コンサルからベンチャーへ転職する際の注意点と企業選びのポイント

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こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。

コンサルティングファームの方からベンチャー、スタートアップに転職したいという相談が、ひと昔前に比べてかなり増えました。それだけベンチャー、スタートアップが注目されてきているのだと思います。

一方で昇進昇格のスピードが昔よりも遅くなっているという声もあります。

今回はコンサルティングファームの方がベンチャーに転職する際の注意点についてお話いたします。中途採用、転職についての動画なのですが、データでわかるのですが、最近は学生さんもみてくださっているようです。

キャリアについての情報収集を熱心にしていてすごいなと思います。「予習」も大事ですよね。この動画は就職や面接の際に聞かれる、「将来どうしたいのか?」についてのヒントになると思います。

コンサルティングファームといいましても、戦略系、総合系、IT系、シンクタンク系、財務アドバイザリー系、組織人事系、監査法人系、業務•業界特化系、国内独立系など色々な分類があり、ジャンルが分かれています。

一概には言えないところもありますが、コンサルファームからベンチャー、スタートアップに紹介してきた経験から転職後に皆さんがお話ししていた内容についてシェアさせていただきます。

コンサルから起業したDeNA創業者南場さんの思い出

思い出話から入りますが、戦略コンサルティングファームのマッキンゼーでパートナーを務めて、その後ディー・エヌ・エー創業者となった南場智子さんとの印象深い思い出があります。

それは私が社会人一年目の1999年のことでした。

ディー・エヌ・エーを創業した南場さんは創業メンバーを集めることに真剣でした。当時同じく黎明期だったインテリジェンスの新入社員でした。

南場さんはマッキンゼーのパートナー出身の起業家ということで、私から見ると雲の上の存在でした。その南場さんが、私の目の前で真剣に説明をした後に、テーブルにガッと頭をつけて(叩きつけてと言っても良いかもしれません)どうか良い人をうちの会社に紹介してください!と頼まれました。

こんなに桁違いなハイキャリアの人が良い仲間を集めることに心血注いでいるんだなと感動し、絶対に良い人をご紹介しようと決めました。

これは戦略コンサルティングファームで身につくスキルとは関係ないことかもしれませんが、戦略コンサル出身者が起業して必ずしも成功しているとは言えないと思います。

ただ、こういった採用に対する想いや姿勢が、DeNAの急成長を実現させていったのだと、今でも感じることがあります。南場さんの出版された書籍『不格好経営』の中やご講演で、「コンサルティングができることと事業ができることは別物だ」とお話されていましたが、最高峰の戦略コンサルティングファーム出身の方でも、これだけ努力をされています。

このエピソードはエージェントとして、そして投資家として起業家を見る時に大変な影響を今でも私に与えています。『不格好経営』非常に面白い本なので、まだ読んだことがない人はぜひ読んでみてくださいね。

戦略コンサル出身者の転職先

さて、転職の話に戻します。戦略コンサル出身の方は、上場前後のベンチャーの経営企画のようなポジションについていることが多いです。

また、経営企画にとどまらず、事業部長や営業部長として事業サイドにも貢献して幹部になっている方もいます。

例えば、現在シニフィアン株式会社共同代表の小林 賢治さんは戦略コンサルのCDI(コーポレートディレクション)からディー・エヌ・エーに転職し、人事、経営企画、事業サイドなども歴任し、取締役や執行役員として活躍されました。

私が小林さんと最初にお会いした時は、小林さんはDeNAの人事としてでしたが、過去お会いした人事の方の中でも最も結果が出せる人事の方だと感じた一人でした。

とは言いながらも、戦略コンサル出身で経験があるから結果が出せるのか、小林さん自体が優れているのかで言えば、小林さんの場合は後者だとは感じました。

かなり多くの戦略コンサルの方にお会いしてきましたが、ベンチャー、スタートアップでは結果がイマイチ出せなかったという人も一定数いるというのが事実です。コンサルタントとしては優秀で活躍していた人でも結果が出ないという場合があります。

このような状況をみると、コンサルティングファームからベンチャーに転職する際には、気をつけるべき点があると考えられます。一緒に見ていきましょう。

コンサルからベンチャー企業に転職するときの注意点

みんなそんなに働かない

コンサルファームの方がベンチャー、スタートアップに転職してギャップがある点として、社長は違いますが、「あれ?ベンチャーってあんまり働かないな」と感じる方が多いようです。仕事とは労働時間ではなく成果ではかられるべきではあるものの、コンサルファーム出身の方が想像するよりも働かない。時間的な拘束はあまりないと感じる方も多いようです。

年代にもよりますが、コンサルティングファームの事業の構造上、お客様から仕事をいただくという受託スタイルになっており、ベンチャー、スタートアップは会社によるのですが、自社サービス型だったりしますと、比較的ゆっくり仕事をしているように見えるようです。

言ったことをやらない人がいる

コンサルファームにおいて任されたタスクのクオリティが低いということはあってもその仕事を事情もなく、やらなかったという人はいないでしょう。それをやってしまうと会社にい続けることできないですよね。そもそも内定もしないと思います。

一方で、ベンチャー、スタートアップの場合、悪気なく「忘れてました」ということがたまにあります。そこでなぜ忘れていたのか?をとことん掘り下げ続けると、翌日会社にこなかったりという現象があります。

経営者からすると「誰をバスにのせて、誰をおろすのか」(参照:ビジョナリーカンパニー2)はいつも悩んでいるところなので、辞められたとしても問題ないとするケースと、そうはいってもまたゼロから採用するのは大変なので、なんとか野村監督のようにやりくりするとか野村再生工場を期待しているケースもあります。

コンサルファーム出身者はベンチャー、スタートアップでは社長や少なくとも役員直下になることがほとんどですので上とのすり合わせの中で「言ったことをやらない」人をどうするのか?に向き合っていく必要があります。

基本的に年収が下がる(年収問題)

コンサルティングファームの方がベンチャー、スタートアップと比べて年収がずっと高いため、転職時はダウンする方がほとんどです。メガベンチャークラスの場合は、給与ベースは高くなっていますが、それでも外資戦略ファームからみたら低くなります。

転職という目線ですと、ここで下げて入れるのかというのがポイントになります。

ストックオプション については、もちろんキーマンロックという言葉があるように、会社にとって必要な人には付与するわけですが、入社時に書面でかわすということは日本ではほぼありません。従って、結果を出して信頼してもらうという流れとなります。

「辞められたら困る!」といわれる存在になれば、私も含めた投資家から「XさんにはSOもっと出さないと辞められたら困るでしょ?」など助言も入ります。

ストックオプションについて、どれくらいが妥当か分からないという人もいますが、誰がどのくらいストックオプションをもらっているのか調べる方法があります。

日本取引所グループの新規上場会社一覧のIの部をみてもらうと記載があります。これを見ると1%というのがいかに大きいかわかるはずです。実際時価総額1000億で10億、100億でも1億ですので、大きいですよね。ちなみにIの部はベンチャーCXOを目指す人は必読です。

すぐにCOOというわけにはなかなかいかない(ポジション問題)

「CXOで転職したい!」という希望を持っている方がいます。特に外資系戦略ファームの方に多いのですが、実務をやったことがない方でCOOで転職をしてうまくいったケースを自分自身はあまりみたことがありませんでした。

コンサルティングファームの方の壁はここにあるのですが、その会社での実務経験と実績から信頼されて、「あの人は信頼できる、すごい」と憧れを抱かれる方こそCOOなので、当初からCOOになるというのは案外難しいです。そしてそれが必ずしも良いことだとも思いません。

ちなみに自分自身も経験がありますが、現場の人間から「本当にできる人なのか!?」と試されることもあります(笑)みんな笑顔かもしれませんが、真剣に働き抜いている人こそ自分の上司が誰になるのかは気になるものです。

コンサルファーム出身者がいない会社が良いのか?

コンサルファーム出身者がCXOにいる会社ですと、話が早いです。お互いのスキル面の確認もしやすく、コミュニケーションもとりやすいので、相性や条件があえば内定が出やすいです。

一方でコンサル出身の方がすでにCXOでいる以上、そのポジションにはつけません。ポジションが全てではないですが、自分のチャンスを考えると、ファーム出身者が0名の会社に挑戦した方が良いです。会社の弱みを自分の強みで補うという考え方。これが良いと思います。凹凸の関係になっていることが大事です。

また、楽天、エムスリー のように会社がどんどん拡大していけばいくらでもグループ会社ができますし、新会社も立ち上がっていきます。そのような考え方もあります。新規で上場しても楽天、エムスリー のように拡大することはとても難しいです。

とはいえ実際になっている会社があるわけですからベンチャーからMベンチャーになるから活躍の場があるだろうと考えるのも良いでしょう。

実はIT系コンサルファームの方は有利!?

これはトレンド的な話が含まれていますが、DX(デジタルトランスフォーメーション)ブームがやってきて、ベンチャー、スタートアップでもITコンサル的な、DXコンサルティングを事業のコアにおいている会社が立ち上がってきています。ITコンサルファームの方は即戦力ですので、会社が小さいうちは役員クラスの待遇で迎えられるでしょう。

コンサルティングファームの会話をすると、戦略の方が上で、ITコンサルティングのことをやや下に見る傾向の方も多いと感じます。一方で世界一大きな成功したと言えるコンサルティングファームはアクセンチュアですし、ITコンサルがこれだけ拡大しているわけですので、その領域でのベンチャー、スタートアップも当然結果が出るものと思います。

ベンチャー企業やスタートアップの見分け方

印象がぱっとしなくても、社長と直接話してみること

私は投資家なので、「いいベンチャー企業を教えてください」「次のメルカリを教えてください」と質問をしばしば受けます。しかし、完全に見極めることはできません。もしそれがわかれば私は今頃、億万長者になって宇宙旅行に応募しているでしょう。

この会社が確実に伸びる!というのは分かりませんが、伸びた会社に結果として比較的あてはまることは見当たります。

その1つにスタートアップやベンチャー企業であれば社長が優秀であるかという点です。社長の経歴が優れていて、投資家や周りのメンバーからすぐ信用を得てアクセルを踏むパターンもありますし、企業で働いていて圧倒的な実績を出した場合もありますし、小さいころからビジネスが好きで儲ける経験を積んで金儲け自体に長けている場合もあります。

いずれにしても創業した社長がベンチャーを成長させるうえでの核となるものを持っています。

そのため、ベンチャーやスタートアップに入社を考えるときは、社長を見て判断してください。私が紹介するベンチャーのなかには、知名度が高くなく知る人ぞ知るというベンチャーもあります。堅実で控えめでも優秀な経営者はいらっしゃいます。

そうした企業に対して最初はあまり乗り気でなくても社長に会ってみて、この会社にぜひ入りたい!と思われるコンサル出身の方がこれまでもいました。小さい企業だと特に社長の与えるインパクトが大きいので、社長とぜひ話してみてください。

投資家に話を聞くのも有効

私がエンジェル投資家だから言っているわけではありませんが、ベンチャー企業に投資をしている方は、多くのベンチャー企業の内部情報を持っているので、そういう方に聞くことによってベンチャー企業に転職するうえで良い情報を得ることができます。

転職エージェントも企業の中の話を聞けますが、自分の身銭を切って投資をするという行為は企業を見るときの本気度が少なからず違ってきます。

投資家目線と転職エージェントの2つの目線をどっちも持っている私に相談しろと言っているわけではありませんが、多角的な目線から企業を捉えている人に会ってみましょう。

事業会社に転職後に気をつけるべきこと

コンサルティングファームから事業会社に転職するとビジネスの進め方の違いに悩むケースもあります。事業会社の人に、コンサルティングファーム出身の方に、あまりよくないイメージを持つパターンを教えてもらいました。

  • 実務より計画立てるのが好き。
  • プライド高くて仕事選ぶので、言うこと聞かない。言われたことをやらない。
  • コストに対する意識が違うため、ツールがないときにハックしようというマインドない。
  • 実務=資料作りだと勘違いしてる

例えばマーケティングでも、完璧な戦術を説明する資料を作る人よりも、実動して集めてしまう人のほうが事業会社では評価されやすいです。

これらに気をつけて仕事を進めることで、転職が成功する確率もぐっと上がると思います。転職してすぐは大変かもしれませんが、環境が違うので正しく順応できるよう取り組んでいきましょう!

    コンサルからベンチャー転職支援実績のある高野までお気軽にご連絡を

    長年、ベンチャー、スタートアップへの転職支援を行ってきました。

    コンサルティング業界にいる優秀な方を求めているスタートアップやベンチャー企業が本当に数多くあります。

    そうした企業と求職者のマッチングを少しでも多くして、企業も求職者側も満足できるようにできればよいと私は考えています。

    どんな相談でもいいのでぜひお気軽にご相談ください。お待ちしています。

    キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。

    執筆者:高野 秀敏

    東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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