ベンチャー企業の取締役就任は、大きなやりがいとリターンが期待できる一方で、理解しておくべきリスクも存在します。
転職エージェントとして約20年、多くの方のベンチャー取締役就任をご支援してきた経験から、就任前に知っておくべき責任とリスクを解説します。
ベンチャー取締役のリスク
1. 善管注意義務・忠実義務
取締役には法律上の善管注意義務と忠実義務が課されます。会社に損害を与えた場合、個人として損害賠償責任を負う可能性があります。
2. 連帯保証リスク
一部のスタートアップでは、取締役に金融機関への連帯保証を求められるケースがあります。就任前に必ず確認し、可能であれば回避しましょう。
3. 競業避止義務
取締役退任後に一定期間、同業他社への転職や起業が制限される場合があります。退任条件を含めた契約内容を慎重に確認しましょう。
4. 解任リスク
取締役は株主総会の決議でいつでも解任される可能性があります。雇用契約ではなく委任契約のため、労働法による保護はありません。
リスクを最小化する対策
D&O保険の加入確認
会社役員賠償責任保険(D&O保険)に会社が加入しているか確認しましょう。万が一の訴訟リスクに備える重要な保険です。
契約書の慎重な確認
取締役委任契約の内容、特に解任時の条件、競業避止の範囲、SOのベスティング条件を弁護士にも相談の上、確認しましょう。
連帯保証は回避する
連帯保証を求められた場合は、原則として断ることをお勧めします。近年は政府の方針もあり、代表取締役以外への連帯保証要求は減少傾向です。
リスクを上回るリターン
リスクはありますが、ベンチャー取締役には大きなリターンもあります。
- 経営への直接参画:事業の意思決定に深く関わる経験
- ストックオプション:IPO時に大きなリターンの可能性
- キャリアの希少性:経営経験は次のキャリアで非常に高く評価される
まとめ
ベンチャー取締役のリスクは、正しい知識と事前の対策で大部分をコントロールできます。リスクを正しく理解した上で、リターンの大きさとやりがいを天秤にかけて判断しましょう。
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