こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。
スタートアップ、ベンチャー企業。まだまだ日本ではマイナーな選択であるものの体感としては就職、転職する人の総数が増えていると感じます。
一方で、近年、安定志向が強まっているという話もあります。
私が日々、スタートアップやベンチャー希望の方々とばかりお会いしており、また投資家として、創業者やこれから創業しようとしている方にお会いしてばかりいるせいなのか、安定志向が高まっているとはあまり感じてはおりません。
今回は、スタートアップへのキャリアを考えたときに、少なからず考える「お金」のお話をしたいと思います。
目次
スタートアップ創業社長の給与
71%のスタートアップ創業者が自らの年収を500万円以下に設定
COMPASS社が収集している全世界11,160社のデータによると、71%(7,964社)ものスタートアップ創業者は自らの給与を年収500万円(1ドル100円で換算、以下同)より低く設定しており、年収1000万円を超える創業者はわずかに11%にすぎないことがわかった。なお、シリコンバレーのスタートアップに限定した場合にも傾向は類似しており、66%の創業者は年収を500万円以下にしている。サンフランシスコ近辺は不動産や物価が高いことで知られており、彼らが質素な生活スタイルで創業に没頭しているさまが見てとれる。国別平均に見ると、最も高いのがオーストラリアで約720万円、低いのがインドで約300万円だった。
参照:https://media.looops.net/saito/2014/01/15/startup_founder/
以前、NewsPicksの運営会社のユーザーベース代表取締役共同経営者の梅田優祐さんが、NewsPicks上でご自分の年収については1300万とご発言なさっておられました。DeNAの南場さんも著作のなかでは800万だったというコメントがあります。
自分の過去多くのスタートアップ、ベンチャーに訪問し続けてきた感覚ですと、スタートアップは、調達前までは給与水準は落としている場合も少なくないです。大きくなるにつれ、年収面が高くなっていきます。
こちらの記事に対して、アルー株式会社の池田さんがリアルな数値をコメントくださいました!
アルー(創業時は株式会社エデュ・ファクトリー)の最初は3名とも月額10万円でスタートしました!3人で持ち寄った創業資金1000万円を取り崩す形でした。
— 池田祐輔 | ALUE | DX人材育成&データ分析研修&Eラーニング (@ikeyu_alue) February 16, 2022
前職が忙しすぎてお金を使わず貯金が結構あったのですがみるみる残高が下がっていき、残高一桁万円になったことを思い出しました😂 https://t.co/rHrXSJyYkz
月額10万円なので、年収120万円ですね。創業時は資金調達などもして金銭感覚がわからなくなり、財布の紐が緩む方もいらっしゃるのですが、アルー株式会社は非常に堅実にスタートして今の発展があると言えそうですね。
月給50,000円、中には無給という場合も
4年前のIVSの記事ですが、こんな対談もありました。
質問者2:どれぐらいの給料をもらっていたか。お話していただけるなら、共同創業のお給料を。
重松:私も子供が3人いて、共同創業者も子供がいたので、(月給)20(万)とかだと本当死んじゃうので、さすがに厳しいので。お互い40歳で始めてますが、調達が終わるまでは、自分には出してなかったですね。
佐々木:すごいもらってました。楽だし(笑)。すごいぬるい人生送ってたんですけど。でも、僕は起業したときは、最初1〜2年目の自分の給料は5万円。
金谷:うちの場合は、前職がもともとみんな低いところを流れた人間なので、入ったときは18万5000円とかです。
このように、社長といえど、最初から高額な役員報酬を受け取れるわけではないのですね。実は、創業者は当初無給だったという方も多々おります。海外のスタートアップでも、500円という創業者が何人もいらっしゃって話題になっていました。
海外の成功者の間では、$1Clubというものもできており、自身の会社からの報酬を$1にするとのことです。ただ、この場合はキャピタルゲインで大きな報酬を得ているケースがほとんどなので、お金がないという状態ではないと思いますが、スタートアップ創業者=多くの報酬を会社から得ているというわけではなさそうです。
iCAREを共同創業され、現在はX-Agent代表とMMIP取締役を務める飯盛さんも最初の2年間は無報酬だったそうです。
DeNAの南場さんも上場まで600万円だったと記憶しています。私もiCARE時代最初の2年は無報酬でした。ただ、清貧を良しとするのではなく、是々非々での判断・対応が必要かなと思います。上場前の創業者によるブロックトレードも最近は増えているようですし、色んな考え方・やり方がありますよね。 https://t.co/dG8xHkXOYX
— ISACCORY (@Takashi_Isakari) February 16, 2022
スタートアップの給与体系
社員の給与は実力主義、社長よりも高い場合も
スタートアップの頃はまったく給料が出せないところも多いですが、上場前ぐらいまでになってくるとあがってきますよね。
メンバー:300万~600万ぐらい
マネジャー:600万ぐらい
部長:800万ぐらい
執行役員クラス:800万~1000万ぐらい
例えば、上記のような印象です。
エンジニアの給与は高い?
イメージでいうと、先ほどの数値の1.2倍ほどです。
メンバー:400万~700万ぐらい
マネジャー:700万〜800万ぐらい
部長:800万〜900万ぐらい
執行役員クラス:900万~1200万ぐらい
エンジニアのメンバーに自分の2倍の給与を出しているようなケースもあります。
給料については何が正しいのか正解はないところではありますが、創業者が創業時にいくらぐらいで、上場手前でいくら、上場後に成長していればいくらなどは明示はされていないもので、ベールにつつまれているともいえますよね。
大型調達で経営者の給与、社員の給与も変化してきている
スタートアップに転職すると給与ダウンは昔の話?
スタートアップに転職すると給与が下がる、リスクが大きいというイメージを持つ人は多いと思います。
この件については、「スタート時の給与は下がることが多い」というのは、経営顧問や転職支援をしていて実感しています。
これは、大手企業で長年勤め上げることを想定して設定された給与と、自分が会社に貢献している度合いが合っていなかったことから生じるものだと考えられます。
そのため、実力主義で評価するスタートアップに転職した際に給与が下がってしまうことは、たしかに少なくないです。
ただ、一時的に給与を下げて入社し、入社後活躍して給与が大幅に上がった事例も多いです。日系大手のメーカーからスタートアップに転職し、執行役員になった平山さんはその成功事例の1つと言えます。
給与以外にも、大企業からスタートアップに転職することで、様々な変化を感じる方が多いです。こちらの記事で、スタートアップ転職のリアルを知っていただけたらと思います。
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