成功する人はわかりやすい履歴書・経歴書をつくり、後悔する人は市販の履歴書をそのまま利用。

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履歴書・経歴書は自分を売り込む大切なラブレター

転職活動に際して必要なのが、「履歴書」「経歴書」です。
自分を売り込むための大切なツールですから、見やすく、わかりやすく、セールスポイントを簡潔にまとめることが大切です。

市販の履歴書を利用する方もいますが、欄を埋める感じになってしまい、アピールしたい部分が弱くなってしまいますので、むしろ使わないほうがいいでしょう。
たとえば、市販の履歴書には、希望年収を記入する欄がありますが、書く必要はありません。
これも市販の履歴書を使わないほうがいい理由です。

あなたは、自分年収について正確に把握しているか?

むしろ、現在の年収は採用側が知りたいポイントですので、ほとんどの企業から書いてほしいとリクエストがあります。面接で評価されれば、年収交渉も自然と有利に進みますし、高く売り込みたいのであれば、面接で伝えることもできます。書面で希望年収を書いても意味がありません。現在より高い年収を希望する気持ちはわかります。ただ、今より少し上げたいと言われても、客観的に見て根拠のないことが多いのです。もちろん、入社後に年収交渉をするのは大変ですから、金額にこだわる場合は、書面ではなく面接でがんばってください。年収について質問されて正確に回答できない方が多くいます。これは例えば営業の方が自社の商品の価格がわからないことと同じです。わからない方はすぐに調べましょう。

また、デザインやレイアウトもけっこう大事です。
履歴書・経歴書のサンプルはインターネットで検索すると、たくさんヒットします。自分が使いやすいパターンを選んでまとめてみてください。

履歴書の写真は不要の会社も最近は多い

あと、これは意外と知られていないことですが、写真はなくても書類審査は通過します。実は、最近はつけない人のほうが多くなっています。そもそも履歴書に写真を貼る文化は日本にしかありません。ただし、女性の場合はあったほうがいいと言われています。

もちろん、履歴書・経歴書は受験企業にあわせて、記述を変えるのがベストですが、転職活動は時間との戦いなので、書類作成に手間どるとタイミングを逸してしまいかねません。きちんとしたものを1つつくっておけば、ほとんどの企業に対応できるでしょう。

とりあえずは、自分の実績やセールスポイントをサンプルにあわせてまとめてみてください。人材エージェントに登録する場合はそれを参考に、どういう条件の方なら求人があるか、どういうスキルを身につけたら、より案件が紹介されやすいのか、アドバイスしてもらえます。

書類作成と言っても、表現のしかたはいろいろです。中には、通常の履歴書・経歴書だけでなく、パワーポイントなどを活用して自己PRの資料を作成する方もいます。ビジュアルつきで簡潔にプレゼンテーションできるので注目されます。

自分なりの魅力的な資料を用意するという手段もある

最後に、ひとつおもしろい自己PRの例を紹介しましょう。
営業職のYさんは、商品の紹介やマーケット動向などを説明するために、日頃からパワーポイントでプレゼン資料を作成していました。
新しい情報が随時追加できますし、独自にグラフや図を入れて、ポイントを押さえた説明ができるのでクライアントからも好評でした。タブレット端末に入れておけば、すぐに見せられますし、分厚いカタログなどを持ち歩く必要がありません。

転職活動にあたっても、得意のパワーポイントで、「営業マンYの、格闘の軌跡」というタイトルで新卒入社した時からこれまでを3つの時代に区切り、エポックメイキングな実績を軸に、ちょっとコミカルな物語形式で自己紹介資料をつくってみました。
奇抜すぎるかとも思いましたが、自分の持ち味がアピールできると考えたのです。
採用担当者にはおもしろいから「ぜひ最終面接でも」と言われ、社長の前でも披露したところ、大変好評で、その場で採用が決まったのです。入社後には「プレゼン型の営業スタイルを、他の社員にも伝授してほしい」という要望があり、毎日、はりきって仕事に励んでいます。

履歴書や経歴書は自己アピールをしっかり行うためのものでしかありません。いかに見やすくわかりやすく自己アピールできるかを念頭に入れてつくってみてください。

 

執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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