用の関係はポテンシャル採用とは?で詳しく解説しています。

27歳でコンサルに行く、コンサルから出る

27歳は、事業会社からコンサルティングファームに入る人と、新卒で入ったファームから事業会社へ出る人が、ちょうど交差する年齢でもあります。JACの事例にも、コンサルのアソシエイト(年収950万円)から製薬企業の事業計画・分析マネージャー(1,250万円)に移ったケースがあります。コンサル出身者の次のキャリアの選び方はコンサルからの転職ガイドにまとめています。

27歳の転職成功事例

JACが公開している27歳の転職事例

性別 転職前 転職後 年収の変化
女性 コンサルティング/アソシエイト(950万円) 製薬・バイオ/事業計画・分析マネージャー(1,250万円) +300万円
女性 自動車メーカー/ビジネスアナリスト(650万円) 銀行/データマネジメント(1,000万円) +350万円
男性 化粧品メーカー/マーケティング企画・デジタル戦略(650万円) 広告代理店/ビジネスプロデュース(900万円) +250万円
男性 ライフサイエンス/FP&A(800万円) エンタメ・ゲーム/経営企画・管理会計(900万円) +100万円

出典:JACリクルートメント「27歳の転職は厳しい?」掲載の転職成功事例

4件とも、もともとの年収が高めのハイクラス層の事例ですが、共通点ははっきりしています。「分析」「マーケティング」「管理会計」など、業界が変わっても通用する専門性を持っていること、そしてそれを成長している業界や、その専門性を必要としている会社に持ち込んでいることです。

私が支援した27歳の事例

以下は、私が支援してきた複数の事例をもとに再構成したものです。

事例1:人材会社の法人営業 → SaaSスタートアップのフィールドセールス(男性・27歳)
新卒から法人営業一筋で、社内表彰も受けていたものの、年収は420万円で頭打ち。「業界の給与水準を変えないと上がらない」と判断し、法人営業の経験を生かせるSaaS企業に絞って応募しました。面接では受注件数だけでなく「どうやって決裁者に会いに行ったか」を具体的に話してもらい、年収は約540万円に。入社2年目にはチームリーダーを任されています。

事例2:メーカーの経理 → ベンチャーの経営企画(女性・27歳)
月次決算と予算管理を4年担当していた方です。「数字をまとめるだけでなく、事業の意思決定に関わりたい」という希望から、IPOを目指すベンチャーの経営企画に移りました。年収はほぼ横ばいでしたが、ストックオプションが付与され、2年で事業計画と資金調達の資料づくりを任される立場になっています。

ベンチャー・スタートアップへの転職の全体像はベンチャー転職 完全ガイドで詳しく解説しています。

27歳の転職でよくある失敗パターン7つ

一方で、27歳で転職して「失敗した」と感じている方もいます。私が相談を受けてきた中で多いのは、次の7つです。

  1. 後先考えずに退職してしまう:辞めてから探すと、焦って条件の悪い会社に決めがち。空白期間の説明も必要になる。よほどの事情がない限り、在職中に活動を
  2. 年収だけで決める:給与アップにつられて入ったら、想像以上にプレッシャーが強く、半年で再転職を考える——というケースは本当に多い
  3. 「同業だから大丈夫」と油断する:同じ業界でも会社が変われば仕事の進め方はまるで違う。経験者として期待され、業務量が一気に増えることも
  4. 他人や環境のせいにする:面接で前職への不満ばかり話すと、「うちでも同じことを言うのでは」と思われる。自分が何を試したかとセットで話す
  5. 自己評価が高すぎる(低すぎる):1社しか知らないと、自分の市場価値を見誤りやすい。スカウトやエージェントの評価で一度確かめる
  6. 明確な目的がないまま動く:「何となく今の会社が嫌」では、応募先の選び方も面接の答えもぶれる
  7. 社風や働く人を見ずに決める:仕事内容や条件は良くても、昼休みの雰囲気や会議の進め方が合わずに苦しくなることもある。面接以外の場で社員と話す機会をもらう

事例3(失敗例):大手からベンチャーへ、年収だけで選んだケース(男性・27歳)
年収80万円アップの提示に惹かれて、事業内容をよく調べないままベンチャーに入社。入ってみると、配属された事業は撤退が検討されていて、1年で部署ごとなくなりました。「年収の数字ではなく、事業の伸びと自分の役割を見るべきだった」とおっしゃっていました。こうした失敗の典型と避け方はベンチャー転職 失敗・後悔ガイドにまとめています。

27歳の転職を成功させる7ステップ

ステップ1:キャリアの棚卸しをする

入社から今までの仕事を時系列で書き出し、それぞれ「どんな事業・サービスで」「どんな立場で」「何を目標に」「どう工夫して」「どんな結果が出たか」をまとめます。27歳は業務経験がそれなりにあると見られるので、ここが曖昧だと書類で落ちます。

書き出す項目 例
事業・サービス 中小企業向けの勤怠管理システム
自分の立場 法人営業(後輩2名の指導役)
目標 四半期の新規受注 20件
工夫したこと 失注理由を分析し、業種別の提案資料を作ってチームで共有
結果 受注率を18%から26%に改善、年間目標比125%

ステップ2:転職の軸を1つに絞る

年収、仕事内容、働き方、成長環境、会社の将来性——全部を満たす会社はありません。「これだけは譲れない」を1つ決め、2番目・3番目まで順位をつけます。軸が決まると、応募先も面接の答えもぶれなくなります。

ステップ3:自分の市場価値を確かめる

スカウトサービスに登録し、どんな企業から、どんな年収で声がかかるかを見ます。1社しか知らない27歳ほど、自分の値段を見誤りやすいからです。調べ方は自分の市場価値の調べ方完全ガイドを参考にしてください。

ステップ4:30歳時点のゴールから逆算する

「30歳でどんな仕事をしていて、年収はいくらで、どんな経験を持っていたいか」を書き出します。27歳の転職は、この3年をどこで過ごすかの選択です。将来、事業責任者やCxOのような経営に近い立場を目指したい方は、CXO転職ガイドで30代以降のキャリアの道筋も見ておくと、今選ぶべき会社がはっきりします。

ステップ5:複数社を同時に受ける

1社ずつ受けると、比較ができず、条件交渉もしにくくなります。同じ業界の複数社を並行して受けると、業界の理解も深まり、自分の評価の相場もわかります。応募は5〜10社、面接まで進むのは3〜5社くらいが目安です。

ステップ6:面接で「なぜ今、なぜこの会社か」を話せるようにする

27歳の面接で必ず聞かれるのは、①なぜ今転職するのか、②なぜこの会社なのか、③入社して何ができるのか、の3つです。新卒の頃のように熱意だけでは通りません。相手の会社にとって、自分を採ると何がいいのかを、棚卸しした経験と結びつけて話してください。経歴を誇張するのは厳禁です。面接官は多くの人を見ているので、ほぼ確実に見抜かれます。

ステップ7:入社時期と年収交渉を詰める

求人は年度の切り替わりや下期の始まりに向けて増える傾向がありますが、27歳の転職では時期よりも準備にかける時間の方が大切です。準備から内定まで3〜6か月かかると考え、入社日から逆算して動きましょう。年収交渉は自分でやるより、エージェントを通した方が角が立たずに進みます。年収を上げる考え方は転職で年収アップする方法完全ガイドで解説しています。

27歳の転職で評価される経験・スキル

経験・スキル 評価される理由 アピールのしかた
数字に責任を持った経験 成果を出す力の証明になる 目標・結果・工夫をセットで
後輩指導・小さなチームのリード 将来のリーダー候補として見られる 人数・期間・何を任せたか
業務改善・仕組みづくり どの会社でも通用する再現性がある 改善前後の数字(時間・件数・コスト)
データ分析・ITツールの活用 業界を問わずニーズが高い 使ったツールと、それで何が変わったか
英語・語学 外資・グローバル企業の選択肢が広がる 実務で使った場面を具体的に
業務に必須の資格 宅地建物取引士・税理士など、資格がないとできない業務がある 資格だけでなく、実務とセットで

資格について質問されることも多いのですが、資格だけで転職が有利になることはほとんどありません。基本は実績です。ただし、宅建や税理士のように「その資格がないとできない業務」がある資格は、応募条件そのものになっていることがあります。

27歳におすすめの転職エージェント・サービスの使い分け

27歳の方には、まず総合型のエージェントで求人の幅を確保し、そのうえで自分のキャリアに合った専門型やスカウトを組み合わせることをおすすめしています。

サービス 向いている27歳 使い方のコツ
リクルートエージェント まず求人の幅を見たい人、異業種も含めて比較したい人 総合型の軸として。希望を具体的に伝えるほど紹介の精度が上がる
doda エージェントとスカウトを1つで使いたい人 求人検索とエージェント紹介を併用。年収診断などのツールも便利
JACリクルートメント 専門性があり、年収500万円以上を狙いたい人、外資・グローバル志向の人 27歳の転職データも公開。専門性の棚卸しをしてから相談を
スカウトサービス 忙しくて自分から動く時間がない人 登録だけで市場の評価がわかる。職務経歴は具体的に書く
ベンチャー特化のエージェント スタートアップ・ベンチャーで早く裁量を持ちたい人 公開されない幹部候補の求人や、企業の内情を聞ける

エージェントは1社に絞らず、2〜3社を併用するのが基本です。選び方の詳しい基準は転職エージェント選び方ガイドにまとめています。

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出典:JACリクルートメント

JACリクルートメントは、管理職・専門職・外資系に強いハイクラス向けのエージェントです。27歳では早いと思われがちですが、同社が公開している27歳の転職者は平均想定年収596.8万円・年収アップ率69.2%と、20代後半の利用者も少なくありません。業界ごとの専門コンサルタントが企業と候補者の両方を担当するので、求人の背景やチームの状況まで詳しく聞けるのが強みです。経歴によっては紹介できる求人が少ないこともありますが、「専門性を生かしてもう一段上を狙えるか」を確かめる相手としておすすめです。

年齢別に見る:26歳・27歳・28歳・29歳の違い

年齢 立ち位置 企業の見方 おすすめの動き方
26歳 第二新卒枠を外れた直後 ポテンシャル重視、実務は2〜3年分 未経験の業界・職種にも広く挑戦できる
27歳 ポテンシャル×実務経験の両方で評価 「伸びしろ」と「自走力」をセットで見る 持ち運べるスキルを軸に、業界か職種を変える
28歳 経験者採用の比重が高まる 専門性や実績をより具体的に問う 職種は活かし、成長業界へ移る
29歳 30代を見据えた最後の20代 リーダー経験や将来の管理職候補として見る 30代の役割を意識した会社選びを

それぞれの年齢で詳しく知りたい方は、29歳の転職、入社5年目の転職もあわせてご覧ください。20代全体の考え方は20代の転職で成功する人の特徴にまとめています。

27歳の転職に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 27歳で転職するのは遅いですか?

遅くありません。25〜29歳の転職入職率は男性14.1%・女性17.1%で、転職者の49.8%が賃金アップしています(厚労省 令和7年 雇用動向調査)。JACの27歳転職者の年収アップ率は69.2%です。ただし第二新卒の枠は外れるので、実務で何をしてきたかを説明できるよう準備してから動きましょう。

Q2. 27歳で未経験の業界・職種に転職できますか?

できます。特に「職種はそのままで業界を変える」「業界はそのままで隣の職種に移る」パターンは十分に現実的です。まったく未経験の職種に移る場合は、学習の実績を形で示し、一時的な年収ダウンを受け入れる前提で考えてください。大きく職種を変えるなら、27〜28歳のうちに動く方が選択肢は多く残ります。

Q3. 27歳で初めての転職ですが、不利になりますか?

不利にはなりません。JACの27歳転職者の大半は初めての転職です。1社で長く働いたことは、むしろ定着性の証明になります。ただし、その会社の中でしか通じない成果になっていないかは確かめられるので、他社でも再現できるやり方として説明できるようにしておきましょう。

Q4. 27歳の平均年収はどのくらいですか?

dodaの調査では27歳の平均年収は399万円(男性430万円・女性371万円)です。国税庁の令和7年分の統計では25〜29歳の平均給与は425.0万円です。転職で500万〜600万円台に上がる人も少なくなく、JACの27歳転職者の平均想定年収は596.8万円です。

Q5. 27歳の女性の転職で気をつけることはありますか?

結婚や出産などのライフイベントを考えて、働き方を重視する方が多い年齢です。厚労省の調査でも、25〜29歳の女性が前職を辞めた理由の1位は労働時間・休日などの労働条件でした。リモートワークや時短勤務の制度があるかだけでなく、実際に使われているか、使っている人がどんな評価を受けているかを、面接や社員との面談で確かめてください。

Q6. 面接で結婚や出産の予定を聞かれたら、答える必要はありますか?

本人の能力や適性と関係のない質問に答える義務はありません。企業が本当に知りたいのは「長く活躍してもらえるか」なので、「長く働きたいと考えていて、そのためにこういう働き方を希望しています」と、仕事に関わる範囲で答えれば十分です。

Q7. 27歳でベンチャー・スタートアップに転職するのはありですか?

おすすめできる選択肢の一つです。27歳は「数年後に事業やチームを任せる候補」として採られやすく、早いうちから大きな裁量を持てる可能性があります。一方で、事業の伸びや資金の状況は会社によって大きく違うので、年収や肩書きだけで選ばず、事業の成長性と自分の役割を必ず確認してください。

Q8. 転職活動にはどれくらいの期間がかかりますか?

準備から内定まで3〜6か月が一般的です。在職中に始め、内定を承諾するまでは社内で話さないようにしましょう。内定が出たら、引き継ぎを円滑に進めるためにできるだけ早く上司に報告してください。

まとめ:27歳は「30代の入り口」を自分で選ぶ年

27歳の転職は遅くありません。25〜29歳の転職者の49.8%は賃金が上がり、JACの27歳転職者の平均想定年収は596.8万円、年収アップ率は69.2%です。一方で、第二新卒の枠は外れ、「伸びしろ」と「実務で何をしてきたか」の両方を問われる年でもあります。

私がお伝えしたいのは、27歳の転職で大事なのは、年齢ではなく「30歳時点でどうなっていたいか」から逆算することだということです。棚卸しをして、転職の軸を1つ決め、スカウトで市場の評価を確かめる。ここまでやれば、実際に動くかどうかにかかわらず、30代のキャリアは大きく変わります。異業種・異職種に挑むなら、なぜ自分がそこで活躍できるのかを、これまでの経験から説明できるようにしておきましょう。

キープレイヤーズでは、20代後半の方のベンチャー・スタートアップへの転職や、将来の幹部候補としてのキャリアのご相談をお受けしています。「今動くべきか、もう少し今の会社で経験を積むべきか」という段階からでも構いません。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、文部科学省アントレプレナーシップ推進大使。1万2000件以上のキャリア面談、4,000名以上の経営者と採用相談にのる。80社以上のエンジェル投資、投資して上場は9社。うち2社は役員として上場(クラウドワークス、メドレー)。178社以上の上場支援実績。顧問・社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数300回以上。「ベンチャーの作法」(ダイヤモンド社)5万部を超えるベストセラー

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