採用面接の成否は準備が8割

面接の成否は、事前準備がどれだけできるかにかかっています。ほぼ8割が準備だと思っていいでしょう。

ところが、面接の連絡が来て、そのまま臨んでしまう人がけっこう多いのです。面接で聞かれることは、ほほ決まっています。たとえば、次のような項目は、手を替え、品を替え、ほとんどの企業で質問されるといってもいいでしょう。事実関係や理由も含めて、詳しくスムーズに答えられるよう、準備しておくことが必要です。

仕事が出来る人は、事前準備を怠りません。面接の事前対策は、ビジネスマンとしての基本が出来ていることの体現になるのではないでしょうか?

 

一般的な面接の流れ

・自己紹介

・自分の強みと弱み

・職歴(転職歴)

・転職時期と希望年収

・会社選びの軸

もちろん、皆さん新卒の就職活動で面接を経験していますので、面接に準備が必要なのはわかっていると思います。ただ、多くの人が頭の中でなんとなく考えて「うまくいくだろう」と安心しているようです。その結果、面接で質問されて初めて話す時に、まとまらずに撃沈してしまいます。やはり頭で考えていただけではダメです。一度、書き出してみたほうがいいでしょう。

このようにアドバイスをすると、長くてまどろっこしい文章を作ってしまう方が少なくありません。面接はスピーチではなく、面接官とのやりとりですから、まとまった文章にする必要はありません。むしろ、質問に応じて臨機応変に答えられるよう、絶対はずしたくないポイントをおさえておくことが重要です。

そのためにはやはり、想定問答をつくって自分なりに練習しておかないとなかなかうまくいきません。こういうやりとりも一種の慣れですので、言いよどまないように準備しておきましょう。

一般の面接の場合、フィードバックされることはありませんが、面接の出来不出来をクライアントから聞き、フィードバックするのも、人材エージェントの仕事です。

実際、面接でのよかった点や悪かった点を教えてくれる会社はけっこうあります。そのほうがありがたいですし、応募者にフィードバックすれば、今回が不採用でも次につなげることができますし、印象がよければ自信を持って次のステップに進めるでしょう。

 

採用面接のポイント&絶対に避けたいこと

採用面接のポイントはやはり「自分がその企業にどういう点で貢献できるのか?」この点を適切にプレゼンテションすることです。

簡単に言えば、売上を上げるか、コストを下げるかのどちらかになるでしょう。たとえば、経理の方は売上に直結する貢献こそできませんが、今までの経験を活かして、こういう部分のコストをカットできますとか、効率的なシステムを導入して、より会社がスムーズに回るようにしますなどを、自分なりに考えてしっかり話せばいのです。

しかし、そのポイントがズレていることもあります。応募側が「こういう貢献ができます」とアピールしても、相手からは「当社が求めているのは、そこじゃなくて、〇〇というジャンルで貢献できる人なんです」と言われてもひるんでしまう人が多いです。ここで、ひるんではいけません。「そこも、もちろんできます」と言い返してアピールすべきです。

日本人は議論することに慣れていませんので、一問一答みたいな応対になりがちです。しかし、黙り込んで考え込むのではなく、もうl回、投げ返すこと、面接官と会話のラリーを続けるつもりでいたほうが積極性がアピールできます。

採用面接で一番避けたいのは、自分目線の返答をしてしまうことです。よくあるのが「将来起業したいので」や「最初は営業でいいんですけど、ゆくゆくはマーケティングをやりたいですね」などと答えるパターンです。

やる気をアピールしているつもりかもしれませんが、今、エントリーしているポジションを低く見ているのと同じで好印象にはつながりません。企業はあなたのキャリアアップの踏み台でも、起業家の養成塾でもないことを忘れないでください。

経営者は給与を支払う対価として、そのアウトプットを求めます。転職者には、目の前の与えられた仕事を確実にこなすだけでなく、その領域のプラスαのアウトプットも求めているのです。それが企業の成長に繋がります。自分の為に会社があるという考え方は頭から消し去ってください。

 

転職理由がネガディブの人は採用されない

転職を考える人は、多かれ少なかれ、今の会社でやりたいことがやれていません。そして、社内であと一歩、評価されていないと感じていることでしょう。もし、勤めている会社でやりたいことが達成でき、十分評価されていれば、転職しようとは思わないからです。

役職や給与面でもそうですし、たとえば、会社の上層部から自分が可愛がられていないとか、同期に比べてあまり声がかからないとか感じているでしょう。そういう感触は、人間同士だからなんとなくわかりますし、主流にいない疎外感は、年を重ねるごとに強くなってくるものです。

だから、今の職場に見切りをつけて、新しい職場に行きたいと思いはじめるわけです。ただ、それは個人としての「転職理由」であって、「志望動機」ではありません。では、この2つにはどのような違いがあるでしょう。

2つの具体例を参考に、転職理由について考えて行きましょう。

Mさんは、直属の上司とウマがあわず、転職を考え始めました。実際、いきなり残業を言いつけられたり、必要とは思えない書類の作成をさせられたり、あまり評判のよくない上司でした。一度、納得できずに、反論したところ、それ以来、Mさんに対する風当たりが強くなりました。

しかも、その上司は将来の社長と言われる取締役に目をかけられていて、社内では主流派です。このままでは査定もいいとは思えず、昇進も昇給も期待できないと感じたMさんは、転職活動をスタートしました。

ところが、Mさんは最初の面接でことごとく落ちてしまいます。志望動機を尋ねられ、今の上司の理不尽さを訴えてしまったからです。最終面接にも進めず、すっかり意気消沈したMさんは、すっかりやる気を失ってしまい、会社でもミスを連発。別のセクションへ左遷させられてしまいました。

一方、Nさんは業界2位の会社から、業界3位の企業へ転職しました。前の会社も居心地はよかったのですが、国内中心の事業展開で保守的な体質でした。このままではジリ貧だと危機感を覚えたNさんが、最初は小規模でも海外へ進出すべきだと提案しても受け入れられず、上司が握りつぶしてしまいます。次第に限界を感じるようになったNさんは、歴史も浅く積極的な営業方針をとっているその会社のほうが自分にあっているのではないかと考えたからです。

同じ業界ですから、業界事情にも精通していますし、会社の方針の違いもよく理解しています。その中で、自分のやりたいことをアピールしたNさんは、企業側にとって魅力的な人材でした。収入面では若干ダウンしましたが、新規事業部のスタッフとして、今までより権限のあるポジションにつき、やりがいを感じています。

採用側は、会社を辞めたい理由を聞きたいのではなく、「なぜウチの会社に来たいのか」を知りたいわけですから、面接を受ける前にしっかり整理しておく必要があります。

 

近年の新しい転職理由とその表現方法

また、最近の時代背景に沿った新しい転職理由も増えいている印象です。具体的な例を2つ紹介します。

1つ目は、企業の生存能力に対する懸念です。最近は私たちの認識以上にマーケットが早いです。誰もが懸念する衰退産業も確かに存在しています。この状況を懸念して、転職活動を始める方も増えてきました。

例えば、「デジタルの時代に紙や複合機はもう売れないから、成長マーケットで仕事をしたい。」「金融業界の自分の仕事はテクノロジーにリプレイスされてしまうのでもうここで働く価値はない。」など、理由は多岐に渡ります。しかし、これだけですと現状の不満でしかありません。そのマーケットで働く意思決定をしたのはあなたです。他責はNGです。

自分が選ンダマーケットに対して不満を語るのではなく、この状況を踏まえて自分は今後は、どんなマーケットで何を貢献できるのか未来を語れるようにしてください。

2つ目に、チャレンジングな仕事を裁量権を持ってやりたいという転職理由です。自分が実績を出したからこそ、もっと裁量権を持ってチャレンジングな仕事をしたいとお話しされる方が多いです。もちろん企業は即戦力を求めますし、あなたのそれまでの経験と実績は評価します。しかし、あなたが希望する全てを満たす仕事はないと考えてください。

あまりにも転職理由に裁量権がない、自分のやりたい事ができないとお話しすると、能力は高いが自分勝手な人だと思われてしまいます。

 

志望動機で絶対におさえたい3つのポイント

志望動機をきちんと説明するには、次の3つをしっかり伝えなければなりません。


・業界の魅力
・企業の持っている魅力
・仕事内容の魅力

もし、同じ業界にいるのであれば、競合他社から見たその会社の魅力や価値観の良さを伝えれば説得力がありますし、別の業界なら、その業界ならではのおもしろさや将来性、自分自身が興味を持った仕事について言及すればいいでしょう。

いずれも企業側が「なるほど」と思える視点で、「御社を志望する理由」を説明する必要があります。ところが、どれか1つしか言わない人が多いのです。転職理由と志望動機がごちゃまぜになっていることもよくあります。そこをきちんと区別してアピールしないと、今の会社が嫌だから辞めるという感じにしか受け止められません。

「志望動機」がなく、「辞めたい理由」だけがある人は面接ではいい印象を与えません。やはりどの企業も不満だらけの人より、活躍している人がほしいのですから、少なくとも今あげた3つの魅力を、自分なりにまとめ、説明できるようにしておきましょう。

 

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、30社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。

 

 

 

 

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