自分の希望を転職の目的にしない
-英語を使える職場を希望する
転職希望者の方とお会いしていると、ご自身の希望を転職の目的にしている方とお会いすることがあります。例えば、「英語が使える職場で働きたい」という希望です。ある程度、語学に自信がある人は、仕事を通じてさらに自分の英語力を磨きたいと考えるのでしょう。その気持ちはわかりますが、そこに落とし穴があります。
まずは、営業でめざましい実績を上げているCさん。TOEICの点数自体はそれほど高くありませんが、ビジネス上のコミュニケーションに困らない程度の英語力と幼少期の海外滞在経験があります。海外赴任への意欲も旺盛で、機会があればチャレンジしたいとアピールしています。こういう人材が、海外展開を考えている企業を志望すれば、お互いの方向性が一致し、結果的にいい転職になるでしょう。
一方、とにかく英語が使える環境に転職したいと考えて、年収ダウンにもかかわらず、外資系企業を選んだDさん。配属されたセクションは日本人ばかりで、肝心の英語を使う場面はほとんどなく、アシスタント業務中心で、スキルアップにもつながらないという結果に終わってしまいました。外資系企業で英語を駆使して活躍するに足る実績がないという判断でした。
Dさんが以前の職場に在籍していれば、いずれはチームリーダーのポジションやマネジメントレイヤーに入ることが出来ました。しかし、英語が使える職場にこだわ理すぎて転職した結果、失敗てしまい後悔しているそうです。
ビジネス英語のスキルを甘く見ないことが得策
転職の場合、帰国子女、ネイティブレベルか、TOEIC900点以上のスコアを保有していなければ、英語のスキルが高いと認められないでしょう。留学経験がある、日常会話に困らない程度の英語力では、セールスポイントにはなりません。やはり実績が必要です。
また、英語に限らず、やりたい仕事ができる環境に移りたいと考える人も多いです。しかし、現在の職場に満足していないからと言って、転職に活路を見出すのは得策とは言えません。むしろ、今いる会社でがんばって、希望のセクションへの異動を願い出る。社内での転職を考えるほうが現実的です。
そもそも「やりたい仕事ができる職場で働きたい」という志望動機自体が、自分本位です。企業はあなたのスキルアップに役立つ仕事を提供するために存在するのではなく、あなたが会社に貢献してくれる人材なのかどうかで判断しています。
業種、職種の転職の難易度
したがって転職は、これまでにやってきたことが問われます。職種を転換するのはハードルが高いのです。一般的に転職の難易度は次のようになります。
・同職種・同業界への転職・・・簡単
・同職種・異業界への転職・・・比較的簡単
・異職種・同業界への転職・・・やや難しい
・異職種・異業界への転職・・・難しい
職種が同じで同業他社に行くのは、即戦力になるので歓迎されます。職種が同じで別の業界に転職するのも、よくあるケースです。では、メーカーで経理をやっていた人が、IT業界の会社に移って経理を担当したり、小売業で販売をしていた人が、人材業界の営業職になるというのはどうでしょう。もちろん、どちらも比較的うまくいくパターンです。
一方、職種を変える場合は、同じ業界であっても難易度が高くなりますし、別の業界を希望するのであれば、さらにハードルが高くなるでしょう。スポーツにたとえると、同職種への転職は野球でセカンドを守っていた選手がショートに移る、外野がサードになるぐらいの感じでしょうか。かなり大変ですが、なんとかなりますよね。
ただし、職種を変えるのは、野球選手からサッカー選手に転向するぐらいの冒険です。アシスタントからでもいいと言われでも、会社側からいえば、経験のない人を雇用するメリットはほとんどありません。やはり転職の場合は、実績と経験が問われます。
チャンスを逃さないようにしよう
自分の実績を着実に積み上げ、それをもとにチャレンジしていく人が会社を移っても活躍できると言えるでしょう。しかし、現在の人材市場は売り手市場とされています。企業側の採用ニーズが非常に高く、本人の志向性とやる気次第では、職種チェンジも可能です。
現に、私が転職をサポートさせて頂いた方も、営業から未経験で人事となりご活躍してる方、ゲーム会社のPMから経営企画へ移動されご活躍されている方など、成功事例を証明して頂いております。
また、営業では全く活躍出来なかった方が、人事になり会社の一線で大活躍されることもあるのです。今、モヤモヤしており、「社内移動制度を使うか?」「職種が同じで同業他社に行くべきか?」「職種を変えたいのか?」何か悩まれている方はいつでもご気軽にご連絡ください。あなたが輝ける場所は絶対あります!一緒に答えを探しましょう。