kubell(旧ChatWork)代表 山本正喜のキャリア完全分析【2026年最新】CTOからCEOへ、上場まで率いた起業家の歩み

         
       
       
     

こんにちは、ベンチャー・スタートアップ業界の経営者を約25年間取材・支援してきたキープレイヤーズの高野です。

株式会社kubell(旧Chatwork株式会社)の代表取締役CEO、山本正喜さん。エンジニア出身の経営者として東証グロース上場(証券コード4448)を成し遂げた、日本の起業家の中でも特に注目すべき人物です。

2024年5月にChatworkからkubellへ社名変更し、ビジネスチャット「Chatwork」一本足から「BPaaS(Business Process as a Service)」の会社へと事業転換を進めています。今回は、山本正喜さんの経歴・キャリアの転機・経営者としての強み・現在のkubellの戦略について、ベンチャー転職を考える方や起業家、CXO候補の方にとって参考になる視点で深掘りします。

この記事でわかること
  • 山本正喜さんの経歴とキャリアの転機
  • EC studio創業からChatwork開発、そして上場まで
  • 2024年のChatwork→kubellへの社名変更の背景
  • BPaaS事業への転換とその戦略
  • 「CTO→CEO」キャリアパスの学び
  • エンジニア社長としての経営スタイル
  • これからベンチャー転職・CTO/CEOキャリアを目指す方へのヒント

目次

山本正喜さんの基本プロフィール

氏名 山本 正喜(やまもと まさき)
出身大学 電気通信大学 情報工学科
創業 2000年、兄と共にEC studio(現kubell)を創業
主要プロダクト ビジネスチャット「Chatwork」(2011年提供開始)
CEO就任 2018年6月、代表取締役CEOに就任
上場 2019年9月、東証マザーズ(現グロース)上場
社名変更 2024年5月、Chatwork → kubellへ
現職 株式会社kubell 代表取締役CEO

キャリアの全体像:CTO→CEOへの稀有なキャリアパス

山本正喜さんのキャリアは、日本のベンチャー業界では非常に稀有な「CTO→CEO」キャリアパスを歩んだ事例です。創業期からCTOとしてプロダクト開発に没頭し、2018年に兄である山本敏行氏からCEOを引き継ぎ、その翌年の2019年9月に上場を成し遂げました。

多くのベンチャーCTOが「上場まで開発のトップ」を務める中、CEO就任から1年強で上場まで導いた経営手腕は特筆すべきものです。

創業期:兄弟起業からChatwork誕生まで

2000年:EC studio創業

大学在学中、兄である山本敏行さんと共に株式会社EC studioを創業。当初は中小企業向けのEC支援・Web制作を手がけていました。

創業初期は資金がなく、自宅の一室から始まる典型的な兄弟起業のスタイル。技術はすべて山本正喜さんが担当し、ビジネスサイドは兄の敏行さんが担当する役割分担でした。

2011年:Chatwork誕生

2011年3月、ビジネスチャット「Chatwork」を提供開始。当時、Slackもまだ存在せず(Slackリリースは2013年)、世界に先駆けたビジネスチャット製品として注目を集めました。

Chatworkは「メールを置き換える」というコンセプトで、特に中小企業を中心にユーザーを獲得していきます。

転機:CTO→CEO、そして上場へ

2018年6月:CEO就任

2018年6月、創業社長であった山本敏行さんから代表取締役CEOを引き継ぎました。同時に社名もChatwork株式会社に変更(旧EC studio)。

この時期、Chatworkは既に有料ユーザー2万社を超える規模に成長しており、上場を視野に入れた経営体制への切り替えが必要なフェーズでした。技術・プロダクトを深く理解した山本正喜さんが、組織と事業の責任者を担うことで、上場準備が一気に加速します。

2019年9月:東証マザーズ上場

CEO就任からわずか1年3ヶ月で東証マザーズ上場を実現。証券コードは4448。上場時の時価総額は約400億円規模でスタートしました。

エンジニア出身のCEOが、CTOから引き継いで1年強で上場まで持っていくのは、日本のベンチャー史上でも極めて稀な事例です。

2024年:Chatwork→kubellへの社名変更とBPaaS転換

なぜ社名を変えたのか

2024年5月、Chatwork株式会社から株式会社kubellへ社名変更。この決断には大きな経営戦略の転換が背景にあります。

従来の「ビジネスチャットツール」というプロダクト一本足の企業から、「中小企業の働き方を変えるプラットフォーム企業」へとポジショニングを再定義する狙いでした。

BPaaS(Business Process as a Service)戦略

kubellが現在進めているBPaaS戦略は、「ビジネスチャットというツールに、業務代行・BPO(業務プロセスアウトソーシング)を組み合わせる」というユニークな戦略です。

具体例:

  • Chatwork上で経理代行・採用代行・営業事務代行などをサービス化
  • 中小企業がチャット経由で業務を「外部のプロ」に依頼可能
  • SaaS(ソフトウェア)とBPO(人的サービス)の融合

この戦略は、中小企業のDX推進と人材不足解消の両方に対応する、極めて時代に合った打ち手と評価されています。

山本正喜さんの経営スタイル:エンジニア社長の強み

1. 徹底したプロダクトファーストの経営

エンジニア出身であることから、プロダクトの細部・技術投資の優先順位を自身が最終判断できます。これは「ビジネス出身CEO + CTO」の体制では難しい、エンジニア社長ならではの強みです。

2. データドリブンな意思決定

定量的なデータに基づく経営判断を重視する姿勢が、上場以降のkubellの経営に一貫して見られます。

3. オープンな情報発信

X(旧Twitter)やnoteで積極的に情報発信を行い、社員・株主・ユーザーとの透明性の高いコミュニケーションを大切にしています。

4. PLG(Product-Led Growth)の実践者

営業主導ではなく「プロダクトの良さで顧客が増える」PLG戦略を、日本のSaaS業界で先駆的に実践してきた経営者の一人です。

kubellの2026年現在の状況

2026年4月時点でのkubellの主な状況:

  • 東証グロース上場(証券コード4448)
  • 従業員数:約500名規模
  • Chatwork導入企業:50万社超
  • BPaaS事業:拡大フェーズ
  • 海外展開:アジア圏を中心に検討中

上場後は安定的な成長を続けつつ、BPaaS転換による次の成長ステージへの仕込みが進んでいます。

山本正喜さんから学ぶ「CTO→CEO」キャリアパスの教訓

多くのベンチャーCTOが「いつかCEOになるべきか」と悩みます。山本正喜さんの事例から、エンジニアからCEOへ進むキャリアパスのヒントを抽出します。

教訓1:技術の深い理解は経営の最大の武器になる

テクノロジー企業の経営において、プロダクト・技術の深い理解はCEO最大の武器です。CTOから上がってきたCEOは、技術投資の優先順位、エンジニア組織のマネジメント、プロダクト戦略すべてで圧倒的な強みを持ちます。

教訓2:CEO就任前から「経営者の視座」を持つ

山本正喜さんは、CTO時代から経営会議に深くコミットし、ビジネス指標・財務指標を理解していました。CEO就任直前から急に経営者を学ぶのではなく、CTO時代から経営の視座を持っておくことが重要です。

教訓3:兄弟・共同創業者との明確な役割分担

EC studio→Chatwork→kubellの歩みは、兄弟(山本敏行・山本正喜)の明確な役割分担による成功事例です。共同創業時の役割分担と、フェーズに応じた役割変更(敏行→正喜への CEO 交代)の絶妙さは、共同創業を考える起業家には大いに参考になります。

教訓4:上場はゴールではなく通過点

2019年の上場後も、Chatwork→kubellへの社名変更・BPaaS転換と、新たな挑戦を続けています。「上場した瞬間にミッション完了」ではなく、上場後にこそ大きな挑戦をする姿勢は、日本のベンチャー経営者の鏡です。

これからベンチャー転職・CTO/CEOを目指す方へ

エンジニアからCTOを目指す方へ

「技術スキル × 経営理解」の両輪を意識的に育てることが重要です。CTOになるためのキャリアパスについてはCTO転職ガイドを参照してください。

CTOからCEOを目指す方へ

多くのCTOが「自分はマネジメント・経営は苦手」と思い込みがちですが、技術理解の深さを経営に活かせる時代です。経営知識(財務・戦略・組織論)を計画的に学び、経営会議に深くコミットすることから始めましょう。

ベンチャーCEOを目指す方へ

創業者でも、雇われCEOでも、共通するのは「経営の四本柱(戦略・組織・財務・プロダクト)」を統合的に理解すること。CXO転職ガイドもあわせて読んでください。

kubell(旧Chatwork)への転職を考える方へ

kubellは2026年現在も積極的に採用を進めています。主な採用ポジション:

  • BPaaS事業のプロダクトマネージャー・事業開発
  • エンジニア(特にバックエンド・SRE)
  • カスタマーサクセス
  • 営業(中小企業向け / エンタープライズ向け)
  • マーケティング(SaaS / BPO両軸)

上場ベンチャーへの転職を考える方は、ベンチャー転職 完全ガイド転職エージェント選び方ガイドもあわせてご覧ください。

FAQ:山本正喜・kubellに関するよくある質問

Q1. 山本正喜さんはなぜ兄からCEOを引き継いだのですか?

上場準備フェーズにおいて、技術とプロダクトを深く理解した山本正喜さんがCEOを担当することで、組織・事業の意思決定スピードが上がると判断されたと考えられます。

Q2. ChatworkとSlack、どう違うのですか?

Chatworkは中小企業を主要顧客とし、グループチャット+タスク管理+ファイル共有が一体化したシンプルな設計が特徴。Slackはエンタープライズ・テック企業中心で、外部連携の柔軟性が強み、と棲み分けが進んでいます。

Q3. なぜChatworkからkubellへ社名変更したのですか?

「ビジネスチャットツールの会社」というイメージから脱却し、「中小企業の働き方を変えるプラットフォーム企業」へとポジショニングを再定義するためです。BPaaS戦略との連動が背景にあります。

Q4. kubellの株価・時価総額の見通しは?

本記事では投資推奨は控えますが、BPaaS事業の進捗と既存Chatwork事業の安定収益が両輪となるかが、今後の評価ポイントになると考えられます。

Q5. 山本正喜さんからキャリア相談を受けるには?

X・noteでの発信を継続的にウォッチするのが第一歩。ベンチャーイベント・カンファレンスにも登壇されることが多いので、そうした場での接点づくりが現実的です。

Q6. CTOから上場CEOになる成功例は他にもありますか?

多くはありませんが、サイボウズ青野慶久氏(一定期間CTO的役割を経てCEO)、Sansan寺田親弘氏(CTO的経歴あり)など、技術的バックグラウンドを持つ上場ベンチャーCEOは複数います。

年代別アドバイス:エンジニアキャリアからCXOへ

20代エンジニアの方へ

まずは技術力の徹底的な深堀りと、ビジネス指標の理解を意識的に並行させてください。20代のベンチャー転職もご覧ください。

30代エンジニアの方へ

テックリード・エンジニアリングマネージャー・VPoEなどのマネジメント経験を積みつつ、財務・経営の基礎知識も習得を。30代のベンチャー転職完全ガイドを参照ください。

40代エンジニアの方へ

CTO候補・VPoE・テックフェロー等のポジションが現実的。経営層との関わり方を強化していきましょう。

まとめ:山本正喜さんの歩みは「エンジニア起業家のロールモデル」

山本正喜さんの歩み(兄弟起業 → CTO → CEO → 上場 → BPaaS転換)は、日本のエンジニア起業家にとって理想的なロールモデルの一つです。

大事なメッセージは「技術力 × 経営視点 × 長期コミットメント」の3要素を、若いうちから意識的に育てること。山本正喜さんの2026年現在も続く挑戦は、ベンチャー転職を考える方、起業を志す方、CTO/CEO候補の方すべてに大きな示唆を与えてくれます。

キープレイヤーズでは、CTO・VPoE・CEO候補の転職支援を多数行っています。「自分のキャリアでCTO/CEOを目指せるか」「どんなベンチャーが合うか」など、いつでもご相談ください。

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執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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