リユース業界の転職ガイド|市場3兆4,636億円・16年連続拡大の中身と8つの職種

執筆者:高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、12,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。80社以上の投資、9社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。178社上場支援実績あり。顧問、アドバイザー、社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。「ベンチャーの作法」ダイヤモンド社5万部を超えるベストセラー

こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職支援を27年続けているキープレイヤーズの高野秀敏です。

リユース業界が伸びている、という話を最近よく耳にします。私も実感としてそう感じていたのですが、数字を調べてみたら、想像していたより伸びていました。

市場は16年連続で拡大。売上ランキングを見ると、前年比219%、207%、168%という会社が上位に並びます。年率2割どころではありません。

この記事では、リユース業界の市場データと主要企業を整理したうえで、どんな職種があり、どういう経歴の方が評価されるのかを書きます。成長産業であることは事実ですが、いい面だけでは判断を誤るので、注意すべき点にも触れます。

この記事でわかること

  • リユース市場の規模と、16年連続拡大という事実
  • 売上ランキング上位10社と、その伸び率
  • 国が2030年に向けて掲げている数値目標
  • この業界にある職種と、鑑定・査定という独特の仕事
  • 前職別に見た入り方
  • 転職先として見るときの注意点
目次

市場は3兆4,636億円。16年連続で伸びている

市場は3兆4,636億円。16年連続で伸びている

まず市場規模です。リユース経済新聞の「リユース業界の市場規模推計2026(2025年版)」によると、2025年のリユース市場規模は前年比6.2%増の3兆4,636億円。2009年以降、16年連続での拡大です。

販路別の内訳を見ると、構造がよく分かります。

販路 市場規模 前年比
店舗販売(BtoC) 1兆3,222億円 +6.8%
ネット販売(BtoC) 6,488億円 +3.1%
BtoC合計 1兆9,710億円 ー
フリマアプリ等(CtoC) 1兆4,445億円 +7.2%

注目していただきたいのは、ネット販売(BtoC)の伸びが+3.1%と、むしろ鈍いことです。伸びているのは店舗販売(+6.8%)とフリマアプリ(+7.2%)でした。

「リユース=メルカリ」というイメージをお持ちの方は多いと思いますが、実店舗の市場はフリマアプリと同じかそれ以上の規模で、しかも伸びています。後で触れる買取店の出店ラッシュは、ここが背景にあります。

商材別では、差がはっきり出ています。

商材 市場規模 前年比
衣料・服飾品 6,741億円 +5.5%
ブランド品 4,943億円 +16.9%
玩具・模型 3,223億円 +16.0%
携帯・スマホ 1,204億円 +13.7%

ブランド品と玩具・模型が2桁成長です。買取店が増えている理由も、ここを見ると分かります。単価が高く、在庫回転が速く、海外需要もある商材だからです。

売上ランキングの伸び率が、普通ではない

売上ランキングの伸び率が、普通ではない

次に企業です。リユース経済新聞が2026年7月25日に発表した「リユース売上ランキング2026」から、上位10社を引きます。リユース売上1億円以上の300社が対象で、2025年4月〜2026年3月決算の実績です。

順位 企業 リユース売上 前年比
1 ゲオホールディングス 3,006.1億円 109%
2 コメ兵ホールディングス 2,217.1億円 139%
3 いーふらん 2,000.0億円 219%
4 ブックオフグループホールディングス 1,183.2億円 107%
5 BuySell Technologies 1,006.1億円 168%
6 エンパワー 890.4億円 119%
7 バリュエンスホールディングス 814.2億円 104%
8 貴瞬 709.5億円 207%
9 Eco Ring Holdings 637.7億円 136%
10 甲南チケット 616.6億円 120%

いーふらんが219%、貴瞬が207%。1年で売上が2倍を超えている会社が、上位10社に2社あります。

そして、ランキング対象300社の総売上は約2.8兆円で、平均の成長率が124%です。一部の会社が突出しているのではなく、業界全体が年2割強で伸びている。

転職の観点で言うと、これは「採用が追いついていない」ということを意味します。売上が2倍になれば、店舗も人も倍にしなければ回りません。

国が2030年の数値目標を掲げている

国が2030年の数値目標を掲げている

もうひとつ、追い風になっている要素があります。

環境省が令和8年3月に策定した「リユース等の促進に関するロードマップ」で、2030年までの目標が明記されました。

指標 2024年 2030年目標
リユース市場規模 3兆5千億円 4兆6千億円
生活者におけるリユースの実施率 40.8% 50%
リユース業者等と協働取組を行う自治体数 約300自治体 約600自治体

※市場規模は推計主体によって対象範囲が異なります。環境省の数値とリユース経済新聞の推計は、そのまま比較できるものではありません。

同ロードマップでは2040年までの「目指すべき将来像」も設定されています。自治体数を倍にするという目標があることは、転職を考える方にとって意味があります。行政との連携を担当できる人材の需要が、これから出てくるということです。

この業界にある職種

この業界にある職種

「リユース=店員」と思われがちですが、実際の求人はかなり広いです。

職種グループ 仕事内容 前職として多い
買取・査定 持ち込み・出張・宅配での買取、真贋判定、価格決定 小売、アパレル、宝飾、質屋
店舗運営・店長 売上管理、人材育成、在庫管理 飲食、アパレル、量販店
EC・マーケ 自社EC、モール運営、広告、SEO EC事業者、広告代理店
海外・貿易 海外バイヤー対応、輸出、越境EC 商社、貿易実務
仕入・MD 商材戦略、相場分析、在庫方針 バイヤー、商品企画
IT・プロダクト 買取アプリ、査定システム、AI査定 Web系、SaaS
M&A・事業開発 同業の買収、FC本部機能、新規事業 投資銀行、コンサル、事業会社
コーポレート 経理、人事、法務、内部統制 どの業界からでも

私の実感として、いま特に足りていないのは「急拡大を支える管理機能」です。売上が年2割増える会社では、店舗開発、採用、在庫管理、内部統制が常に追いつきません。成長に組織が追いついていない会社ほど、入ったときの裁量が大きくなります。

もうひとつ伸びているのがM&Aです。業界内の買収が活発なので、買収の実行とPMIができる人材の需要があります。M&A業界のキャリアについてはM&A業界の転職ガイドもご覧ください。

鑑定・査定という、この業界にしかない職種

鑑定・査定という、この業界にしかない職種

リユース業界を特徴づけているのが、鑑定・査定です。

ブランド品の真贋を見分ける、時計の状態を評価する、宝石を鑑別する。これは他の業界に存在しない専門性で、身につければ長く食べていけます。

  内容
習得にかかる時間 基礎で半年〜1年、一人前で3年前後と言われる
評価のされ方 査定額の精度と、買取の成約率
汎用性 業界内では極めて高い。経験者は常に取り合いになる
リスク 真贋判定を誤ると会社に直接の損失が出る。精神的な負荷は小さくない

未経験から入る場合、ここが入口になることが多い領域です。ただし「モノが好き」だけでは続きません。相場を追い続ける根気と、お客様に価格を伝える胆力が要ります。買取は、こちらが提示した金額で断られることも多い仕事です。

前職別に見る入り方

前職別に見る入り方

いまの経歴 刺さるポジション 理由
アパレル・雑貨の販売 買取・査定、店長 商品知識と接客がそのまま使える。最も王道のルート
宝飾・時計・質屋 鑑定、仕入 即戦力。業界内で最も歓迎される経歴
飲食・小売のSV エリアマネージャー、店舗開発 多店舗運営の経験が効く
EC・広告 EC運営、マーケティング 買取の集客はネット広告が主戦場
商社・貿易 海外販路、越境EC ブランド品は海外需要が大きい
Web系エンジニア 買取アプリ、査定システム AI査定など技術投資が進んでいる
経理・人事・法務 コーポレート 急拡大企業は管理が常に足りない
金融・M&A 事業開発、M&A 業界再編が進んでいる

この業界の特徴は、学歴や職歴のブランドより、実績が見られることです。査定の精度、店舗の売上、買取の成約率。数字がはっきり出る仕事なので、前職で評価されにくかった方が一気に伸びることがあります。

転職先として見るときの注意点

転職先として見るときの注意点

成長産業であることは事実ですが、いい面だけで判断すると危ないので、正直に書きます。

注意点 内容
労働集約的である 店舗は土日・祝日が稼ぎ時。勤務形態は小売業と同じと考えたほうがよい
相場の影響を受ける 金やブランド品の相場で業績が動く。直近の高成長には相場高の追い風も含まれる
急拡大のひずみ 出店ペースが速い会社ほど、教育と管理が追いつかない
コンプライアンス 古物営業法の規制業種。本人確認や記録の管理が厳格
買取のプレッシャー 数字が明確なぶん、評価も明確。向き不向きが出やすい

2つめは特に重要です。ブランド品が前年比16.9%伸びた背景には、相場の上昇という要因もあります。構造的な成長と相場要因は分けて見たほうがよい。面接では「相場が落ち着いたときの計画」を聞いてみてください。そこに答えられる会社は、地力があります。

転職の失敗を避ける一般的な考え方は転職の失敗・後悔・リスクのまとめにも整理しています。

よくある質問

Q1. 未経験でも転職できますか

できます。買取・査定と店舗運営は、未経験から入る人が多い職種です。商品知識は入ってから身につきます。むしろ接客経験と、数字を追える姿勢のほうが見られます。

Q2. 年収はどのくらいですか

職種と役割で大きく変わるため、一律には言えません。店舗系はインセンティブの比率が高い会社が多く、成果が出れば大きく動きます。一方で本部のコーポレート職は、一般的な事業会社と同水準です。求人ごとに固定と変動の内訳を確認してください。

Q3. 資格は必要ですか

必須ではありません。会社として古物商の許可が必要ですが、個人として先に取る必要はないのが通常です。鑑定系の民間資格はありますが、入社後に学ぶ会社がほとんどです。

Q4. 大手と中小、どちらがよいですか

大手は教育体制と安定性、中小・成長企業は裁量とスピードです。ランキングを見ると、前年比200%超の会社も上位にいます。そういう会社は役割が一気に広がる反面、組織が整っていないことも多いので、どちらを取るかです。

Q5. この成長はいつまで続きますか

断定はできません。ただ、環境省が2030年に向けて市場規模と実施率の目標を掲げており、政策の後押しは当面続きます。一方で相場要因もあるので、短期の伸び率をそのまま将来に延長しないほうが安全です。

Q6. 店舗ではなく経営側に回る道はありますか

あります。この業界はフランチャイズでの出店が活発で、社員として入るのではなく、FCオーナーとして経営者になるという選択肢が現実的に存在します。買取大吉は2,264店舗(2026年8月31日時点)で「最大の買取専門店チェーン(最新)」としてギネス世界記録に認定されており、その多くがFC店です。詳しくはリユースFCオーナーという選択肢にまとめました。

まとめ|数字で見ても、伸びています

押さえていただきたいのは3点です。

1つめ、市場は3兆4,636億円で16年連続拡大。しかもネットではなく店舗とフリマが伸びています。

2つめ、ランキング300社の平均成長率が124%。前年比200%超の会社が上位に複数あります。採用が追いついていません。

3つめ、ただし相場要因と労働集約性は見ておくべきです。構造的な成長と、金・ブランド品の相場高は分けて考えてください。

キープレイヤーズでは、21年にわたりベンチャー・スタートアップの転職支援と採用支援を行ってきました。急拡大している企業ほど、求人票になっていないポジションがあります。リユース業界への転職をお考えの方、また採用にお困りの企業の方は、お気軽にお問い合わせください。

すぐに転職をお考えでない方には、オンラインサロンもご用意しています。

出典

  • リユース経済新聞「リユース業界の市場規模推計2026(2025年版)」第640号(2026年9月25日発行)— 2025年の市場規模3兆4,636億円、前年比6.2%増、16年連続拡大、販路別・商材別の内訳
  • リユース経済新聞「リユース売上ランキング2026」(2026年7月25日発表、第17回)— リユース売上1億円以上の300社、2025年4月〜2026年3月決算、上位10社の売上と前年比、300社総売上約2.8兆円・平均124%
  • 環境省「リユース等の促進に関するロードマップ」令和8年3月 — 2030年目標(市場規模4兆6千億円、リユース実施率50%、協働自治体数約600)

※市場規模は推計主体により対象範囲が異なります。各数値はそのまま比較できない場合があります。

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この記事を書いた人

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、文部科学省アントレプレナーシップ推進大使。1万2000件以上のキャリア面談、4,000名以上の経営者と採用相談にのる。80社以上のエンジェル投資、投資して上場は9社。うち2社は役員として上場(クラウドワークス、メドレー)。178社以上の上場支援実績。顧問・社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数300回以上。「ベンチャーの作法」(ダイヤモンド社)5万部を超えるベストセラー

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