ベンチャー転職に失敗・後悔する前に知っておくべきメリットやリスク、注意点

執筆者:高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、7社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。165社上場支援実績あり。バングラデシュで不動産会社、商業銀行の設立からの株主、渋谷のバーのオーナーなど。

こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。

景気が悪くなり切る前に転職しようとする方が増えていますが、中でもベンチャー企業へ転職する流れがますます増えてきたように思います。大企業が希望退職を多く募っているのに対して、成長しているベンチャー企業はまだまだ人材が足りず、採用を強化している企業が多いです。

私の投資先にもメガバンクや総合商社を辞めて起業した方がいますし、多くの総合商社、メガバンクの方、他にも官僚や政府系金融機関の方、インフラ系企業の方と、従来であれば辞める人はほとんどいなかった大手企業や組織の方が転職するようになりました。 

ただ、ベンチャー転職のデメリットや真実を知らないまま、転職する人も同時に増えてしまっていると思います。多くの方がベンチャー企業に挑戦していることは喜ばしいことである一方で、個人の方は自分が一番輝ける場で働いてほしいという想いがあります。

ここでは、ミスマッチが減るよう、ベンチャー転職の際に私が普段話していることをすべてここでお伝えしたいと思います。

目次

ベンチャー企業の転職についてとても怖いと思う

ベンチャーに転職したいな!と思っても、怖いと感じる方が多いようです。よくある不安はこのようなものになります。

  • ベンチャーなので財務内容問題があり、倒産してしまうかもしれない
  • 知名度がない会社で自分の実力で結果が出せないかもしれない
  • ベンチャーなので超ハードワーク、ブラックなのかもしれない
  • 新しい業界に変わるので、うまくいかないかもしれない
  • 新しい職場で人間関係が不安だ
  • ベンチャーなのでキャリアパスがない、少ないかもしれない
  • ベンチャーなので研修がないから不安だ
  • ベンチャーなので、もしうまくいかなかった時に大手企業は採用してくれないかもしれない
  • ベンチャーで色々やるのはいいが、器用貧乏で終わってしまうかもしれない

などなど不安は尽きないものです。特に現職が大手企業の方からすると、「色々見えないことばかりで不安だ。」「万が一の時に次の次のキャリアはあるのか?」と心配な方が多いようです。

ちなみに、始めに申し上げておきますと、ベンチャーから大手企業に転職しているという事例はいくらでもあるのでご安心ください。ベンチャーでの経験を評価してくれる会社はありますし、大手も今やオープンイノベーション文脈で募集もしています。

ベンチャー転職における不安に関してはこちらの記事でまとめています。

ベンチャー企業に転職する際は目的が大事

なんとなく漠然と転職したいな、、、と思っている人も多いと思います。もちろん転職のきっかけとしてはなんでもあるわけで、

  • 今日上司から怒られた
  • 思ったより評価、査定が低かった
  • 業績が悪い

などなど転職を考えるきっかけは色々ありますよね。

昔と違い、転職をよくする時代にはなりましたが、とはいえ一年に二回転職しているという人をどんどん採用したいという会社はありません。仕事は期間ではなく、結果が全てではあるのですが、目的なく転職してしまうとあとが大変なことは紛れもない事実です。

転職の際は、転職先の企業に何を与えられるのか、を考えることがすごく大事だと思っているのですが、ここではベンチャー企業ではどんなものが得られるか、ということから見てみましょう。

①若くして結果を出せば権限が得られる
②共通のビジョンを元にチームワークを持って仕事ができる
③20代、30代でCXOなど主要ポジションにつける
④ストックオプションが得られる
⑤会社の看板ではなく自分の看板で勝負ができる
⑥大きな志をもった経営者を支えながら仕事ができる

などが挙げられるでしょう。

このようになんらか自分なりの人生やキャリアの目的や目標に対して、「自分のありたい姿に近づけるな」「なんとか頑張って手にしたいな」と思える人はベンチャー転職に向いていますが、全くそうではないという人は苦労だけが多くなってしまうので、おすすめはしません。何らかの目的志向は大切です。

ベンチャー転職する際のリスクにはどんなものがあるのか?

①入社した会社が倒産するかもしれない

財務内容の問題で倒産する可能性もあります。ただし、実際のベンチャー企業は近年はネット企業が中心。在庫を持たないビジネスのため、急に倒産するような会社はほぼありません。また倒産したとしても、すぐに採用したいという会社が沢山あります。

実際に、ネガティブなM&Aが今年ありましたが、その某社のニュースがあった時に、多くの経営者から、「高野さん、あの会社の買収、ネガティブらしいよね?辞めたい人いない?うちで採用するから頼むよ」と言われました。人の方が足りないのです。

②仕事の結果がでないかもしれない

仕事の結果が出せない。これは確かに問題です。ですので、ベンチャー企業への転職は自分の仕事の結果が出せると思うところに入ることが大切です。

ベンチャー企業で社歴が若い会社は、経営者も初めて採用するので、あまりどんな人がいいのかわかっていないこともあります。すると、経歴が良い方はリスクがあり、経歴がいいという理由でなんとなく採用されてしまうことがあります。そこでミスマッチになっても、損をするのは自分なので、自分の目で見極めなければなりません。

また、私は過去色々な会社の社長から、「アクセンチュアだから、リクルートだから、きっといい人だろうと思って採用したが、ダメだった。」という話を聞いたことあります。どんな会社でもできる人もいればできない人もいますよね。

もちろん環境要因もあります。このように採用は失敗経験をしながらうまくいくものです。私はこの仕事を20年やり、139社の上場支援実績と、投資家として3社上場し、役員株主で2社上場と十分経験を積んできましたので、そこは厳選して企業を紹介するようにしています。

③転職したあと転職しづらくなるかもしれない

転職した後、特に潰れはしなかったが、社風が合わない。仕事の進め方が合わない。社長と合わない。などの理由から転職したいとまた思うかもしれない。その時に、一度ベンチャーに転職すると大手には転職できないのではないだろうか?この悩みをよく聞きます。

これまで私は、ベンチャーから大手への転職もやりましたので、それはあくまでもその人次第です。確かに不満ばかり言って、評論家ようにベンチャーで何もしなかった方。これは採用はしたくありません。そうではなくて、悪戦苦闘しながらも何らかの結果は出した。

結果は出せないまでもここまではやったというやり切った感のある人は具体的に中身のある話ができます。このような方は採用されますのでご安心ください。

ベンチャー転職の注意点:過度な夢を見ないこと

1999年から約24年、私は転職支援をする仕事に携わっていますが、ベンチャー転職に限ったわけではないですが、転職に夢を見すぎないことです。

もし仮に、銀行で働いている方が転職したいと考えたときに競合の銀行に転職したら大きく環境が変わると思うでしょうか?

大手メーカーで働いていて、業界順位が1つ下か上の企業に転職できたとしても大きく環境がかわらないことは感覚的に理解できるのではないでしょうか。

異業界に転職すると、知らないことがおおいためどうしても転職に夢を見てしまい、転職後に理想とのギャップに苦しむことも少なくありません。

ベンチャー転職をして次のキャリアを築くのは素晴らしいことなのですが、想像できない範囲の成長というのはなかなか難しいことです。

ですので「ベンチャーに転職したらどういうキャリアがあるのか?」「どういうスキルが身につくのか?」はしっかり想像しておくことが必要です。

大手からベンチャーへの転職だと転職事例がすでに多くあるので、失敗した人も含め転職事例を十分に収集しておくべきでしょう。

ベンチャーに転職して目標が起業にあるか、それともベンチャー企業内で出世していくかでも企業選びも大きく変わってきます。

そのほかのベンチャー転職する際のリスクはこちらの記事でまとめています。

ベンチャー転職するメリットは何か?

ベンチャー企業のメリットについて考えてみましょう。私が思うベンチャー企業に転職するメリットは、先ほどお話ししたようにこのようなものがあります。

こちらの動画ではさらに踏み込んで7つのメリットを解説していますので、あわせてご確認くださいませ。

①若くして結果を出せば権限が得られる

若くして結果を出せば、権限を得られるチャンスがあります。

横並びの昇進ではないため、年齢が若くても結果を出せば様々な権限を獲得できます。

ただ、あくまで結果を出すのが大事でうs。

②共通のビジョンを元にチームワークを持って仕事ができる

ベンチャー企業はMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を大事にしている企業が多いです。

社内でも会話で頻出する共通言語になっていることもあり、チームワークが強固です。

③20代、30代でCXOなど主要ポジションにつける

20代30代でも結果を出していれば、CXOや役員など主要ポジションに就任することができます。

かなり規模の大きくなったレバレジーズ社でも、3年目で執行役員に就任する人が出るなど、500人を超えるような規模になっても可能性はあります。

④ストックオプションが得られる

ストックオプションを得ることで、キャピタルゲインを得ることも見込めるでしょう。

ストックオプションを高い比率でもらいたい場合は、やはり創業後早い段階から経営近いポジションで参画していくことが大切ですが、

CFOなど後から就任しても高い比率のストックオプションをもらえるケースもあります。詳細はご相談ください。

⑤会社の看板ではなく自分の看板で勝負ができる

会社のブランドがあると、会社のブランドで商品が売れたり、広報がうまくいったりしますが、ベンチャー企業では必ずしもおそうはいきません。

そのため、自分の看板で勝負することができます。

最初は自分にブランド価値がなくても、結果を出すことで、「◯◯社で△△をやったAさんね」と業界内で名前でにんしきしてもらえるようになりやすいです。

⑥大きな志をもった経営者を支えながら仕事ができる

自分自身はインテリジェンス(現在のパーソルキャリア)が小さい未上場の時に入ったのがとても良かったです。キープレイヤーズでは、第二のインテリジェンスのような、そこで活躍したら市場価値が上がるといった会社を探してご紹介しています。

そのほかにもベンチャー・スタートアップに転職する際は、7つのメリットがあると感じています。

ベンチャー転職市場の概況

受け皿が増えたことが一因で、ベンチャー転職は増加傾向に

ベンチャー転職が昔と比べて増えたのか?という質問には間違いなくYESです。

ベンチャー転職が増えた理由は、大手企業から転職を受け入れるベンチャー企業が増えたことにあります。

昔からベンチャー企業があったにも関わらず、なぜ最近は大手企業から転職が増えたのでしょうか。

大きな要因として、年収を出せるベンチャー企業が増えたことがあります。

そこそこの年収を出せるベンチャー企業が増えた理由は、資金調達環境の変化です。私自身もベンチャー企業に出資させていただいていますが、もっと大きな資金を出すベンチャーキャピタルが増加しました。

ベンチャーキャピタルの増加の背景にはベンチャーキャピタルに出資してくれる、組織や個人が増えたことが背景にあります。 

私も、1999年に当時ベンチャー企業であったインテリジェンスに入社しましたが、新卒社員が多かったり、創業者の出身企業であるリクルートグループの出身者だったりと、大手企業の出身者は多くなかった印象です。

 総合商社にしても辞める人はほとんどおらず、XTech Ventures(クロステックベンチャーズ)の代表である西條晋一さんのように、伊藤忠商事から当時まだ今ほど大きくなかったサイバーエージェントのようなベンチャー企業に転職する事例は少なかったです。

大手からベンチャーに転職しようとする人も増加傾向

受け皿が増えたのも事実である一方、大企業から転職しようと考える人も増えています。

大企業を辞めてベンチャー企業で挑戦しようと思っている人も増えています。

実際に転職する人は必ずしも多いとはいえませんが、大企業を辞めて、転職や起業で成功していく人が増えるにつれて、転職という選択肢がキャリアの選択肢の1つに出てきています。

大企業は使えるお金も事業規模も大きく、やりがいのある仕事が多いのは事実ですが、若手の間は裁量がなかなかなく、若手のうちからスキルを身に着けてどこへでも通用する人材になりたいと考えて外の世界を見る方が増えています。 

私は幅広い年代(特に22歳から40歳くらい)の転職相談を受けますが、転職せずに残ったほうがいい場合も少なくないので、そのまま残ることもおススメしています。

また起業案をもってくる方も筋が悪そうに思えたら、副業ではじめてプロダクトが受け入れられるかの検証をしてから起業したほうがいいと言っています。

大企業で特に新卒からいる会社を辞めるというのは人生における大きな決断の1つになりますので、思い切りも必要な一方、しっかり考えてほしいと思っています。 

ベンチャー転職に向いている人の特徴とは?

ベンチャー企業に向いているのはどんな方でしょうか?これもよく聞かれます。

①結果にコミットする人

ベンチャー企業は、高い志で高い目標を掲げています。それ対して達成していくことが求められています。具体的には売上、利益であったり、各種KPIを達成しなければなりません。上場を目指すとなると、予実管理をしており、差分は10%以内におさめなければならないのです。

ですので、今月はちょっとうまくいかなかったですと言った言い訳ではすまないわけです。営業の人はもちろんですが、そのような直接的な部署でなくても各人が掲げた目標に対してコミットすることがとても大事です。それぞれの人が目標を達成する。勝ち癖をつけていくことが大切と考えます。

②ポジティブ、前向きな人

これは先天的に明るいという意味ではなく、何か不都合なこと、想定外なこと、嫌なことがあったとしても前向きに捉えらえる人ということです。ベンチャー企業では想定外なことも起きます。

その度ごとにショックを受けたり、イライラしすぎてしまうのはよくないです。もちろん常に前向きという人はいませんので、ポジティブに生きようというスタンスがある方という意味で捉えていただければと思います。

③柔軟性のある人

ベンチャー企業では人事異動や組織改編はよくあることです。どんどん成長させていくわけですので、その都度未来を見て組織を変える必要があります。その時に部署や職種を変えてもらった方が全体最適として良いのではないかという場面が出てきます。

それに対して柔軟性を持って期待に答えて即応できる。そのような姿勢だったり、取り組みを柔軟にできる人が求められています。

④ビジョンに共感できる人

ベンチャーは何らかのビジョンを掲げています。宗教のように完全に信じるということではなくていいわけですが、やはり会社が掲げているビジョンには共感してもらいたいですし、経営者としては掲げているビジョンを浸透させながら良い組織を作りたいと考えています。

もちろんビジョンに最初から共感できる人はそれでいいです。もしそうでなかったとしても全然賛同できないなというビジョンの会社にはベンチャーであってもなくても入らない方がいいですね。ベンチャーでしたらなおさら。

⑤「曖昧」でも大丈夫な人

あるべき論としてはビジョンがあり、戦略がありというものが経営の理想かもしれません。一方で完璧な戦略というものはないですし、ベンチャーが成長するプロセスの中で、過渡期だったりしますと指示が曖昧な時があります。そんな時に「指示が曖昧なので動けません」と完全につっぱねてしまっても組織ではうまく行きません。

その場合も自分なりの仮説を立てて、このようにやってみようと思うがどうかなどと上長には確認しつつ、自分なりに動いていくことが求められています。繰り返しますがあるべき論としては経営者が立てた戦略を実行すればいいのですが、特に戦術部分は「その辺はうまくやっておいて」みたいな話で降りてくることがままあります。

そんな中でもやれる人が望ましいです。

私は20年以上ベンチャー領域を中心にヘッドハンティングをおこなってきました。その知見をまとめて、市場から評価される人材についても、こちらの記事でまとめております。

ベンチャー企業に求められる大企業出身者

ベンチャー企業で大企業出身者を求める場合も増えてきています。

ベンチャー企業といってもお客さんに大企業を獲得したい企業がほとんどであり、大企業とパイプのある大企業出身者は重宝されます。

また、大企業はルールを順守している企業が多く、制度がしっかり整っていないベンチャー企業にとっては大企業の仕組みというのは参考にすべき点は多いのです。

大企業にいる方もいまのやり方を当たり前だと思わず、どういう制度になっているか注目して見ておくといいでしょう。そうした経験がベンチャー企業で活きます。

一方で、大企業にいる人ほど、ベンチャー・スタートアップ転職する際に後悔したくないという気持ちが強いでしょう。

こちらの記事で失敗・後悔するパターンをまとめていますので、併せてチェックしてみてください。

ベンチャーで活躍する女性も多い

あまり性別で区別をするのも良くないとは思うのですが、女性の方から「ベンチャー企業でおすすめななところはありますか?」と聞かれることも多くあります。ベンチャー企業はフラットなところが多く、女性の方が活躍している会社が多いです。

職種で見たときにエンジニアの方は確かに男性が多いのですが、バックオフィスでも営業でも、多くのベンチャーで女性の方が活躍しています。起業家となると確かにまだ少ないのですが、最近上場したウォンテッドリイの仲暁子さん、ビザスクの端羽英子さんなど見事IPOされた方もいます。もちろんその他管理職として活躍している方も多数います。

近年は例えばですがリモートワークも随時行えるようになってきましたので、ワーママなど多様な働き方が可能になってきています。

女性目線でのベンチャー転職についての情報をまとめています。ぜひ女性の方やそのパートナーの方はチェックしてみて欲しいです。

表に出ないがベンチャーCxO・執行役員求人は存在する

CXOになりたいという方もいるかと思いますが、表に出ないだけでCXO候補を採用するための求人はほぼ常に存在しています。公開されない理由については、こちらの記事でまとめています。

ただ、CXO求人でも、実際にCXOになるのは入社先の会社で社長をはじめ経営陣に認められてから、ということも多くあります。

ベンチャーで実力主義と言っても、最後は社長が評価・意思決定をするので社長に認められないといけません。そのためには入社して、結果を残すことが大事です。入社後に、どんなことでもいいから結果を残せるといいでしょう。最初は自分の得意分野で結果を出して幅広い領域の仕事をしていき結果を積んでいってほしいと思います。

CXOといっても投資銀行出身者や公認会計士の方が活躍しているCFO、起業経験者や、ベンチャー企業で事業責任者をつとめてきた方がなっていくCOO、マーケティング畑でかつマネジメントができる人がなるCMO、最近、そこそこ有名になりつつある人事責任者であるCHROと様々なポジションがあります。

CXOのポジションは会社が作らないとないですが、自分から提案してポジションを作る人もいますので、認められるように努力しましょう。

ベンチャー転職に成功する企業の選び方

一番大事なことは、自分の強みが次の転職先で発揮できるかどうかです。ベンチャーの場合、早期で結果を出してもらうことが求められます。何年かあとでいいから勉強しておいてくれなんてことは一切ありません。

若手のうちは圧倒的な強みと言われても困るとは思うのですが、何らかの強みを面接ではアピールが必要です。そして転職後はそれを有限実行してもらう必要があります。

さらなる詳しい情報はこちらの記事でまとめています。動画でもまとめていますので、動画が良い方はこちらからどうぞ。

利益の出ている企業を選ぶ堅実さも重要

ベンチャー企業選びにおいては、目立っていない優良企業を選択することも重要です。

私が紹介する企業もあまり露出はないし、社長も取材を受けていないけど企業として儲かっていて、給料も業界よりも出しているところはあります。

最近は有名になりましたが、ZIZAIも若い経営メンバーながら急成長し、利益をしっかりと出しかつ成長し、新規事業をつくっていっている注目の企業です。

利益の出ている企業を選びをする際については、ベンチャー未経験だと難しいので、私のような転職エージェントにぜひ連絡いただけるとよいと思います。

良い企業を見極めるためには

よい企業を見つけるために、数字を見る癖をつけておいて損はないと思います。大企業の経営が傾くという事例が近年でもいくつかありましたが、きちんと数字を見ていけばそういったリスクの大きいベンチャー企業を選んでしまう可能性は減ります。

ビジネスごとに、チェックすべき指標が異なるので、それを押さえられるといいですね。

ひとつは市場の大きさを表す、「TAM/SAM/SOM」です。ただ、市場の大きさだけでベンチャー企業の成長可能性をはかることはできません。

例えば、SaaSビジネスでよく使われる「ユニットエコノミクス」です。「単位あたりの経済性」という意味なのですが、小規模なビジネスでも、採算がとれていれば、適切な投資をしている限り簡単に潰れることはありません。一方で、どれほど大きなビジネスでも、単位あたりで採算がとれていなければ、拡大するごとに赤字も増えることになります。

このように、見るべき数字を知り、その企業がどんな状況・フェーズにあるのかを正しく知ることが重要です。理念だけに惹かれて入ることはあまりおすすめしません、ベンチャー転職に限らず、キャリアを考える際に、大切なポイントです。

入社を決意する前に経営者との相性を確かめる

大きい企業になると経営者に会う事は難しいですが、30人未満の会社であれば、社長が面接に登場することもありますし、もし会えない場合も入社前に会社の交流会に参加し、会社の雰囲気を味わいましょう。

社長のパワハラなどとりあげられる事例もありますし、社長のことを知っておくことは企業選びにおいて重要です。

目の前のことから逃げて飲んでばかりの経営者もいますので経営者のことをみておくことは重要です。

いきなり高年収を出すベンチャー企業にも注意

それなりに年収が高いベンチャー企業が増えていますが、年収がなぜ高いかを考えてほしいと思います。

ベンチャー企業は資金調達をしていますが、株式による資金調達の事例が増えています。株式による資金調達は簡単にいうと、自社の株式を外部の人に渡すことでお金を集める行為です。

お金を集めれば集めるほど、経営の意思決定に外部の人がかかわってくることが増えてきます。

議決権のない株式発行のパターンもありますが、基本的にはお金を出す人は経営に関わってきます。

数十億円のお金を調達していても、経営がうまくいかないことはあります。

もちろん大型調達している企業は何年にもわたり、赤字を出しているので、赤字を出すこと自体は悪いことではなく、調達したお金を効率よく使い将来の利益のためにお金を使えていれば問題ありません。

株式調達をしている企業は、投資している人達のためにリターンを出さないといけませんが、代表的な手段の1つが上場です。

上場するということはパブリックな企業になるため、監査法人による監査を入れ、管理体制をととのえるなど余計な費用もかかってくるので、企業としては十分な体力がないと上場することができません。

最近はM&Aにより投資家がリターンを得る形もありますが、多くの企業は上場により投資家へリターンを出すことを意識しています。

そのため、年収が高い代わりに、上場のために一生懸命やらなければその後の自分の雇用があるかわからないため覚悟して転職しなければいけないです。 

ベンチャー転職ですぐに高い年収や金銭的リターンを得るのは難しい

特に大手企業から転職した場合、未上場ベンチャーですと年収が短期的には下がることが多いです。最近は大型調達で数十億円集める会社も珍しくなりましたので、相場としては昔よりも上がりました。人によっては上がる場合もあります。

ただそれはレアケースです。実際にベンチャー企業で給与がすごく高いという会社は少ないものです。そのかわり、早く昇進できる。権限がもらえる、サービスを作れるなどがあります。

また、ベンチャー企業に転職をすると、ストックオプションで一発稼いでくる!と若手の方がいますが、ベンチャー転職によるストックオプションで一生働かなくていいようなお金を得るというのは簡単ではありません

そもそも上場でストックオプションで大きな金額を得るのは企業内で主要な役職にあるか、創業時から在籍年数が長いかということが重要になってきます。

創業時から在籍している人は、年収が全然なくても働いてきた功労者であったり、役職にある人はすでにベンチャーで成功した人だったりという人です。

未経験ですでに規模が少し大きいベンチャーに入社したとしても大きな金銭的リターンはありません。

私の投資事例でも大きくリターンがあるのは事業もほとんどできておらず、会社ができたばかりのときに投資できた場合が当然ながらリターンが大きくなります。

ベンチャー転職前の注意点、考えてほしいこと

ベンチャー企業に転職することは、リスクもある一方、新しい経験や人生の面白さを発見できます。注意しなければいけないこととしては、

①友達から強く誘われたから転職した(何も考えず)

何でこの会社に転職したのかな?申し訳ないけど、センスない、、、なという人がいます。だいたいそのような方にどうしてこの会社に転職したのですか?と聞きますと、友達や社長から強く誘われたから。エージェントから強く言われたので、、、という他責のような話があります。

誘われたのはあくまでもきっかけです。その上で考えて決めたのでしたら誰でも人生失敗はあるのでいいのですが、何も考えていないという人も正直なところいます。また何でも真に受けてしまってるという正直すぎる人がいます。

②最近流行っているから転職した

エージェントから「今、トレンドなのはSaaSなんです!ここにいっとけば間違いない!」と。エージェントはポジショントークももちろんあるので、それはあるにしても何でもかんでも真に受けてはいけません。そうです。この私の投稿も(笑)これを聞いた上で、どう考えたのか?という仮説思考が大事ですね。

③年収が高いから転職した

なぜその年収が出るのか利益構造をあまり考えず目先だけで決めてしまうとよくないです。経営者が無理してどうしても欲しいから年収を出すと言ってしまった。入ってから結果が出なかったからすぐに年収を下げられた何てことも実際にはあります。

20代のベンチャー転職のポイント

20代の方は、若いのでポテンシャル人材として採用される可能性が高いです。もちろん高い実績を残している人材が重宝されますが、職種やポジションによっては高い実績がなくても採用される可能性は十分にあります。

20代でベンチャー転職を考えている方は、どのような企業でどのような経験ができるか、が非常に重要です。

20代で成長するんだ!とがむしゃらに働くだけでは、後々必要とされる人材に成長できない可能性もあります。例えば、同じカスタマーサクセスに転職するにしても、これから立ち上げるタイミングなのか、すでに立ち上がった状態での人員拡充なのかで、身に付く力が大きく変わってきます。

今後の世の中の動向やキャリアの展望を踏まえて、必要なスキルや経験を得られる環境に転職することが重要です。

私の場合は転職こそしていませんが、新卒で入社したインテリジェンスで上場を経験することで、上場前に現場でどのようなことを押さえる必要があるのか、何を気をつけるべきなのか、求められていることは何か、多少わかるようになりました。

そのため、その後人材紹介をする際も、「この企業は今のフェーズだとこの人材が必要だな」というのが分かるようになりましたし、現在も顧問として複数社にアドバイスをしています。これから成長するであろう産業や企業については、人一倍研究してきた自負がありますので、ぜひお気軽にご相談ください。

キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。

 

30代のベンチャー転職のポイント

30代のベンチャー転職は、基本的に前の企業での実績が重要です。実績のない状態での転職も不可能ではありませんが、条件はダウンしてしまう可能性が高いことを受け入れましょう。

ベンチャー企業では、新しいポストがどんどん生まれていくため、マネージャーとして若手を引っ張っていってくれる人材は特に重宝されます。大手企業の昇進スピードや評価制度に違和感のある人にとっては、自分を試すことができるタイミングにもなるでしょう。

同時に、メンバーをマネジメントした経験がアピールできるように、現職で頑張って欲しいという気持ちがあるのも正直なところです。第二新卒や20代の転職とは違い、30代は5年以上の社会人経験がある人がほとんどだと思います。その中で残した実績がないとなると、採用する側も慎重になってしまうものです。

ただ、どれだけの実績があれば転職できるのか、ということはなかなかわからない部分もあると思います。私は、長年転職エージェントとして給与交渉などにも関わってきたことと、企業の従業員年収査定サービスを行っていることもあり、適正年収を判断する目は優れています。

まずは自分の年収やポジションが適正なのか知りたい方もぜひお気軽にお問い合わせください。

キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。

 

40代のベンチャー転職のポイント

40代のベンチャー転職は30代以上に、スキルや知見を求められます。20代、30代の方にはわからない企業の社内に働く力学を理解しているのは、やはり歴の長い40代の方だと判断されることも多いです。

ただ、これまでの経験を切り売りするだけでは、ベンチャー転職に成功することは難しいです。「自分のできること・役割は◯◯だからそれ以上はやりません」という方は、変化の激しいベンチャー企業の環境に対応することができず、鳴かず飛ばずに終わってしまうこともあります。

40代でこれまで知見やスキルを高めてきた人でも、ベンチャー転職する際には、そのままでは通用しないという自覚を持つことが大切です。環境が変われば、活きるスキルも変わってきますから、まずは転職先の企業で求められる結果を出すことが大切です。

反対に、そういったスタンスを持つ40代の方は貴重な存在でもありますので、実績とスタンスが伴えばベンチャー転職に成功できる可能性はおおいにあります。

 

高野が見てきたベンチャー転職の成功事例

私が見てきたベンチャー企業への転職事例は数えきれないほどありますが、転職成功した事例も多数あります。

例えば、転職して、その後社長にまで上り詰めた人や執行役員になった人、転職後にCXOとして上場に貢献した人、ベンチャー企業で大活躍して業界で有名になりその後起業した人など多くいます。

彼らの特徴としては、先のことは考えながらも目のまえの仕事に全力投球することです。

経験のない仕事に転職したら、1年生になるので新しいことを習得すべく、ハードワークしていくことで会社での信頼を得て、仕事のスキルを身につけていきます。

成功している人は例外なく、目の前の仕事をコツコツこなし、地位を得ています。

ほかにも、業界別のベンチャー転職のポイントをまとめましたので、ぜひあわせてご覧くださいませ。

▼業界別に見るベンチャー転職で活躍するポイント・事例

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最後に

私も、キープレイヤーズを設立して、10年以上ベンチャー業界に関わってきていますが、今ほどベンチャーが面白い時代はありません。

投資や人材紹介でかかわっている企業はどこも面白く、働く方にとってよい会社にしたいと考えている経営者ばかりです。将来経営者を目指す方にとってもいい環境です。

 企業に残ることを私はすすめることもよくありますが、自分の可能性を知りたい、試してみたいという方はぜひ高野まで相談しにきてください。お気軽にご連絡ください。

 Twitterfacebookからもメッセージを受け付けていますので、面識が全くない方でも大丈夫です。

Contactボタンを押してお問い合わせくださいませ。お待ちしております。

キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。

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株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、7社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。165社上場支援実績あり。バングラデシュで不動産会社、商業銀行の設立からの株主、渋谷のバーのオーナーなど。

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