目的意識を明確にし、自分を知ってから転職活動を開始しよう

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転職先は退職前に見つけることが王道

「面接の時間を確保するのが大変だから、退職してからゆっくり次の仕事を探したい!」そう考える方もいますが、実際は現職中に転職活動をスタートする方が大半です。収入が途絶えるのは不安でしょうし、退職後だとブランクがどれくらいになるか、わかりません。実際、現役感のあるうちに、転職するほうが結果も良い傾向があります。

ただし、中には厳しく時間管理されている会社もあります。
某メーカーでは朝早く夜遅いのはもちろんですが、営業マンがいつどこへ行ったか、分単位で管理しています。営業車もメーターで走行距離をチェックするうえ、客先をほんとうに訪問しているか、管理部門のスタッフが電話をして確認します。

虚偽記載や架空訪問が発覚すれば、降格も含む重い処分が下されますし、逆に発見したほうは成績になる。つまり、社員同士が監視しあうシステムで業績を上げています。このような会社では、さすがにいったん退職しないと転職活動は無理でしょう。

これは私自身の考えですが、転職活動はあまり長く続けるものではありません。転職しようと思ったなら、決断を先延ばしにせす、ある程度短いスパンで活動し、ご緑がある企業にサッと移籍したほうがいいです。

リサーチや周辺情報を集める期間も含めて約半年。企業と接触して面接を受け、アクティブに活動する期聞が正味約3カ月。それが現実的な線です。ある大手人材エージェントでは、登録者に対するサービス期聞が3カ月以上になった場合、お客様の希望がなければサービスを終了するとしています。経験的に、それより長くフォローしても決まらない確率が高いからです。

実際、3カ月間しっかり活動して決まらなかった場合、それ以上続けても、採用になることはほとんどありません。今の段階で転職するのはいったん見送ったほうがいいと思います。今いる職場でスキルを磨き、次のチャンスをねらってください。

 

目的意識を明確にしてから転職活動を開始しよう

転職活動では内定獲得までに平均何杜ぐらいエントリーすると思いますか?

手元にあるデータでは、平均26社だそうです。私が手がけるケースですとお客様から信頼されるので、基本的にお会いした会社から面接の時間を頂戴することは出来ますが、うまくいけば2~3社の内定が出るというパターンが多いです。

新卒での就職活動と比較すると、エントリー数ははるかに少ないですが、勤務しながらの活動はなかなか大変です。ある程度、期限を切って取り組むのが現実的ですし、中途半端な気持ちでできることではありません。

ただ、今のままではいけないという気持ちはありながら、半年後に転職したいという強い思いがないという人もいるでしょう。そんな人は1年後に自分がどうなっていたいのか、想像してみてください。「今の会社でキャリアを積むのがいいのか。他の会社でないと思うような活躍ができないのか。」漠然と転職活動をするのではなく、目的意識が明確になり、新しいステージが必要だと心から感じた時が、転職の適齢期なのです。

エンジニアのRさんは、学生時代のサークル仲間と3年ぶりに集まりました。友人が次々と転職していて、「これからはlつの会社に骨を埋めるのではなく、転職しながら自分のキャリアをつくっていく時代。チャンスがあれば、20代のうちに一度、転職したほうがいい。」と聞き、なるほどと思ったRさんは転職活動をスタートさせました。

ITエンジニアのRさんに対するオファーは多く、面接には至るものの、目的意識があいまいで志望動機が弱いため、半年経っても内定がとれません。そもそも今の職場より、条件がよく、新しいチャレンジができそうな会社がなかなか見つからないのです。自分の市場価値はこんなものかと落胆していると、次第に本業のほうにも影響が出始め、上司からも「最近、やる気がないんじゃないか」と注意される始末です。

あせったRさんは、最後に内定にこぎつけた会社に転職しました。しかし、結果的に以前の会社よりスケールの小さな仕事しかできません。キャリアアップより転職自体が目的となっていたことにようやく気づいたRさんは、次の転職先を探しています。人の話にふり因されるのではなく、自分のための転職活動か、確認しましょう。

 

退職してから転職活動を行う場合は信頼できるエージェントに相談を

現職がハードすぎて、毎日終電近くまで働くことが前提になっている。または地方勤務で東京勤務で転職したい。東京まで時間がかかるエリアで働いているなどどいった場合、現職を続けながら活動が困難な場合があります。

その場合は、自分が次の会社に求める、仕事内容、給与など信頼できるエージェントにまずは相談してから退職の意思を伝えることをお勧めします。この会社は現職を続けながら転職活動ができないというブラック的な会社は事実存在します。そうなると土日に面接を組む必要があります。しかし、土日に面接をしてくれる会社は多くはありません。衝動的に退職するのではなく、まずは相談してみる。自分の希望が通りそうだとなれば、退職の意思を伝えることもありです。

何か自分の現状に不安をお持ちの方、今後のキャリアをお考えの方はいつでもご相談ください!感情的になり、将来を定めないまま、意思決定してしまうことは厳禁です。

執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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