成功する人は複数の面接の予定を調整し、後悔する人は決まった順に面接を受ける。

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中途採用のスピード感

中途採用の場合は、新卒採用と違って流れがスピーディです。面接の連絡があったら、即行動したほうがいいでしょう。欠員募集にしろ、増員の場合にしろ、企業側は必要な人材を少しでも早く確保したい、見通しを立てたいと考えていますから、迷っているとチャンスを逃してしまいます。逆に、首尾よく内定が出た場合も、返事はなるべく迅速にしなければなりません。さすがに即日とは言いませんが、少なくとも1週間以内にはお受けするか、辞退するかを決めていただくことになります。

中途採用では、1人しか採用しないのが通常ですから、複数の応募者に内定を出すことはまずありません。2人内定を出して2人ともOKなら困りますし、早く決めて採用活動を打ち切りたいのです。
新卒採用の時のように内定をプールすることはできないと認識しておいてください。

中途採用の上手なスケジュール調整の仕方

そのため、複数の会社を受験している場合は、スケジュールの調整が必要です。
1杜の面接だけがどんどん進んで、別の会社の面接がこれからになっては、本末転倒です。ゆえに、なるべく進捗状況をそろえるのがコツです。

1次面接と2次面接のインターバルは約1週間、最終が社長面接の場合は、スケジュールがとりにくいことが多いので、もう少し先になるケースもあります。
面接の可否はだいたい翌日にはわかりますので、他社との兼ね合いを考えて、次の面接の予定を入れるようにしてください。
たいていの方が現職を持ちながらの転職活動なので、スケジュールがうまく調整できないと、不本意な結果に終わってしまう場合もあります。

Qさんは、2つの会社を受けることにしました。
第l志望の会社の面接が1次・2次と順調に進み、よい転職ができそうだと喜んでいました。訪問した時の感触がよく、中堅企業としてネームバリューもあり、採用になったらぜひ、この会社に行きたいと思ったのです。一方、第2志望の会社は、進捗状況が早く、練習を兼ねて面接に臨んでみたところ、トントン拍子で事が進みました。すぐに最終面接も終わり、内定の通知が来ていました。それどころか、若い社長がぜひ一緒に働きましょうと誘ってくれ、歓迎ムードでしたが、ひとまず保留し、第l志望の会社からの連絡を待っていました。

ところが、第l志望の会社の社長が多忙で最終面接の日程がなかなか決まりません。第2志望とはいえ、内定の返事を待たせてしまっています。
エージェントからは、「条件面談」を入れれば、もう少し時聞が稼げると、アドバイスされましたが、希望を貫きたかったQさんは、返事を先延ばしにしていた第2志望の会社の内定を辞退することにしました。

やっと決まった第1志望の会社の面接に出向くと、今までとは空気が違い、年配の社長とはいわゆるソリがあわない感じで、話が弾みません。入社したいという強い熱意をアピールすることができず、結局、内定も出ませんでした。

冷静に振り返ってみると、第2志望の会社のほうが、新興企業とはいえ条件がよく、社風も自分にあっていた気がしました。練習台程度に考え、決まった順にどんどん進めてしまったことを後悔しています。

複数の会社を受ける時、このように受験する2社の予定があわないということがあります。もしも2社の面接のスケジュールがあっていたなら、おそらくQさんも後悔のない選択ができたでしょう。それだけしっかりと進捗をあわせることが大事なのです。
ちなみに、Qさんがとるべき行動はこの2つでした。

 

●第2希望の会社の最終面接を少し先に延ばす
●(Qさんのように)高い評価をしてもらえたのなら、内定を待ってもらう

 

特に、後者については、相手を待たせてしまうということで1人では言いにくい面もあるでしょう。そんな時こそ、エージェントに言ってもらうのです。無理に辞退しなくていいように、エージェントが状況を先方に細かく伝えてくれるでしょう。

執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、5社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。149社上場支援実績あり。55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内・シリコンバレー・バングラデシュで実行。キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。
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