目次
今回のベンチャー・スタートアップ転職相談
相談者様:人の入れ替わりが多い会社の中にも、悪い意味と、良い意味があると思いますが、高野さんはどういうパターンだったら人の入れ替わりが多くても良いと思いますか?
人の入れ替わりが多くても、良い場合
あくまでも会社の売上や利益が伸びている。
伸びている場合はもちろん、2倍2倍や3倍など、T2D3だったら良いです。
しかしそこまで行かない場合は
「売上成長率が40%に達している」
株式の話でよくある
「売上高成長率+営業利益成長率の合算値が40%以上伸びている」
このような状態で、人が辞めている分には会社の成長についていけない人もいます。
そういう意味では、人の入れ替わりがあっても問題は大きくありません。
人の入れ替わりが多くて、悪い場合
会社のキーマンで、且つ評判も良い方が辞めるケースは少し心配なパターンです。
しかし、この場合見抜くのが難しいです。
ナンバー2・3の人が辞めた場合も、会社が0→1(ゼロイチ)や1→10(イチジュウ)のときに凄く活躍する人と
「10を100にする」
「100を1,000にする」
ときに活躍する人というのは、結構違います。
会社をより大きくするためには、大きな組織や大きなお金を動かして、結果を出していきます。
いろんな関係各所を調整して、結果を出していくため、優秀なビジネスパーソンタイプの人は、会社が大きくなればなるほど活躍していきます。
初期の頃はマネージメントがそこまで上手ではなかったけど、個人の能力が高く、マルチタスクこなせて、スーパー執行役員やスーパープレイヤー型の人の方が、一人で完結できる分活躍しやすいです。
こういうタイプの人が大きい組織になったときに、抜けていくのは必然的なので問題無いですが
「この人こそ大事なんじゃないの?」
という人が辞めてしまうと、それはまずいですね。
しかし、外部からの見抜き方は難しいです。
※T2D3
ARRを毎年、Triple(3倍),Triple(3倍),Double(2倍),Double(2倍),Double(2倍)に成長させていくモデル
ベンチャー・スタートアップに転職する際に許容できる離職率とは?
相談者様:興味のあるスタートアップを調査したら社員さんの入れ替わりが激しいらしいです。
ベンチャー・スタートアップに転職する際に許容できる離職率はどれ位でしょうか?
シード・アーリーは離職率は気にしても意味が無い
シード・アーリーだと、離職率というデータに残せないくらいの方が辞めている会社が多いです。
一年・二年で入った人がほとんど辞めてしまっていることも珍しくありません。
経営陣も含めてですね。
シード・アーリーの場合は、離職率を気にしてもしょうがありません。
※シード
コンセプトやビジネスモデルは決まっているものの、まだ具体的な製品やサービスの実現ができていないステージ
※アーリー
これまで準備してきた事業計画や商品・サービスを元に、実際に起業する段階
レイターの段階だと離職率許容範囲は〇〇%
監査法人が入って
「あとN‐1でN期になる」
「あと半年・一年で上場」
というレイターレベルの会社については、離職率は約15%です。
離職率の定義にもよりますが、入社して一年経った人たちが約30%辞めていたら離職率は高いです。
入社して一年未満の退社が、20%でもやや高いと私は判断します。
約10%であれば
「まあ、そんなものでしょう」
というところです。
15%でも許容範囲という気がします。
ビジネスモデルも確定していないような時期は、人の入れ替わりが起きます。
100%というのは社長が辞めない限りありませんが、約50%入れ替わってもそこまで驚きはありません。
しかし、離職率を踏まえて
「これからの組織コンディションがどうなりそうなのか?」
については
「コンディションが良くなっていくだろう」
というタイミングで入った方が当然良いです。
※レイター
ベンチャー企業の最終段階とも言える時期で、成長させた事業や会社を、さらに安定的に拡大していく段階です