こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。
今回は、Seibii 取締役の佐川 悠さんにお話をお伺い致しました。
対談動画も公開しておりますので、ぜひ併せてご覧くださいませ。
目次
佐川悠さんの経歴
2009年慶應大学を卒業後、三井物産にて約10年間勤務。
2019年1月にSeibiiを創業。
Seibii
車の整備・修理出張サービス「Seibii」を運営する企業。
「Seibii」は、自宅・オフィスの駐車場に国家資格を有する整備士が出張し、車を整備・修理するサービス
車のアフターマーケットをDX
高野:今回は、素晴らしいゲストSeibii の佐川悠さんにお越しいただきました。
Seibiiは自動車のアフターマーケットをDXしています。
まずは、佐川さんご自身のことと、会社についてお伺いできますでしょうか?
佐川氏:Seibiiは2019年の1月に創業しました。
会社としては「車のアフターマーケット」と言われる領域を広く捉えて、デジタル文脈で
「世の中のより便利にできるところを便利にして、価値を生み出していこう」
という発想の会社です。
私自身起業する前の10年弱は、総合商社の三井物産でサラリーマンをしていました。
そのときに、アフターマーケットという領域で仕事をしていたので
「自分で事業をやりたいな」
と思ったときに、必然的にこの領域で事業を立ち上げようと思いました。
10年弱勤めた三井物産を飛び出して、会社を始めました。
Seibiiを起業した経緯
高野:Seibiiを起業した経緯はどういった感じだったのでしょうか?
佐川氏:ライブドアの堀江さんやサイバーエージェントの藤田さんなどが全盛期の2005年や2006年くらいが大学生で
「自分で事業をやりたいな」
という思いはあったのですが、今の時代の
「起業したい!」
という学生ほどの熱量や行動は無くて、なんとなく思っていたくらいでした。
事業をやりたいという思いを持ちながらも、具体的な行動はないまま
「グローバルで働くビジネスマンもかっこいいな」
と思い商社に入りました。
入社してしばらくは、商社の仕事が楽しくて
「事業をやりたい」
という気持ちは薄れていました。
入社して4年目経った頃から、だんだん仕事にも慣れてきて、大学生の頃の気持ちを思い出し始めて、勤めながらトライアンドエラーして
「自分でソフトウェア作れないとダメだ」
と思い、空いてる時間を使って自分で勉強してました。
実は、形にしてリリースまでしました。
事業化できなかったものも含めて、何個かリリースしているうちに
「もういい加減現職を辞めよう」
と思い、辞めました。
Seibii共同創業者との出会い
高野:Seibiiは、最初から一緒にやっているパートナーの方はいたのでしょうか?
佐川氏:いました。
高野:完全に一人でやる人や、一緒にやる人それぞれかと思いますが、パートナーの方はどの様に見つけたのでしょうか?
佐川氏:Seibiiの共同創業者で千村というものがいまして、二人で共同創業しています。
彼とは、この事業をやるために集まった仲間というわけではありませんでした。
私が商社で3年目のときに、1年目として入ってきたのが、一緒に共同創業している千村です。
私が事業をやりたいと思って、紆余曲折いろいろと試していた頃から、彼と二人でやっていました。
いろいろ二人でやってきた中で、今の領域で飛び出しました。
高野:「経営する仲間が見つからない」
という相談が多い中で、最初からパートナーがいたんですね。
千村さんも素晴らしい方ですよね。
投資させて頂く際に
「経営者の方が良い人だな」
と思えるのも大事ですね。
車の整備修理の出張サービス
高野:Seibiiの実際のサービスはどのようなものでしょうか?
佐川氏:今やっている事業はとてもシンプルで、車の整備修理の出張サービスです。
Uber Eats版車の整備修理という風にイメージして頂けると、わかりやすいかと思います。
プラットフォーム型の事業ですが、1点強調したいところがあって、純粋なマッチングではありません。
あくまでSeibiiというブランドの名のもとに、全てのサービスを提供しています。
具体的に言うと、品質リスクは全部我々が負ってますし、品質の均一化も図っています。
お客さんとのやり取りも全部本体でやっています。
そのため、ユーザーから見たときは、Seibiiという会社にサービスを依頼しています。
私たちも
「Seibiiという会社として現場レベルまでサービスを提供してますよ」
という前提で、サービスを組んでいます。
しかし、オペレーション上は、プラットフォーム型でやっているというのがポイントです。
立ち上げた初期から市場の反応が良かった
高野:実際に事業をやってみて、手ごたえはありましたか?
佐川氏:手ごたえはもちろんありました。
立ち上げた初期から市場の反応が良かったです。
過去複数トライしていたこともあり、その時と比較すると初速が全然違いました。
もちろんいろいろな苦労は、今現在も含めてあります。
しかし、事業の立ち上がりという意味では市場にフィットしているなという実感と自信はあります。
高野:やってみて、想定外だったことはありますか?
佐川氏:想定外だらけですね。
実感や自信はありますが、課題が山積みで少しも減りません。
高野:私は基本的に、ITがあまり進んでいない業界を、ITの力でより良くしていくというのが大好きです。
しかし、入ってみたら既存の強いプレイヤーの人が実はいたりなど、そういうことはあるのでしょうか?
佐川氏:私がやっている業界に関しては、実は気づいていなかった強い勢力があったということはありませんでした。
どちらかというと、組織づくりなどの自分たちの課題の方が大きいです。
高野:海外では、Seibiiのような会社はあるのでしょうか?
佐川氏:あります。
特にIT先進国のアメリカやヨーロッパ、インド、中国だとテクノロジーをバックボーンにしたスタートアップは多数存在しています。
高野:国内は、競合が凄くあるというよりは、マーケットを作っているという感じでしょうか?
佐川氏:高野さんの仰る通りです。
日本の市場に関して言うと、市場自体は大きいですが、DXやソフトウェアの文脈だとほぼ未開拓です。
そのため、我々は先駆者という気持ちでやっています。
Seibiiの今後の展望
高野:今回多く資金調達されましたが、これはどのようなものに使われるのでしょうか?
佐川氏:主に2つあります。
一番重要なのが採用です。
二つ目が、マーケティングです。
高野:どの社長に聞いても
「採用とマーケティングに投資します」
という答えですね。
あとは、今後の展望ですね。
会社をどういう風にしていきたいですか?
佐川氏:長期ですと、アフターマーケットという領域を捉えて、デジタルネイティブな企業として、1兆円規模くらいの圧倒的に大きな会社を作っていきたいなと思っています。
5年、10年の中期ですと、上場を一つの通過点として考えています。
短期ですと、今やっている出張型の整備士事業というのをきっちり大きくするところにフォーカスしていきます。
そして、アセットを持っている人達をいかに私たちが作っているプラットフォームに自然な形で乗せられるかというのが、短期のチャレンジとしてあります。
あとは、我々は面白いデータをデフォルトで集めていると思っていて、ユーザーの情報だけでなく、車の個別の情報というのも取得しています。
これはサービス上必要なので、集めています。
こういった車の情報とユーザーの情報を持っていると、現場に我々のメカニックがいて、その車を見ているし、触っているし、ユーザーの声も聞けるというユニークなポジショニングを取れています。
そのため、この辺のデータをアセットに変えて、社会の価値として還元できるような事業も作っていきたいと思っています。
Seibiiに合う人は、立場関係なく事業を作れる人
高野:今欲しい人材についてですが、ポジションはどのような感じでしょうか?
佐川氏:我々の場合は、急速に何十人、何百人増やしたいというフェーズではまだないです。
しかし、良い人がいれば各ポジション随時採用したいです。
全てオープンポジションとして空いています。
その中でも特に、エンジニアを拡充していきたいです。
ポストはエンジニアに注力しつつ、コーポレートやマーケ、カルチャーも含めてフィットする人は採っていきたいです。
高野:Seibiiに合う人、合わない人はどういった人でしょうか?
佐川氏:業種的にもリアルとテクノロジーが交差する領域で事業を作っているし、必然的にそういうチーム構成になっているので、いろいろなバックグラウンドの人がいます。
現場の整備士バックグラウンドの人もいるし、ソフトウェア開発のゴリゴリの人もいます。
そういった中で、一つの事業をチームで作っていこうとしているので、協調性が低い人だと合いません。
あとは、決められた仕事をやることが得意という人は合わないなと思います。
職種をまたいで会話をしていく、コミュニケーションをとる、議論をしていく、事業を作っていくことに興味がある人が合うと思います。
また、大前提としては、自立・自走できることです。
立場に関係なく、事業を作れる人が向いています。
高野:そうですね。
その辺がスタートアップらしいところと言うか
「私はこれしか仕事やりません」
というよりは、もちろんその仕事は万全にやるけど、加えて
「こういうことが必要かな?」
と考えて、会社と相談して、良い意味で守備範囲を広げていくようなボールを拾える人が良いですよね。
佐川氏:やることはいくらでもあるので、自らどんどん仕事を作れる人が良いですね。
高野:今日は新進気鋭のSeibiiの佐川さんにお話をお伺いしました。
個人的には、IT化されていないところを伸ばしていくというのは、興味があるジャンルです。
佐川さんをはじめ、Seibiiの皆さんとても熱い気持ちでマーケットを変えようとしているので、転職者の皆さんにも大変おすすめの会社です。
佐川さん、今回は有難うございました。