こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。
大手広告代理店は年収も高く人気の業界です。特に電通や博報堂は、知らない人のいない大企業と言えるでしょう。
一方で、電通をはじめとする大手広告代理店(本記事ではテレビのメディアの買付まで行う企業について言及)に在籍している方でもベンチャーへの転職を希望される方が増えてきた印象です。
今回は大手広告代理店に在籍しており、ベンチャー企業への転職を考えている方向けに私、高野の経験からお伝えできることをお話します。
目次
年収が下がることは大前提
これまでキープレイヤーズおよび前職であったインテリジェンス(元パーソルキャリア)において、20年以上にわたって大企業出身者の転職支援をしてきました。
大企業からベンチャーに転職する際に、多くの転職希望者の方が気にされるのは年収です。
最近はかなり少なくなってきましたが、ベンチャー企業の採用自体が少なかったころは、「同じくらいの年収でベンチャーに転職したい」「役員クラスで転職したい」という相談がきました。
ベンチャー企業のタイミングにもよりますが、COOをはじめとする取締役クラスでない限りは、基本的には年収はダウンするものと思ってください。
大企業ではないところにリスクをとりにくるわけですから目先の年収は下がってしまうことがほとんどです。
長期的に見るとご出世されて大企業にいるときよりも高い年収、また上場による株やストックオプションによる資産形成に成功されている大企業出身者も数多くいらっしゃいます。
また何より、転職して大企業にはなかった裁量を若くして得られることに満足されている方が多くいらっしゃるのは事実です。
大企業は決して裁量がないわけではなく裁量のあるポジションに到達するまでに時間がかかります。大企業でも重要な役職につけば動かすお金や規模も大きく、裁量があるといえます。
一方ベンチャーに転職するメリットは、ご自身が裁量があると感じられる仕事ができるタイミングが若い間にくることです。
目先の給与とのトレードオフでもありますので自身が納得できる選択をされてください。
現職での成果は非常に重要
転職相談に乗る際に「大手広告代理店出身者でベンチャー企業に転職したい方で市場価値が高いのはどういう方でしょうか?」という質問をよく受けます。
私の回答は「現職で活躍していること」です。同期よりも営業で秀でた成績を出した、ヤングカンヌで賞をとった、社内MVPになったなど何でもよいです。1つでも現職で成果を出している方とそうでない方では、その後の活躍度合いもかわってきます。
私自身がエンジェル投資を行う際に、サラリーマンをされていた方には、必ず現職もしくは過去の実績・経験を聞きます。
サラリーマンとして成功されていた方は起業でも成功する確度が高まります。ベンチャーに転職する際にも同じことがあてはまるといえるでしょう。
そのため現職で目の前の仕事に全力投球をして、少しでも結果がでるように努めていただくとよいでしょう。
一方で、上司とのめぐり合わせが悪く、結果がまったくでなかった方もいらっしゃいます。かなり少なくなってきたとは思いますが、大手広告代理店ですと、昔ながらのパワハラ気質の上司もいらっしゃるでしょう。
そうした方と働いているとうまくフィットせず成果につながらないこともあります。こうした場合は転職して心機一転することでキャリアが花開くこともあります。
ですが、”上司のせい”という他責思考が身についてしまっていると、ベンチャーではなかなか成功できません。ベンチャー企業で事業責任者として成功されている方は、当事者意識が強く自責思考で物事を考えられています。
仮にネガティブな感情からであっても、少しでも転職したいという思いがでてきたら転職エージェントに相談にいくことをおすすめします。
私のような転職エージェントでも良いですし、大手広告代理店から転職された方にお話を伺いたいということであればご紹介することも可能ですのでお気軽にお話ください。
大手広告代理店出身者の転職先
大手広告代理店出身者の転職先は大きく3つにわかれます。ブティック系の広告代理店への転職と、ベンチャー企業のマーケティングや広告部門への転職、そしてこれまでの経験とは関係ないベンチャー企業の営業や新規事業立ち上げでの転職です。
これらの転職を電通や博報堂、ADKなどから転職されています。
広告が好きだからという理由で、より自分のチャレンジができるブティック系の広告代理店(非ネット系)への転職する方も、昔からのようにいらっしゃいます。一方で、SaaS系ベンチャーの事業立ち上げや営業職として転職されている方も増えてきました。
名前のある大企業で働いていると転職先のベンチャーからの期待値も非常に高くなりますが、転職後も一生懸命努力されて成果を出されている方が多数いらっしゃいます。
いずれのパターンであっても過去のネームバリューやプライドをいったんリセットして、目の前のことに集中して成果を出したいと強く願っている方が結果的に成功しています。
広告代理店出身者の起業パターン
広告代理店出身者の起業についても触れておきます。
例えば、電通出身ですと、サマリーポケットを運営する株式会社サマリーの山本 憲資社長がいらっしゃいますね。博報堂だと最近Medullaというパーソナライズシャンプーでのびている株式会社Spartyの深山 陽介社長やfreee佐々木さんなどがいらっしゃいます。
広告代理店の経験を生かしての起業ですと、NEWPEACEの社長である高木 新平さんは博報堂出身ですし、PARTYファウンダー/クリエイティブディレクターの中村洋基さんは電通出身です。
他にも、freee佐々木さん、エニグモ(BUYMA)須田さん、X-Tech 手嶋さん、STANDING OVATION/XZ(クローゼット)荻田さんとはこれはもう長年のお付き合いで是非とも成功してもらいたいと思っております!また、GO三浦さん、チョコレイト(動画)渡辺さん、元Timers高橋さん、M&Aされたカブク稲田さん、など枚挙にいとまがないですね!
電通、博報堂、ADKをはじめ大手広告代理店出身者が起業されている会社もありますのでご興味がある方はぜひご相談ください。
ネット系代理店出身者との違いを活かせ
大手広告代理店と比較されるのがネット系の代理店です。オプト、セプテーニなどがネット系の代理店です。電通や博報堂ですと子会社にネット系の代理店を抱えているので、わかりやすいのではないでしょうか。
大手の広告代理店出身者はクライアントから任される予算が大きく、また出稿の割合を大きく占めるテレビCMの経験があります。こうしたネット系にはない経験を生かして差別化をはかっていくとよいでしょう。
逆に細かい広告運用の設定などについては、外部のネット系代理店を活用したほうがよいでしょう。ベンチャー企業ですと広告運用をまかされることもありますが、代理店の方は周りの人をうまく活用するのが得意かと思いますので、そうしたところで価値を出すと良いと考えられます。
将来起業を考えている代理店所属の方にはベンチャー転職はおすすめ
将来起業をしたいという大手広告代理店出身者の方にもよくお会いします。
もちろん今すぐやりたいことがあって起業したいという方は投資相談にのりますし、一方で今やりたいことはないけど力をつけたい方はベンチャーを一度はさむことをおすすめします。
私の投資先で恐縮ですが、クラウドワークスの創業者である吉田さんはベンチャー企業で修行をして、クラウドワークスを創業されて見事上場されました。
いきなり起業して成功する方ももちろんいらっしゃいますが、起業のためのベンチャー企業勤務というのも財産になります。
起業にいたるまでのキャリアのパターンも色々ありますので高野までご連絡いただければと思います。
ベンチャー転職をしたい方向けのアドバイス
色々と広告代理店からベンチャー企業への転職についてお話しましたが、電通や博報堂をはじめとする大手広告代理店にいらっしゃるだけでポテンシャルが高いことは間違いないです。
あとは、将来やりたいことがある、もしくは漠然とでもこういうふうになりたいというのがあれば高野までご相談いただければと思います。
お気軽にTwitter,FacebookもしくはLINEなどでご相談いただければ20年以上の人材紹介の経験を生かしてアドバイスさせていただきます。
アドバイスといってもすでに優秀な方が多いと思いますので、キャリアや企業名の具体的なご提示をいたします。スタートアップ投資を数十社している関係でベンチャー系の事情にも詳しいですので個別の企業のご相談でも構いません。