外資系IT企業に受かる英語の履歴書・職務経歴書の書き方をプロが解説!

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こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。 今回のテーマは「英語の職務経歴書を書く際に気をつけるべきポイント」です。 一度は外資系の最先端テック企業で働いてみたいなどと思うエンジニアの方は多いのではないでしょうか。 そこで今回は、英語で職務経歴書を書く際にどんなことに気をつければ良いのか?を3つのポイントに絞って解説したいと思います。

1. 簡潔にまとめる

まず書類は簡潔さ・明瞭さが大変重要です。これは外資に限ったことではないですが、とくに有名企業の人事は1日に大量の履歴書をさばくため、1人の書類を長々と読むことはできません。 目安として、A4一枚、職歴が多い方でも多くてA4二枚までに収めましょう。 ネット上に職務経歴書のフォーマットは無料でも大量に落ちているので、その中から完結にまとまりそうなものを選ぶのも一つの手です。 同時に、簡潔にまとめるには量も大事ですが、情報の優先度・粒度も重要です。 まず優先度の高い情報ほど先に、低い情報ほど後に持っていきましょう。 具体的には下記のようになります。 ・基本情報(名前) ・職歴 ・最終学歴 ・保有スキル、資格 一方で、不要な情報もあります。 下記のような情報は省き、大事な項目のみを厳選しましょう。 (a)年齢 (b)性別 (c)顔写真 (d)業務に直結しない資格や業務内容 (e)詳細な学歴 (f)その他趣味などの情報 a~cは日系企業では当たり前に書類に書くことが多いですが、外資系企業の場合あまり求められません。日本よりも性別や年齢による差別の意識が強く、国によっては法律で禁止されている場合も少なくないからです。 dに関しては、応募する側からすると少しでもアピールになりそうなことは書いておきたい…と思ってしまいがちですが、そうなると書類が一枚ではまとまらなくなります。 業務に関係しないことを書いても評価されることは少なく、人事に刺さらない情報が多いとむしろ書類の印象が悪くなるので控えましょう。 eも同様の理由で、学歴は最終だけ記載すればそれ以前のものは不要です。 また職務経歴書のほかに、外資系企業あての書類には「Cover Letter」と呼ばれる概念があります。これは志望動機や自己PRなどを書いて人事が書類を見たくなるよう、興味を持ってもらうための要素です。 郵送の場合は職務経歴書のほかにペライチのA4紙で、メールフォームの場合は画面にイチ入力項目として設定されていることが多いです。 企業によっては不要の場合もありますが、とくに言及されていなければ書いておいた方が無難です。これも長いと人事が読みたがらない可能性があるので、目安として2~5行程度くらいにとどめておくのがよいでしょう。 ちなみに、多くの企業では職務経歴書のみが求められます。履歴書は不要な場合が多いので、職務経歴書に全力を注ぎましょう。

2.文法的に正しい英語を使う

当たり前ですが、正しい英語を使うことは必須です。 ポジションや企業の所在地によっては、求められる英語のレベル自体は案外そこまで高くないこともしばしばありますが、職務経歴書においては完璧な文章が求められます。 企業によっては誤字脱字があるとその時点でNGとする場合もあるので、慎重に取り組みましょう。 そうはいっても、このようなビジネス書類上で完璧な英文を書くのは我々日本人からしたら大変ですよね。 その場合は遠慮なく、英作文をサポートしてくれる外部サービスに頼りましょう。 下記は実際にビジネスでもよく使われるツールです。 ・DeepL:AIによる自動翻訳ツール。日→英、英→日、どちらからでも翻訳可能です。 ・Grammarly:AIによる添削ツール。誤字脱字・文法的な間違いを指摘するだけでなく、よりよい文法を提案してくれます。有料版にするとさらにビジネス・アカデミック向けに厳しく添削してくれるモードもあります。 ・TopResume:ネイティブの人事経験者が職務経歴書を添削してくれるツールです。上2つに比べると値段は少々張りますが、確実に直してくれるだけでなく、職務経歴書としてよりよい表現を提案してくれるため、本気で外資系企業に書類を送るなら利用しておくことをオススメします。 英語に苦手意識のある方向けにおすすめの利用方法としては、まず日本語で書いたものを1.DeepLで一気に英訳し、細かい文法チェックを2.Grammarlyで確認し、とりあえず出来上がった書類を3.TopResumeで添削してもらう、という方法です。 ちなみに、(TopResumeを使うと指摘してもらえることですが)職務経歴書での英語表現においてはより見栄えの良い動詞というものがあります。 たとえば「SaaSの新規事業を作った」と書きたい場合、「Made a new business of SaaS」というよりBuidという単語を使って「Built a new business of SaaS」とした方が見栄えが良くなります。 下記の記事では195語(動詞)もの事例が載っているので、ぜひ参考にしてみてください。 『195 Action Verbs to Make Your Resume Stand Out』 by Indeed

3.「X-Y-Z Formula」フォーマットに沿って、定量的にアピールする

「X-Y-Z Formula」というのはGoogleが自身のサイト上で提唱している書類でのよいアピールの仕方です。Googleに限らず、どこの企業に対しても有効な方法なので、ぜひマスターしましょう。 ではこの「X-Y-Z Formula」とはどういうものなのか。例を見たほうがわかりやすいと思うので、下記に紹介します。
原文 OK: “Member of Leadership for Tomorrow Society” Better: “Selected as one of 275 for this 12-month professional development program for high-achieving diverse talent.” Best: “Selected as one of 275 participants nationwide for this 12-month professional development program for high-achieving diverse talent based on leadership potential and academic success.”
(『Google Recruiters Say Using the ‘X-Y-Z Formula’ on Your Resume Will Improve Your Odds of Getting Hired at Google』by inc.com より抜粋)
Google翻訳による日本語訳 OK:「明日の社会のためのリーダーシップのメンバー」 Better:「高業績の多様な才能のためのこの12か月の専門能力開発プログラムの275人の1人として選ばれました。」 Best:「リーダーシップの可能性と学業の成功に基づいて、多様な才能を達成するためのこの12か月の専門能力開発プログラムに、全国275人の参加者の1人として選ばれました。」
ここでは、内容としては同じではあるものの、アピールの仕方が異なる文章が3つ紹介されており、下にいくにつれて良い文章とされています。 ポイントは、5W1Hが明確で、過程や成果が数字で示されている ことです。 OKの文章はおそらく何らかのリーダー経験があるのだろうということがギリギリわかるので書かないよりはマシではあるものの、抽象的でどんな功績かわかりません。 Betterの文章はOKよりかなり改善されており、自分は275人中の1人に選ばれた、という具体的なすごさが示されています。ただしどんな275人なのか、何をしていたのか、についての説明がまだ弱いです。 Bestの文章はBetterで足りない部分がさらに強化され、理想的です。 このように、成果を表現する際には誰が見てもすぐにどの程度素晴らしい結果なのかを、簡潔明瞭に示せることが重要です。

4.最後に

英文の職務経歴書は日本語のものとは勝手が違うので、戸惑うことも多いかと思いますが、今回の記事を参考に作ってみて頂けたらと思います。 今回記事を執筆するにあたり、フィリピンでのエンジニア採用やご自身も外資系企業に内定したことのあるエンジニアYouTuberのセイトさんに監修いただきました。 理想の履歴書・職務経歴書のサンプルとしてセイトさんの書類も紹介しておきます。参考にしてみてください。 また、最後に1つ余談ですが、行きたい企業には一度送ってだめでも諦めずに何度も送ってみてください。 とくに人気企業の人事は書類をすべてチェックしきれていなかったり、たまたまポジションが埋まってしまうタイミングだったなどということは珍しくありません。 (例えばGoogle社の場合は何度か送ってやっと連絡もらった、という方は少なくありません。) キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。

執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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