こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。
今回は、日本の多くの医師のコミュニティを持つエムスリーの谷村 格代表取締役CEOのキャリアをみてみましょう!
エムスリーさんは時価総額が3兆円を超えている(2020年6月現在)企業なのですが、なぜかご存知ない方も多くいらっしゃいます。経営が非常にうまく、経営で大切なことが文化としても浸透しており、安定的に成長している素晴らしい企業です。
10年前にエムスリーに入社したときに聞いた、
— 熊野 整 @ エクセルとファイナンス (@kumano_excel) May 19, 2020
「オフィスの時計が壊れたので買おうとしたら、社長に、その時計の利益インパクトはいくら?」
と聞かれて買えなかった話。
真偽は分からないが、社員全員それウチらしいわーって笑って納得するはず。
コスパ警察集団、エムスリー(ROI意識の徹底)
これは笑い話かもしれませんが、社員全員が笑い話として納得できるほど、文化として浸透しているのは素晴らしいことですね。実際に、社員の方にコスト意識や経営意識を持ってもらうことに苦労している企業の方が多いはずです。
現在はテクノロジーに関する発信も行っており、非常に勉強になります。私もよく読ませていただいています。
谷村社長は顔写真も含めてあまり情報を発信なさらない戦略なのか、情報が限られていますね。可能な範囲でまとめてみました。
目次
谷村格さんが代表を務めるエムスリーの企業概要
エムスリーはヘルスケア×ITで、現在圧倒的な存在の企業ですね。
2020年12月23日現在で、時価総額は6.37兆円にのぼります。
社名 | エムスリー株式会社 (英文表記 M3, Inc.) |
所在地 | 〒107-0052 東京都港区赤坂1丁目11番44号 赤坂インターシティ10階 |
設立 | 2000年9月29日 |
資本金 | 29,036百万円(2021年3月31日現在) |
株式公開市場 | 東証一部 |
決算期 | 3月期 |
従業員数 |
連結従業員数 |
代表者 | 代表取締役 谷村格 |
役員 | 取締役 都丸暁彦 取締役 槌屋英二 取締役 泉屋一行 取締役 浦江明憲 取締役 吉田憲一郎 取締役 森健一 取締役 監査等委員 井伊雅子 取締役 監査等委員 山崎繭加 取締役 監査等委員 遠山亮子 |
連結子会社 | 多数 |
事業内容 | インターネットを利用した医療関連サービスの提供 |
エムスリーの提供するサービスプラットフォームには日本国内の医師の90%以上が登録しているそうです。2017年には、Forbes誌にて『世界で最も革新的な成長企業ランキング』で日本第一位、世界でも第5位を獲得しています。
今回ご紹介する谷村格さんは、そんなエムスリーの創業者であり、現在も代表取締役を務めていらっしゃいます。
後述しますが、谷村格さんはマッキンゼーの出身で、エムスリーは拡大した今でも、コンサルティングファームさながらの実力主義の社風があります。そんなエムスリー出身の方は、かなり優秀な人が多いです。
エムスリーの株価・時価総額・主要株主について
谷村社長は、保有比率2.86%と創業者の中では大きなシェアを持っていない方かもしれません。
ベンチャー企業としては珍しいですが、今や時価総額6兆円超えている日本を代表する企業なので、文句のつけようがありませんね。
谷村格さんがマッキンゼーから独立してエムスリーを設立した背景
キャリアインキュベーションさんのインタビュー(現在は削除済み)が参考になる内容でしたので、引用させていただきます。
【谷村】複数の製薬会社が1つのプラットフォームを通じて、多数の医師と情報を流通できるようなサービスは、たしかに世界でも例がありません。
もちろん1製薬メーカーが、自社のサイトを通じて医師に情報を投げかけるようなアプローチはこれまでにもあったわけですが、そうすると医師はいくつものメーカーサイトを巡っていかなければならない。これでは手間も時間もかかってしまいます。私はマッキンゼー在籍時より、数多くの医師からお話を伺ってきました。
彼らが求めているのは、薬の効能や副作用の情報など医薬に関する最新のデータで、これらを限られた時間の中でいち早く獲得して患者の皆さんに貢献したいと望んでいるのに、環境がなかなか構築されない現実が存在していました。では、製薬メーカーの視点で見たらどうなのか。現在日本にはMRが5万5千人、医薬品卸のMSが3万人の合計8万5千人が活躍していますが、医師との人数比でいえば3対1、一方アメリカでは7対1と非常に効率が悪く、一人あたりのコストも多くかかることになることから、大変生産性の悪い環境といえるでしょう。
こうした医療界における構造的問題をITツールの駆使によって解決したサービスの一つが「MR君」です。
「MR君」は改革志向が結実した典型例だといえるのではないでしょうか。「MR君」の開発で目指したのは、医師と製薬関係者がともに活用できる第三者的存在の共通プラットフォームにすることでした。
株式目論見書を拝読しますと、ソニーコミュニケーションネットワークさんが、86.54%。谷村社長が、9.54%だったようですね。
いろいろなスタートアップ、ベンチャーの形があると思いますが、しっかり座組をし大成功された企業と言えます。
エムスリーの決算(2020年12月更新)
2022年度3月期第一四半期の決算が発表されましたが成長していますね
売上 | 営業利益 | 税引後利益 |
---|---|---|
46,403 百万円 (前期比30.8 %増) |
24,651 百万円 (前期比119.1 %増) |
24,763百万円 (前期比120.7 %増) |
この規模にも関わらず前期比30パーセントも成長中。
エムスリー代表取締役 谷村格さんの経歴・キャリア
最後に、エムスリーを経営する谷村格さんのキャリアについてみてみましょう。高校以前の経歴については公開されていません。
1965年生まれ。国際基督教大学卒業。1987年にマッキンゼー・アンド・カンパニー入社。コンサルタントとして10年以上の経歴を積み、1999年に同社パートナー(共同経営者)となる。
その後2000年、ソネット・エムスリー株式会社(現:エムスリー株式会社)設立。社長就任。
外資系企業に多くの優秀な人材を輩出しているICU(国際基督教大学)のご出身です。戦略コンサルティングファームトップのマッキンゼーに99年にパートナー(共同経営者)に就任されています。当時34歳での就任ですので、かなりの大抜擢と言えるでしょう。
その後2000年9月にソネット・エムスリーとして現在のエムスリー会社を設立されました。
その後、2003年に東証マザーズ上場、2007年には東証一部上場と急成長を遂げられています。
この時期のマッキンゼーの方といえば、DeNAの南場智子さんもですよね。優秀な方が揃っていらっしゃったんだと思います。
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