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代表取締役CEO 塚本大地さんの経歴
1993年生まれ、大阪出身の横浜育ち。幼少期を一瞬だけカナダで過ごし、小学校から横浜へ移住。小学生から大学までサッカーに打ち込み続けた元サッカー少年。大学在学中に部活をする傍らWebサービスを複数リリースし、大学4年次に共同代表の渡辺と株式会社DUOを設立。名古屋大学情報工学科卒業(17卒)
代表取締役COO 渡辺稜太さんの経歴
1992年生まれ、愛知県豊橋市出身。大学1年次より代表の塚本と仕事をする間柄になり、複数のWebサービスの構築・運用を経験する。大学3年次に株式会社DUOを塚本と共に共同創業し、同社COOに就任。得意のマネジメント力を生かし、会社運営のディレクション周りを担当。名古屋大学情報工学科卒業(17卒)
株式会社ZIZAI(旧:株式会社DUO)
バーチャルYouTuber事業とアミューズメント事業の2事業を展開しています。バーチャルYouTuber事業では、YouTubeチャンネル「ミライアカリ・プロジェクト」・バーチャルライブ配信アプリIRIAM・バーチャルYouTuberの事務所ENTUM。
アミューズメント事業は、スロパチステーションYouTubeチャンネル・スマホアプリ・Webサイトなどの運営を行っています。
5歳で手に入れたコミュニケーション能力と1日で挫折したプログラミング
高野:今回は、株式会社ZIZAI(旧株式会社DUO)のお二人にお話をお伺いします。まずは、代表取締役CEO 塚本大地さんのご経歴をお伺いしたいと思います。
塚本:僕は、大阪出身の横浜育ちです。幼少期を一瞬だけカナダで過ごし、小学校から横浜へ移住しています。
高野:幼少期を一瞬だけカナダで過ごしたのは、ご家族の転勤ですか?
塚本:ホームステイです。5歳の時、カナダで母親と一緒に1年間ホームステイをすることになりました。これが僕の人格を形成していると思います。誰とでも話せる能力を手に入れることができました。
母親は外国が好きすぎて、1年間仕事を休み、5歳の僕と産まれて半年の妹を連れて、3人でカナダにホームステイへ向かいました。父親は日本に留守番です。25mプールがある大きな家で外国人と一緒に1年間暮らしました。知らない国で英語も全く話せない中、外国人と一緒に暮らすのは5歳の僕にとっては、気が狂いそうなことでした。
全く英語が話せない中、何とかして話す能力を身につけたのだと思います。
高野:ご家族もアグレッシブな方なのですね。
塚本:この経験は今思えば貴重な経験です。
高野:そのあと、名古屋大学情報工学科でプログラミングを学ばれているのですね!流石すぎる進路選択です。
塚本:文系の選択肢はなく、父親が情報工学科出身でエンジニアだったので、父親の姿を見て情報工学科を選びました。しかしこれは、運の尽きでした。
僕はどんな情報工学科出身の学生よりも、エンジニアリング能力は低い自信があります。Hello worldで挫折しました。サッカーを始めるときに、スパイクの履き方がわからず、靴擦れしてボールすら蹴ることができなかったレベルです(笑)
高野:私と同じくらいのレベルですね!私は、htmlとCSSを勉強しましたが、あれは辛い日々でした(泣)。23歳の先生から「高野さんそれは先週もやりましたよ」と何度もご指導を頂きました。
塚本:振り返れば小学校1年生の時も野球を始めましたが、草むしりで挫折しました。
高野:物事の意思決定が爆速なのですね!
塚本:学問と向き合うことを諦め、みるみるうちに単位を落としました。学業はほぼしない傍ら、体育会サッカー部で週6回玉を蹴りつつ、共同代表の渡辺と趣味でいくつかのビジネスを立ち上げました。
共同創業者である、同級生との出会い
高野:続いて、共同創業者である代表取締役COO 渡辺稜太さんのご経歴をお伺いしたいと思います。
渡辺:僕は、愛知県豊橋市出身です。そして、塚本と同じ、電気電子工学科に入学しています。パソコンが好きだったので世の中を変えるのはITだと思っていました。ITを学んでおけばどうにかなるのかなと思い電気電子工学科を選択しています。
塚本とは、学部学科が一緒で知り合いました。60人しかいない狭いコミュニティでした。
高野:今は起業もされているのですから、お二人は学校では目立つ存在だったのですか?
渡辺:学校にほとんどいなかったので、悪い意味で目立っていました。理系なのに勉強をほぼしておらず、テストを乗り越えることが大きなミッションでした。
塚本:単位をひたすら落として留年の危機に陥った時は、先生に単位交渉のメールをしたこともありました。
渡辺:その上、中毒のようにパチンコとスロットにはまっていた時期もありました。バイト代が手に入ったら全てその日に使うほどはまっていましたね。
塚本:そんな渡辺に僕は「パチンコは遊ぶものではなく、お金を稼ぐものだよ」と、教えてあげました。これを渡辺もすぐに理解して、渡辺も勝てるようになりました。
僕は、パチンコ・パチスロの絶対勝てる方法を知っていたんです。それは、アルゴリズムなんです。エンジニアリングは苦手でしたがアルゴリズムを解くのは得意でした。
高野:でもそれって賢い方しか再現できないですよね?
塚本:数字に強くないと無理ですね。ビジネスと一緒で、試行回数と期待値なんです。当たると思ったものに対してどれだけのコストをかけて、何発やれば当たるかの計算です。これを機にさらに、僕たちは仲良くなりました。
渡辺:大学3年生からは趣味で、アメーバブログの使い方やhtmlの勉強をしました。
高野:もう少し年上の人だと、SEOとかで稼がれていましたよね。
渡辺:僕たちはそこまでかっこいいことはしてません。30年前でもできるようなビジネスをしていました。安く買って高く売る転売に挑戦したこともありました。
高野:学生時代に転売を経験している方は起業家に多いですよね。本当にビジネスがお好きなんですね。
塚本:この時に創業メンバーを一人採用しています。宮崎大学中退の28歳ニートで一度もあったことのない人を1本の電話だけで名古屋に連れてきて創業メンバーにしています。家族を捨てて来てくれました。僕の家に住んでいましたね。今も弊社で活躍しているメンバーです。
高野:素晴らしい採用力です。
大学4年の夏に個人貸し付けで1300万円集め法人化
塚本:実は僕たちは、全ての選択肢がなくなって、消極的に起業をしています。気がつけば留年し、ぼーっとしていたら就職活動の期間が終わっており、会社をやるしか選択肢がなくなったという悲しいパターンなのです。
院に行く・企業で勤める・起業するなどの選択肢がありました。しかし、院試を忘れて、就活も忘れて、八方塞がりとなり起業する運びとなりました。
渡辺:大学の卒業も一つのミッションでしたね。本当に勉強をしていなかったので、たくさんの人のお力添えを頂き、卒業することができました。大学のレポートや卒業論文の作成でディレクションを学んだのかも知れません(笑)
高野:大学のレポートと卒業論文から学ぶ、ディレクションですか(笑)。全ての経験が今に生きているのですね。
塚本:そして、全ての選択肢がなくなり起業を決めました。大学4年の夏に個人貸し付けで1000万円ほど集めて法人化しています。
高野:個人貸し付けで法人化されたのですね!どんな経緯でどうやって集めたんですか?
塚本:学生が本格的に法人化するには、お金が必要です。その時に、お金を持っている人を見つける必要があり、社長が集まる場所を探しました。そこで見つけたのが、名古屋で開催されていたIT飲み会でした。3年前の名古屋にはこのような会はほとんどなく、唯一の場所でした。
IT飲み会ではその場で、30秒のブレゼンをしろと言われ、サイト制作と転売をしていると話しました。数人の方が気に入ってくださり、一人の方とは朝までお話をするお時間を頂きました。
高野:そこまで動いてしまうのが凄いです。
塚本:その後、いろいろな大人をご紹介頂きました。最後にお会いしたのは、株式会社プロトコーポレーションの創設者の横山順弘さんです。
高野:株式会社プロトコーポレーションは、JASDAQ上場企業で車の情報サイトの「グー」が有名ですよね!名古屋を代表する企業様ですよね。
塚本:横山さんの凄いところは、企業経営だけではなく、数社に投資をしていて全て成功に導かれていることです。名古屋で有名な株式会社ティアなど成功されている会社に関与されている目利き力のある方です。
恐らく、相当資産をお持ちの方だったと思います。そして、僕は横山さんに交渉しました。
1000万円もの大金を借りようというのに、当時の常識知らずな僕たちは事業プランやプレゼン資料など一切持たず、手ぶらでその日初めて会った横山さんに「1000万円貸してください!」とお願いしました。
その結果、当然ですが、すぐに帰らされました(笑)
高野:当たり前ですよね(笑)
塚本:2回目にお会いしたときは、小学生が作ったような、ベンチャー業界史上最低レベルのプレゼン資料を持っていきました。あまりにも適当な事業計画を見て、横山さんが爆笑していたのを覚えています。
内容に関してはもちろんダメダメだと一蹴。実際めちゃくちゃでしたからね。
結局、事業計画に関する話はほとんどせず、僕たち2人の将来の夢などについて勢いに身を任せて話したら、「今の君たちに事業計画をきっちり作るのが無理なことくらい分かってる。そんな状態でもこれほどの自信があるなら、お金を出してあげてもいいかな」と言ってくださいました。
今回の話の一番面白いところですが、なんと横山さん、僕たちの会社の株を1%も持たずに、しかも無利子で、1000万円を貸してくれています。
高野:えっ!?1000万円も出してるのに持ち株0!?しかも無利子!?
塚本:そうなんです。
▼当時のやり取り
塚本:株は1%も持たれたくないから個人貸付にして欲しいです!
横山さん:まあそれでもいいけど、金利とかどうするの??
塚本:0%で!!
横山さん:それ僕になんのメリットがあるの??(笑)
塚本:全くないです!!(笑)孫を育てると思って…。
こんな感じの、わがまま言い放題の交渉で、投資という形でなく1000万円を個人名義でお借りすることになりました(笑)
高野:凄まじい交渉力ですね。
塚本:もうおじいちゃんからの1000万円貸付のお年玉でした。今、冷静に考えると、大学生の何の事業もない僕たちに1000万円を貸し付けてくれた。この意思決定が本当に凄いと思います。
渡辺:余談ですが、横山さんはラーメン屋さんにも投資してうまく行ってるみたいです。
高野:(爆笑)
塚本:横山さんは、経験者やベテラン、上場フェーズの企業にお金を出す方でした。僕たちの交渉は前代未聞のでレアケースだったそうです。
半年で失った1240万円、そして1発目の事業は0円の事業買収
高野:1000万円を手に入れ、どのように事業を進められたのですか?日々順調でしたか?
塚本:いえ、地獄でした。
何もわからない学生がノリで、このくらいなら儲かるだろうと事業計画を書きました。しかし、全くうまく行きません。横山さんに借りた1000万円と300万の合わせて1300万円の資本金でスタートしましたが、何もしないまま、1240万円まで溶けて、半年で残り60万円になってしまいました。
そんな時に登録者がたくさんいるYouTubeチャンネルを買収することができました。僕たちの1発目の事業は買収なんです。これは、日本で僕らだけではないでしょうか?
高野:それはいくらで買ってきたのですか?
塚本:0円です。これが僕の一番の功績だと思います。
高野:一体何をされたのですか?
塚本:本当に全部のお金がなくなり限界がきたので、事業をやっている場合でもありませんでした。そのため、アライアンスとして提携できるところをインターネットでひたすら探しました。
僕たちが運用したらどうにかなりそうなものを必死に探しました。その時、YouTubeで個人の方が運用されてるパチンコの強いチャンネルを3つ見つけることができました。僕が評価をしたら1億から2億の価値はあるけど、個人でやっているため月100万円くらいしか儲かっていないチャンネルだったのです。
運用者としては個人で運用しているので収益は100万円程度で充分だったそうですが、僕たちがスキームを立てたら1億になるとひたすらお声がけさせて頂きました。
高野:どうやって、お声がけされたのですか?
塚本:この人は絶対見るというメッセージを、Twitter・Facebook・Instagram含め全アカウントから、何回もめげることなく送り続けていました。そしたら、ある日返事がきて、「電話ならいいよ」と連絡を頂戴しました。3ヵ月程アタックしてやっと連絡が返ってきたのです。
そこでお話しできたのは、愛媛在住で日本で一番強いチャンネルの方だったのです。半月くらい毎日5-6時間電話を続けていましたね。
最初は、僕のことを詐欺だと思っていたようですが、仲良くなりすぎてお会いすることになり、渡辺と二人で愛媛まで会いに行くことになりました。
高野:流石の交渉力です。
塚本:初めましてとお会いしたその日に家に泊まって、「このチャンネルをくれるまで僕は帰らない」と言ったら、折れて「もう、お前らはすげえ」と、Youtubeチャンネルをくれました。
高野:でも無料ではくれないですよね?
塚本:当時の僕たちはお支払いするお金がなかったので、0円で頂きここの広告収益で伸びた分は全額お支払いすると約束しました。
しかし、最初は100万円の売上がまさかの30万円にまで下がり、喧嘩をすることもありました。僕たちを信じてくれと半年待って頂き、徐々に売上は戻ってきて、現在はそれなりの売上になっています。
高野:結果的にその方は売って成功だったのですね。
塚本:今は本当に感謝されています。東京までわざわざ会いに来てくれますね。
渡辺:「ありがとう!家を買えたわ」と感謝されたこともありました。
塚本:この方は35歳くらいの動画受託会社の社長で才能がある方でした。趣味でパチンコの動画をやったら上手く行ったようです。
高野:売る気もない人から直接買った事実が凄いです。
塚本:ちなみに、大手のIT企業さんも買収のアプローチをしていたそうです。しかし、他社さんは断られていて、僕たちには会ってくれました。めちゃくちゃ熱いメッセージを諦めず送り続けた功績です。
高野:なかなか真似できない、凄いエピソードですね。
塚本:そもそも、8時間かけて車で愛媛に行ったのが凄いことだったのかもしれません。
渡辺:塚本は原付の免許しか持ってなかったため、僕が行き帰り全て運転しました。塚本は後ろでボックス席を倒して寝ていましたね(笑)
塚本:あの時はありがとう!
得意領域で勝つ目利き力
高野:この後はドメインをパチンコに決定され、事業を推進させたのですか?
塚本:ノリでドメインをパチンコに決めわたけではありません。僕は会社を百発百中で当てたいと考えていました。そして僕たち凡人が勝てるところはどこだろうと調べたのがスタートです。
ブロックチェーンビジネスなど複雑な構造のビジネスは、東大生や頭脳集団とバッティングしてしまうので、僕たちに勝ち目はありません。
高野:素晴らしい目利き力ですね。
塚本:マーケットの調査は真剣に行なっています。不動産・介護・パチンコなどのレガシー産業とその競合を見ていました。その時、マーケットが大きくかつ競合が少ない、ベンチャーがこないドメインで僕らの若さでも理解できるのがパチンコのマーケットでした。そして、まずここで一発やってみようと決めました。
ここで勝てなかったらどこの事業をやっても無理だから、一旦は100%勝てるところでやろうと決めたのがパチンコ領域だったのです。
高野:そして、パチンコが主軸になったのですね!
渡辺:無料で頂いたYouTubeチャンネルで企画を進めました。それから一気に僕らは火を吹いたと思います。上昇気流に乗れました。
当初のYoutubeチャンネルの登録者数は15万でしたが、今となっては70万になりました。半年で全国での知名度も上がってきた印象です。そして、売上が立ち、人が増えて、商品開発も進む良いループになりました。
高野:どのようにして人を増やして行かれたのですか?
渡辺:Twitter採用がメインでしたね。塚本がTwitterで人を探して来て、お会いしてその場で採用をしています。僕は「急にまた新しい誰か来たな、びっくり」みたいな感じです。
塚本:僕は人を説得させる能力は極めて高いと思っています。ここだけは、天才的な自信があります。最初のメンバーは愛知・岩手・宮崎・埼玉・静岡から採用しています。全員、引っ越して働きに来てくれました。パチンコ店の駐車場で面接をしたこともありましたね。
高野:普通は来てくれないですよね?
塚本:ネットのエゴサーチで僕らの事業内容に興味がありそうな人を探して、ひたすら全員に連絡をしています。連絡が来たら電話をして、状況を伝えて一度あって頂き、採用することを繰り返していました。
渡辺:今も採用はこのフローが多いですね。
オフィスの移転、そして、DUO・ZIZAI流新規事業開発
渡辺:トライアンドエラーを繰り返しながら、1240万円を使い、残高は60万円になってしまいました。「それでも僕たちはいける!」と思い、11月に初めてオフィスを構えました。
それまではメンバーの自宅で作業を行っていました。名古屋の新栄に初めてオフィスを構え、メンバーは5-6人でした。この時はお金こそありませんでしたが、本当に感慨深かったですね。
高野:本当に思いきった行動をされますね。
塚本:移転して間も無く、名古屋大学から3人インターン生が来ました。やっと売上が立つようになったタイミングで新規事業を考えていました。
この時に目をつけたのは、バーチャルYouTuberのキズナアイです。これなら僕たちでもできるし、流行ることは間違いないと思いました。そのため、名古屋大学のインターン生には、東京へマーケット調査に派遣しました。僕たちは名古屋で仕事をしていましたが。
高野:インターン生を名古屋から東京に送り込むのも凄いですね。
塚本:このタイミングで東京にオフィスをだそうと決めました。
高野:これは東京じゃないと会社が大きくならない判断ですか?
塚本:はい。もともと東京でやらないと会社は大きくならないと思っていました。加えて、東京でビジネスに挑戦したかったのでベストなタイミングでした。
DMM、サイバーエージェントを超える企業を作る
高野:現在は、パチンコ業界向けのアプリ制作や、YouTubeチャンネルの運営が収益のメインで多角的に事業を展開されていますね。
塚本:パチンコ業界にはIT系の企業やサービスが少なく、僕らのような小さな会社でも会社が回る程度の収益を上げることができます。既存事業のみでは指数関数的に収益を増やせそうにはなく、既存事業の利益を元に、新規サービスも作ろうとしています。
高野:これからは今後の展望について教えて下さい。以前、「DMM、サイバーエージェントを超える」とお話しされていましたよね!
塚本:そうですね。
でも、会社を作る際に共同創業者の渡辺と2人で話しあったのは、「大好きなDMMやサイバーエージェントのような素晴らしい会社を作る」ということだったのです。現在の事業を成功させ、その中で培かわれた知恵・経験を元に、大切な仲間とともに大いなる飛躍を狙っていきます。
高野:どんな方と一緒に働きたいですか?
塚本:同じ能力なら若い方がいいです。
幸い今、会社の状況はかなり良好です。この理由は年上の方々のお力をしっかり借りたからだと思っています。今後も会社を成長させるために、年上のお力はお借りしたいです。これまでも、ビジネスのどこに地雷があるのか目利き力のある人を採用してから、会社が軌道に乗りました。この採用は一歩間違えると大変なことになりますが、年上のお力を借りたからこそ今があります。
高野:塚本さんなら素敵な大人も巻き込めると思います。
塚本:人格としては嘘をつかず素直で、ポジティブに自走ができる方と働きたいです。向上心があって、僕らの会社のベンチャー気質をさらに強くしてくれる人が必要です。人が増えれば、ベンチャー気質は薄まると思います。そんな中でベンチャー 気質を濃くしてくれる人、そんな人と働きたいと思っています。
会社を始めてはみたものの、僕自身、頭がいいわけでも、クリエイティブなわけでもなく、プログラミングができたりだとか、何かの技術があるわけでもありません。逆に言うと何もないんだけれども、人を巻き込むのと、「想い」を形に変えるのは得意な方かも知れません。だからこそ、僕にはない、才能を持った優秀でスマートな仲間がたくさん必要です。
高野:組織に関しての質問です、お二人の仲はずっと良好なのですか?
塚本:今のところずっと良好ですね。
高野:素晴らしいです。
渡辺:そんなに仲が悪くなるほど、近くないのかも知れません。
塚本:大学生の時はずっと一緒にいましたが、東京に来てからはずっと一緒にいることは無いです。仕事でもちろん一緒にいますが、プライベートは各自で楽しんでいます。
高野:もうお笑い芸人みたいな生活になっていきますね。大人になってくるとそれぞれ、自立していくのでしょう。
とあるITの大手企業(昔はベンチャーだった)A社さんは最初は3人で創業していますが、お互いの電話番号も知らないとお話ししていました。仲が悪いという意味ではなく、元々は友達でも無い関係値でビジネスをしていたそうです。1週間に1回必ずランチをする決め事だけがあり、それ以上話すことが無いから、連絡先も知らないみたいです。これは新しいと思いました。
渡辺:流石にそこまでではありません。ご飯とかはたまに行きますよ。それこそさっきもサイゼリアで話をしていました!
若手起業家へのメッセージ
高野:起業がブームになっていますが、お二人のようにやり抜いて、成功させる方は本当にレアだと思っています。お二人の背中を追いかける若手起業家にメッセージを頂戴したいです。
塚本:僕は、必ず全員にお話をしていることがあります。ビジネスにおける7段階のフェーズです。
・アイディアを思いつく
・実行するための金と人を集める
・実際にそれをサービスに落とし込んで実行する
・サービスを人に使って使ってもらう
・流行らせる
・マネタイズする
・マネタイズの途中に組織的な課題が出てきて、それをやっている間に競合に食われる。
この7段階のフェーズです。これを1つ1つ乗り越えるのは本当に難しいことだと思っています。そのため一旦、弊社で挑戦すればいいと思います。弊社を踏み台にして下さい。
僕は、この7段階を今の若手起業家と同じくらいの年に一回経験していますが、僕がやるんだったら、この事実を先に知りたかったです。
渡辺:確かにそうだね。
塚本:起業すると10人に1人はこれを経験できると思います。しかし、残りの9人はこのフェーズに踏み入れる前に終わります。
踏めない9人には弊社で働くことをオススメしますが、逆に僕らのところに来ないがゆえに、10人に1人は僕ら以上になれるとも思っています。「圧倒的に俺は天才で絶対」と思うなら、自分でやることを応援します。
しかし、この7段階のどこかや自分がマネタイズは下手だなと思うのならば、一旦、うちに来たら絶対成功するプロセスを一緒に通ることができます。
渡辺:初心者で起業するのは、無駄が多いです。僕たちも無駄ばかりでした。僕たちは運が良かったので、DUOの再現性は低いのではと思っています。
塚本:10人のうちに当たるのは1人しかいなくて、もう一度、僕たちが同じことをやっても当たるかはわかりません。
渡辺:僕たちもまだまだ、何も知りません。日々、学ばせていただいております。やはり経験値がある方は戦い方を知っています。
高野:自分たちにしかない強みを発揮して下さい!
渡辺:やはり、目指すのはDMMやサイバーエージェントを超える企業です。既存のYouTube領域やVRにとらわれる事なく、僕たちの目線で因果関係のないことに手を出し、コングロマリット企業を作りたいです。
高野:今後の期待が大きすぎるお二人でした!素敵なお話をありがとうごさいました!
キープレイヤーズ高野のコメント
東京以外のエリアから立ち上がって、どんどん拡大中のDUOさん!塚本さんも渡辺さんも若くノビシロが大きな経営者の方です。世間では大型調達のスタートアップがニュースになりますが、DUOさんのように最初は借り入れでしたが、ほぼ自己資本にで経営ができているのは素晴らしいことです。
既存事業もまだまだ伸びますし、新規事業にも次々挑戦していくというスタイル。常識にとらわれない経営スタイルです。塚本さんは例えるならば明石家さんまさんのビジネスバージョンのような方で常にポジティブ。渡辺さんはそれに対して冷静に思考、行動を続けて経営を支えているように見えます。
学生ベンチャー的に立ち上がり、その後本当に成長できたという会社は実は少ないです。リブセンスさん、メタップスさんなどもちろんありますが、それに続き成長し続ける会社さんだと思います。まだスタートアップ界隈では知名度はそこまで高くないかもしれませんが有望な企業でオススメです!!
株式会社DUOは株式会社ZIZAIへ社名変更しました!
<取材・執筆・撮影>高野秀敏・田崎莉奈