古岸和樹

明治大学卒業。カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(旧株式会社ツタヤオンライン)、ヤフー株式会社にて、映画・音楽といったエンタテインメントコンテンツの企画・プロデュース・ディレクション・プロモーションに従事、株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパンへ出向)、エイベックス・グループにおいて事業責任者として音楽配信部門を担当、平行してグループのデジタル戦略及び新規事業推進を担当。2015年に株式会社Candeeの立ち上げに携わり、タレントマネジメント事業・コーポレート部門責任者として常務執行役に従事。2016年12月より代表取締役社長 CEOに就任。

株式会社Candee

Candeeは2015年に設立以来、ライブ配信9800本以上、モバイル動画1300本以上を企画から制作・配信までワンストップで行なってきました。モバイル動画市場における知見を有する経営陣及びスペシャリスト集団のもと「新しい時代のカルチャーとスターの創出」をミッションに掲げています。 2017年6月、ライブ配信中に購入できるソーシャルライブコマース「Live Shop!」を提供開始し、ライブ配信におけるモバイル動画時代のトップランナーとして業界を牽引しています。

 

Candee古岸和樹さんのキャリア

高野:Candeeさんはメディア事業・広告事業・タレントマネジメント事業を筆頭に、メディア・動画マーケットにおいて圧倒的なプレゼンスあると存じます。また経営メンバーが経験豊富ですよね。まずは古岸さんご自身のキャリアについてお伺いさせてください。

 

古岸:プロフィールの経歴の通りですが、履歴書に書けないことも多いのが私の経歴です(笑)。実は大学在学中に、芸人さんやモデルさんなどをマネジメントしている方々に興味を持ち、某エンタメ系企業でアルバイトをしていました。仕事を通して普通の学生では出会えない著名な方々との出会いや経験を積むことができました。そこで出会った方々には、その後もお世話になっています。全ての経験は生きてくるのですね。

その他も言えないことが多いので割愛させてください(笑)。

 

高野:そんなに言えないことが(笑)。第二弾で特集させてくださいませ。

 

Candee創業の経緯に迫る

高野:古岸さんは副社長を務められている新井さんと創業されたと聞いていますが、お二人はどのように出会われましたか。

 

古岸:私と新井は、エイベックスで一緒に働いていました。その中で映像や音楽のサブスクリプションサービスを担当し、大手の通信キャリアやいわゆるメガベンチャーとサービスやコンテンツを作っていました。

 

高野:創業のきっかけは何でしょうか。

 

古岸:新井が先にエイベックスを退職しましたが、彼とは退職後もずっとコミュニケーションを取ってきました。

2人とも、今の環境でできるエンターテイメントサービスをやり遂げた実感があったので、「俺たちなら、なんでもできるんじゃないか」と話していた事が起業のきっかけですね。

また、大手企業では、多くの決裁・承認の過程があるため、実行までに時間がかかる事や、自分たちの理想と実現したいことの齟齬に歯がゆさを感じることもありました。そのため、2人の強みを生かして自分たちの力で挑戦したかったんです。

そのタイミングで、現在Candeeの会長(非常勤)を務めている國光と出会い現在のCandeeの基盤を作りました。

 

高野:國光宏尚さんと言えば、株式会社gumiの創業で有名な方ですが、御社の社名Candeeも、「gumi」に因んで考えられたのですか。

 

古岸:あまり関係ないですね(笑)。起業当初、当然いくつか案を考えました。私も新井も、洒落た感じにしようというくらいでした。しかし大成する企業は、分かりやすい名前が良い、ということで「Candee(キャンディ)」か「Gumm(ガム)」の2案に絞りました。

最終的に海外への進出も視野に入れていたので、これら2案について、新井の方でネイティブチェックを行いました。ネイティブスピーカーの方々にそれぞれの印象を聞くと、Gummについては、軒並み「歯茎」みたいな返答で印象が非常に悪く、Candeeに決定しました(笑)。

 

Candeeは動画元年のパイオニア

高野:まず、事業観点からお聞きします。最初から動画で勝負するおつもりでしたか。

 

古岸:そうですね。前職で映像配信サービスに従事していた時は、ちょうど北米から「Hulu」や「Netflix」が上陸してくるタイミングでした。危機感から新しいことをやろうと考えていましたが、なかなか前に進めることができませんでした。大手と勝負するには、差別化できるオリジナルの動画コンテンツで勝負するしかありません。それならば自分たちで起業して作ろう、というのが創業の経緯です。

 ここ何年か「動画がくる」と言われてきました。いわゆる「動画くるくる」詐欺ですよね(笑)。それがなかなか来ないので、「じゃあ俺たちが」というのもありました。

 

高野:そうですね、ずっとこの世界にいますが「動画くるくる」詐欺はかなり昔から耳にしておりました。やっと来ましたね。今年は動画元年の印象があります。

初期のメンバーはどのようにして採用されましたか。本当に各界のトップ集団様がいらっしゃいます。

 

古岸:人づての一本釣りです。会社を作るときは、大きなビジョンがあり、それを事業で具体化すると思います。その進め方は大きく分けて2通りあると思っています。1つ目が、ビジョンを目指して、事業を一つずつ積み上げていく形です。2つ目が、ビジョンに対して事業を最初からアジャストしていく形です。つまり、初めからビジョンに沿って事業を興していくことです。

端的に言って、私たちは「おっさん」なので時間が限られる、と。ならばということで、後者で進めると決めました。その結果、事業のキーポイントに配置したい人材像を考えて、それに合致する人にとにかくアプローチしていくことにしました。

 私どもの基幹事業は3つあります。メディア・広告・タレントマネジメントです。「マネジメントは私ができる。メディアは新井ができる。広告がいないな。」となり、10年近く前から知り合いだった当時アイソバー・ジャパンの取締役であった山村に「面白いし彼にしかできないから、この人に広告を任せたい」ということでアプローチしました。

 

Candeeライブ動画のプラットフォーマーになる

高野:現在のCandeeさんの事業について詳しく教えてください。

 

古岸:私たちの、基幹事業は、メディア・広告・タレントマネジメントの3つです。動画のコンテンツを自社で企画から制作・配信までを行い、出演タレントも自分たちでマネジメントしています。その両方を収益化するための広告事業も自分たちでやっています。要するに、今まで、テレビ局・芸能プロダクション・広告代理店がやっていたことをワンストップで行う。これが私たちのコンセプトです。中でもメディア事業は、今年から大きく変わります。今までは、既存のプラットフォームに適したコンテンツを提供する形で分散型メディアを推進してきましたが、今年から自社でプラットフォームを持つ方向に大きく舵を切りました。

 

高野:今後どのようにプラットフォームを展開してくおつもりでしょうか。

 

古岸:PR動画や既存のプラットフォームへのコンテンツの提供ですと、どうしても労働集約型のビジネスモデルになってしまうので、私たち自身で「スマホファースト」「ソーシャル」「インタラクティブ」を特徴としたプラットフォームを運営することで、このモデルから脱却しようとしています。その第一弾として。2017年6月7日に、ソーシャルライブコマース「Live Shop!」を発表しました。ライブ配信中にインフルエンサーがおすすめする商品をその場で購入できる、新しいショッピング体験です。ローンチして約3ヶ月ですが、SHOPLIST やアソビシステムをはじめとした、芸能プロダクションやブランドとのコラボレーションをおこないながら、毎日2〜3番組を配信しています。

 

成功体験に固執する人材はCandeeにいない

高野:失敗談や苦労体験をお教えください。古岸さんは様々なご経験をされているのではないでしょうか。

 

古岸:ある大手動画メディアのプロデューサーを務めていた時に今でも後悔していることがあります。当時、メディアのフルリニューアルを任されていましたが、ユーザーファーストでなく私の自己満足のための仕事をしていました。顧客目線と言いつつも、大手メディアの力を自分の力と勘違いし、自己顕示欲も強かったし、ただこなすだけの仕事になってしまった、と後悔しています。

 

高野:「これは」というような成功体験はありますか。

 

古岸:成功体験があったら、起業していないですね。しかし、何かやるにあたり、絶対に失敗しない方法が一つだけあると思っています。それは、「トップ集団に居続ける」ことです。今までも、誰かしらが私たちの今取り組んでいる事業をきっと思いついているはずです。でも彼らは実行しなかった。それは、「出来なかったか・やらなかったか・あきらめてしまったか」なのだと思います。「あきらめないでトップ集団に居続ければ、いつか日の目を見る」というのが私たちの根底にあります。必要なのは、人材はもちろんのこと、会社の燃料である資金です。だいたいがここで躓くのだと思います。

トップ集団にいることをあきらめないためには、過去の成功体験は重荷になります。というのも、過去の成功体験があると、それに基づいて、これ以上やると失敗するだろう、というようにブレーキをかけてしまいます。そのため、弊社のメンバーは、成功体験を持っていても、鼻にかける人はいないです。

 

Candeeさんはこんな方を求めています

高野:どのような方と一緒に働きたいでしょうか。

 

古岸:私はスキルだけで人を見ません。各事業の担当者や責任者が面接を行い、最終的に私のところに上がってくる方については、最後は人柄で決めています。私の基準は、「自分自身も困っている時に、自分の状況を差し置いてでも助けたいと思える相手かどうか」です。

 

高野:最後に、今後の目標を聞かせてください。

 

古岸:重複しますが成功体験に固執しない、アグレッシブなメンバーと一緒に最先端の映像・動画制作を追求し、隙間時間を楽しくするエンターテイメントを提供していきます。「新しいカルチャーとスターの創造」という Candeeのミッションにも掲げている様に、新しい文化やライフスタイル、スターを生み出していきたいです。その無限の可能性は、人生に無限の彩りを与えるそんな存在を目指します。

 

キープレイヤーズ高野のコメント

Candeeさんと言えば、あのgumiの國光社長が大プッシュしているスタートアップ。ライブ動画のプラットフォーマーになるというビジョンはとてもワクワクしますよね!動画という事業領域はかなり成長マーケットで、資本関係も、グリーベンチャーズ、YJキャピタルやTBSイノベーションパートナーズ、gumiなど強力なVCや事業会社が出資されています。

エイベックス出身の古岸さん・新井さん、アイソバー・ジャパンの山村さん、DeNA出身の椙原さん、サイバーエージェントやオプト・グリー出身の方々など最強な布陣です。マーケット・経営陣・資本どれも揃っております。

 

<取材・執筆> 高野・田崎

 

 

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、30社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。