世界を代表するコンサルティングファーム「マッキンゼー・アンド・カンパニー」。
戦略コンサルティングファームの最高峰ともいわれていますが、その転職事情・社内事情については、あまり多くが語られていません。(マッキンゼーの基礎情報や出身者は別記事にまとめています。)
そこで、今回はマッキンゼー出身のAさんにマッキンゼー転職について率直に質問をしてみました。みんなに大人気の企業なので自分も楽しみです。
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目次
マッキンゼーに転職している人の特徴
高野:マッキンゼーに転職してくる人の特徴はどんなものがありますか?
Aさん:トップクラスのMBAを取得した人が多いですね。年齢で言うと30歳前後。銀行、証券会社、大手のメーカーのMBA出身者ですね。同業のコンサルから転職してくる人はあまりいなかったです。
マッキンゼーの採用の特徴としては他社コンサルから採用しないんですよね。他のコンサル経験者が少なかったです。純血主義と言えるかもしれません。「BCGから来ました」みたいな人は著しく少ないかなと。
またマネージャーからの採用はしていませんでした。アソシエイトから採用するのが原則。もちろん例外はあると思いますが。
新卒を優遇はしていないですが昇進しやすいようにも見えましたね。新卒でBCGからパートナーになる人は少ないかもしれません。
しかしマッキンゼーはグローバルでも新卒で20年働いた方がシニアパートナーに昇格といった方が多いですね。
【コンサルキャリア分析】
マッキンゼー・BCG・ベインのパートナー及びシニアパートナー(計197名)の属性データをまとめました。皆さまの就活・転職活動のお役に立てると幸いです…!
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— 元外資系社畜🐇PEファンド説明会開催中 (@pigeon_feeder) November 12, 2022
(参考:https://twitter.com/pigeon_feeder/status/1591326683260661760)
高野:同業からの転職者がとても少ないというのは、大変セレクトされている印象になりますよね。
マッキンゼー転職の難易度
高野:気になるマッキンゼーの転職の難易度はいかがでしょうか。
Aさん:転職難易度はとても高いと思います。需給の観点からいうと、採用数がそこまで多くないのに対して、一般的な知名度が高いため、記念受験も含めて受ける人が多いので倍率はどうしても高くなります。
また、採用基準の観点からも、ケース面接などを通じて高いレベルの論理的思考力を問われたり、(他のコンサルと比べても特に)英語能力が必要だったりと、ハードルは高いと感じます。
ちなみに、社員数はマッキンゼーが800人から900人、BCGが1000から1100人、ベイン200から300人くらいでしょうか。グローバルではマッキンゼーの方がBCGより大きいですね。日本とフランスはBCGが大きいです。
高野:戦略コンサルの人気順は率直なところいかがでしょうか。
Aさん:MBBが人気です。その次にA.T.カーニーとローランド・ベルガーが同じくらいの人気ではないでしょうか。ちょっとカーニーの方が人気かもしれないですね。
高野:マッキンゼーの顧客単価はどのくらいなのでしょうか。正直かなり高いと思うのですがイメージがつきません。
Aさん:年収1000万の人ですと、チャージ単価は、(プロジェクト次第ですが)月額1,000万くらいになることもあります。総合系のコンサルだと単価が300〜400万円のプロジェクトもざらにあるので、マッキンゼーのチャージ単価は高いなと思います。
MBBはどこも同じような単価で、Tierが下がると単価も下がります。
マッキンゼー出身者の転職先
高野:マッキンゼー出身者は転職先はどこにいってますか?
Aさん:マネジャーより上か下で傾向が変わりますね。マネージャー以降はそもそもの母数も少なく転職先はバラついています。
具体的にはクライアント企業の執行役員になる方やファンドのディレクターレベルで転職などがあります。また競合他社に転職してタイトルを上げる人もいます。自分でブティックファームを立ち上げる人や起業する人もいますよ。
マネジャー以下は最近はスタートアップが本当に多いですね。8割くらいそうなんじゃないかというくらいいますね。スタートアップと言っても3人目くらいの小さい会社というより、社員20〜50名くらいの時に転職しているのではないでしょうか。いわゆる「どベンチャー」に転職はそこまでいないかなと。
アソシエイトなら給与も横スライドでいけるし、スタートアップで株式、SOなどのアップサイドもありますよね。その他では、スタートアップではないですが、エムスリーやJMDCといった上場ベンチャーも多いですね。
※ベンチャー転職の記事、スタートアップ転職の記事で転職のポイントなどを紹介しています。
マッキンゼー転職の年齢や必要スキル
高野:マッキンゼーへの転職は年齢はどのくらいまで?
Aさん:ボリュームゾーンは30歳前後かと。コンサル業界未経験の場合は32歳くらいまでに転職する人が多いですね。総合商社、メガバンクなどから米国MBAを経て転職という流れが典型的ですが、タイトルはアソシエイトになります。
コンサル未経験とはいえ、社内では新卒入社組のアソシエイトと一緒に同じ期待値になり、仕事に慣れるまでの半年〜1年間はそれなりのハードワークをしないといけないので年齢は若い方がいいと思います。
採用する側も業界未経験で同じ条件の32歳と38歳がいたら32歳を採用するのではないでしょうか。一方で28歳と32歳だとあまり変わらない気もしますね。
高野:マッキンゼーの転職に英語はどの程度必要ですか?
Aさん:英語は大事です。なお、私の英語力は社内平均以下だったと思います。実は英語はマストではないんですよ。自分は5、6個プロジェクトをやったんですが一つも英語プロジェクトはなかったです。
日本語が話せない人がプロジェクトメンバーにいれば全部英語になります。クライアントは日本語話者がほとんどです。日本のマッキンゼーに発注しているからですね。
ただ、日本人のクライアントだけど社内のプロジェクトに外国人がいる場合はあります。調査対象が海外ということもありますね。その場合は英語でエキスパートインタビューをする場面があったりするので、英語ができないと辛いです。
高野:マッキンゼーならではの仕事の進め方はありますか?
Aさん:マッキンゼーが新しいプロジェクトを始めるとき、全てをゼロから考えるわけではないんです。社内で過去に近いプロジェクトをやったことがないかを確認し、ベストプラクティスを探してこいと言われます。
社内のイントラネット経由でメールをすると世界のどこかで類似のプロジェクトをやったことのある同僚が助けてくれます。。例えばドイツ人のパートナーに相談するなどですね。
高野:社内で知見を持っている人はなんでわざわざ手伝ってくれるんですか?
Aさん:困っている人がいたらみんなが率先して教えてくれる、性善説の組織文化がマッキンゼーにはあります。。直接的なメリットがなくても手伝ってくれる場合が多いですね。
また、社内でノウハウを共有するという行動については、社内評価に組み込まれています。プロジェクトを通じて新しい知見を獲得した場合は、積極的にそれを共有したりイントラにアップロードした方がいいです。
マッキンゼーでは目の前のプロジェクトでの成果はもちろんのこと、グローバル・マッキンゼー・ネットワークへの貢献を求められるので、「私はこんなにいっぱい手伝いました」と声を大にしてアピールした方がいいです。
マッキンゼー転職時の年収
高野:マッキンゼーに転職したら年収はどのくらいになるのか?
Aさん:マッキンゼーは年俸制なので役職によって年収が決まります。アソシエイトは年収1200万円くらいで、そこから1年~1年半でマネジャーになり年収は2000万円くらいになります。体感値として8割くらいはマネジャーになれるのではないでしょうか。
アソシエイトパートナーは3000万円から4000万円。パートナーは5000万円から、人によっては数億円。一般的には年収5000万円から1億円のイメージです。
パートナーの次はシニアパートナーですが、パートナーからシニアパートナーになるには10年くらいかかりますね。早くても5年。新卒からパートナーになるには10年くらいなので、パートナーからシニアパートナーになる道のりがいかに長いか分かると思います。
マッキンゼーは他のコンサル会社と比べて新卒上がりのパートナーが多いんです。これは日本に限らずグローバルでも同じ傾向だと思います。中途入社でも優秀な方はたくさんいますが、組織カルチャーや働き方に慣れずパフォームできない人も散見されます。
マッキンゼー転職における面接時の質問
高野:マッキンゼーの転職面接は何を聞かれるのでしょうか?
Aさん:まず全体としては5回くらい面接があります。何を聞かれるかは人によって異なりますが、前職で何をやっていたのか、どんな人柄なのかを聞いた後にケース面接があります。お題のリストは事前に決まっていて100個から200個くらいあります。
面接はマネージャー以降の人が担当します。誰が担当するかは人事担当者が決めて、勝手にカレンダーに予定入れられます。人によってお題は変わるんですが見る項目は決まっています。面接での評価基準は入社後に社内で用いられる評価基準に合わせて作られています。
ただ、面接官も人間なので好き嫌いが反映されるところも多かれ少なかれはあるかも。
入社難易度は、その時の採用需要によって多少変わることもあるかもしれません。例えば採用意欲が高い時は「迷ったら通せ」という方針だったり、その逆もしかりです。ダイバーシティ枠は需要が強いので迷ったら通せという方針なんじゃないですかね。
ケース面接はのお題はトリッキーなものが多いです。「駅前にある花屋さんの売上は?」みたいな教科書敵ものではないです。例えば「あなたが東京都知事選に出馬するとしたらどんな戦略を掲げますか?」などです。小手先の対策が効かない問題を出そうとしていますね。
マッキンゼーに転職・内定できる人の特徴
高野:マッキンゼーに内定する人はどんな人でしょうか。
Aさん:コンサル全体と比べるとマッキンゼーはグローバル志向の強い人が多い。リーダーシップ、アクティブな人、人の上に立ちたい人、BCGはもう少し研究者気質な人も多い気がしますよ。
ちなみに、昔は今よりも色があったらしいんです。私が入社したときもMBBで内定を全部取る人はいなかったです。自分もベインから落とされました。しかし最近ではMBBの3社全部から内定を取る人もいるようで、各社の色は薄くなっているかもしれないですね。
高野:発注先にとって、マッキンゼーは使えるのでしょうか。
Aさん:マッキンゼーは素晴らしい会社だと思いますが、マッキンゼーがデリバーするプロジェクト全部が百発百中で成功しているわけではないですね。何億も払ったのに炎上して大した結果も出なかったというケースもないことはないので、経営陣からすると「マッキンゼーは使えない」と思われてしまうことももあるでしょう。
また、クライアント企業の現場社員から見ると経営陣がマッキンゼーを雇って、色々仕事増やしやがってと思われてしまっていることもあるかもしれないですね。
高野:やはりプロジェクト次第ということですね。
ありがとうございました。
マッキンゼー転職にエージェントは使える?
マッキンゼーでの勤務経験のあるAさんにマッキンゼー転職について、根堀葉掘り質問させていただきました。
マッキンゼーへの転職に転職エージェントは使えるのか、という質問をいただくことがあるのですが、あくまでそのときの募集状況次第です。ただ、マッキンゼーは知名度が高い企業のため、自社の採用サイト経由でも応募が多くあると考えられます。
応募が多いということは、当然競争率が高く、求人が埋まってしまうスピードも早いです。そのため、自分で探すのではなく、自分に合う求人を紹介してくれる転職エージェントは有用です。
マッキンゼーやその他コンサルティングファームへの転職を考えている際は、コンサル専門の転職エージェントであるアクシスコンサルティングの利用をおすすめします。
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