こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職支援を27年続けているキープレイヤーズの高野秀敏です。
リユース業界が伸びている、という話を最近よく耳にします。私も実感としてそう感じていたのですが、数字を調べてみたら、想像していたより伸びていました。
市場は16年連続で拡大。売上ランキングを見ると、前年比219%、207%、168%という会社が上位に並びます。年率2割どころではありません。
この記事では、リユース業界の市場データと主要企業を整理したうえで、どんな職種があり、どういう経歴の方が評価されるのかを書きます。成長産業であることは事実ですが、いい面だけでは判断を誤るので、注意すべき点にも触れます。
この記事でわかること
- リユース市場の規模と、16年連続拡大という事実
- 売上ランキング上位10社と、その伸び率
- 国が2030年に向けて掲げている数値目標
- この業界にある職種と、鑑定・査定という独特の仕事
- 前職別に見た入り方
- 転職先として見るときの注意点
市場は3兆4,636億円。16年連続で伸びている

まず市場規模です。リユース経済新聞の「リユース業界の市場規模推計2026(2025年版)」によると、2025年のリユース市場規模は前年比6.2%増の3兆4,636億円。2009年以降、16年連続での拡大です。
販路別の内訳を見ると、構造がよく分かります。
| 販路 | 市場規模 | 前年比 |
|---|---|---|
| 店舗販売(BtoC) | 1兆3,222億円 | +6.8% |
| ネット販売(BtoC) | 6,488億円 | +3.1% |
| BtoC合計 | 1兆9,710億円 | ー |
| フリマアプリ等(CtoC) | 1兆4,445億円 | +7.2% |
注目していただきたいのは、ネット販売(BtoC)の伸びが+3.1%と、むしろ鈍いことです。伸びているのは店舗販売(+6.8%)とフリマアプリ(+7.2%)でした。
「リユース=メルカリ」というイメージをお持ちの方は多いと思いますが、実店舗の市場はフリマアプリと同じかそれ以上の規模で、しかも伸びています。後で触れる買取店の出店ラッシュは、ここが背景にあります。
商材別では、差がはっきり出ています。
| 商材 | 市場規模 | 前年比 |
|---|---|---|
| 衣料・服飾品 | 6,741億円 | +5.5% |
| ブランド品 | 4,943億円 | +16.9% |
| 玩具・模型 | 3,223億円 | +16.0% |
| 携帯・スマホ | 1,204億円 | +13.7% |
ブランド品と玩具・模型が2桁成長です。買取店が増えている理由も、ここを見ると分かります。単価が高く、在庫回転が速く、海外需要もある商材だからです。
売上ランキングの伸び率が、普通ではない

次に企業です。リユース経済新聞が2026年7月25日に発表した「リユース売上ランキング2026」から、上位10社を引きます。リユース売上1億円以上の300社が対象で、2025年4月〜2026年3月決算の実績です。
| 順位 | 企業 | リユース売上 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 1 | ゲオホールディングス | 3,006.1億円 | 109% |
| 2 | コメ兵ホールディングス | 2,217.1億円 | 139% |
| 3 | いーふらん | 2,000.0億円 | 219% |
| 4 | ブックオフグループホールディングス | 1,183.2億円 | 107% |
| 5 | BuySell Technologies | 1,006.1億円 | 168% |
| 6 | エンパワー | 890.4億円 | 119% |
| 7 | バリュエンスホールディングス | 814.2億円 | 104% |
| 8 | 貴瞬 | 709.5億円 | 207% |
| 9 | Eco Ring Holdings | 637.7億円 | 136% |
| 10 | 甲南チケット | 616.6億円 | 120% |
いーふらんが219%、貴瞬が207%。1年で売上が2倍を超えている会社が、上位10社に2社あります。
そして、ランキング対象300社の総売上は約2.8兆円で、平均の成長率が124%です。一部の会社が突出しているのではなく、業界全体が年2割強で伸びている。
転職の観点で言うと、これは「採用が追いついていない」ということを意味します。売上が2倍になれば、店舗も人も倍にしなければ回りません。
国が2030年の数値目標を掲げている

もうひとつ、追い風になっている要素があります。
環境省が令和8年3月に策定した「リユース等の促進に関するロードマップ」で、2030年までの目標が明記されました。
| 指標 | 2024年 | 2030年目標 |
|---|---|---|
| リユース市場規模 | 3兆5千億円 | 4兆6千億円 |
| 生活者におけるリユースの実施率 | 40.8% | 50% |
| リユース業者等と協働取組を行う自治体数 | 約300自治体 | 約600自治体 |
※市場規模は推計主体によって対象範囲が異なります。環境省の数値とリユース経済新聞の推計は、そのまま比較できるものではありません。
同ロードマップでは2040年までの「目指すべき将来像」も設定されています。自治体数を倍にするという目標があることは、転職を考える方にとって意味があります。行政との連携を担当できる人材の需要が、これから出てくるということです。
この業界にある職種

「リユース=店員」と思われがちですが、実際の求人はかなり広いです。
| 職種グループ | 仕事内容 | 前職として多い |
|---|---|---|
| 買取・査定 | 持ち込み・出張・宅配での買取、真贋判定、価格決定 | 小売、アパレル、宝飾、質屋 |
| 店舗運営・店長 | 売上管理、人材育成、在庫管理 | 飲食、アパレル、量販店 |
| EC・マーケ | 自社EC、モール運営、広告、SEO | EC事業者、広告代理店 |
| 海外・貿易 | 海外バイヤー対応、輸出、越境EC | 商社、貿易実務 |
| 仕入・MD | 商材戦略、相場分析、在庫方針 | バイヤー、商品企画 |
| IT・プロダクト | 買取アプリ、査定システム、AI査定 | Web系、SaaS |
| M&A・事業開発 | 同業の買収、FC本部機能、新規事業 | 投資銀行、コンサル、事業会社 |
| コーポレート | 経理、人事、法務、内部統制 | どの業界からでも |
私の実感として、いま特に足りていないのは「急拡大を支える管理機能」です。売上が年2割増える会社では、店舗開発、採用、在庫管理、内部統制が常に追いつきません。成長に組織が追いついていない会社ほど、入ったときの裁量が大きくなります。
もうひとつ伸びているのがM&Aです。業界内の買収が活発なので、買収の実行とPMIができる人材の需要があります。M&A業界のキャリアについてはM&A業界の転職ガイドもご覧ください。
鑑定・査定という、この業界にしかない職種

リユース業界を特徴づけているのが、鑑定・査定です。
ブランド品の真贋を見分ける、時計の状態を評価する、宝石を鑑別する。これは他の業界に存在しない専門性で、身につければ長く食べていけます。
| 内容 | |
|---|---|
| 習得にかかる時間 | 基礎で半年〜1年、一人前で3年前後と言われる |
| 評価のされ方 | 査定額の精度と、買取の成約率 |
| 汎用性 | 業界内では極めて高い。経験者は常に取り合いになる |
| リスク | 真贋判定を誤ると会社に直接の損失が出る。精神的な負荷は小さくない |
未経験から入る場合、ここが入口になることが多い領域です。ただし「モノが好き」だけでは続きません。相場を追い続ける根気と、お客様に価格を伝える胆力が要ります。買取は、こちらが提示した金額で断られることも多い仕事です。
前職別に見る入り方

| いまの経歴 | 刺さるポジション | 理由 |
|---|---|---|
| アパレル・雑貨の販売 | 買取・査定、店長 | 商品知識と接客がそのまま使える。最も王道のルート |
| 宝飾・時計・質屋 | 鑑定、仕入 | 即戦力。業界内で最も歓迎される経歴 |
| 飲食・小売のSV | エリアマネージャー、店舗開発 | 多店舗運営の経験が効く |
| EC・広告 | EC運営、マーケティング | 買取の集客はネット広告が主戦場 |
| 商社・貿易 | 海外販路、越境EC | ブランド品は海外需要が大きい |
| Web系エンジニア | 買取アプリ、査定システム | AI査定など技術投資が進んでいる |
| 経理・人事・法務 | コーポレート | 急拡大企業は管理が常に足りない |
| 金融・M&A | 事業開発、M&A | 業界再編が進んでいる |
この業界の特徴は、学歴や職歴のブランドより、実績が見られることです。査定の精度、店舗の売上、買取の成約率。数字がはっきり出る仕事なので、前職で評価されにくかった方が一気に伸びることがあります。
転職先として見るときの注意点

成長産業であることは事実ですが、いい面だけで判断すると危ないので、正直に書きます。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 労働集約的である | 店舗は土日・祝日が稼ぎ時。勤務形態は小売業と同じと考えたほうがよい |
| 相場の影響を受ける | 金やブランド品の相場で業績が動く。直近の高成長には相場高の追い風も含まれる |
| 急拡大のひずみ | 出店ペースが速い会社ほど、教育と管理が追いつかない |
| コンプライアンス | 古物営業法の規制業種。本人確認や記録の管理が厳格 |
| 買取のプレッシャー | 数字が明確なぶん、評価も明確。向き不向きが出やすい |
2つめは特に重要です。ブランド品が前年比16.9%伸びた背景には、相場の上昇という要因もあります。構造的な成長と相場要因は分けて見たほうがよい。面接では「相場が落ち着いたときの計画」を聞いてみてください。そこに答えられる会社は、地力があります。
転職の失敗を避ける一般的な考え方は転職の失敗・後悔・リスクのまとめにも整理しています。
よくある質問
Q1. 未経験でも転職できますか
できます。買取・査定と店舗運営は、未経験から入る人が多い職種です。商品知識は入ってから身につきます。むしろ接客経験と、数字を追える姿勢のほうが見られます。
Q2. 年収はどのくらいですか
職種と役割で大きく変わるため、一律には言えません。店舗系はインセンティブの比率が高い会社が多く、成果が出れば大きく動きます。一方で本部のコーポレート職は、一般的な事業会社と同水準です。求人ごとに固定と変動の内訳を確認してください。
Q3. 資格は必要ですか
必須ではありません。会社として古物商の許可が必要ですが、個人として先に取る必要はないのが通常です。鑑定系の民間資格はありますが、入社後に学ぶ会社がほとんどです。
Q4. 大手と中小、どちらがよいですか
大手は教育体制と安定性、中小・成長企業は裁量とスピードです。ランキングを見ると、前年比200%超の会社も上位にいます。そういう会社は役割が一気に広がる反面、組織が整っていないことも多いので、どちらを取るかです。
Q5. この成長はいつまで続きますか
断定はできません。ただ、環境省が2030年に向けて市場規模と実施率の目標を掲げており、政策の後押しは当面続きます。一方で相場要因もあるので、短期の伸び率をそのまま将来に延長しないほうが安全です。
Q6. 店舗ではなく経営側に回る道はありますか
あります。この業界はフランチャイズでの出店が活発で、社員として入るのではなく、FCオーナーとして経営者になるという選択肢が現実的に存在します。買取大吉は2,264店舗(2026年8月31日時点)で「最大の買取専門店チェーン(最新)」としてギネス世界記録に認定されており、その多くがFC店です。詳しくはリユースFCオーナーという選択肢にまとめました。
まとめ|数字で見ても、伸びています
押さえていただきたいのは3点です。
1つめ、市場は3兆4,636億円で16年連続拡大。しかもネットではなく店舗とフリマが伸びています。
2つめ、ランキング300社の平均成長率が124%。前年比200%超の会社が上位に複数あります。採用が追いついていません。
3つめ、ただし相場要因と労働集約性は見ておくべきです。構造的な成長と、金・ブランド品の相場高は分けて考えてください。
キープレイヤーズでは、21年にわたりベンチャー・スタートアップの転職支援と採用支援を行ってきました。急拡大している企業ほど、求人票になっていないポジションがあります。リユース業界への転職をお考えの方、また採用にお困りの企業の方は、お気軽にお問い合わせください。
すぐに転職をお考えでない方には、オンラインサロンもご用意しています。
出典
- リユース経済新聞「リユース業界の市場規模推計2026(2025年版)」第640号(2026年9月25日発行)— 2025年の市場規模3兆4,636億円、前年比6.2%増、16年連続拡大、販路別・商材別の内訳
- リユース経済新聞「リユース売上ランキング2026」(2026年7月25日発表、第17回)— リユース売上1億円以上の300社、2025年4月〜2026年3月決算、上位10社の売上と前年比、300社総売上約2.8兆円・平均124%
- 環境省「リユース等の促進に関するロードマップ」令和8年3月 — 2030年目標(市場規模4兆6千億円、リユース実施率50%、協働自治体数約600)
※市場規模は推計主体により対象範囲が異なります。各数値はそのまま比較できない場合があります。

