コラム

【テイクレートとは?】ECサイトの収益性を間違いなく見るために事例付きで解説

古くは通販、そしてeコマース、D2C、インスタコマースなど、トレンドのワードは変わりつつも、広義のecはどんどん伸びています。17kg(イチナナキログラム)、node (ノード)など新しいスタートアップも生まれています。まだまだ新規参入が続いている領域でもありますので、新しい言葉もどんどん生まれています。

今回は「テイクレート」という言葉についてまとめてみました。テイクレートはECサイトの収益性を見る上で、非常に重要な指標です。同じテイクレートという言葉を使っていても、ECサイトの運営方式によって大きく数値も異なってきますので、注意も必要です。

それでは、実際の企業も取り上げながら、テイクレートの持つ意味合いについて説明していきます。

テイクレート(英語でTake rate)の意味とは?

ECサイト上での取引金額のうち、運営企業の取り分の割合のこと

例えば、価格が100円で出費している商品があったとします。この商品が売れたときに、ECサイト運営側が取り分として10円もらうことになると、テイクレートは10%になります。

基本的には、取引金額が変わってもテイクレートは変わりません。

日本のeコマース市場でのテイクレートは平均7%~8%ですが、ZOZOTOWNは30%以上になっています。詳しくは後ほど説明しますが、ECサイトには大きく分けて2種類のモデルがあることから、こうした違いが生まれます。

テイクレートと粗利率との違いは?

テイクレートは粗利率が混同されてしまうことも多い指標です。
粗利率とは、売上に対する粗利の割合です。
粗利は(売上高ー原価)で算出できますので、粗利率を求める式は

粗利率 = (売上高 – 原価)÷ 売上高

となります。
※売上高・・・商品の売上の合計額
原価・・・売れた商品の仕入れや製造にかかった費用(広告費などは含まれません)
売上総利益・・・売上高 – 売上原価

ここでまとめておくと、
テイクレートでは、原価は直接的には関係してきませんので、粗利率とは別物と言えます。

テイクレートの計算式とは?

テイクレートは一般的に下記の式で計算されます。

テイクレート=売上高 ÷ 取扱高

「取扱高に対して、運営企業が手にする売上高の比率」と言えます。

ただ、ECサイトの運営方式によって、テイクレートが大きく変わってきます。大きく分けて、Yahoo!ショッピングのようなマーケットプレイス型とZOZOTOWNのような直販型の2つがあります。

それぞれのモデルの違いをまず説明していきましょう。

マーケットプレイス型について

まず、マーケットプレイス型を簡単に説明すると、ショッピングモールのテナントのようなものになります。ECサイトの運営企業の売上は、この出店料、売上手数料から構成されます。ECサイト(ショッピングモール)を貸し出す際の費用が出店料、そこで生まれた売上のうち数%を納めてもらうのが売上手数料です。

マーケットプレイス型ECサイトにおいては、運営企業が集客・決済を、各種ブランドが販売管理・配送などを担っています。

直販型について

対して、直販型はECサイト運営企業がブランド会社から商品を直接仕入れ、それを消費者に売っています。そのため、最終消費者の集客、決済、販売管理、配送などはすべてECサイト運営企業が担います。

ブランド会社は商品を提供しますが、ECサイト運営企業が倉庫などを持って商品を管理することになります。本来ブランドが担っていた役割をECサイトの運営企業が担うことになるため、取り分も大きくなります。
そのため、一般的にはマーケットプレイス型よりも直販型のほうが、テイクレートは高くなります。

ただ、その後、販売管理・配送などの費用が掛かります。最終的には比較するのであれば、それらも考慮に入れる必要があるので注意が必要です。

テイクレートの具体的な計算事例

では、実際にテイクレートの計算事例を見ていきましょう。

Yahoo! ショッピングの事例

Yahoo!ショッピングは、マーケットプレイス型というモデルを採用しています。しかし、出店料と売上手数料ととる代わりに、広告掲載料を受け取っています。
そのため、Yahoo!の決算で使われている言葉をテイクレートの計算式に当てはめると下記の通りとなります。

テイクレート=プレミアム広告売上高 ÷ ショッピング事業 取扱高

※プレミアム広告はショッピング単体ではないため、多少の増減可能性ありますが、ここでは考えないものとします。

実際の数値を代入すると(FY2018通期決算より)、

532(億円) ÷ 7,692(億円) = 0.6916…….

となり、Yahoo!ショッピングのテイクレートは約6.9%と言えます。

ZOZOの事例

ZOZOTOWNは、直販型というモデルを採用しています。
ZOZOの決算で使われている言葉をテイクレートの計算式に当てはめると下記の通りです。

テイクレート=売上高 ÷ 商品取扱高

実際の数値を代入すると(FY2019通期決算より)

991(億円) ÷ 3,113.5(億円) = 0.3165….

となり、約31.7%がZOZO TOWNのテイクレートだと言えます。

ただし、直販型の場合は、このあと販売管理・配送などに費用がかかっていきます。そのため、Yahoo!ショッピングのテイクレートとは単純比較はできませんが、販売管理・配送のオペレーションによっては、高い利益率を実現できる可能性があることがお分かりいただけたかと思います。

最後に

今回はテイクレートの意味や計算式を、実際の決算事例を用いて説明させていただきました。

今回のように、同じ言葉でもビジネスモデルによって大きく数値が変わるものには注意が必要ですね。

 

高野 秀敏

1999年に株式会社インテリジェンスへ入社。2005年に株式会社キープレイヤーズを設立。3000名以上の経営者の相談と、10000名以上の個人のキャリアカウンセリングを行う。また、55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。転職・採用、投資のご相談は Facebook Messenger、もしくはLINEからご連絡くださいませ。
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