転職して趣味を仕事に変えるミドル世代の転職事情

         
       
       
     

こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。

あまり喜ばしいことではありませんが、早期退職を募ったり、終身雇用を保証しないことを宣言したりと、これからミドル世代の転職は増えていくのではないかと思います。

そうしたときに、ミドル世代の転職におすすめの職種として、キャリアコンサルタントがあります。この記事では、ミドル転職でキャリアコンサルタントになり、成功されている方のケースを例にとって、ミドル転職でキャリアコンサルタントがおすすめの理由を説明していきます。

また、これは現在のミドル世代だけの問題ではなく、いずれミドル世代を迎える方、全員が意識しておくべきことです。若手のうちはよかったけど、年齢を重ねてみたら転職市場での価値が低かった…なんていうことになりたくないですよね。

若手のうちから心がけるべきことにも記事の最後に触れますので、今から意識しておきたい若手の方もぜひ目を通してみてくださいね。

ミドル世代の転職でおすすめの職種、キャリアコンサルタントの転職事例

55歳からベンチャーでキャリアコンサルタントとして成功した例

大手アパレルの専門子会社の管理職を55歳で早期退職し、人材系ベンチャー企業のキャリアコンサルタントに転職された人もいます。

55歳でベンチャーのキャリアコンサルタントと思う方もいらっしゃるかもしれません。

実はこの仕事、ミドル世代にとっては、非常に狙い目といえる職業だといえます。

社会人経験が長く、対人理解力、説明力などに加え人生経験も豊富ですから、人を見る目も養われており、どんな人材がどんな職種に適しているのかを判断できる能力も高いと思えるからです。

この男性が、キャリアコンサルタントに転職したきっかけもひょんなことからでした。

仕事を探している際、若手のビジネスマンの相談にのり、アドバイスをしているうちに、次第に面白さを感じ、「こういったカウンセリング的な仕事というのは、ビジネス経験のある自分のような年配の人間に向いているかもしれない……」

そう実感したことが、転身への引き金になったのです。

もともと、後輩の相談には進んで耳を傾け、問題解決には労を惜しまないという親分肌だったという適性もありましたが、現在は、キャリアコンサルタントとして、多くのクライアントを抱え忙しい日々を送っています。

リストラから再起を遂げたミドル転職の例

少し変わった特異な例もご紹介します。

一度は路頭に迷ったものの、見事、ご自分の趣味を活かして復活劇を遂げた頼もしきミドル世代です。

30年間、仕事一筋。外資系メーカーでエンジエアとして働いてきたその男性は、会社の業績不振からリストラ。

その会社で定年を迎えるものとばかり思っていた彼は、転職などまったく考えたこともなかったそうで、いったいどうしたものかと途方にくれたといいます。

職が見つからないまま、ある日、気持ちを切り換えようと趣味であった「レース鳩」の観戦に出かけました。

すると、空高く飛んでゆくレース鳩を目で追いながら、その瞬間、はたとひらめいたのです。

(自分が好きなことは本当は何だろうか?どうせなら、第二の人生、自分の好きなことを活かした仕事につけないものだろうか……)

そう考えた彼は、趣味である「レース鳩」に関する仕事をしようと決意し、一念発起、職探しをはじめました。

そのうちに、レース鳩の飛翔距離がひと日でわかるというハイテクセンサーの開発企業を発見。

募集している人材は、そのハイテクセンサーの営業職でした。

もちろん、営業経験はまったくありませんでしたが、面接で、彼が持っていたレース鳩への知識の深さ、熱意などが評価され、見事採用されることになったのです。

「なんだか、趣味の話に花が咲いているようで、あまりお客さまに売り込んでいるという意識はないんですがね」

そう、テレながらいっていましたが、好きだからこそ商品に愛着がわき、心からお客さまに勧められるといった好循環を生んでいるようで、営業成績はかなり優秀とのこと。

年収は入社時には落ちましたが、今は前職と同程度まで盛り返しているそうです。

エンジエア職特有の会社に泊まり込むようなワークスタイルもなくなり、仕事とプライベートのバランスが取れるようになって、今は生き生きと仕事をされています。

自分でもまったく予期していなかった分野で、オ能が開花することもあるという成功例だと思います。

将来のミドル世代が若手のうちから考えておくべきこと

作りたいトラックレコードから逆算して転職する時代に

今は、トラックレコード(過去の実績や履歴)を意識してキャリアを積んできた方が少ないので、このように結果的に成功する方もいらっしゃいます。ただ、10年後も同じ状況かというと、必ずしもそうではありません。

これから、将来の転職から逆算して、トラックレコードを作る、またそのために転職する、という方も増えてくると思います。そうなったときに、自分自身にしかない強みがあるか、ということは重要です。

このようにお話すると、転職することが大事だと言っているように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。続けられることも素晴らしい力です。ただ、何を継続したのか、ということが大事になってきます。

例えば、今はエンジニアの需要があると言われていますが、10年後には、作りたいサイトデザインを入力すると、自動的にコードを出力してくれる世界になっているかもしれません(すでにサービスとして提供され始めています)。

そうなると、エンジニアの中でもコーダーと言われる人たちはそれだけだと価値が下がってしまう可能性がありますよね。そうした仮説を持って、キャリア設計をしていく必要があります。

一方で、未来を完全に予測することは難しいというキャリア論もあります。私自身も、新卒のときには予想しなかった未来にいるので、未来を完全に予測するのは難しいことだと思います。

計画的偶発性理論(プランド ハプンスタンス)によるセカンドキャリアデザインのすすめ

でも、未来の予測精度を高めることは可能だとも考えています。それは、「3年後、5年後世界がどうなっているか、その時に自分はどうなっているといいか」という予測と答え合わせの連続で身につくものだと思います。

自分のキャリア設計について、考えておきたいという方は、ぜひご相談くださいませ。

ミドル世代の方も、まだまだ転職への抵抗がある世代かもしれませんが、考え方や視点の切り換えひとつで、新たな活躍ステージを見つけることは可能です。お気軽にご相談くださいませ。

キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。

執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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