成功する人はアドバイスに耳を傾け、後悔する人は紹介される案件だけにこだわる。

転職          
       
       
     

人材紹介会社(エージェント)登録のメリット

エージェントへの登録は、自分を客観視するためにも有効です。
転職サイトやハローワークでは、年齢・キャリア・職種・年収など、いわゆるスペック的なマッチングはできても、募集する側がほんとうはどんな人材をほしいのか、ナマの声はなかなか伝わってきません。

これらは募集要項や応募資格を見て読みとるしかないため、ある意味で買い手市場です。一方エージェントは、企業から依頼を受けて人材を紹介するのが仕事ですから、採用側のリクエストをよく知っています。つまり、その人の強みをどうアピールしたらいいか、企業の視点から見たアドバイスができます。
また、転職活動に対しては、次の3つをクリアにしておく必要があるでしょう。

転職成功のポイント


●マスト(must)…求められること →企業側か5の要求

●ウィル(Will)…やりたいこと  →応募側の希望

●キャン(can)…できること   →応募側のスキル

採用してもらうためには、自己PRが必要になりますが、この3つの方向が明確でないと、なかなかよいアピールになりません。
登録にいらっしゃる方は、今、こういう仕事をしている、自分はこんなことができる、今後はこういった仕事がしたいという考えはお持ちですが、この3つにあてはめてみると、どれも足りない場合が多いのです。

というか、個人で企業側の目線で考えるのは、むずかしいでしょう。ある意味で企業側と直接、コンタクトしているプロフェッショナルが関わらないとうまくいかないのは当然だと思います。

この3つの視点からこれまでのキャリアをもう一度、掘り下げてみて、企業側がほしいと思う人材であるように、作戦を練らなければなりません。

日本人は自己PRが苦手な人が多い


そもそも日本人は、自分をPRすることに慣れていません。公の場で自己主張すること自体が苦手です。
アピールが上手な外国の方と比べると、その差は歴然としています。自分をストレートに表現することに慣れていて、それほど意識していなくても、チャンスがあれば売り込むのが自然にできている気がします。

日本人の場合、自己分析をして意見を表明するという訓練をほとんどしていないからでしょう。学校教育でもそうですし、会社においても、そういうスキルを培う機会は少ないと思います。

しかし、転職活動では、自己アピールは欠かせないと認識してください。面接というプレゼンテーションの場で、応募者のよさがうまく伝わるように、人材エージェントをうまく活用してみましょう。


前の項で紹介したKさんは、こちらのアドバイスに素直に応じる方でしたが、以前より少なくなったものの、なかには案件の紹介さえしてもらえばいいという態度の方もいます。エージェントによって強い業界や職種が違いますから、複数の会社に登録するのは珍しくないことです。むしろ、1つだけでなく、いくつかのエージェントに足を運んでみることをおすすめします。

しかし、「どんな案件を持っているのか」ばかりを先に聞きだそうとしても、担当者のほうが熱心になれません。コンサルティングから入るのが基本なので、そこをおざなりにされては、おすすめできる案件が手元にあるかどうかの判断もしにくくなります。

また、そういう方は条件面に対する要求は高いのに、実際のスキルや今までのキャリアをきちんと整理していない傾向があります。どんなエージェントを利用するにしろ、そこがしっかりしていないと、よいマッチングにはなりません。それ以前にご紹介すること自体がむずかしい方だと見送ることも少なくありません。

転職のチャンスは多いほうがいいでしょう。どうせ登録するなら、win-winの関係になれるようエージェントのアドバイスに耳を傾けてください。また、私自身自己PRのアドバイスを長年行ってきましたが、優秀な方も案外自分のPRは実は苦手という人が多いのです。それは本当に機会損失で、もったいないことです。エージェントは無料サービスなわけですから、PRについて相談してみるのも良いでしょう。それで相手の実力もわかると思います。

 

執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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