新卒でベンチャーに行った人の5年後|スタートアップに入った学生はどうなったか【2026年最新】キャリア相談1万2000件から高野秀敏が解説

キャリア コラム          
       
       
     

新卒でベンチャーに行くべきか。学生から最もよく聞かれる質問です。ただ、この質問に答えられる人はほとんどいません。就活の情報を持っている人は転職市場を知らず、転職市場を知っている人は学生と接点がないからです。キャリア相談1万2000件以上、そのなかで新卒でベンチャー・スタートアップに入った方の5年後、10年後を数多く見てきました。実際に何が起きたのかをお伝えします。

結論:5年後は二極化する。分かれ目は「任された範囲」

先に結論です。新卒でベンチャーに行った人の5年後は、はっきり二極化します。

そして分かれ目は、会社の知名度でも規模でもありません。5年間で何をどこまで任されたかです。事業を一つ任され、数字を持ち、人を動かした経験がある人は、27〜28歳の時点で市場価値が跳ね上がります。一方、忙しく働いたが担当範囲が広がらなかった人は、大企業に行った同期より苦しくなります。

「ベンチャーに行ったから成長する」は誤りです。任される環境に身を置けたかどうかが全てです。

まず、ベンチャーとスタートアップは違います

学生の相談を受けていると、この2つを同じ意味で使っている方がほとんどです。就活では区別せず語られますが、実態はかなり違います。

ベンチャーは、成長を目指す若い企業全般を指す日本独自の言い方です。既存のビジネスモデルで着実に伸ばす会社も含みます。

スタートアップは、そのなかでも新しい仕組みで短期間に急成長を狙い、外部から資金調達をしている会社を指します。株式による調達をしているかどうかが実務上の分かれ目です。

この違いが、5年後を大きく左右します。スタートアップは成長も速いが潰れる確率も高い。ベンチャーは伸びは緩やかでも事業が安定していることが多い。どちらが良いかではなく、どちらが自分に合うかで選ぶべきです。

5年後に市場価値が上がっていた人の共通点

  • 数字を持っていた。売上でも利用者数でも構いません。自分が何をどれだけ動かしたかを説明できる人は、転職市場で確実に評価されます。
  • 職種が一つに固まりすぎていない。営業しかやっていない人より、営業から事業設計まで見た人のほうが選択肢が広い。ベンチャーの利点はここにあります。
  • 会社が伸びた。身も蓋もありませんが、伸びている会社にいた人はポジションが増えるので、自然と任される範囲が広がります。
  • 上に優秀な人がいた。5年目までに何を学ぶかは、誰の下で働いたかでほぼ決まります。

5年後に苦戦していた人の共通点

  • 忙しかったが、担当が広がらなかった。人手が足りない会社では、同じ業務を大量にこなす役割で固定されることがあります。成長と作業量は違います。
  • 会社が伸びなかった。伸びない会社ではポジションが生まれないので、実績が作れません。本人の能力とは関係なく起きます。
  • 教える人がいなかった。研修がないのは覚悟の上でも、基礎を教えてくれる先輩が一人もいない環境は厳しい。5年目で基本動作が身についていない方を実際に見てきました。
  • 会社の名前でしか語れない。「◯◯というスタートアップにいました」だけでは、転職市場では通用しません。

「新卒でベンチャーはやめとけ」は正しいのか

半分は正しく、半分は間違いです。

正しい部分は、研修も制度もない環境で、自分で動けない人は本当に苦しくなるという点です。大企業は新人を育てる仕組みに投資しています。ベンチャーにその余裕はありません。手取り足取り教えてもらえる前提で入ると、確実に後悔します。

間違っている部分は、「ベンチャーに行くと転職できなくなる」という主張です。これは事実ではありません。中途採用の現場で見られるのは会社名ではなく、何を成したかです。むしろ20代で事業を動かした経験がある人は、大企業からも強く求められます。

ただし、これは任される環境にいた場合に限るという条件付きです。だから「やめとけ」と言われるのも、まったく的外れではありません。

フェーズによって5年後は変わる

創業直後(数人〜10人)

裁量は最大ですが、事業が消える確率も最も高い。会社が続けば得られるものは大きく、続かなければ職歴が短く終わります。新卒でここに入るのは、覚悟がある人だけにおすすめします。

シリーズA前後(20〜50人)

新卒にとって最も現実的な選択肢です。事業の形が見え始め、かつ人が足りない。任される可能性が高く、会社が消えるリスクは創業直後より低い。

シリーズB以降(100人以上)

制度が整い始め、教えてくれる人もいます。裁量は減りますが、基礎を身につけながら成長企業を経験できる。迷っているならここが無難です。

大企業に行った同期との差はどこでつくか

よく聞かれますが、5年目の年収で比べると、多くの場合は大企業のほうが高いです。ここは正直にお伝えしています。

差がつくのはその先です。大企業の同期が「担当」を続けている時期に、ベンチャーの人は「責任者」を経験します。この差が効いてくるのは28歳から32歳あたりです。転職市場で管理職・事業責任者のポジションが開くとき、実際に人を動かした経験があるかどうかで評価が分かれます。

ただし繰り返しますが、任された場合に限ります。

地方の学生はどうすればいいか

地方大学の学生から相談を受けることが増えました。都市部の学生と比べて、実力ではなく情報量で差がついているのが実情です。

具体的には、どんな会社があるかを知らない、社会人に会う機会がない、インターンの選択肢が少ない。この3つです。

いまはオンラインで解消できます。多くのスタートアップがリモートのインターンを受け入れていますし、経営者に直接連絡が取れる時代です。地方にいること自体は不利ではありません。情報を取りに行かないことが不利になります。

迷っている学生がいまやるべき3つのこと

  • フェーズを見る癖をつける。何人いて、どこまで調達していて、何年目か。この3つを聞くだけで会社の実態がかなり分かります。
  • 誰の下で働くのかを確認する。会社ではなく、直属の上司になる人に必ず会わせてもらってください。断られるならその時点で判断材料です。
  • 社会人に会う。1人でも実際に働いている人に話を聞くと、ネットの情報がいかに雑かが分かります。

よくある質問(FAQ)

新卒でベンチャーに行くとどうなりますか?

5年後に二極化します。分かれ目は会社の知名度ではなく、5年間でどこまで任されたかです。事業を任され数字を持った人は27〜28歳で市場価値が大きく上がります。一方、忙しく働いたが担当範囲が広がらなかった人は、大企業に行った同期より苦しくなります。ベンチャーに行けば成長できるわけではなく、任される環境にいられたかどうかが全てです。

ベンチャーとスタートアップの違いは何ですか?

ベンチャーは成長を目指す若い企業全般を指す日本独自の言い方で、既存のビジネスモデルで着実に伸ばす会社も含みます。スタートアップはそのなかでも新しい仕組みで急成長を狙い、外部から資金調達をしている会社を指します。株式による調達をしているかどうかが実務上の分かれ目です。スタートアップは成長が速い一方で潰れる確率も高くなります。

新卒でベンチャーはやめとけと言われるのはなぜですか?

研修も制度もない環境で、自分から動けない人が苦しくなるためです。ここは事実です。ただし「ベンチャーに行くと転職できなくなる」という主張は正しくありません。中途採用で見られるのは会社名ではなく何を成したかで、20代で事業を動かした経験がある人は大企業からも求められます。

新卒でスタートアップに入るなら、どのフェーズがいいですか?

迷っているならシリーズB以降(100人以上)が無難です。制度が整い始め、教えてくれる人もいます。裁量を最優先するならシリーズA前後(20〜50人)が現実的で、事業の形が見え始めていて、かつ人が足りないため任される可能性が高くなります。創業直後は裁量が最大ですが事業が消える確率も最も高く、覚悟がある人だけにおすすめします。

大企業に行った同期と差がつくのはいつですか?

5年目の年収では多くの場合、大企業のほうが高いです。差がつくのは28歳から32歳あたりで、大企業の同期が担当を続けている時期に、ベンチャーの人は責任者を経験します。転職市場で管理職や事業責任者のポジションが開くとき、実際に人を動かした経験があるかで評価が分かれます。

地方の学生がベンチャーやスタートアップを目指すのは不利ですか?

不利ではありません。差がついているのは実力ではなく情報量です。どんな会社があるか知らない、社会人に会う機会がない、インターンの選択肢が少ない。この3つが原因ですが、いずれもオンラインで解消できます。リモートのインターンを受け入れているスタートアップは多く、経営者に直接連絡も取れます。地方にいることではなく、情報を取りに行かないことが不利になります。

学生でもキャリアの相談はできますか?

できます。キープレイヤーズでは学生の方からのご相談も無料でお受けしています。就職先を決めていない段階でも、ベンチャーに興味があるという程度でも構いません。転職の勧誘はしませんし、大企業を選ぶという結論でも問題ありません。

まとめ:会社を選ぶのではなく、任される環境を選ぶ

新卒でベンチャーやスタートアップに行くかどうかは、それ自体が正解でも不正解でもありません。5年後を分けるのは、任される環境にいられたかどうかです。

だからこそ、会社の知名度や調達額ではなく、自分がそこで何を任されるのかを確認してください。それは求人票には書いてありません。人に聞くしかありません。

キープレイヤーズはベンチャー・スタートアップに特化し、キャリア相談1万2000件以上、経営者・エグゼクティブの支援4,000件以上に関わってきました。学生の方のご相談も無料でお受けしています。まだ何も決まっていない段階でも構いません。

無料のキャリア相談はこちらから。ひとことだけでも構いません。

あわせて転職するか迷っているときの判断基準もご覧ください。

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執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、12,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。80社以上の投資、9社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。178社上場支援実績あり。顧問、アドバイザー、社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。「ベンチャーの作法」ダイヤモンド社5万部を超えるベストセラー
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