こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。
今回は、経済産業省が推進するスタートアップ企業の育成支援プログラム「J-Startup」にも選抜されている、株式会社バカン の代表取締役 河野剛進さんに取材をさせていただきました。
バカンさんは、カフェやトイレ、会議室などがいま空いているか、1秒で分かるサービス「VACAN」やお弁当をスマホやPCから事前注文・決済しお取り置きできるサービス「QUIPPA」を提供する企業です。
バカン創業の経緯や事業内容、今後の展望や採用強化中の職種について、お伺いしてきました!
スタートアップに関わる方、興味のある方は必見の内容となっておりますので、ぜひご覧くださいませ!
代表取締役 河野 剛進 氏の経歴
東京工業大学大学院修了(MOT)。画像解析や金融工学のバックグラウンドを背景に、株式会社三菱総合研究所で市場リスク管理やアルゴリズミックトレーディング等の金融領域における研究員として勤めた後、グリー株式会社にて事業戦略・経営管理・新規事業立ち上げ、および米国での財務・会計に従事。エルピクセル株式会社において経営企画室長を務め、シンガポールでの合弁会社の立ち上げ等に従事した後に、株式会社バカンを設立。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
株式会社バカン
「いま空いているか1秒でわかる、優しい世界をつくる」をミッションに掲げ、AI/IoT領域で事業展開している企業。空室情報プラットフォーム「VACAN」トイレの空き状況を知らせるツール「Throne」、トイレの長時間利用を減らす「AirKnock」、お弁当をスマホやPCから事前注文・決済しお取り置きできるサービス「QUIPPA」などのサービスを開発・運営している。
バカン創業の経緯
自分自身が商業施設で困った経験がきっかけに
高野:まず、創業の経緯について教えていただけますか?
河野:本当に私自身が困ってて欲しかった、ということがそもそもの原点です。ユーザーとして空席が分かるサービスが欲しいな、と思ったんですね。
起業するまでは、サラリーマンとして働いていたのですが、結婚して子供が生まれてとライフイベントがある中で、自分の時間をもっと大切にしたいと考えるようになっていました。
そんな中で、子供を連れて商業施設に行くと、楽しいんですけど、どこも混んでてランチ食べるお店を探し回ってる間に、子供泣き出してしまったりして…。ぐずり出しちゃったし、もう帰ろうかとなることが何度かありました。
そうしたことを繰り返していると、もう外出すること自体が億劫に感じるようになってしまったんですね。せっかく楽しい時間を自分も子供も過ごしたいと思っているのに、これは改善の余地があるんじゃないかな、と思いました。
これは飲食だけに限った話ではなくて、トイレや授乳室も行ってみないと空きが分からないので、困った経験のある人も多いのではないかと思います。
実体験もある、この問題にだったら覚悟を持って向き合えるだろうと思ったので、起業したという流れです。サービスは、最初トイレの領域から限定して始めて、それを広げて現在は飲食店や会議室などにも対応しているような状態です。
高野:誰もが困った経験のある領域ですよね。でも、それをきちんと事業として立ち上げられた企業は、私の知る中ではなかったです。
起業する前はシンクタンクのリサーチャー、IT事業企画を経験
高野:創業される前はサラリーマンとおっしゃっていましたが、リサーチャーの仕事をされていたんですよね?
河野:新卒ではシンクタンクの三菱総合研究所に入社し、リサーチャーをしていました。そこでは、アルゴトレードや超高頻度取引の研究員をしていました。
そこでは、データをいかに高速にハンドリングするかという、今では当たり前になっているGPUのような仕組みの研究をしていましたね。
その後、事業戦略などの経営サイドの仕事に入っていきました。続くGREEでは日本での新規事業立ち上げとアメリカでの財務業務に従事し、3社目のエルピクセルで経営企画を経験しました。そして2016年6月に、バカンを設立したという流れになります。
高野:前の仕事がそのまま活きる領域でないところに、飛び地でチャレンジされているのも面白いですね。
河野:バカンの事業領域もビジネスで経験していない新しい領域ではありますが、近い領域でビジネスをしてこなかったからこそ、引いた目で見たり、思い切ってチャレンジしてみたり、という経営ができている部分もあるかもしれません。
バカンの強み
複合的な情報を取得・処理し、あらゆる空席状況を可視化できる
高野:VACANというサービスの強みはどのようなところになるのでしょうか。
河野:そうですね。
一番の強みは、ありとあらゆるリアルタイムの空き状況というところにこだわってサービスを作ってきていることでしょうか。空き状況を取得するというと、センサーで簡単にできるんじゃないか、と思う方も多いかもしれませんが、実はそうではありません。
高野:簡単には行かないのですね。
河野:まず、取りたい情報によって取得の仕方も使う技術も異なります。また、一つの方法で取得できればよい訳ではなく、環境に合わせてセンサーや画像認識などを適切に使う必要があります。
私達は取得する空席の領域を限定せず、あらゆる空間の空き状況を取得することにこだわったので、技術を複合的に活用するノウハウが蓄積されており、目的に沿った情報を取得する支援ができるようになりました。
高野:具体的に、空き状況を知るのに、複合的な情報が必要になる例を挙げていただけますでしょうか?
河野:例えば、会議室の空きについて考えてみましょう。会議室の空きを確かめる際の最小単位の情報って椅子の空きですよね。これは、センサーで座っているか座っていないか、というので取得することができます。
続いて、椅子の空き状況が分かれば、テーブルの空き状況を算出することができそうですよね。そして、テーブルの空き状況から会議室の空き状況が分かりそうだと考える方が多いと思います。
でも、会議室が使用可能か、を知りたいと考えると、複雑な判断も絡んでくると思います。二人以上座っている、あるいは一人だけどTV会議システムに繋がっている、こうした情報を組み合わせて処理することで、初めて「使用可能な会議室」が分かるようになります。
これが、テナントとしての空きになったり、ビルとしての空きになったりとか、いろんな階層構造を取ることもあるんですね。そういったときに、新しいロジックじゃないと情報が取得できないというときも、VACANでは対応できることが強みです。
高野:なるほど。
河野:リアルタイムで目的の空席状況が得られるようにすることは、想像以上に幅広い技術が求められますが、私たちはそこに挑戦しています。実際に、トイレの空き、カフェの空き、会議室の空きなど、様々な空間の空席状況を取得してきたため、導入企業・施設が増えるたびにノウハウも蓄積されてきています。
フレームワーク「vCore」を使ってあらゆる空間に実装
高野:顧客に合わせて、カスタマイズして提供するとなると、提供にあたってのコストが課題になりそうですね。
河野:本当に毎回毎回1からやっていくと、かなりのコストになってしまうので、フレームワークも作成しました。「vCore」というのがVACANのコア技術群・フレームワークになります。それがあるため、早くいろんな領域に対してサービス展開できるようになっています。
今では、フードコートや女性トイレ内であればパウダールーム、ホテルのフロント、大浴場など、そういった領域でも簡単に実装できるようになりました。
新しい領域であっても爆速で対応できるのも、弊社にノウハウが蓄積されているからですね。
高野:フレームワーク化することで、コスト削減にも取り組んでいらっしゃるんですね。
河野:はい。実際、私たちが今使ってる技術の中で、センサーと画像両方組み合わせて新しいロジックを生み出すようなプロジェクトでも、カメラの設置なども含めてユーザーに見せられるまで、最短で2ヶ月ほどで実現できるようになっています。
これはおそらく私たちしかできないことなのではないかと思います。
高野:フレームワークでスピードがあがれば、プロジェクトの回転率も上がりますし、エンジニアの工数も削減できるので、非常に効果的ですよね。
高野:ここまで、みんなが求めていた魅力的なサービスをテクノロジーで実現しているということは伝わってきました。
VACANのビジネスモデル
空席状況が分かるVACANはSaaSのビジネスモデル
高野:一方で、収益化するイメージが湧かず、参入を諦めた人・企業も多くいらっしゃるのではないかと思います。バカンさんはどのようなビジネスモデルでその点をクリアしようとしているのでしょうか?
河野:今のところSaaS型のビジネスモデルで、料金形態は凄くシンプルになっています。
高野:松竹梅のようなプランが組まれているのでしょうか?
河野:そうですね。あとは規模に応じて、ざっくりとした費用があります。
ただ、設定が変わったり、ハードウェアが入ったりというので、最終的な費用感は導入環境や目的によって、かなり幅がありますね。
高野:お客さんも非常に多岐に渡っていますよね。
河野:そうですね。オフィスから商業施設、空港、観光施設までバラバラですね。
ホテルや家族ぐるみでやってる小さな温泉旅館にも導入していただいていたりします。
来訪者や滞在時間、商品接点の増加による顧客の売上向上に貢献
高野:導入してもらう際に、導入する企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでつまずいた企業が多いのではないかと思いますが…。
河野:商業施設からすると、基本的には来た人にとって喜んでもらえるサービスなので、顧客満足度が上がっていくことがメリットの一つと言えます。具体的には、満足度や口コミ評価が高まれば、足を運んでくれる人数が増えますよ、という施設の付加価値向上という観点です。
これは、元々私がこのサービスを始める際に目指した通りに実績も出てきていますね。例えば、導入した後に認知拡大などのサービス運営の努力も一緒にやっていただく必要があるのですが、大手百貨店にサービス導入いただいた際は、平均の来場者数が3%ほど増加しました。
高野:来場者数が増えたという実績があるんですね。
「噴水効果」「シャワー効果」で施設売上がUP
河野:人数だけでなく、滞在時間や商品との接点が増えることで売上の増加に繋がります。
百貨店や商業施設でいう「噴水効果」と「シャワー効果」というのがあるんですね。
より多くの購買行動に繋げるためには、商品に触れた回数を増やすことが大切です。「噴水効果」というのは、地下の売り場を充実させて来店のきっかけを作り、そのお客様が上層階にも回遊することで生まれる効果です。他の売り場にも途中で接触する頻度が高くなり、購買に至る確率が上がります。
一方で、上層階を充実させるのが「シャワー効果」です。さらに、滞在時間が増えて、長く歩いて疲れたから休むために、カフェや化粧室に行くための移動が増えます。そうするとまた購買行動に繋がる可能性が増えるという仕組みになっています。
これまで、上層階に上げる取り組みといえば、催事・イベントを開催するケースが多かったのですが、弊社のサービスをご利用いただければ、空いているトイレやカフェの空き情報も、上層階に上がる誘因になるわけです。
また、このトイレに行きたい!というこだわりってあまりないですよね?トイレの空き情報がフックになると、今まで降りることのなかったフロアに行って、新しいショップや商品に触れる機会が増える回遊の効果も考えられます。
カフェについては、これまでだとどのフロアに入っているかが分からなくて、入り口に近い混んでいるカフェを見て、諦めて帰ってしまう人もいたと思うんですよね。それがサイネージで見て、どこのフロアのカフェが空いているというのが素早く分かるようになれば、帰らずに上の階に上がる誘因になりますよね。
そして、カフェに行って、また出るときに服を見て帰るというように、購買行動に繋がっていくわけです。そうした効果を期待して、導入してもらうケースもあります。
高野:商業施設では、来場者と滞在時間が増えて、売上の増加に繋がるわけですね。
トイレを無駄に利用する時間を年間359時間削減!?
高野:他に企業が取り入れる場合はどういったところに魅力を感じて導入するのでしょうか?
河野:会議室やトイレなど、ニーズはバラバラですが、トイレの余計な滞在時間を減らす、AirKnockというサービスはすでに実績が出ていますね。
我々のThroneというサービスのオプションで、追加的なサービスとして提供しているのがAirKnockです。トイレの個室の中に籠もっている人の滞在時間を減らしてトイレを有効活用するのが目的ですね。
高野:何してるのかな、っていうくらいにずっと入ってる人もいますもんね。
河野:そうなんです。でも、本人はどれくらい中にいるか、感覚がないこともあります。そこで、周囲の混雑状況や滞在時間を可視化するのがAirKnockです。周囲が混んでいると分かれば、ノックされる前に「早く出てあげようかな」と優しい気持ちになりますよね。そのように利用者の優しい気持ちを引き出して、トイレの回転率をあげていくのが特徴です。
高野:なるほど、それは確かに回転が早くなるような気がします…!
河野:すでに実績が出ていて、あるオフィスではAirKnockを導入したところ、月間で359時間のトイレの利用時間を削減できました。業務効率化として無駄な時間の削減効果が劇的にあるというのが一目瞭然ですよね。
場所によって、目的や手法は異なりますが、バカンのサービスで人をリアルな場で動かすという結果には繋がっていると言えますよね。
高野:この「トイレ休憩」的な時間を削減できるのは、かなり革命的だと思います。
河野:そう言っていただけると嬉しいです(笑)。
ようやく、それぞれの仮説が証明されてきて、導入が進むようになってきたというのが今の状況ですね。
高野:ますます加速していきますね。
知り合いやアクセラレータ経由で初期の顧客を獲得、現場で効果を実証
高野:ただ、仮説の段階で導入してもらうのは、最初すごい営業力が必要だったのではないでしょうか。
河野:最初は知り合いに話して、実際使ってみてフィードバックをもらうなどしながら、サービス改善していましたね。改善する中で、効果を体感してもらえることも増えてきました。
知り合い以外だと、アクセラレータプログラムで採択されて実証実験の機会をいただいたりしました。
AIの技術とかも、ただ使えば良いわけではなくて、どうやってSaaSビジネスとしてより良くするかというところも、かなりアドバイスいただきましたね、
実際に紹介していただいたお客様から、プライシングなどについても意見を伺いながら、ユーザー満足度高く進めてくることができたと思っています。
高野:ちょっと新しすぎて空を掴む感じにならなかったのかな、というのが最初率直な疑問でしたが、そうやって乗り越えてきたんですね。
「行かなきゃ分からない」が「行かなくても分かる」に
高野:あとは、導入すると普段混んでるお店でも他の空いてるところにお客さんが行きやすくなってしまいますよね。その辺りは揉めないのでしょうか。
河野:最初のうちは毎回言われていましたね。
でも、これも実際に導入いただいて検証したのですが、どこで見るかの違いでしかないんです。私たちが扱っている空席状況って、その場に行けば分かるものが、行く前に分かるように変わっただけなんですよね。
そのため、口コミや評価のように、これまで見えなかったものを見える化してるわけではないので、客足への影響はあまりありません。混んでると行かない人は行かないですし、混んでいても行きたい人は行きますね。
また、よく行列ができるお店にも空いている時間帯があったりします。その時間に来客が増えて、混雑の平準化という効果が出たという声もいただいています。
高野:確かに。導入側のメリットも実証しながら説明できるものになってきているんですね。
この空室情報サービス、海外での前例などはあるのでしょうか?
河野:私の知るところではありません。海外にないので、海外の市場を取るために、現在中国に拠点展開しています。将来的には海外でもどんどん導入されるようにしていきたいですね。
高野:各国の文化に合わせて導入を進めていく仕事は、グローバルに働きたい人にとっては魅力的ですね。
今後の事業・採用方針
ユーザー体験を向上させるエンジニア・セールス・プロダクトマネージャーをメインに募集
高野:ちなみに、今後の方針はどのようになっているのでしょうか。
河野:現在は、ハードウェアやSaaSビジネスをメインにやっていますが、今後はメディア事業なども立ち上げて行く予定です。そのため、かなり積極的に採用していますね。
IoT/AI系のSaaSサービスの拡大、海外展開、新規でメディア事業の立ち上げと、企業のフェーズとしてはかなり面白いと思っています。
高野:確かに、魅力的なタイミングですね。
どんな職種で、採用強化しているのでしょうか。
河野:私たちは、このサービスを長く使っていただけるように、着実に広げていきたいと考えています。そのために、これまでにない機能を追加して、よりユーザー体験を上げるところにまずはリソースを割いていきたいと考えています。
具体的に進んでいるものを例に出すと、出資いただいている清水建設さんと、位置情報・屋外のナビなどでサービス連携しているのですが、そういったところを共同開発するエンジニアを募集しています。
高野:エンジニアにとっても面白そうな環境ですね。
河野:ベンチャーの中では、かなり大きな企業との協業もできている方なのではないかと思います。
あとは、より多くのユーザーの声を聞いて体験を改善していきたいので、導入先を増やすセールスも募集強化していますね。このユーザーの声と開発の現場を繋ぐ、プロダクトマネージャーももっと必要になるので、採用強化していますね。
前回ラウンドで、NTT東日本さんやJR東日本スタートアップさん、清水建設さん、ティーガイアさんから、7.9億円調達したので、まさに採用を強化して、もっともっと成長スピードを早めていこうというタイミングです。
高野:かなりの大企業から資金調達して、協業も進めているので、ベンチャーの中でも大きな仕事ができそうですね。
エンジニアは全方位的に採用強化中
高野:それぞれの職種で特にこんな方を求めている、という人物像があれば、教えて下さい。
河野:エンジニアは幅広く欲しいですが、今はハードウェア側よりもソフトウェア側のエンジニアの採用を強化しています。具体的には、フロントエンドとバックエンド、他にもマシンラーニングができるエンジニアがほしいですね。
バックエンドは、インフラエンジニアも採用したいと考えています。ビジネスと中間的なポジションになりますが、セキュリティエンジニアも募集中ですね。
AIももちろん推しているポイントですが、私たちが取り扱うIoT領域はハードウエアが入って開発の自由度が非常に高いです。エンジニアの方は、他ではできない面白い開発ができるんじゃないかと思います。
企業規模を限定せずSaaS営業できる数少ない領域
河野:セールスに関しては、フィールドセールスのメンバーを募集しています。
高野:まさに今は、導入先を増やすための営業強化タイミングですよね。
これはいわゆる商業施設への営業がメインになるのでしょうか?
河野:大型の商業施設から、小さめの施設まで幅広く営業を強化していますね。
高野:ライバル会社が現状ないとなると、大企業か中小企業どちらかに絞るという感じでもないですよね?
河野:はい、全領域で小さいところも導入してくださる可能性はあるので。大きい案件の場合は、プロジェクトマネージャーがメインで対応するようなこともあります。
地方の企業にも導入を進めていきたいので、地方拠点で活躍してくれるメンバーも募集中です!現在は、拠点が福岡と大阪と北海道、あとは上海にも拠点があります。
実は私自身が九州出身なんですが、地方に関わるビジネスができるのはIT企業では珍しいですよね。リアルが絡むITサービスという私たちの事業ドメインから、他にない面白い仕事ができる環境が用意できているんじゃないかと思います。
高野:ビジネスサイドも他社では真似しづらい、バカンでしかできない仕事ができそうですね。
河野:そうだと思います。
人間の良さを引き出すサービス・ものづくりを
河野:バカンのメンバーはみんな、「自分の使いたいサービス」という気持ちで世の中にサービスをお届けできているんじゃないかと思います。例えば、AirKnockは、混んでるときに「あなたは今何分滞在しています」ということを表示するだけです。待っている人がいるなら、早く出てあげようかな、というユーザーの優しい気持ちを引き出せるサービスだと思うんです。
高野:テクノロジー系のベンチャーかと思ったら、かなり温かいというか気持ちが熱いところがありますよね。
河野:赤と青、両方を組み合わせて、新しいものを作っていけたらとは思っていますね。
ものづくりに対する強い情熱・意志のようなものを表す赤と、冷静な判断と対話を大切にする気持ちを表す青、それらを組み合わせて私たちのコーポレートカラーのバカンバイオレットが出来上がります。
そういう思いで、どちらか一方だけでは成し遂げられないことを、両方を兼ね備えた自分たちなりの「ものづくり」をやるんだ、という気概で取り組んでいます。
“V”ACANのVポーズ
事業成長とともに増えるデータ・ネットワークを駆使してもっと便利な世の中に
河野:今は単体で成り立つサービスとして立ち上げていますが、サービス提供施設数や提供領域が広がり、そのネットワークを繋げていくことで、もっともっと便利な世界が作れると思っています。
導入数はかなり増えてきているので、これをさらに広げていく強いチームを作り、既存事業で培われたネットワークを生かして、新しい事業をどんどん展開して生活を便利にしていきたいと思います。
今やろうとしているのは、現在地周辺のリアルタイムの空き状況を見えるようにすることですね。
その先は、例えばありとあらゆる場所のリアルタイムの需給予測だったり、ダイナミックプライシングだったり、できることはどんどん広がっていくはずです。
高野:今後のさらなる展開に期待ですね!応援しております!
本日はありがとうございました。
取材あとがき
お忙しい中、取材させていただきありがとうございました。
おそらく誰もが不便だと感じたことのある店舗やトイレの空き状況が分からない問題。ビジネス解決しようと思っても収益化できるイメージができず、諦めた方は多くいらっしゃったのではないでしょうか。誰もが目をつけていた領域の中でも、あえて空席状況を把握する対象を絞らず、テクノロジーを進化させて対応しているのは、見事としか言いようがありません
これからは、現在の事業をさらに伸ばして基盤を固めつつ、次なる事業に投資していくという、非常に面白いタイミングだと思います。また、この早い段階から海外に展開しているベンチャー企業も珍しいですよね。
代表取締役の河野さんが「青と赤の両立」とおっしゃっていたように、成長中でイケイケなだけでなく、経験豊富なメンバーも集まっている地に足ついた組織と言えそうです。
興味を持ったエンジニア、営業、プロダクトマネージャーの方は、ぜひContactよりご連絡くださいませ(お問い合わせの際は、「バカンの記事を読んだ」とお送りいただけますと幸いです)。
キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。