面接を通過する秘訣

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初対面で面接官は何をみているのか?

「人は初対面の人を、六割が印象、三割が話し方、一割が話の内容で判断する」

といわれています。実際、面接においては、約八割は、印象で判断しているケースが多いようです。

不採用の人は、最初の挨拶から一分以内で決まってしまう……残りの時間は、それを確かめるための時間だと。そんなふうにおっしゃる面接官や人事の人にも、たくさん会いました。なかなか、手厳しいですよね……。でも、これが現実です。

ですから少しでもより良い印象を与えるよう、以下の点に気をつけて面接にのぞみましょう。

面接で見られている大事な3つのポイントとは?

①話し方について

話の内容が聞き取りやすいか、抑揚がついているか、面接官の目をきちんと見て話をしているか、などがポイントです。面接マニュアル本にはとにかく大きな声で話すことを勧めているものもありますが、むやみに大声を出すのではなく、ハキハキと聞き取りやすい声で話したほうが、相手に良い印象を与えます。

 

②質問の答え方について

面接官の質問に対して、長々と冗漫に話をつなげ、的確な受け答えをしていない人が目立ちます。面接官にいちばん悪い印象を与えてしまうケースです。質問に対しては、結論から話すことをお勧めします。

たとえば、「営業の実績についてお話しください」といわれた場合には、「入社三年目のときに、五〇名中二位の営業実績を残し、社長賞を受賞しました。成果を出せた理由は……」などと、答えると良いでしょう。結論を先に話すことにより、伝えたいことがはっきりし、話がうまくまとまるという利点があります。また、聞き手も話の結論をすぐに理解できます。

NGワードとしては、人材紹介会社経由での面接の場合、「志望動機は?」と聞かれ、「え―、○○さんの紹介で良い印象を持ったからです」というありがちな答えです。

これはまったく回答になっていません。これは理由ではなく、きっかけです。紹介会社から紹介され、そのうえでどの点が良いと思ったのかを簡潔に述べるようにしてください。

 

③話の内容について

企業や面接官によって、面接での質問内容は大きく違います。予想される質問をあらかじめ想定して面接にのぞむことは困難ですが、自分のキャリアヒストリーを「過去」「現在」「未来」と大きく三つのカテゴリに分けて内容を整理しておけば、たいていの質問には対処できるのではないでしょうか。

 

過去――経歴について 

自己PR(強みについて)まず、過去については今までの経歴や、自己PRを中心にまとめておきましょう。職務経歴書に書き込んだ内容については、とどこおりなく話せるようにしておいてください。特に仕事内容については、成果をあげた事例を、職務経歴書の内容以上に詳しく話せるようにしておきましょう。

また、企業は、あなたの具体的な営業手法を聞いて、「自社で営業実績をあげることができそうか」「自社の営業スタイルに合うか」を判断しますから、仕事をするうえで困難だったこと、その困難を乗り越えるために工夫したこと、その結果どのような実績をあげることができたのかを話せるようにしておいてください。

自己PRについては、あれもこれもと欲張るようなことはせずに、簡潔にシンプルに、そして謙虚さを忘れずにアピールするよう心がけてください。

NGワードについてですが、「コミュニケーションカには自信があります!」これはいちばん、凡庸な自己PRです。

なぜかというと、コミュニケーションカがある人は、そもそも「自分はコミュニケーションカがある」というアピールをせずとも、すでに面接官にコミュニケーションカを感じさせているからです。そのPRで、好印象を持たれることはまず、ありえません。

 

現在――転職理由と志望動機 

転職理由については、ネガティブな印象を与えないことが大切です。今の会社への不満や自分が正当な評価を受けていないなどという理由を、転職への言い訳のように話す人がいますが、これは百害あって一利なしです。企業側には、決して良い印象を与えません。できるだけ、ポジティブな印象に聞こえるよう、受け答えにはくれぐれも注意しましょう。

たとえば、「今の会社では得るものがなくなった」と話すとネガティブに聞こえますが、「今の会社で○○を得たので、今後は△△を得るため、転職を考えました」と話すことにより、まったく違った印象に聞こえますよね。たとえ自分の中に、マイナス材料があったとしても、面接官には、それを感じさせないよう気をつけてください。

志望動機については、業界の魅力、会社の魅力、仕事内容の魅力、以上の三点について話しましょう。業界、会社の魅力については、インターネット、新聞、雑誌などを使って十分に下調べをしておき、最近のトレンドや将来性について、面接官と話が食い違わないよう、準備万端でのぞんでください。

間違っても、その企業のホームページ内に掲載されていることや、新聞・ビジネス誌を読めばわかるような質問はしないように注意しましょう。仕事の魅力については、自分がその仕事に対して惹かれている点は何か、今までのどのような経験を活かすことができるのか、などを上手にリンクさせながら前向きな気持ちが伝わるようアピールしてください。

将来――三年後、五年後のビジョン

「将来の目標は?」という質問が、最近増えています。志望者の将来の目標が企業側のビジョンと一致しているかどうか、また、ビジョンを持ちその目標に向かってどのように取り組んでいるかという自発性・計画性を確かめるためです。

各企業とも、PDCAの能力……計画策定能力と実行能力を兼ねそなえた人材を必要としている背景から、この質問が用意されるようになったと考えられます。少なくとも、三〜五年後のキャリアプランについて具体的な目標を答えられるよう、準備しておきましょう。

最後に、以上三つ(過去、現在、未来)の回答には、一貫性を持たせることを忘れないでください。ひとつずつの質問に対して的確に答えていても、全体を通して話に矛盾が生じると、信憑性がないような印象を持たれてしまいます.

以上が、面接の基本的な流れで押さえておきたいポイントですが、それでも面接が苦手な人は、模擬面接を体験することを、ぜひお勧めします。人材紹介会社の中には、面談対策のサービスを行っている会社もあるので、そういったサービスを利用してみるのも良いでしょう。

 

執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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