関口 諭

慶應義塾大学卒業後、マッキンゼー等を経て現職。
ハイテク・通信を中心に新規事業計画立案、デューデリジェンス、オペレーションコストの最適化等に従事。
主な著書に「日本製造業の戦略」(共著/ダイヤモンド社)、「日本企業の進化論」(共著/翔泳社)等がある。

株式会社ベイカレント・コンサルティング

ベイカレント・コンサルティングあらゆる業界に対する戦略から業務ITに至るまでの豊富なコンサルテング経験で培った知見洞察やネワークに加え日本発の総合フームとしてのケイパビリテを最大限に活かしあらゆる側面から総合的にクライアン企業の変革をサポーしています

日本を代表する総合系ファームのなかで成長している会社の1つとして挙げられるのがベイカレント・コンサルティングです。現在は、新卒市場でも中途市場でも優秀な人材が入社するコンサルティング会社となっています。今回、ベイカレント・コンサルティングの取締役である関口様に、ベイカレント・コンサルティングについて取材をしてきました。

新卒で日立へ、その後マッキンゼーへ転職

高野:関口さんのご経歴を教えてください。

 

関口:大学を卒業後、日立製作所に就職しました。20代後半のときにマッキンゼー・アンド・カンパニーへ転職し、通信業界やハイテクメーカー向けのコンサルティングに従事しました。2011年からベイカレント・コンサルティングに参画し、現在は取締役を勤めています。

 

高野:新卒で日立製作所を選んだ理由を教えてください。

 

関口:学生時代、「公共」と「IT」が自分にとって関心のある2大キーワードでした。専攻は政治学でしたし、趣味で時折自作パソコンを組み立てたりもしていました。

そこで、安直なのですが、公共とITに関わることができる仕事をしようと考えたのです。当時「電子政府」構想が盛り上がっていたこともあり、国のシステムを作る仕事をしたいなと思いました。

そして、大規模プロジェクトに関わることができ、技術力にも定評があり、ハードも扱っている日本企業という観点で就活をし、日立製作所、富士通、東芝、NECなどを受けさせていただきました。ご縁があった企業の中で最もフィット感を感じた日立製作所に入社いたしました。

 

官公庁のシステム開発経験を経てコンサル業界へ

高野:その後、なぜコンサルティング業界へ転職したのでしょうか。

 

関口:実は、学生のときはコンサルティング業界自体のことを知りませんでしたが、日立にいる中で転職をしようと思う、きっかけとなる出来事はいくつかありました。

技術の世界にどっぷりつかることができた日立での経験は自分にとって非常に価値のあるものでしたし、その経験は今でも生きていると感じます。同時にITの仕事をしていて、官公庁のシステム導入の進め方に難しさを感じることもありました。

どうしてもSIerの立場ですとシステム開発からの受託になり、上流のシステム化企画やBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)には関わることができません。上流工程の検討不足からユーザー視点に立ったシステム開発ができていないのでは、と感じることが時折あったのです。

注)BPRとは、既存の仕組みやフローを見直して業務の設計をすること

また、日立のような日本を代表する大企業の幹部として経営に関ることへの夢や憧れも当時ありましたが、大企業であるが故、どうしてもそのポジションに辿り着くまでには長い年月を要しますし、望むポジションや役割を担うには運の要素も決して小さくないと、当時の上司や先輩方を見ていて感じられました。

加えて、大学の同級生でコンサルティングファームで働いている友人が複数いたのですが、忙しいなりに充実した仕事でチャレンジングな経験を積んでおり、また市場価値も驚くほど上がっている様でしたので羨ましさと同時に、焦りの様な気持ちも芽生えました。

こうした経緯もあり、上流の領域に関わり、市場価値も上げることができるのはコンサルタントなのかな、と思い転職エージェントに相談に行きました。28歳くらいのときですね。

 

マッキンゼーの面接は7回のケース面接を突破

高野:よく難関企業であるマッキンゼーに受かりましたね。

 

関口:ご縁がなかったコンサル会社さんもありましたし、運が良かった部分もあると思います。マッキンゼーは7回ケース面接がありましたが、毎回頭を悩ますディスカッションが多く、当時は良く通過できたなと感じました。

 

高野:難関といわれるマッキンゼーの面接に受かったのはどういったところが評価されてのことなのでしょうか。

関口:入社後にお聞きした話では、ケース面接での論理性もある程度は認めていただきつつも、コミュニケーション面や人間性等のソフトスキルも評価いただいたとのことでした。

日立製作所時代にマルチベンダーのプロジェクトでかなりタフな調整やネゴシエーションも、いくつかやらせていただいた経験があったので、そういった苦労話や試行錯誤のエピソードも良かったのかなと。

 

高野:マッキンゼーではどのようなプロジェクトを担当されていたのでしょうか。

 

関口:テクノロジーが好きでエンジニアのバックグラウンドもありましたので、ハイテクメーカーや通信会社の事業戦略や新規事業立上げ、海外成長戦略、営業戦略といったテーマを中心に担当させていただきました。エンジニア時代に培った技術的な知見や肌感覚は大いに生かせたと思います。

中途でコンサルタントになりバリューを出せず苦労

高野:未経験でコンサルタントになって1番苦労した点はどのような点でしょうか。

 

関口:入社したての頃は自分の無力さを痛感する日々でなかなか大変でした。私は、28歳のコンサルタント未経験の中途で入社したのですが、新卒入社の年下のコンサルタントの方が自分よりも圧倒的に優秀で、日立時代に築いた自分のプライドはあっという間に崩れ去りました。(笑)

結構しんどかったです。転職するところを間違えたかなと最初は思いました。

後から聞くと、実は多くの方が同様の苦労をされていたようなのですが、そんな姿を周りに見せない方が多かったので、自分だけが苦戦しているのかなと当時は思っていました。

 

高野:そういう時代が関口さんもあったのですね。

 

関口:はい。私に限らず、パートナーとして活躍されている方々でもコンサルとしての立ち上がり時期はほとんどの場合ご苦労があったみたいですね。

 

高野:マッキンゼーとなるとUp or Outということでついていけず辞める人も多そうですね。

 

関口:現在はだいぶマイルドになったと聞きますが、当時はやはり辞めていく人は多くいました。私より優秀に思える方でも自信を失ってしまい、自らギブアップというケースもあったようでした。もったいないですね。

優秀な方が多いからこそ、あの会社で初めて挫折を味わった方もおられたのではないでしょうか。

 

理想の会社を作りたくベイカレント・コンサルティングへ

高野:多くの選択肢があったなかでその後、ベイカレント・コンサルティングをキャリアの選択肢として選んだのはどうしてでしょうか。事業会社に転職する選択肢もあったと思います。

 

関口:リーマンショックもありファームとしての仕事も一時的に減る中で、有難いことにプロジェクトにはアサインされ続け、どうにかプロモーションもできて多少なりとも自信も付きましたし、プロモーションのタイミングで卒業され、事業会社に転職していく同僚に感化された部分もあったかも知れません。

私はマッキンゼーで20本くらいプロジェクトを経験させていただきましたが、テーマへの興味や、クライアントおよびチームメンバーとの相性といった観点で、本当に楽しかったものがいくつかありました。

ただ、どうしてもプロジェクトが終わると我々はそこから離れ、実行の深い部分に関わっていくことは難しいことが多いです。

そこでもう少しビジネスの実行部分にまで携わり、事業が中長期的にどうなっていくのか見てみたいと思ったのです。そのため転職先候補として、メガベンチャーやIT系の事業会社等を見ていました。

たまたま、転職活動をしている際にマッキンゼーの先輩と一緒に話を聞いてみることになったのがベイカレント・コンサルティングでした。IT領域から立ち上がった会社がコンサルティングの領域にも伸長しはじめ、そこを更に拡大強化していきたいという話を当時の経営陣から聞きました。

自分の感想としては日本のコンサルティングファームとして理想の会社を作っていくというチャレンジができるのであれば、それは面白いなと。

まだ30代前半でしたし、もし合わなかったらまた転職すればいいか、と正直少し軽い気持ちで入社しました。

 

高野:ベイカレント・コンサルティングの環境がご自身に合ったのですね。

 

関口:そうですね。転職してベイカレント・コンサルティングにもう8年くらいですが、良い会社だと思います。

 

高野:ベイカレント・コンサルティングは近年業績が好調ですが、ここまで儲かっている理由はなんでしょうか。

 

関口:まずコンサルティング業界のマーケットが活況というのは前提としてあると思います。他のコンサルティング会社を見ても基本は需要過多の状況です。その中で当社はマーケットの平均よりは速いペースで成長しているとは思います。

当社は基本方針として毎年採用要件を厳格化しているので、人数面での爆発的な拡大は難しいと考えています。一方他ファームの状況を見ると、よりハイペースで規模を拡大されている所もありますね。

同時に、淘汰されるコンサルティングファームがあるなかで、今のところベイカレント・コンサルティングが上手くやってこれたのだとすると、採用と人材育成が最大のキーであり、加えて元々の営業力や品質管理体制の強化が功を奏したのだと思います。

一方カルチャー的な側面に目を向けると、中途で入社されるコンサルタント経験者の方の多は、もっとこういうことができないかな、と前向きなフラストレーションを抱えて前のめりで転職してきていますし、新卒や未経験で入社される方々は外資系の大手ファームがひしめくグローバルマーケットに進出していこうと、チャレンジしていこうとする空気感に共感して入ってきてくれる方が多いです。

新卒にせよ中途にせよ何かチャレンジしたいという思いを抱えた人が集まってくる空気があります。

また、他のファームと同じことをやっていても意味がないよね、ということは常々皆意識していると思います。

後発だからこそ、競合ファームを超えるより高い価値をいかにして提供するか、粘り強く考えていく姿勢を会社として根源的に持ってるんだと。

 

高野:根源的にそうしたカルチャーが醸成されていったのはいつごろからなのでしょうか。

 

関口:システム開発の下請けからビジネスをスタートさせたを20年ほど前から元々存在したカルチャーだと思います。

徐々にプライムや上流工程にビジネスをシフトしていく中で、2011年に私が入社した際はすでに「更に上のステージへ」といった機運は少なくとも幹部から中堅クラスの社員の中では定着していたように思います。

 

高野:競合はアクセンチュアやマッキンゼーと様々なプレイヤーがいますよね。

 

関口:どのコンサル会社も尊敬すべき歴史やグローバルブランド、そして人材の層を持っておられると思います。もちろん当社の戦い方は彼らとは違いますし、大先輩に胸を借りるつもりでこれまで挑んできましたが、そんな彼らを凌駕する価値をどう出し続けていくのか、このチャレンジは本当に楽しいです。

 

 

フィーの水準も安定して上昇中

高野:ベイカレント・コンサルティングの価値も認められてきています。

 

関口:フィーの水準が上がってきたのは過去のクライアントから認められてきたのでしょうか。

良質なプロジェクトを積み重ねてきた結果でもありますし、その総体として企業としてもブランド力が高まってきている面もあると思います。書籍の出版や講演など、ナレッジの発信等の取組みによる効果も大きいでしょうし。そして何より提案の質そのものの価値をクライアント企業から認めていただけているからだと考えています。

 

高野:提案の質が高いのはコンサルタントが優秀だからなのですね。提案にはどういった役職の方が行っているのでしょうか。

 

関口:提案の中身によりますが、上位職であるパートナーやシニアマネージャーがリードすることが多いですが、場合によってはマネージャー職が担うこともあります。

提案の場にマネージャーが出向くことは他社でもよくあるかもしれませんが、マネージャーが提案の中心となって関わることができる機会が、当社では、他社に比べると比較的多いと思います。

職位で仕事を制限しすぎず、できる人はどんどんチャレンジしてもらう空気があります。

 

高野:関口さんクラスの方だったら、ヘッドハンターから事業会社の社長にとお声もかかると思います。

 

関口:CEOポジションはさすがに中々ありませんが、有難いことにこんな私でも時折お声かけいただくことがあります。ですが忙しさも相まって、あまりお返事できていません。

今は当社の更なるステージアップというチャレンジが楽しいですし、他のことを考える余裕もないので、ネクストキャリアについては何も考えていません。

 

高野:独立していく方もいるのでしょうか。

 

関口:元々起業に向けた修業の場として当社を位置づけて入社する方もおられるので、少数ですがいます。

 

ベイカレント・コンサルティングの良さは本社が日本で自分の会社だという意識を持ちやすい

高野:それでも、独立して活躍できるような優秀な人たちも貴社のコンサルタントとしてご活躍している印象です。

 

関口:業績も好調で、上り調子の会社で成長できる機会があるからではないでしょうか。

あとは、会社の経営に関わる機会があることも理由として考えられます。当社では、会社の方向性に関する議論を若い方とすることもままあります。

自分たちで良い会社にしていこうとする意識を持ちやすいのではないかと思います。外資系だとヘッドクォーターが海外にあり、大きな意思決定をするにも本社を動かさないといけない場合が多いですが、当社は虎の門のオフィスが本社なので、何でも話が早いです。

 

高野:大変失礼な質問ですが、「ベイカレント・コンサルティング」と検索すると、かつての2chなどの掲示板で悪い評判が、特に10年以上前は立っていたと思います。実際入っている方は、そういったところを見たうえで入っていると思うのですが、どうして転職を決めることができたのか気になります。

 

関口:そもそも有名企業でネガティブな書き込みがネット上に皆無であるケースもなかなかないと思いますので、あまり会社として気にはしていません。

ただ、そういった不安を持つ候補者の方がおられるのも認識しておりますが、彼らのほぼ100%が面接にお越しいただくと良い意味で予想を覆される訳です。「あれ、普通にいい会社だな。」と。ですのでお陰様で採用も順調に推移しています。

 

適切なアサインメントに力を注ぐ

高野:若手の未経験の方も入社しているとのことですが、どのようにして活躍できるまでになっているのでしょうか。

 

関口:まず新人の方向けの社内のトレーニングがありますが、そちらは複数のコンサルタント達と議論しながら設計しています。入社して来られる方々の特性を踏まえながら毎回練り直しているのが特徴的な点です。

新人研修後は、OJTということでプロジェクトに入り、経験を積んでいただいています。
どのプロジェクトでどんな先輩方とどんな経験を積み、どれくらいの負荷をかけるか、これが本人の成長にとって最も重要な点です。

したがってアサイメントに当たっては本人のスキルセットやキャリアの志向性、性格や人間性等、様々な観点で判断しています。

また、上司であるプロジェクトマネージャーとの相性のようなものを考慮することもあります。例えば、チームに馴染め、質問しやすい関係の構築が優先される際は、同じ大学や高校、または出身地等、何かしらの共通点がアサインを決定する一要素となることもあります。

 

高野:アサインメントはだれが決めているのでしょうか。

 

関口:アサインメントの担当者が社内におり、コンサルタント個々人とのキャリアに関するディスカッションを通じてアサインメントの方針を決定します。

約40名ほどおりますが、皆人事やキャリアの専門家であったり、半数以上はコンサル経験者でもあるので、的確なアドアイスを受けることが可能です。

 

少しずつ負荷をかけてストレッチしていく

高野:コンサルタントとしての成長に工夫している点はありますか。

 

関口:やはり本人の力量にあった経験を積み続けることではないでしょうか。チャレンジの度合いを仮に数字で表した場合、100の実力があるコンサルタントに80の仕事をさせても恐らくあまり楽しくないでしょうし、成長実感も得にくいはずです。

同時に、100の実力のコンサルタントに200タスクを課すと、これはこれで負荷が大きすぎ、品質面も危うくなりますし、本人も潰れてしまいかねません。

したがって、実力が100の方には120程度の負荷をかけ、120のレベルに近づいたら間髪入れずに次は130、160と負荷を高めていくような役割の設定やアサインメントをできるよう意識しています。

 

ベイカレント・コンサルティングの年収は本人の市場価値で決まる

高野:ベイカレント・コンサルティングは大手会計系に比べて年収がいいと聞いたことがありますが、実際のところはいかがでしょうか。

 

関口:優秀な人材を確保するために給与水準は競争力があった方が当然良いと考えていますし、そういった考えに基づいて弊社の給与テーブルは設計されています。

ただ、最も大事なのはご本人の市場価値がどうなのかをニュートラルに判断することだと思います。コンサルタントとしてどういった領域でどの程度のパフォーマンスが発揮できるのか、結果クライアントからどの水準のフィーをいただくことができるコンサルタントなのか。ここを正確に評価できるように工夫しています。

弊社の中で高収入であっても社外に出たときに市場価値が高くないのであれば、本人のキャリアにとってはあまり意味がありませんからね。

 

高野:関口さんご自身にとってのコンサルティングの楽しさはなんでしょうか。

 

関口:若い頃は、2周りも歳が離れている経営に極めて近い立場の方々を前に、その企業の今後を大きく左右し得るご提案をすること自体が非常にエキサイティングに感じられました。

新聞やメディアで、自身が提案に関わったトピックが取り上げられると大きな企業の変化に関わることができたことも実感できますし。

そして、過去にご一緒したクライアントさんが企業内でより上位のポジションに就かれ、折に触れてご相談を頂戴することもあります。

「関口さんが見てくれるなら御社に発注しようかなあ」といったいただくのはやはりコンサル冥利に尽きる瞬間ですし、今はそういった経験を一人でも多くの弊社の若手にしてもらいたいと考えています。

やりたいことができる環境がベイカレント・コンサルティングにはある

高野:ベイカレント・コンサルティングへ転職を希望される方にメッセージをお願いします。

 

関口:企業としても個人としても、チャレンジすることを推奨するカルチャーが弊社の特徴の一つです。年齢や経験年数、所属、バックグラウンド等に制限されず、実力次第でいろんなことにチャレンジできるのは弊社の魅力の一つです。

同時に未経験に近い方でも着実にステップアップできる人材育成のノウハウもありますので、新しいことにチャレンジし続けたい、様々な面で自身を成長させたい方の参画をお待ちしています。

高野 秀敏

キープレイヤーズ 代表取締役

99年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。

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