銀行員が転職相談の増加中

銀行員の人で、スタートアップやベンチャー企業に転職を希望している方が増えています。

転職理由を伺っていると、銀行の将来への不安、年功序列の組織から飛び出して自分の実力を試したい、銀行が肌に合っていないので他の業界へ飛び出したいと理由は様々です。

特に若い銀行員の方からの転職相談が増えている印象で、同期のなかには1年目から転職活動をしている方もいらっしゃるようです。

一般的に、第二新卒のメガバンクの方は、新卒の採用レベルにおいて一定以上の水準をクリアしているので、スタートアップやベンチャー企業へも採用されやすい状況です。


30代からの転職は難易度があがる

一方で30代になってくると、本店で企画部門のようなお仕事をされている方以外はなかなか高い評価を得ることは少ないです。

銀行独特の慣習や銀行等の金融機関以外の場所で活躍の場所は決して多くありません。

CFOや経理部門でもメガバンク等の大手銀行出身者はスタートアップへの転職は必ずしも多くありません。

銀行出身で経理部長になっている方は、若いうちに転職して転職先のベンチャー企業で出世している場合が多い印象です。

銀行員の転職は若い間にするべし

銀行の方について言えることですが、もし他業界への転身、特にベンチャー、スタートアップへの転職を考えているということでしたら早ければ早い方が良いでしょう。

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、他にも信用金庫などの20代の方から転職の相談を受けた際は、すぐに転職することをおすすめしています。

若い間のほうがキャッチアップ力があり、馬力があるので、スタートアップの環境に適応できます。

銀行からベンチャーのCFOは狭き門

銀行員からCFOのキャリアを志願している方からの相談も来ますが、もちろん簡単にCFOになれるわけではないです。

銀行員の転職を考えたときに、銀行との相性が良い不動産など、デットが必要な事業のCFOのニーズはあります。

最近のベンチャー、スタートアップは、広義でネット系企業が多いため、デットを中心とした資金調達は行わない傾向にあります。

ネット企業とは、サイバーエージェントやDeNAなどインターネットビジネスを主力の事業に据えている企業を想像してください。


私、高野自身もベンチャー投資を行っていますが、資金調達はエクイティ(株式)によるものが増加しています。

企業は一定の株式を渡し、企業は現金を獲得しています。

エクイティによる調達が盛んになったことで、手持ち資金が少ない20代の起業家でも大きな資金を獲得し、企業の拡大活動に励むことができるようになっているのです。

そうした背景を踏まえると、CFOやCFO候補となりやすいのは、エクイティストーリーを考えることが得意な投資銀行タイプの方かまたは会計士や経理財務あがりの管理部長となってきます。

銀行借り入れ(デットファイナンス)を資金調達のメイン戦略としている場合は銀行員としての経験を十分に生かせるでしょう。

手を動かす経験をもつべし

銀行員の方は、ベンチャーで経理にいっても意外と手を動かす実務ができないという課題があります。

公認会計士であれば、決算締めの対応ができるなど、ベンチャーの実務で使える能力があるが、銀行員は知識はあっても手を動かせないことが多いです。

そのため、手伝いや短期間のインターンという形でもいいので、企業の中に入って実務を覗いてみてほしいですね。

私の転職支援のなかでも、金融機関出身の方々をCFOへの転職サポートをしたことがあります。

銀行員の方もいらっしゃいましたが、デットファイナンスの際に、銀行との調整が上手で、低金利で資金を調達でき、ビジネスを大きくすることに貢献していました。

転職支援した方が、ベンチャー企業で活躍しているのを経営者の方から聞く時、転職支援に関わることができてよかったなと感じます。

銀行出身の起業家はいる

銀行員で起業家を志望している方とも会います。銀行出身の起業家は決して多くはいないもののいらっしゃいます。

楽天の三木谷さんも日本興業銀行(みずほ銀行)の出身です。ミドリムシのユーグレナで有名なユーグレナの社長である出雲さんも三菱銀行を経て起業をしています。

また、タリーズコーヒージャパンの創業者である松田さんも三和銀行で約7年勤務してタリーズを立ち上げました。

このように銀行で培った経験を生かして、起業家として成功される方もいます。

私の友人で1社目が銀行員だったベンチャーの社長がいます。

彼はメガバンクをたった1年でやめています。

わずか1年でも起業した会社で資金調達をする時に、全く銀行や会計がわかっていない人と比べて投資家サイドもある程度わかっている人だからということで理解を示してくれやすいと言っていました。

経験が実際にあるかどうかよりも、銀行にいたからできるだろうと思わせることができます。

私も投資家として活動していますが、投資家、VCからすると、若手の起業家は将来の可能性等の魅力よりも、経験が少ないのでどうなるかわからないという恐怖感のほうが強いですが、銀行出身だと言えばある程度安心するので、その意味で思い切って勝負できます。投資先ですと、Lerettoの秋山祐太朗さんが三井住友銀行出身です。若手の力で成功してもらいたいものです。

 

銀行からの転職は思い切りも大事

銀行からベンチャーへ転職するときに、メリットデメリットで比較すると、どうしても企業の安定性や、給与面で20代のうちはデメリットが多くなってしまいます。

しかし、銀行であと40年働きたいとは思っていない、もしくはほかにやりたいことある場合は、転職を検討してみることも選択肢の1つです。

銀行からの転職が成功している方は、自分の人生を自分で切り開いていこうとする気概のある方ばかりで、環境のせいにせずに自分でどうにかしていこうとしている方です。

環境のせいにせず、主体的に動ける人にこそベンチャーやスタートアップは向いているといえます。

転職に生かせるスキルを棚卸すべし

銀行員の方が転職する際は、銀行員での経験がそのまま活かせるわけではないことはベンチャー企業側もある程度は理解しています。

そのため、面接に向けて、変化への対応力や臨機応変に物事を見る力など、ベンチャー企業で活かせそうなスキルを整理し、手伝えることができるようにしておきましょう。

銀行時代に、融資に関わった方なら、自分が銀行からお金を借りる側になったときにどのようにしたらお金を借りることができるか、考えてみましょう。

銀行から有利な条件でお金を引っ張ることができる方法やスキルを持ち、その話を経営者にしたら、あなたのことを欲しいと思う人は必ずいます。

銀行時代の習慣をいい部分は残し、必要ないものは捨てる決意を

銀行員の方は、資料をチェックし、間違いが1つもない状態にしあげたり、数字を1円も間違えることなく計算したりと、細かさや丁寧さには定評があります。

一方で、全員の判子をもらうことや、判子の押し方のルールを守ることなど、ベンチャー企業では必要のないものは忘れるようにしましょう。

郷に入っては郷に従えということわざがありますが、銀行時代の良い習慣は残しつつ、必要ないと思うことは忘れていくようにするとベンチャー企業でも活躍できます。

転職相談が第一歩

日々転職相談が銀行員の方から来ていますが、転職は早くから動いたほうがその後、よいキャリアを歩めている感覚があります。

ベンチャー企業については、固有の社名を挙げてここで説明していくことは難しいですが、実際に面談した際に、銀行員の方が転職している企業や、実際に銀行員の方が転職した企業についてお話しできます。

また、大々的に募集をしていないスタートアップについても紹介できる求人がございます。

同期が転職を考えているから、転職した先輩がいるからではなく、転職を考えた方でベンチャーやスタートアップに興味がある方は私、高野までぜひご相談ください。

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。

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