山本玲奈さん(ヒュープロ代表)が経営管理領域の事業をきっかけに目指している世界

インタビュー          
       
       
     

こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。

今回のスタートアップ代表インタビューは株式会社ヒュープロの山本玲奈さんです。

ヒュープロは成長中のスタートアップ企業で、私自身も投資させていただいています。

今回は、山本さんの経歴・キャリアからヒュープロの事業、今後の展望までお伺いしました!

YouTubeでも公開させていただいていますので、動画でみたい方はこちらで視聴ください!

 

 

代表取締役 山本玲奈さんの経歴

1993年生まれで、高校卒業までのほとんどを海外で過ごす。慶應義塾大学の法学部在学中に株式会社ヒュープロを設立、代表取締役社長に就任。現在に至る。

株式会社ヒュープロ

「アジアを代表する会社を作る。」ことをビジョンとして、ITを基軸に事業を展開するテックカンパニー。

現在は、士業・管理部門転職に特化した人材サービス「最速転職 HUPRO」を運営している。

ヒュープロ起業までの軌跡

高野:今日は、ヒュープロの代表でいらっしゃいます山本玲奈さんをお招きして、これまでのキャリアや今後の展望をお伺いします!

まず、山本さんには私自身、投資させていただいているのですが、本当にまっすぐな方でお話しているだけで私が重視している「巻き込み力」を感じる注目の起業家です!

まずは、簡単に自己紹介をいただけますか?

山本:ありがとうございます!

私は実は慶應義塾大学法学部卒業で、在学中にこの株式会社ヒュープロを創業しました。少し前から増え始めた、いわゆる学生起業ですね。

もともと大学3年生までは弁護士を目指しておりまして、ロースクール司法試験の受験勉強していました。

その受験資金を稼ぐためにビジネスコンテストに出場しまくっていたことが、起業するきっかけとなりました。

高野:いわゆるビジコン荒らし系の方ですね(笑)。

アルバイトとビジコンで比較すると、ビジコンに出たほうが実力もつけながらお金も稼げるという方に最近も会いました。

事業や起業がそれだけ身近になってきたというのは嬉しいことですね。

高野:でも、実際に会社やって続けている方はそんなに多くはないのかな、とも思っています。

山本:今、私たちが6期目なのですが、やっぱり継続することは難しいなと感じる部分もあります。

私たちももうこれやばいんじゃないかと思うことも、何度か経験したことはあります。

高野:なるほど。もともと違う事業をやっていましたよね?

山本:そうですね。

起業した直後は、キャッシュを稼がなきゃいけないということで、1年強は営業代行をやっていました。ひたすら営業をかけまくっていましたね。

それでキャッシュができた頃に、ヒュープロアシスタントという弁護士事務所にアルバイトに行けるウェブサービスを立ち上げました。

でも、なかなかうまくいかず、その後も何度かピボットをしてきました。

高野:その中で、いま軌道に乗りつつある、というのは、やはり山本さんの起業家としての胆力を感じますね。

少しバックグラウンドの話に戻しますが、山本さんは海外に住んでいたんですよね?

山本:実は大学は日本ですが、それまでは18年間海外に住んでいましたね。インドネシアンなどに長く住んでいました。

高野:海外で育って、高校が慶應のニューヨーク校でしたよね。

大変恐縮なのですがレジュメを見たときに、この経歴の方がこの年齢で起業されていらっしゃることにかなり驚いたことを覚えています。

色々なスタートアップってありますが、簡単で順調に進むことは必ずしも多くないじゃないですか。その中で、なぜ頑張ろうと思えたのでしょうか?

山本:確かに地道にテレアポをしたり、華やかに思われるマーケティングも実は地道な業務が多かったり、大変なことも多いですよね。

その中で、頑張ろうと思えた理由は、当初は直感的だったのですが、大きく分けて理由は2つあったと思っています。

1つ目は、士業の業界のIT化の遅れを感じていたためです。

弁護士を目指して受験勉強していた頃、自分が勉強しながら必要な情報を手に入れるのが難しく、士業の業界の情報格差を痛感しました。

仕事探しにもすごく苦労した経験があり、それに対して漠然とした疑問を抱いていました。

さらに、海外に住んでいたときは日本の弁護士の評価が非常に高かったのですが、日本に帰ってくると「いや士業なんて…」というようなことをおっしゃる方が多くいました。

そうした課題を解決したいなという気持ちはずっとありましたね。

2つ目は、仲間と何かを作り上げることの可能性の大きさです。

もちろん、弁護士もチームで働くことはありますが、ビジネスコンテストに出場する中で、ビジネスを作る、仲間と何かを作り上げることの可能性の大きさに、強い魅力を感じていました。

解決したい課題と自分がワクワクできるものを掛け合わせたときに、弁護士ではなくて起業するという選択肢を選んだのが、起業で頑張ろうと思えた一番大きな理由です。

高野:そうだったんですね。

 

ヒュープロの事業

高野:改めてになるのですが、今のヒュープロの事業について教えていただけますでしょうか?

山本:はい。今、「最速転職」という仕業や管理部門の方、経営管理に携わっている方々の転職と採用支援をやっています。

この最速転職は、日本で一番早く転職できるサイトっていうコンセプトになっています。

高野:「最速転職」。このキャッチはいいですよね。

山本:実際に、最短5時間で転職していただいています。

高野:最短5時間は驚きですね…!

何かに特化しているHRの会社はもちろんあって、それこそ上場しているような会社さんで、SMSさんや自分も創業から役員をやっているメドレーも業界特化でHRセクターの事業をやっています。

他にも、職種特化だとMS Japanさんやクリーク・アンド・リバーさんと、色々な企業があります。

こういった企業さんにも共通する点として、

①需要のあるセグメントをに特化している

②最近のテクノロジー、マーケティング手法を使っている

ことがありますが、ヒュープロさんはそれに加えて、「最速転職できるほどUXが優れている」ことで、成長の可能性が高いと感じています。

そうしてできた基盤を生かしながら、さらに他のテックサービスに繋げていくことができるので、ただ「人材会社をやっている」のではないと感じています。

山本:そうですね。

開発部・マーケティング部でプロダクトは全て内製していますし、SEOをはじめさまざまな観点を取り入れて、マーケティング部・営業部・開発部で一体となってサービスを強化できています。

この仕組みは他のサービスを展開する際にも活きると思うので、そんな体制が構築できているのが私たちの強みだと思っています。

高野:そうですよね。

上場して時価総額も好調に推移しているビジョナルさんも、当初よく「ビズリーチって人材会社ですよね」と何回も私も聞かれていました。

「いやあれは人材会社ではなくて、マーケティングも開発も内製しているIT企業に近いと思います。」という風にお話していました。

そして、ハーモスのようなテックサービスに展開していって今があるので、ヒュープロさんの事業に近いところで成長している実績がある会社もいくつかあるなと感じています。

 

ヒュープロの今後の展望

高野:もっと大きな枠で捉えた場合、将来ヒュープロという会社をどんな会社にしたいと考えているのでしょうか?

山本:はい。私たちは「アジアを代表する会社」を目指しています。

具体的には、「300億円以上の事業価値を持つ事業を50以上作る」というのが一つのマイルストーンです。

その1つのドメインとして経営管理の領域から事業を始めています。

経営管理に従事する人が日本に400万人いると言われているのですが、レガシーな領域で「ヒト・モノ・カネ・情報」の課題が山積しています。

そのため、まずは経営管理の領域をテクノロジーを活用して課題を解決していくプラットフォーマーになることを目指して直近では動いています。

高野さんがおっしゃったとおり、「次々と事業・プロダクトが生まれるようなテクノロジーカンパニーにしていきたい」という思いがありますね。

高野:なるほど。

このビジョンに向けて、まだまだ会社拡大していきたい状況だと思うのですが、

現在、どんな職種の方、あとはどんな人柄の方を採用したいとお考えでしょうか?

山本:今はもう全職種募集と言っていいほど、積極採用中です。その中でも今はエンジニア職の採用は特に注力しています。

あとはUI/UXの磨き込みにも力を入れているので、デザイナー職。あとはやっぱり営業・マーケティング。あとは、自社の経営管理ももっと固めていきたいので、人事や経理などの管理部門も積極的に募集していますね。

改めて考えると本当に全職種において採用強化していますね(笑)。

高野:本当に全方位で採用強化中ですね。

ヒュープロに合う人合わない人という観点では、どういった方がヒュープロにカルチャーフィットしそうでしょうか?

山本:共通して言えるのは、「勉強する人」は入社後に成長して結果を出していますね。

産業として非常にニッチでありながら専門性の高い領域なので、例えばM&Aであればデューデリジェンスに関する難しい専門用語が飛び交うような業界です。

これを日々勉強していかないと、なかなかついていけない部分があります。また、本を読むだけでなかなか手を動かせない、実践までの速度が遅い方は、会社の成長追いつけなくなってしまう可能性もあるかなと感じています。

そのため、インプット・アウトプットのスピードを速くすることは、私たち自身大事にしているポイントです。

その一方で、こうした知識が事前にあればいいかというと、そうではないと感じています。採用の場においても、経験や知識が今どれくらいあるかはあまり重視しておらず、毎日勉強しながら事業を伸ばしていけるかが大切だと思っています。

そのため「自分のインプットとアウトプットの回転速度を速くしていきたい」「そうして成長していきたい」という思考のある方にとってはすごく面白い環境ではないでしょうか。

正直、イマドキの会社と言えるかは分からないですが、社員同士の仲が良くて、志が高くて情熱もある人たちが多いので、燃えるような部活で高いところを目指す感覚が楽しいと思える方は楽しめると思いますね。

ぜひ、そういった方に来ていただきたいです。

高野:そうですね。私がお話してきて感じていた社風が伝わってくるようなエピソードですね。

現在では、コロナ禍・ニューノーマルへの対応が求められるように気をつけながら、会社経営されているのでしょうか?

山本:そうですね。元々、チャットで連絡を取ることも多かったので、特別な対応をしている感覚はないです。

オフィスは十分に距離が取れるほど広いこともあり、実際に会社に集まっていることも多いです。まだまだ拡大していこうとしているところで人数も正社員25人ほどと少ないので風通しがよく、コミュニケーションはすごく活発に行われていますね。

また、部署によって働き方は様々異なっていて、環境や状況に応じて最適な形を選んでいければと思っています。

高野:ヒュープロさんのオフィスはとても広いので、まだまだ何人入社してもらっても大丈夫という感じがしますね。

採用に関する情報もどんどん発信しているので、ぜひチェックしてください。山本さんのツイッターでも発信してますよね。

山本:はい、トリリンガル玲奈という名前でやっています!

高野:実際にトリリンガルですしね。将来的に会社が大きくなってくれば、世界全体で見た事業展開や投資もあると思いますが、そういった点でも活きそうですね。

HRに限らず、これからさらに事業を展開していく成長企業に興味のある方は、ぜひヒュープロをチェックしてみてください!

山本:よろしくお願いします!

 

取材あとがき

改めて山本さん、ありがとうございました。冒頭でも述べましたが、非常にエネルギッシュで可能性を感じる経営者の一人です。

日本は人口が減ってきている国とはいえ、GDP世界3位なのでまだまだ盛り上げられる余地があると思っています。

人材マーケットに限ってお話すると、 一般社団法人日本人材紹介事業協会のレポートで、昨年の10月から3月までの人材業界大手3社の求人数は前年同期比で75.5%と結構まだ下がっています。

ただ、求人数はニューノーマルで今後伸びてくると思いますし、ベンチャー・スタートアップ界隈、特にインターネット系の企業は、採用意欲が旺盛で事業も伸びている会社が多いです。

個人的には、この領域は資金流入も多くあるので、チャンスが大きいと感じています。

今回ご紹介したヒュープロをはじめとして、成長産業・成長企業をぜひチェックしてみてください。

執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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