キャリアで成功する人は目の前の仕事をきちんとやり、失敗する人は目の前の仕事すらやれていない。

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「他責」な人はどこへ行っても評価されない

転職を決断する人は、多かれ少なかれ、今の職場に見切りをつけています。その場所に満足していないから環境を変えようとしているわけです。当然、その理由は人によって違います。

たとえば「新しいステージで別の仕事に挑戦したい」「自分のやりたいことが見つかった」というポジティブな志望動機をあげる人もいれば、「職場での人間関係がうまくいかない」「上司との相性が悪い」「評価が低い」「年収が低い」「チャンスを与えてもらえない」などのネガティブな理由がきっかけになっている人もいます。

環境のせいで自分が輝けないという人を「他責」と呼びます。文字通り、他を責めるという意味です。面接でも「他責」の発言をする人がいますが、第三者から見れば言い訳にしか聞こえません。そして、良い印象を持たないという点では、どの会社も共通しています。人間関係の悪さや、評価に納得できないという声は、多かれ少なかれ、どの企業にもあります。また、残業が多い、休みが少ないという部分も、判断がつきにくい面があります。本人の生産性が低いから残業が増えるのかもしれませんし、仕事の絶対量が多ければ、ある程度の残業は仕方がないでしょう。

ただし、採用側の企業にとっても「思い当たる節」がありそうなことを面接で訴えるのは、決して得策ではありません。勤務先の悪口を聞きたいわけではないのです。「他責」から入る人は、転職活動自体がうまく行きません。仕事の評価がついてこないのも、現在の職場でベストを尽くしてい思い場合も少なくないからです。

 

自らの意志やビジョンが明確ならば挑戦しよう

一方で、自らの意志が明確であれば、「他責」とならないケースもあります。昨今は転職の石の上にも3年理論は崩れており、挑戦することが評価されるようになってきた印象です。

例えば、カルチャー系ショップの店長を務めていたDさんは、人材サービスの会社に転職しました。店長の仕事はおもしろく業績もよかったのですが、月に休日が4日かあるかどうかという状態で残業時間もかなり多く、長く働き続けるには不安があるという理由でした。転職後はカレンダー通りに休めるため、さらに結果を出され満足しているようです。

公認会計士のEさんは監査法人から、事業会社に転職しています。公認会計士は立派な資格ですし、年収も高い専門職ですが、仕事がルーテインでさらに挑戦したいという方は少なくありません。Eさんは優秀で期待の人材だったのですが、ビジネスの現場に関わりたいという強い希望を持っていました。

Dさん、Eさんに共通するのは、転職の動機自体は「労働環境の改善」や「ルーチンワークからの脱却」ですが、前職でも一定以上の評価を受けていた人材だったという点です。収入面も悪くなかったのですが、より自分らしい人生を選択するために、業界をチェンジする転職に踏み切りました。

結局、面接の現場ではその環境でどれだけ頑張れたのかという視点で、第三者はその理由が「他責かどうか」を判断していきます。つまり、現職でベストを尽くしていれば、転職の道が拓け、新しいステージで活躍することができるのです。

転職のきっかけは人それぞれです。はじめに転職希望者の話を聞いていると、年収・仕事のやりがい・会社の将来性・社風・労働時間や福利厚生制度など、いろいろな要因があるんだなと感じます。しかしそれは建前で、「上司との人間関係がよくないから」が本音だったというケースも少なくありません。

うまく面接の場でその本音を隠そうとしても、思いのほか「この人は他責にしている」と相手に伝わるものです。転職を視野に入れる際、「自分の決意は他責なのかどうか」「現職でベストを尽くしているか」を一度、考えてみてはいかがでしょうか?

 

自分のキャリアは自分だけのもの、自分で責任を持とう

自分のキャリアは自分だけのものです。どういう会社で、どういう能力を伸ばし自分の持ち味を活かしていきたいか?どんな上司と働きたのか?異動希望をしても受け入れられない場合、待ちの姿勢で受け身になっているのはもったいないと思います。そんな場合は、現状を打破するため自ら異動に向けて働きかけていったり、転職を考えることも1つの手段です。少なくとも、水面下の活動として、転職情報を調べ、自分に市場価値があるかどうかキャリアコンサルタントに相談することが次の一歩につながります。

思い出してみてください。初めての就職活動のときには、みなさんだって自己分析をしたり、業界研究をしたり、OBOG訪間をしたりと、かなり真剣に活動していませんでしたか?それがいざ社会人になってしまうと、日々の雑事に忙殺され、自分のキャリアをかえりみる時間や余裕を失ってしまうのです。

今の時代、自分のキャリアプランを想定することこそ重要です。会社が個人に対して、「市場価値」を高めるようなキャリアプランを形成してくれたり、提案してくれることは、まずありません。私の知るかぎり、そういった企業は皆無に等しいのです。

自らを変えるのは自分しかありません。企業は企業。個人は個人。自分のキャリアには自分で責任を持つ時代です。

大切なのは、自分の強みを見つけて独自のキャリアプランを構築することです。まずは初心に戻って自己分析をしてみてください。特性を探り出し、そこにスポットライトをあて、第三者にわかるようにアピールできるようになれば、「次のキャリア道」はおのずと開かれます。それは転職して新しいステージに立つことでもいいですし、現職でまずは目の前の仕事に集中して結果を出すモチベーションになるのかも知れません。

今さらなぁ……なんて思ってはいませんか?新しい発見を楽しめるよう、もっともっとワクワク毎日を送りたものです。

 

キープレイヤーズ高野のコメント

何か今の仕事や今後のキャリアにモヤモヤしていることがあると、目の前の仕事にすら集中できないことがあるかも知れません。それだけ真剣に自分のキャリアを考えているとポジティブに捉えてみてください。現状に対する解決策が本当に人それぞれ多種多様です。今さらかとは思いますがまずは、自己分析を行い、自分を整理して、第三者に相談してみてることをオススメします。

 

キャリアの答えはありません。だからこそ私の仕事があるのだと思っております。19年以上キャリアコンサルタントとしてたくさんの方とお話していますが、この2018年の1年でもトレンドや皆様の考え方が大きく変わっている印象です。

もう年の瀬の12月です。さらなるキャリアアップのため、ご自身のさらなる飛躍のためにもご自身の1年を振り返り、2019年に向けた新たな目標を立てられるといいですね。こんな私でよければ、まずは相談レベル、壁打ち相手でも構いません。何でもご相談ください!

執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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