こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートをしているキープレイヤーズの高野です。
この記事では、私 高野秀敏の経歴・プロフィールを紹介します。
ちなみに、YouTubeでも自己紹介しています。動画で見たい方はこちらから御覧ください!
代表取締役 高野秀敏
インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。11000人以上のキャリア 面談、4000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、投資先7社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。識学、スローガン、アイデミー、ブリーチ上場(主な投資先はこちら)。165社上場支援実績あり。バングラデシュで不動産会社、商業銀行の設立など。
目次
家族の姿と学生時代、アルバイトをクビになり学んだことが今に生きている
田崎:高野さんこんにちは!
高野:こんにちは!
田崎:キープレイヤーズでは多くの素敵な方にインタビューしています。そんな中、「高野さんの記事がない!」ということで、今回は、高野さんを逆に取材します。
まずは自己紹介をお願いします。
高野:キープレイヤーズ高野秀敏と申します。
1976年3月12日生まれです。東北大学経済学部卒業し、99年に株式会社インテリジェンス入社、人材紹介事業の立ち上げに携わり、転職サポートを行っていました。マネジャー、人事部を経た後、独立しました。
2005年1月に株式会社キープレイヤーズを設立し、人材エージェントとして活動しています。国内、シリコンバレー、バングラデシュで、30社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を実行しています。
田崎:それでは、少し遡って伺います。高野さんは、ご家族の影響から「人を応援したり役に立ちたい」という想いを強く持っていらしたそうです。現在もそのままの想いでお仕事を続けられていますよね。
高野:私の家族について話します。祖父が保護司、父はJA仙台代表理事でした。父親は数万人の組織のトップです。小学校、中学校、高校と父がPTA会長もしていました。地域ではよく知られた家でした。私はそこに生まれました。
そんな家族はよく人から相談をもちかけられていましたね。そんな家で育ち、「仕事とは人を支援したりサポートすること」だと、自然と刷り込まれました。
わりと小さい時から「自分も将来は人を支援する仕事をするんだ」と漠然と想っていました。それがキープレイヤーズ、つまりベンチャーやスタートアップとそこで働きたいと思っている人をマッチングする会社を起業したきっかけの一つかと思います。
田崎:素敵です!そんな高野さんなら、学生時代のバイトなどでも活躍されたのではないですか?
高野:大学生の頃はサービス業で時給650円のアルバイトをしていました。バイト先では綺麗な方が働いていて、この人目当てに来る人もいたほどです。
そこで、この方に商品のリコメンドを書いてもらったらどうだろうと思い、やってみたところ、ヒットしました。正確には彼女の話を聞いた上で自分が文章の大枠を考え、その方に女性らしい表現に少し変えてもらい手書きで直してもらいました。お客様のためにもなるし、お店のためにもなるし、いい仕事だったなと思っていましたが、違いました。
勝手なことを行ったとして、このことをきっかけに店長に目を付けられてしまいました。「他に君に合った仕事があるよ」と不自然に勧められ、アルバイトを辞めることとなりました。まあ、遠回しにクビになりました。
この時のことは、今でもよく覚えています。組織で働くなら、その組織のトップの意向に沿わなければいけないと学びました。
田崎:組織論を断片的に学ばれましたね。
高野:また私は、勉強が嫌いでした。自分は勉強に向いていないと思っています。私の叔父がとても優秀な人で、理系の学部を出て、研究職として働いていました。
よく叔父に勉強を教えてもらっていましたが、「叔父のようにはなれない。学問を究める道では一流にはなれない。」と悟りました。
ただ学校には、勉強に向いていないからといって、他の選択肢を示してくれる大人はいませんでした。
田崎:そんな状況で高野さんはどんな行動を取られたのでしょうか?
高野:その後の学生時代は、自分から具体的に意識して動きました。塾の運営補助やインターネットの代理事業など、様々なことに挑戦しました。自分で仕組みをつくって仕事することはおもしろいと実感していました。
祖父が秀一、父が秀策です。どれだけ上を辿っても「秀」。地元では、大きな期待を背負って育ったという気がします。不自由はしませんでしたが、生まれた瞬間から常に期待されながら育ち、それをプレッシャーに感じていましたね
それ以上に私は、誰も知らない土地で勝負してみたいという野心を持っていました。東京なら私のことを誰も知りません。狭い世界を脱出して勝負してみたかったです。
誰も自分のことを知らない土地での勝負。まずはビジネスパーソンとしての地力をつける必要があると感じていました。
東北大学から東京のインターンに参加する
田崎:1999年卒ではまだ珍しかったインターンに参加されていたそうです。
高野:学生の時、リクルートでインターンをしていました。株式会社リンクアンドモチベーション 代表取締役会長 小笹 芳央さんが当時リクルートにいらして、組織人事コンサルティング室に所属されていました。そこでインターンとして働いていました。株式会社ワーク・ライフバランスの小室淑恵さんと同じグループでした。
田崎:どんなモチベーションで、東京のリクルートまでインターンに足を運ばれていたのでしょうか?今では当たり前のことですが、当時ですとかなり思い切った行動だと思います。今でもまだ、地方学生の就活情報格差がある中で、凄い行動力だと思います。
高野:ちなみに、別に当時から人材関連のビジネスに興味があったわけではありません。交通費を頂けて、ちゃんと報酬も頂けたのがすごく魅力的だったのです(笑)。当時、そんな好条件でインターンができる企業は少なかったです。
田崎:なるほど(笑)。
高野:リクルートでのインターンの経験を経て、HRに対する興味も深まりました。当時一緒にインターンしてる方々に「伸びそうな会社、どこ受けているの?」と聞いたら多くの人がインテリジェンス(現パーソル )とアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)と回答しました。
インテリジェンスは初めて聞いた社名でした。だからこそ「なんだ、インテリジェンス。知らなかったぞ。」と刺激を受けました。
仙台で学生をしていますと、誰もが知っているような有名企業の名しか耳に入ってきません。「聞いたこともない会社だけど、これから伸びるのはこういう会社なんだ。」と気づきと学びがありました。
田崎:学生時代からベンチャー・スタートアップに興味を持つ嗅覚を持っていらしたのですね。
高野:当時は、インテリジェンスの規模が小さく、たくさんの経験ができると思い、公衆電話からインテリジェンスに電話しました。当時は携帯とかスマホを持っていない時代でしたので。
採用部署の電話番号もわからず、インテリジェンスの代表番号に電話しました。「御社に興味があるから一度会ってほしい」とお願いしました。インテリジェンスの採用情報は一切知りませんでした。そもそも採用しているかどうかも不確かでした。おそらくリクルートでインターンをしているといえば、アポにつながるだろうと思い、伝えました。
その日のうちにインテリジェンスの方とお会いしました。それをきっかけに何度もお時間を頂き、「ウチで働かないか」とお話を頂戴しました。
インテリジェンス創業期の代表だった宇野さんや、最近まで楽天の副社長を務められていた島田さんの影響もあり入社しました。
インテリジェンスでのファーストキャリア
田崎:なぜファーストキャリアでインテリジェンスを選ばれたのでしょうか?
高野:インテリジェンスを選んだ理由は、以下の4点です。
・働いている人の魅力
・成長市場
・成長企業
・低資本から始められる高収益ビジネス
チーム目標だけではなく個人目標がわかりやすく設定されている業務というのもポイントでした。チーム目標だけでは、自分の実力が測りづらいからです。結果が数字でわかるという環境で働くことが大切だと考えました。そして自分にもできそうな事業だったという理由もありました。
政府系金融機関やコンサルティングファームも考えましたが、これからは個人の時代になると思い、自分の看板で勝負できるようになろうと思いました。
そのため未上場、成長している、さらには経営者や社員が魅力的と思える会社を探していたのです。当時、ベンチャーはかなり少なく、探すのも難しかったです。サービス業界の会社が多かったです。
田崎:ちなみに、会社勤めよりも、「何か自分で事業を興したいな」「宮仕えよりも起業するほうが自分に合ってるな」と、学生時代から気がつかれていましたか?、大学卒業後、起業するという選択肢はお持ちでしたか?
高野:もちろん、大学卒業後、起業することも考えました。しかし、リクルートのインターンを通して、自分の未熟さを痛感したので、やめました。リクルートのインターンの仲間はとにかくアグレッシブな人たちばかりですごく勉強になりました。
彼らとのインターンの中で、「いまの自分のままでは起業したら成功できそうもない。」ということがわかりました(笑)。自分を鍛えてくれそうな会社で修業するつもりで働こうと決めたのです。
田崎:なるほど、それで選んだのがインテリジェンスだったのですね。
東北大学の学生なら、宮城県庁や仙台市の職員といった公務員になる選択や、民間に進む場合も地元や東京の大企業や政府系の金融機関に就職する選択が主流だったのではないでしょうか?
高野:実際、友だちの多くはそうした会社や公的機関の道を選びました。時代もITバブルが起きる直前で、起業という選択肢を考える学生は、いまよりずっとと少なかったと思います。
田崎:実際に入社された当時インテリジェンスは、どんな雰囲気でしたか?
高野:当時のインテリジェンスの規模は100人程度でした。3人に1人は新卒でした。スタートアップの雰囲気が満ちていました。そこから数年で1,000人規模の会社に急成長を遂げ、会社が大きくなっていく過程を体験できたことは大きな財産です。
それと、株式会社サイバーエージェント 代表取締役社長 藤田 晋さんをはじめ、起業マインドの強い社員が多く、実際に次々と新しい会社を立ち上げる姿を見て刺激を受けました。
ちなみにパーソルグループ(旧インテリジェンス・テンプスタッフ)出身の起業家・経営者一覧を用意しています。改めて、本当に凄い会社だなと実感しています。本当に新卒でインテリジェンスを選んでよかったと思います。
田崎:インテリジェンスではどんな仕事を担当されていたのでしょうか?
高野:キャリアカウンセラーの仕事がメインです。
プレイヤーとして成果を上げることを意識していました。入社後に職業適性テスト受けましたが、私は、キャリアカウンセラーの職業適性が100%でした。管理部長から言われたのですが、当時の社員の中で、適正に完全に合致している唯一の社員だったようです。
田崎:まさに天職ですね。
高野:転職者のお話しを伺い、最適な提案をする。キャリアカウンセラーの仕事は、私にとても相性のいい仕事でした。当時のインテリジェンスには、キャリアカウンセラーになりたいと言って入社するような人は私も含めて滅多にいませんでした。
みなインテリジェンスで働く人に魅せられて入社していました。当時、社長だった宇野 康秀さん(現 株式会社U-NEXT 取締役)が示したビジョンは「人と企業の最適かつ円滑なインフラをつくる」ことだったと覚えています。とても自分には刺さりました。
入社した当初から、「いつかは何らかの事業を自分でやっていくことになるだろう」と漠然と思っていました。またインテリジェンスには独立していく方が多く、その影響も大きかったです。
ただ「絶対に独立しなくちゃいけない」とまでは思いつめていませんでした。常に独立と会社勤めでの仕事を天秤にかけ、会社に残った方がよいと思える間は、会社に残る選択肢を持っていました。
キープレイヤーズを設立、ベンチャー ・スタートアップをサポート
田崎:独立と会社勤めを天秤にかけながら、どのタイミングで起業を決意されましたか?
高野:起業をする願望が現実味を帯びてきたのは、管理部門で人事に携わっていたときでした。
会社の規模が大きくなり、ベンチャーやスタートアップへのサポートまで、十分に手がまわらなくなっていると感じるようになりました。
だからこそ、ここには大きなニーズが見込め、チャンスがあるんじゃないかと確信することができました。そうしたビジネスとしての可能性や意義を見出すとともに、幼少期から「人助けをしたい」という想いがむすびつき、「ベンチャーやスタートアップの成長に貢献する人材マッチングで起業するんだ」と決意しました。
田崎:タイミングを常に見計らっていたのですね。
高野:加えて、ちょうどその頃ポケットWi-Fi製品が出てきた時期でした。「パソコンさえあればどこでも仕事ができる」という環境は今では当たり前ですが、当時はかなり衝撃的でした。そのことも独立への後押しとなりました。
独立を決意した2005年はWEB2.0世代と呼ばれる時代で、個人が自由に情報を発信できるようになっていました。
個人ブログやSNSで情報発信を行うことは、求人・人材の領域への非常に高い親和性があるという仮説を持っていたので、私はかなり早い段階で個人ブログを始めていました。当時あったGREEのSNSサービスを利用してさまざまな人との交流も図っていました。
田崎:常に新しいことにアンテナを向けていますね。
高野:今では、大手企業ではなくベンチャーやスタートアップを就職先に選ぶことは、それほど珍しくないです。
しかし、当時のベンチャーの状況は、知名度の無さがネックになって満足な採用ができない。採用に投資しようとしても資金調達がすごく難しかったです。そして、このような採用活動をサポートしようという会社もなかったです。それで、自分がやろうと。こんな想いで2005年に起業しました。
田崎:そして、キープレイヤーズが生まれたのですね!
高野:キープレイヤーズを設立し、2005年から今の仕事をしています。76世代という言葉もありますが、同世代のベンチャーの方を中心にお手伝いしたいと始めて今はもう12年です。
様々なベンチャーを支援していたら、前から知っている人が独立したとか、独立してスタートアップしたいと言っている友人が少しずつ増えて、いつの間にかビジネスでのお付き合いができるようになってきました。
キープレイヤーズ高野秀敏の強みとは?
田崎:ちなみに多くのエージェントがいる中で高野さんが続けられている意味、高野さんの強みは何でしょうか?改めて伺います。
高野:私の転職エージェントとしての強みはマッチング力です。私が企業と転職者をひきあわせると、企業側も転職者側も「相性が良い」とお言葉をいただけることが多いです。
大手のエージェントは転職候補者に「書類選考通過率は10%程度。エントリーを30〜40社。面接が3〜4社。そのなかから決めましょう」と助言します。しかし、私は本当にマッチしている会社があれば、1社エントリーして、その会社に決めることが究極であると思います。
田崎:その究極のマッチングこそ難しいですが、これは皆さんが幸せになれる手法ですよね。
高野:私の場合。転職候補者の書類選考通過率は、会社にもよりますが、付き合いが深いところは100%です。
理由は単純です。私がエージェントとして企業側に信頼されているからだと思います。この信頼関係の構築を常に意識して仕事をしています。「高野が言うなら相性が良いのだろう」という、その信頼で面接まで繋がるようです。これも私の強みの一つだとお客様からは言われます。
私に相談される候補者は、通るかどうかわからない企業に送る履歴書を書く必要がありません。今の仕事が忙しい中で転職活動をする方も多いです。これも喜んで頂けるポイントの一つかもしれません。
あと、企業様にも候補者さまにも基本的に即レスです。皆さんお忙しい中で私に時間を割いていただきます。すぐに要求に応えるのは当然の責務だと思っています。転職相談のお時間は、お仕事の後の夜や土日でも柔軟に対応させて頂いております。最近は、チャットでも連絡が取りやすくなりました。
人からの頼まれごとに応えていたら投資家になった
田崎:高野さんはエージェントとして現場で働きながら、エンジェル投資家としても活動されています。どのような経緯で投資家の仕事もスタートされたのでしょうか?
高野:私の場合は、頼まれごとに応えていたらいつの間にかかエンジェル投資家になっていました。それまでに色々な人との出会いを経験したことが大きく影響しています。
20代の頃は「20代経営者の会」というものに参加していました。グリー株式会社 代表取締役会長兼社長 田中 良和さん、株式会社ドリコム 代表取締役社長 内藤 裕紀さん、株式会社ネオキャリア代表取締役 西澤 亮一さんなどと、その会を通じて知り合いました。
しかし、出会いがすぐに仕事に繋がるという訳ではありません。同じ志を持っていたり、尊敬できる人たちと知り合えたということ自体が、仕事の幅を広げていく上で貴重なこととなったのだと思います。
田崎:20代の積み重ねと繋がりが今に繋がっていると思えますね。
高野:そうですね。その結果としてでエンジェル投資家としてスタートアップを支援するようになったりとか、上場を目指すスタートアップの社外取締役を頼まれるようになり、顧問になることも増えました。
がんばっている方を応援していきたいという強い思いを持っています。、会社とは別に個人でもそういう活動をやっています。
田崎:直近でも多くの企業様に関与されていますよね。
高野:例えばクラウドワークス代表取締役吉田浩一郎さんは古くから付き合いがあったため、声をかけて頂き、前身の会社も含め、社外取締役を任せて頂きました。今もそのまま株主です。
自分から「やらせてください」というよりかは、頼まれるぐらい、価値ある人間でいたいなと思います。ヘルスケア分野のメドレーも同様で、設立前にお話をいただいて、株主、社外取締役も任せて頂いています。
田崎:結局、高野さんが現在支援しているスタートアップってどのぐらいの数あるのでしょうか!?
高野:実際どこからが支援しているかという定義が難しいのですが、エンジェル投資家として関わっている会社に限っても何十社にもなります。会社のステージも本当に様々です。
変わり種ではバングラデシュの会社を経営しています。これから様々なチャレンジをしようとしています。現在は不動産開発をやって、実は国内だけでなく海外でも支援していたりします。
田崎:バングラデシュはとても珍しいですよね。
高野:これも今までお伝えしてきたことと同じ観点で、とても伸びているんですね。年間数%ずっと伸びています。その前はモンゴルでの事業に携わってましたがモンゴルだと難しいいくつかの理由を全部クリアしているのが、バングラデシュでした。
外国人に寛容で、外国企業に対しての法的な規制がとても緩やかなんです。
バングラデシュで良いパートナーが見つかって、是非バングラデシュでやろうとお話を頂戴しました。その方が今一番いいと仰っている事業が不動産でしたので、今は不動産をやっているという感じです。
「この人いいな、この市場いいな」、このような順番で考えています。まず人がいいかどうか。次は市場はあるのか。その中でその人が勝てそうか。こういう観点で常に考えています。
成長するベンチャー ・スタートアップを応援するスタンス
田崎:高野さんは今まで多くの企業を支援してきましたが、その目利きが大切とよく仰っています。。成長するスタートアップ、ベンチャー企業には、どんなことが共通していますか。
高野:どんなマーケットで起業するかということもありますがどんな事業をしている会社であれ経営者の「巻き込む力」の強さがベンチャーやスタートアップが成長するためのメインエンジンではないかと思っています。
人材やお金、取引先、投資家などを巻き込み、集められる力や魅力のある経営者なら、時間がかかっても会社を成長させられると思います。
人を巻き込むためには、きちんと自己を肯定し、自信を持つともに、状況の変化に対する感度や人の話を聞く度量も必要です。自己否定をおそれず、必要とあれば昨日までの成功体験を捨てられる経営者、ということです。そんな起業家を支援したいです。そうした経営者と一緒に挑戦していきたいです。
田崎:同感です。
高野:私のこれまでの歩みを振り返ると、人から情報をもらったり、人から刺激を受けたりすることが転機、きっかけになって成長してきたと思います。
起業すると、自分より優秀な人に揉まれる機会が少なくなります。また想いを分かち合い、叱咤してくれる人と出会う機会もどうしても少なくなります。特に経営層は、社内では自分が先頭に立ち、マネジメントする立場になります。自ら積極的に刺激を求めていくことも、経営者に必要だと思いますね。
田崎:高野さんは常に経営者のお人柄には注目されていますね。
高野:経営者のお人柄は大変重要です。
細かい戦略は違うかもしれませんが、外から見ると事業内容が同じに見える会社はどの市場でもあります。その中で勝ち負けがつくのは、やはり人の力によるところが多いのかなと思います。
ただその辺りは直近で変わってきている部分もあります。経営者の力から、総合力に変わりつつあると言いますか。最近はエンジェル投資家やVCの方も、いろいろ協調して投資されるようになっています。顧問としてジョインする方もいます。昔以上により総合的な支援なっているように感じています。
だからこそ、社員はもちろん株主や社外の協力者も含めて「誰を巻き込めるのか」が大切です。ベンチャー同士で被らなくても、大手企業が参入してくる可能性もありますし、実際にそういうことが頻繁に起こっています。
「誰を巻き込めるのか」は企業成長のポイント
田崎:やはり勢いのあるスタートアップは周囲をたくさん巻き込んでいるイメージがあります。人を巻き込む際に気をつけるべきことはありますか?
高野: 「採用」の観点でお伝えすると、これは採用する側もされる側もそうなんですけど、キャラ被りしないということです。
強みが同じでキャラ被りする人がいたら、せっかくの強みをそれほど発揮できません。特に幹部メンバーは気をつけるべきです。メンバーが凹凸の関係になっているか、社長が凸なら自分は凹とか、同じタイプの人ばかりだと役割が偏ってしまいます。採用の際に既存のメンバーのキャラとのバランスも考えることが大切だと思います。
田崎:高野さんの仕事の仕方はとてもシンプルですよね?
高野:基本的には何かご相談があったらお手伝いするというスタンスです。採用についてであれば、「この人を採用するべきかどうなのか」とよく相談されます。
後は営業支援のような形で、お客様を開拓する時に候補先の企業を私が知っていることが多いので、そこをご紹介したりすることもあります。
田崎:採用以外にも幅広く支援され、それが新たなビジネスに繋がっていますよね。
高野:人の紹介のどこか当たり前なことだと思います。アライアンスできそうなところとか、事業提携できそうなところとか、あとは資金調達についてはVCの方を紹介する時もあります。
VCの方やエンジェル投資家の方も知り合いが増えて来たので、双方にメリットがあればご紹介することが増えてきました。
今でも現場に立ち続ける高野秀敏のスタンス
田崎:高野さんは実績も残され、投資家としては一定額の資産を保有していると思います(笑)。それでも、10年以上、前線に立ち続けてるのはなぜですか?
高野:単純に「好き」だからです。
今でも営業もキャリア相談もしています。キャリア相談では、第二新卒からCxOクラス・エンジニア・デザイナーなど多くの方とお会いしておりますね。時には、新卒のキャリア相談も受けています。
田崎:個人的には、株式会社リクルートキャリアの運営するメディア「CAREER CARVER MAGAZINE」の、「転職エージェントは、本当にスゴ腕なのか!?──偽エンジニアを見抜けるか試してみた」コンテンツは爆笑しました。
高野:私のエンジニアリングスキルはテックキャンプに通学した程度です。日々、学んでいます。
田崎:最近は「優秀な若者にお会いした!」とよく話しされています。
高野:優秀な若者は今後のキャリアの可能性か広がっていますよね。羨ましい限りです。私のこれまでの知見をできる限り多くお伝えして、何かを成し遂げて欲しいです。
最初は転職や経営の相談に乗っていましたが、やっぱり経営の相談の中では、人の問題が大きいんですよ。そこから徐々に幅が広がり、調達についても相談に応じられるようになったんですね。
続けているうちに、この仕事が好きで自分の性に合ってるんだと気付きました。それで、1人でできることには限界があるので仲間を増やして組織を作りました。
ずっと仕事をしていても、苦になりません。あと感謝していただける仕事であることとも良さですね。何か人の役に立つことをしたいというのは社会に出る前から思っていたことなので、役立てていると実感しやすいのが合っていたのかもしれません。
田崎:仕事をする上で大事にされている考え方はありますか?
高野:人のお役に立つかどうかですね。誰の役にも立たないとやっぱり寂しいですよね。。だからその考え方はずっと重視しています。
たまに自分もお願いしたくなるし、お願いしないこともないんですけど「人にお願いするよりは、人からお願いされるような存在でありたい」とずっと思っています。
田崎:お願いされる側になるために気をつけていることはありますか?
高野:一日一善の実践です。自分では十善ぐらいやっているつもりなんですけど、それを積み重ねることが大事だと思っています。
田崎:具体的には何をしていますか?
高野:ごく単純なことでいいと思うんです。例えば本を読んだらレビューを口コミに書く、ブログに書くみたいなこととか、講演会に行ったら感想を伝えてみるとか。お友達がサービスを出したらSNSでいいねをするとか些細なことのが一善です。
やっていることは当たり前というか小さいことなんですけど、それを毎日やり続けるということが違いかもしれないですね。振り返ってみても、確かにほぼ毎日やっているんです。
それは何故かと言われると、結局何かしら相手の役に立つと思ったのでやっている。それが本当に役に立っているかわからないので、私のエゴかもしれないですけど。
ただ、それを続けてきた結果が今の自分だと思っています。
人って、どうしても「教えて下さい」「なになにして下さい」と頼りがちだと思うんです。でもそうじゃなくて、「自分から何か役に立つことをしているかどうか」を私は大切にしていますね。
キープレイヤーズ高野秀敏の今後に迫る
田崎:今後のことについても伺います。今後はどのようにチャレンジするつもりですか?
高野:偶然、ご縁もあって今みたいな人生になっているので、成長しそうな人や会社を、国内外問わず支援していきたいです。それは今までもやってきたことですし、その先に見えていることでもあります。現在は、国内に留まらず海外でもお仕事を頂戴しています。
自分自身が今までやってきたことを振り返っても、全くゼロから何かをやったということはあまりなくて、何かしらのご縁がきっかけとなって全て始まってきました。
もちろんヘッドハンターという仕事の関係上、全然知らない人にも会いに行くことはあります。矛盾する部分はありますが、人と人のつながりを大事にしながら、それをきっかけにどんどんチャレンジをしていきたいと思います。
田崎:人の繋がりが高野さんのキーワードですね。
高野:長年この業界に関わってきて、伸びる人、伸びる会社を見極める目も磨かれてきました。また、たくさんの人と繋がりができてインフルエンサー的な立場にもなりました。
それを皆さんにどんどん活用してもらいたいと思います。ただ自分が持っているだけでは意味がありません。シェアできるほど価値あるノウハウや情報があれば、様々なところから声がかかるようになると思います。
田崎:そして、今後は今まで蓄積されたノウハウ、経験を活かしながら、IR・PR・HR全ての目線でのご支援が今後のキーワードとお話しされていましたよね。
高野:今後は、私の全てを活かして、IR・PR・HRと様々な角度からベンチャー・スタートアップの支援を行なっていきたいです。
自社メディアだけでなく、自社イベントや人事コミュニティの育成など、私の持っているノウハウを、余さず発信して、みなさんを支援したいです。
田崎:確かに日々、新しい何かが生まれていますよね(笑)。
高野:最近はハイクラスの方も、ベンチャー・スタートアップの世界に次々と飛び込んでいます。今後、ベンチャー・スタートアップが益々盛り上がるでしょう。
ちなみに、私は大企業で働くことを否定していません。人材は適材適所、輝ける場所が必ずあります。一人一人が生き生きと働けるお手伝いがしたいです。
また、HR領域こそテクノロジーの活用が期待される分野です。この辺りでも何か仕掛けていく予定です。
田崎:最後に成功する人をテーマにメッセージをお願いします!
高野:「伸びる、伸びないの最大の違いは、結果にこだわりコミットするかどうか、ただそれだけ」と思っています。依頼された仕事できちんと結果を出す。相手に満足してもらえれば、それが最大の“営業”となる。相手からまた声を掛けてもらえるからです。
「良い仕事は必ず次の仕事に繋がります。だから、良い仕事とは何かを自分なりに追求して、実践を重ねていくことが非常に重要です。」
結果にこだわれば工夫し、自ら行動するようになります。それが自分の成長につながっていく。特に営業マンは、厳しくても、個人として明確に結果の出る仕事をすべきです。それが自分自身の価値を高めることになります。
田崎:素敵なお話しをありがとうございました!
高野:皆さんはキャリア・将来を真剣に考えているからこそ、悩まれることもあります。そんな時、一人で抱え込む必要はありません。私でよろしければ、いつでもFacebook Messenger、もしくはLINEからご連絡くださいませ。