転職に有利な資格はあるのか?

転職活動でスキルをアピールするための手段として、資格を得ようとする人がいます。ひとくちに「資格」と言っても、宅建や外務員などの業務に必要な資格、自分の勉強の成果として取得する資格などいろいろあります。ただ、少なくとも転職において有利になるのはかなりレベルの高い資格で一握りに過ぎません。

たとえば、弁護士・公認会計士・MBA・英語で言えばTOEIC900点以上などが該当します。取得すること自体がかなり難しい資格でないと転職で有利に働くことはありません。


TOEICにチャレンジしている人は多いですし、英語が役立つ仕事は少なくないので、より高い点数にトライすること自体はいいのですが、900点未満の場合は、あまり付加価値にはなりません。


また、英語を使った職場に転職したからTOEICの勉強を継続するのも、スマートな考え方ではありません。現に、同じビジネススキルを持った帰国子女や日本語も英語も話せる外国人には到底叶いませんね。また、企業が求める水準の英語力に無理して追い付いても入社後苦労される方が多いです。

 

資格をアピールするのならキャリアや経験に直接結びついていて、実績を上げることに貢献していなければ、あまり説得力がないでしょう。詳細はこらの記事でも紹介しました。

→英語ができてもダメはダメ グローバル市場で生き残る能力は英語だけではない

 

大事なのは仕事の結果と実績

転職で大切なのは「資格」をもっているかではなく「実績」があるかどうかです。これは、司法書士や行政書士、社会保険労務士などのいわゆるサムライ業、ファイナンシャルプランナーやインテリアコーディネーターなどのカタカナ職業でも同様です。


資格を持っていることは入口にすぎず、実際にそれで「メシが食える」かどうかは、その人次第です。そのジャンルの知識や技能を修得したくて勉強するのはいいのですが、転職に有利だから資格を取得するのは本末転倒です。履歴書にl行追加することはできますが、職務経歴に関連する実績がなければ、自己PRにはならないのです。

「中小企業診断士」の資格を取得した金融機関に勤めるCさん

金融機関に勤めるCさんは、勤務のかたわら苦労して「中小企業診断士」の資格を取得しました。Cさんはコンサルティング会社に転職を考えていて、セールスポイントになるものが欲しかったのです。


それに資格をとっておけば、ゆくゆく独立開業も夢ではないかもしれない、という淡い期待も抱いていました。融資部門を担当するCさんにとって、受験勉強自体、幅広い知識を得るのに役立ちましたし、合格率の低い資格がとれたことに達成感を感じました。


しかし、実際に転職活動をスタートしてみると、書類選考で軒並み落ちてしまいます。応募者には、公認会計士やMBAなど、もっと高い資格を持った人が大勢いたのです。

やっと面接にこぎつけた会社に出かけてみると、先方は中小企業診断士の資格には興味がなく、Cさんの融資担当者としてのキャリアに注目していました。辞めたいと考えている会社での仕事が評価されていることを知り、資格をとれば新しい道が広がるに違いないと思い込んでいた自分を反省しました。


一旦、Cさんは転職活動を中止しています。今の職場で中小企業診断士の資格を持つ融資担当者として、キャリアアップしていこうと思い直しています。

 

「公認会計士」の資格を持つ外資系の税理士法人で働くDさん

一方、公認会計士のDさんは、外資系の税理士法人で働いていました。

待遇や給与面では不満はないものの、ルーティンワークが多く、自分は事業会社のほうが向いているのではないかと考えはじめました。


公認会計士の資格には競争力があると考え、気軽に転職活動をはじめましたが、2次面接までは進むものの、最終面接で落ちてしまいます。経営に近いポストでの転職を希望していましたが、なかなかうまくいきません。

 

内定が出たのは、最近、海外に積極的に進出している企業の経理部門でした。海外の子会社との連結決算ができ、英語ができる人を求めていたのです。自分自身ではおもしろくないと思っていた業務の経験を買われてのことでした。「経理部門のスペシャリストとして経営に関わるのもいいかもしれない」発想を変えたDさんは、その会社に転職することにしました。

 

キープレイヤーズ高野のコメント


今勤めている会社でいかに実績をつくっていくか、それに専心していくことが一番キャリアアップにつながる近道になるのです。キャリアアップの転職を考えているのでしたら、まずは目の前の仕事に向き合いそこで成果を出すことに集中してください。


昨今は、売り手市場となっていて比較的キャリアチェンジも容易にはなりました。しかし、転職市場では即戦力が必要とされます。やはり即戦力の方がキャリアアップのスピード感があります。

 

まずは、自分の目の前の仕事で成果を出すことに集中してください。しかし、人には不向きもあります。本当に辛い環境と判断した時は、第三者に相談することも大切です。

 

まずは自分の意志でキャリアを築くこと、周りに流されることはないようにしたいものです。ぜひ、こちらの記事も参考にしてください。

 

→「石の上にも3年」はもう古い!自分の意志でキャリアを築こう

 

 

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、30社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。

 

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