転職

ベンチャー企業の経理職で働く魅力や年収、転職成功事例

こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。

大手企業・ベンチャー企業問わず、多くの会社が経理の方を採用したい!と考えています。ただ、経理職の方がそのことを知らないのではないか?と思うこともしばしばです。

大手企業からベンチャー企業に行く場合は、大手企業のより厳密な管理体制を経験していることから重宝されますし、ベンチャー企業から大手企業に行く場合も、経理の全体像を知っていたり、ベンチャー企業がもつフレキシビリティから重宝されることもあります。

今回の記事では、特に案外知られているようで知られていないベンチャー企業で求められる経理人材について解説していければと思います。

公開してすぐに、公認会計士のひらやまさんにコメントいただきましたので、掲載させていただきます。ひらやまさん、コメントありがとうございます!

キープレイヤーズでは、経理職の方の年収査定・転職相談も承っておりますので、ぜひご相談くださいませ。

経理職の平均年収は高い?職種相場から転職のプロがあなたの年収査定します

キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。

この記事の内容は動画でも解説していますので、動画で確認したい方は、こちらからご覧くださいませ!

 

ベンチャー、スタートアップでは経理がいつも足りない現象が起こる

ベンチャー、スタートアップの場合、B2BでもB2Cでもその会社が掲げているビジョンや事業内容、起業の成り立ち、ビジネスチャンス、経営者、働く仲間たちなどに興味を持ち転職することが多いです。営業や事業開発系の人はゆくゆくは自分で事業をやりたいという人も多いので、参画する人がいます。エンジニア、デザイナーもそこに優れたCTOやCDO的な方がいるですとか、プロダクトに魅力があれば転職します。一方で管理部門のなかで経理職については募集は常にあるのに採用されません。

それは何故でしょうか?今まで数多くの経理職の人にお会いしてきましたが経理職の方の傾向として、他の職種の方と比べて、一社で長く働きたいという志向の方が多いようです。学生時代に簿記1級とまではいかなくても2級は取得して、大手企業や大手企業グループの中で働いています。管理部門の方の絶対数は大手企業がもちろん多いわけでして、特に優秀な管理部門系の方は大手上場企業にいます。

しかし、経理職の方々はわざわざ今の会社を辞めて転職したいとはなりにくいのです。大手の場合、産休、育休制度は比較的言葉だけではなく実施されております。特に35歳以下の経理職の方を転職市場で探そうとすると現実問題少なく、その方をさらにベンチャー企業が採用しようとするととても難しいという問題があります。

一方でIPOを目指しているベンチャー、スタートアップでは経理については内製化をしなくてはなりません。オーナー企業で上場を目指さなければ会計事務所に丸投げでも問題ないですが、上場を目指すためには必要要件に入っておりますので、経理を探すことになります。

比較的経理の方は真面目で責任感が強い方が多いと感じています。「ま、やったことないけどとりあえず挑戦してやってみるか!」みたいな発言を聞いたことがありません。他の職種の方については何か軽視していたり、気軽に考えているわけではないのです。ただ、営業系の方が、「やったことないプロダクトだけどこれを売るのは面白そうだ!」ですとか、エンジニアの方が「このプロダクトは日本ではまだなくて挑戦になるけど是非やってみたい!」というのは今までよく相談をうけて聞いています。

しかし経理の方から「この会社の管理部門はすごい弱くてほぼゼロ近いところから立ち上げられるんですね!面白そうですね!」と言われたことはものすごく少ないのです。会計士の方はCFOを狙っている方が比較的いますが、実は経理は監査法人の方はやったことがないという問題もあります。

逆に経理の方の立場に立つとほとんどの経理の方はそのような理由で、ベンチャー、スタートアップの経理で転職するということがものすごく少ないですから、かなりチャンスがあると言えます。やはりビジネスや転職というものはみんなと同じことをしていたら差別化にならないのです。希少性があるからこそ自分が活かせるというものです。

ベンチャー企業における経理職の仕事・業務内容とは?

幅広い力が求められるためきつい側面もあるが、管理部でキャリアアップしたい方にはおすすめ

リアルな実情から説明すると、ベンチャー企業は事業の収益性を高めることに多くのリソースを注ぎ、いわゆる管理部門・バックオフィスは未整備であることも少なくありません。

そのため経理の仕事も、決まった業務が割り当てられるというよりも、全体の中で取り組むべき領域を自分で考えて実行することが求められる職場も多いです。場合によっては、総務や法務、人事について調べながら取り組む必要が出てくるようなこともあります。

それだけ幅広い業務に携わるチャンスがあると言えますが、自分の役割がはっきりと決まっていてそれを時間内にこなしていく、というような仕事の進め方をしたい方には、正直おすすめしづらいです。

ただ、管理部でキャリアアップしていくことを考えているのであれば、自分の働き方を変えてでも取り組むメリットがあると思っています。

上場する前のスタートアップ/ベンチャー企業の経理職で働く魅力は?

管理業務の全体像を理解して「攻めの管理」をする力に身につく

そのメリットとは、分業されて縦割りになりやすい管理業務を横断的に理解していると、企業をよりよくするための「攻めの管理」がしやすくなることです。

具体的にお話すると、法律を理解して経理が反してはいけないルールが分かると、ルールの中で企業の利益を最大化するためのアクションがとれます。人事評価制度に理解があると、組織がどのようなメカニズムで動いているかが分かるので、守ってもらいやすい仕組み・社内ルールの設計ができます。

これらの能力は、管理部門で管理職や経営幹部になるには、いずれ必要になります。その力を若手のうちから磨く経験ができるのが、ベンチャー企業で経理としてとして働くことの魅力です。

新たなビジネス・事業の管理体制を構築する力が身につく

また、ベンチャー企業では、大型の企業に見られるように事業に紐付いて経理部が設けられることは少なく、全体を束ねる一つの経理部という形式である場合が多いです。そのため、新しいビジネスが立ち上がるときも、その事業に合わせた売上・費用計上の方針を立てる必要があります。

この事業に合わせて経理方針を作っていく能力は、大手企業の経理職で働いていても身につくことが少ないです。でも、大手企業も様々な形で新規事業を生み出していくことが増えているので、ビジネスに合わせて経理の方針を作っていける人材を外部から採用したい、と考えるようになります。

これからビジネスを作っていくスタートアップ企業にとっても魅力的なことは言わずもがなですね。

いわゆるフロントが作った売上が可視化されていく感覚やビジネスが広がっていく、成長していく感覚を味わえる点は、成長企業の経理だからこそ味わうことができるやりがいとも言えます。さらに上場を迎えるようなことになれば、企業を上場させるというプロセスにも関わることができます。

上場についてはタイミングの問題もありますが、監査法人や証券会社、弁護士などと連携して前に進める仕事は、経理部もお金を獲得する仕事なんだという実感を得られるようになるでしょう。キャリアとしても、管理部で上場を支えた経験というのは非常に魅力的に映ります。

若いうちに「上場準備」や「海外事業」に携わり、経験の幅を広げるのもアリ?

たとえば、M&A、グループ会社の立ち上げ、海外展開などを活発に行なう、もしくはこれから行なっていく企業も多い。さらに、立ち上がってから数年で急拡大し、まさに上場を目指していく上での募集も見て取ることができた。

たとえば、給与が前職よりも下回ったとしても、「一時的な給与ダウン」として捉える考え方もある。若いうちのチャレンジが、将来的には自己への大きな投資、自身の市場価値を高められる可能性も。また、経理職の募集においては、詳細な求人情報の開示が難しいケースがある。求人情報に明記されていないポジションやミッションで募集している可能性も考えられるため、興味を持った求人に対して、まずは応募をしてみるのも選択肢といえそうだ。

気になる経理職の平均年収は?

気になる経理の平均年収は、約499万円となっています(2020年1月,転職エージェントDODA調べ)。日本人の平均年収は、約441万円(2018年度,国税庁民間給与実態調査)なので、平均以上の給与を得ることができる職業だと言えますね。

また、男女での年収の違いをみると、日本人全体の男性の平均給与は約545万円、女性は約293万円となっておりますが、経理職は男性約545万円、女性約422万円と男女差が比較的小さい職種と言えそうです。

経理財務部に含まれる中でも、管理会計職や財務職はさらに平均年収が高く、経理職からこの2つの職種にキャリアアップしていく方もいらっしゃいます。

ベンチャー経理職への転職に成功するための秘訣

経験者は一度丁寧に経験を整理し、企業選びに時間を使おう

まず、経験者の場合は、今までどんな企業のどんなフェーズに経理のどんな役割で関わってきたのか、こちらを整理しましょう。経験者を採用する場合は、期待する役割をより明確化して採用したいと企業は考えています。どんな経験を積み、その中であなたがどんなスキルを身に付け、考えてきたかは最低限整理しましょう。

どんなに実績を残した経験があっても、業態や企業フェーズ、求める役割が合わなければ、不採用になることも多々あります。こればかりは、タイミングの問題もありますので、ご相談いただければと思います。

企業側の求める条件がはっきりしていることも多いので、経験やスキル、カルチャーがフィットしていることが分かれば、早期に内定にいたるケースも多いです。

第二新卒の場合は未経験で採用されるチャンスもある

次に、ベンチャー企業が若手の人材を採用したい場合について、考えていきましょう。

ベンチャー企業の中には、いわゆる第二新卒(新卒おおよそ3年目までの若手)の人材も積極的に採用している企業が多く存在します。基本的には、経理経験がある人材が優先的に採用されますが、ポテンシャル人材として未経験者を採用することもあります。

時折、同業他社からの転職で即戦力になるケースもありますが、基本的には2,3年で身に付けたスキルですぐに活躍するのは難しいです。そのため、経験がある場合も、経験があることだけでなく、以下の点を意識してアピールしていくといいでしょう。

自分が未経験のことでも、会社に必要なことを勉強して実行する力

今までやったことがなかった仕事や前例のない仕事に取り組んで結果を出したエピソードがあると、ベンチャー企業の経理として採用しやすいです。

前述の通り、急成長中のベンチャー企業では、管理部門がまだまだ未成熟な場合がたくさんあります。そのため、どんなに経験があっても、指示待ち人間は必要ありません。そもそも、指示系統を整えることも自分の仕事だと考えて取り組める方が活躍できるでしょう。

この点は、経理の経験がなくてもアピールすることができますね。経理の仕事は勉強し続ける必要がある仕事です。やったことがないことも学んで取り組み、結果を残したという経験を選考の場で伝えるようにしましょう。

考えるだけでなく自ら手を動かす姿勢

最初は未成熟な環境を整備する仕事といっても、毎日毎月、企業のお金は動いています。そのため、頭で考えるだけでなく、同時に手を動かせる人材でなくてはなりません。

どんなに中長期に向けた動きをとっていても、短期のお金が管理できていなければ、監査役や投資家からは見放されてしまいます。最近では特に、短期できちんと数字・利益が出せている企業を評価する傾向が強くなっています。

毎日・毎月の数字が適切に管理することができなければ、日々の改善も難しくなってしまいますから、考えるだけでなく日々手を動かし続ける必要があります。

用途に合わせてアウトプットを工夫した経験

ただ業務をこなすだけでなく、その業務が何に使われるかを考え、工夫してアウトプットを出す姿勢がある方は、ベンチャー企業に向いています。

特に上場が間近な企業だと、経営者や財務系の役員と全社視点で管理・報告をすることが求められます。経理で算出される数字は現状を把握するだけでなく、「どう事業成長を実現していくか」「市場から評価してもらうためにどう発信をしていくか」という未来に繋がるものになります。

その視点に立ったときに、どんな指標を捉えておくべきか、相手が必要とすると考えられるか、を想像したアウトプットができる経理がいると、準備がよりスムーズに進みます。

さらには、上場ゴールではなく、上場後のIRまで念頭に置いて業務に取り組むことができれば、経営陣は評価せざるを得ないでしょう。簡単なことではありませんが、実現できれば経理のキャリアを築いていく上で大きな強みとなります。

ベンチャー経理の現場で働く方が求める人物像

税理士で、現在は会計を含めたバックオフィス全体の設計とCRM設計、コンサルティングサービスを提供するリベロコンサルティングの代表を務める武内俊介@業務設計士さんから、ベンチャーの現場で求められている人材について、コメントをいただいたので、ご紹介します。

 

経理、労務、法務に関する幅広い知識

簿記◯級などの資格というよりも、経理、労務、法務全般に関する幅広い知識と経験が必要が不可欠であると考えております。大企業で「経理をやっていました」という人は、この幅が狭いことが多いので、まずその幅を広げるためのアクションをとっていただくことも多いです。

Webで調べれば「情報」は出てきますが、その背景やそれがビジネス上どのように関わるのか、専門家にどのように相談するべきか、という風に情報を処理するためには、幅広い知識が必要不可欠だと思います。

抽象的な思考力と説明するスキル

バックオフィスの一つひとつの業務をする際、目の前の1つ1つの事象に対して個別具体的に考えてしまいがちです。ただ、スタートアップの変化が早い環境の中で経理としてやっていくためには、経営陣や社内への説明、巻き込み力も含めて「抽象的に思考して、周囲に説明するスキル」が必要不可欠だと思います。

言語化スキルといいますか、「〜〜が目的で、それを達成するために◯◯の処理が必要です。だからお願いします」ということを、周囲に納得してもらいながら進めていく力が必要です。

ビジネスへの理解

「私は経理なので」ということではなく、自社のビジネスに興味を持ち、それを成功させるための船の乗組員の1人であるという自覚が必要不可欠です。特にIPO準備を進めていく場合などは、原理原則はおさえつつ、自分の知識と経験、そして自社のビジネスに照らし合わせて考える、という目線を持つ必要があります。

主体的に考えて動ける経理になり、ビジネス全体を統括できる人材に

総じて、主体的に考えて動ける経理が求められているように思います。

また、最近ではSaaSを使って安価でバックオフィスのスキームを作ることも可能になってきたので、一定レベルの以上のITリテラシーやシステムの理解が必要になっていると思っています。

「経理処理をする人」ではなく、「経理知識をもってビジネス全体を統括できる人」になっていくことができれば、各社から必要とされる人材になれると思います。

IPOできる会社探しではなく、会社作りを粘り強くやる根性

CFOとしての上場経験があり、現在は複数社のベンチャー企業の経営に携わっている須田仁之さんにもコメントをお願いしたところ、このようにコメントいただきました。ありがとうございます!

IPOする会社選びをするだけではなく、自分が入った会社をIPOさせるんだ!という気概をもって、チャレンジをしてほしいですね。

経理職の方の転職成功事例〜30代〜

大手商社からECサイトを運営するベンチャーに転職した経理職30歳男性の例

上場企業の経理部に務めていた男性の方の事例です。彼は商社で係長として、4名の部下を束ねていました。その企業の過去のキャリアステップ事例をみると、もう2,3年勤務すれば課長に昇進できるというところでしたが、結婚する前に一つチャレンジしたいとご相談いただきました。

彼には2つのトレーディングの事業部で経理の経験をしていたので、そのときの経験を活かせる場所として、ECサイト事業を営む会社をご紹介させていただきました(あくまで、このときの事例で、ご経験内容や経済情勢によって、おすすめできる企業は変わるので、個別の話はご相談くださいませ)。

見事2社の内定を獲得されていたのですが、上場を目指す企業により早期の段階で参画したいということで、最終的には従業員数20名ほどの会社に入社されました。

ただ、前職の経験がそのまま活きるわけではなかったので、年収や肩書などの条件はダウンでの転職となっていました。転職前はマネジメント職で年収550万円でしたが、転職後はメンバーで480万円でのスタートでした。

しかし、結果を出せば評価される環境が彼には合っていたようです。彼は入社後すぐはベンチャー企業と商社の違いに苦しみつつも、経理の経験を活かしてキャッチアップし、前職の上場企業の基準に近づけるための提案をしていったそうです。半年後には、経理部門のマネージャーに昇格し、年収も前職を超える560万円に上がり、上場準備の中心メンバーになりました。

彼いわくまだまだ道半ばとのことですが、転職時に少し気にされていた条件は前職を超える水準に上がり、さらに上場準備や新規事業の立ち上げなど、未経験の仕事に取り組む充実した毎日を過ごしているとのことで、私も嬉しく思っています。

最後に

転職の鉄則の一つに、「需要のある業種や職種で転職すること」が挙げられると思っています。今回ご紹介した経理職は、需要のある職種だと言えます。

ただ、同じ経理職でも、会社の調達金額を上げたり、資金繰りを改善したりする業務に取り組んでいた方とそうでない方との間ではやはり間が生まれてしまいます。

役割を限定せず、より幅広い知見や高い視座を獲得しながら、経理のキャリアを進んでいきたいとお考えの方には、ベンチャー企業の経理職はおすすめです。

転職を支援した実績も多数ございます。今の年収が適正か診断する、年収査定からのご相談からでも構いませんので、お気軽にご相談くださいませ。

キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。

高野 秀敏

1999年に東北大学を卒業し、株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3500名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。転職・採用、投資のご相談は Messenger、もしくはLINEからご連絡くださいませ。
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