「いいデザイナーを紹介してほしい」

近年のデザイナー需要により、こういう話をよく聞きます。私個人の感覚ですが、デザイナーの平均日単価がここ5年間でほぼ倍に膨れ上がっている気がします。デザイナーの地位は上がる一方なので、企業側に準備できていないことは実はたくさんあります。

今回はデザイナーの方々にお話を伺った上で、本記事を作成しました。少し耳の痛い話になるかもしれませんが、ぜひご一読ください。

 

どんなデザイナーが良いデザイナーなのか

まず、いいデザイナーとはどんな人材でしょうか?あらゆるツールを使いこなせるスキルフルな人?意見を言える人?単に作業の早い人?どれかは探せばいると思います。しかしながら、クラフトマンシップとビジネスマンシップを両方併せ持つ人は実際にはかなり稀です。東京大学と多摩美術大学を両方卒業するようなものです。いたとしても大方は年棒で苦労するでしょう。

「UI/UXデザイナーがほしい」という会社に話を聞くと、普通の「Webデザイナー」で良かったりするケースは非常に多いです。スキルフルなデザイナーと出会いたいならクライアントワークの多い制作会社に多いですし、チームビルドやUX改善の術を知るデザイナーなら事業会社に多いです。同じデザイナーでも属性が違います。

なお、デザイナーの間でも評判がよいデザイナーさんだと、ベイジの枌谷力さん、Gunosyの森浩明さん、basecampの坪田朋さん、IDEOの石川俊祐さん、the guildの安藤剛さん、クックパッドの宇野雄さん、米田哲丈さん、メルカリの黒野明子さん、アウルスの菊池将史さん、OHの割石裕太さん、ウルトラとキャスターで兼業している佐々木恒平さん辺りが挙げられると思います。発信をみていても思うのですが、自分の得意不得意などを分解して理解して仕事ができている方が多い印象です。

自己理解ができている方を採用するには、その方に対して期待することを企業側が明確にする必要があります。そのため、理想のデザイナーの採用したいなら、まずは自社のペルソナや擬人化などから考えてみてはどうでしょうか。

 

会社にデザイナーが定着するためには

ビジネスやPMFへの理解、CDOやCXOの両方を併せ持つ人材。しかし、そもそもそんな人材が来てくれる確率はとても低いです。そのためにも強い人材に育てる視点は持たないといけません。

あなたの会社のブランド価値を含めた会社の魅力は何でしょうか?
デザイナーの方にとってワクワクする魅力はなんでしょうか?
ちゃんとデザイナーと向き合えるでしょうか?
クラフトマンシップとビジネスマンシップを併せ持つプレイヤーだからといって振り向いてくれる確率はどれくらいでしょうか?
プロダクトの魅力を伝えるのはもちろん、インプットも大事にする勤務形態や日々更新されるデザイナーの給与額などの対応は十分でしょうか?
会社のビジョンを可視化する人物を大事にしない会社に未来は言語化や可視化できないかもしれません。

 

デザイナーを育成する前提が無い

デザイナーになりたい人は実はたくさんいます。

Daily UI

cocoda

上記の二つはUIデザインの宿題を毎日出していくサービスですが、事業経験のない新人でもこういったサービスを基にポートフォリオを貯めることはできます。実務よりも最先端なニーズがあることを楽しみながら勉強することができます。

昔、あるスタートアップのデザイナーは新人のデザイナーにWebサービスのトップページを100回も鉛筆でトレースさせてましたが、UIデザイナーに必要な洞察を養うことができます。デザイナーにおける才能とは、教養の蓄積です。デザイナーが普段からどういうインプットをしているのかでデザイン対象物へのアウトプットは大きく異なります。

ベテランのデザイナーが採用できない場合は、新人デザイナーを育成するのもひとつの手ではあります。社内に評価者がいない場合はメンタリングを行うデザイナーを外部から招き、OJT期間として3ヶ月〜半年ほど頼みましょう。勘違いして欲しくないのは、デザイナーは妖精や魔法使いではなくれっきとした「社会人」です。

 

デザイナーのプロダクトへの貢献値を見よう

デザイナーは現在では経営やビジネスの教養がある人が少ない職業ですが、世界観、グラフィックを可視化するだけで事業の解像度が数段上がります。ヴィジョナリーな経営者と相性が非常に良いです。スタートアップ界隈でも経営者とデザイナーのセットで次々とサービスを立ち上げる人も出てきています。

しかしながら、デザイナーにオールラウンダーなスキルセットが求めはじめると、素養のある人を探すのは非常に困難です。求めるクオリティを単に見た目から、プロダクトの検証が早く回るようにするようにプロジェクトへのコミットとしての評価を定性から定量から、きちんと両面のKPIの設定をしてあげているでしょうか?デザインの正しい評価を行っていない会社で活躍できると思うデザイナーはどれほどいるでしょうか?

 

デザイナーの採用は難しいからこそ、良い若手を見つけよう

良い若手と言うと人によって価値観は違いますが、現場のデザイナーと同じ視点を持つ人が良い若手かなと思います。スキルまで求めるのは贅沢かもしれません。

例えば、アプリ制作において、UIデザインではコンポーネントを作ったうえで議論がきちんと出来る人は探せると思います。その評価は経営者がするのか、外部から招聘したデザイナーが行うのか様々ですが、相対性をきちんと持った上でゴールを共有しプロジェクトを進めることには他の職種となんら違いはありません。ユーザーインサイトもできる若手もいれば、UXデザインをワークショップで習った若手もいます。ポートフォリオがないなら、仮説から実証までのプロセスを作れる若手であればすぐにでも成長をします。これが機会を与える良い若手のデザイナーです。

 

良いデザイナーはどうやったら見つかるのか?

IT勉強会支援プラットフォーム「Connpass」

そんなより良い若手をどう見つけるのか?出会いは様々ですが、UXデザインのワークショップでは多くいるように見受けられます。UIデザインで困っているなら、UIデザインのワークショップですとデザインツールが必要となるのでハードルは高いですが、UXデザインのワークショップであればツールがなくても思考法やダイアログ等を中心とした様々なデザイン手法を学べるはずです。

デザイン思考をまずは自分に取り入れつつ、努力しているデザイナーにも出会うことができると思います。相対性もない中で、いいデザイナーかどうかわかるはずもないので、まずは自分の会社にとってのいいデザインとはなんなのか?ユーザーペルソナを数パターンほど定義し、そのユーザーと仲良くなれそうなデザイナーを探してみましょう。

その人のスキルは好みで伸びますが、そもそものサービスの好き嫌いはほぼ変えれないものですし、最近では企業がSNSで情報を発信することも増えたため、ブランドボイスの設定も非常に重要となります。例えば、ご当地のゆるキャラが急に敬語になったらかなりの違和感がありますよね。ちょうどいいものは大抵は気がつかないのですが、チューニングができないとなかなかできないものです。このチューニングを「ブランドボイス」といいます。

どんな属性をもつプレイヤーが必要なのか、自分達はどんな属人性をもつサービスなのかを議論しましょう。経営者とデザイナーが繋がらないといけないと思うのは、どんなコミュニティを形成していくのかをチューニングしないといけないからだと思っています。

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。

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