アドテク・MarTech(マーケティングテクノロジー)業界転職完全ガイド【2026年最新】市場規模・企業別年収相場・職種別スキル・未経験からのなり方・キャリアパスを高野秀敏が徹底解説

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こんにちは、ベンチャー・スタートアップへの転職を約25年サポートしているキープレイヤーズの高野です。

今回は、アドテク(AdTech)・MarTech(マーケティングテクノロジー)業界への転職ガイドをまとめました。

この業界は、私が独立した2005年前後から一貫して人材の流動性が高く、かつ「勝ち組と負け組の入れ替わりが最も激しい」領域です。ネット広告の黎明期から今日まで見てきましたが、ここ2〜3年の変化はとりわけ大きい。象徴的なのが、業界の中核企業だったCARTA HOLDINGSが2025年12月8日に東証を上場廃止になったことです。NTTドコモによるTOBを経て、2026年3月末時点でNTTドコモが51.61%、電通グループが48.39%を保有する合弁会社になりました。通信キャリアの持つ顧客データと、広告代理店グループのメディア力を統合する——これが今のアドテクで何が価値を持つかを、そのまま言い表しています。

本記事では、市場環境、業界の6カテゴリー、企業タイプ別の年収、職種別のスキル、未経験からの参入ルート、年代別戦略、失敗パターンとFAQまでまとめて解説します。

目次

アドテクとMarTechの違い — 「集客の外側」か「顧客の内側」か

まず用語を整理します。両者を混同したまま転職活動をすると、まず間違いなく面接で見抜かれます。

項目アドテク(AdTech)MarTech(マーケティングテクノロジー)
扱う対象まだ自社を知らない見込み客への広告配信すでに接点のある顧客との関係構築・育成
主なプロダクトDSP、SSP、アドサーバー、アドネットワーク、DMP、計測ツールMA、CDP、CRM、Web接客、BIツール、メール/LINE配信基盤
お金の流れ広告費のマージン・手数料(メディア/代理店との分配)SaaSのサブスクリプション収益
KPIインプレッション、CPA、ROAS、配信効率MRR、解約率、アップセル率、顧客のLTV
景気感応度高い(広告予算は真っ先に削られる)相対的に低い(一度入ると解約されにくい)
代表的な国内企業フリークアウト・ホールディングス、マイクロアド、Supership、GENIEE、アドウェイズ、CARTA HOLDINGSプレイド(KARTE)、データX(b→dash)、Repro、SATORI、シャノン、トレジャーデータ

私が候補者の方によくお伝えするのは、「アドテクは広告代理店に近い商売、MarTechはSaaSに近い商売」という捉え方です。求められるスキルセットが似ているので同じ業界のように語られますが、ビジネスモデルとしてはまったくの別物です。SaaSビジネス全般の考え方はSaaSスタートアップに転職するのはあり?で整理しています。

2026年の市場環境 — ネット広告費が初めて総広告費の過半数を超えた

転職先を選ぶとき、私はいつも「追い風が数字で確認できるか」を見ます。この業界には、毎年3月に発表される電通の「日本の広告費」という決定版の統計があります。2026年3月5日に発表された「2025年 日本の広告費」の数字は、業界にとって象徴的なものでした。

指標数値注記
2025年 日本の総広告費8兆623億円(前年比105.1%)初の8兆円突破。2021年から5年連続成長、4年連続で過去最高を更新
インターネット広告費4兆459億円(前年比110.8%)1996年の推定開始以来、初めて4兆円を突破。前年より3,942億円増
ネット広告費の構成比50.2%総広告費に占める比率が初めて過半数に到達
ビデオ(動画)広告費1兆275億円(前年比121.8%)推定開始以来初の1兆円突破。縦型動画・コネクテッドTVが牽引
国内リテールメディア広告市場2025年 6,066億円(前年比129%)→ 2029年 約1.3兆円内訳はEC事業者5,236億円/実店舗事業者830億円。実店舗側は伸び率で先行し、2035年に1兆円規模との予測も
国内CX関連ソフトウェア市場2021年 約5,444億円 → 2026年 約7,987億円MarTech側の市場規模。調査機関により定義に幅がある

この表で私が最も重視しているのは、リテールメディアの行です。前年比129%というのは、成熟した広告市場の中では異常な伸び方です。しかも内訳を見ると、実店舗事業者はまだ830億円しかない。つまり、伸びしろの大部分がこれから来る領域に、人材需要がこれから発生するということです。小売側のDXはリテールテック(RetailTech)業界の転職ガイドで詳しく扱っていますが、広告側から入るルートも十分に成立します。

もうひとつ押さえるべき構造変化がプライバシー規制です。日本では2023年6月に改正電気通信事業法の外部送信規律が施行され、cookieなどを外部へ送る際の通知・公表が義務づけられました。一方でGoogleは、当初掲げていたChromeのサードパーティcookie段階的廃止の方針を撤回し、cookieを維持する形に転換しています。

ここを「規制が緩んだからアドテクは安泰」と読むのは、私は完全な誤読だと思っています。方針は揺れましたが、ユーザー側の同意管理・プライバシー配慮が求められる流れそのものは不可逆です。だからこそ、自社で顧客との直接接点を持つファーストパーティデータ——リテールメディア、通信キャリア、会員基盤——の価値が上がっている。CARTA HOLDINGSがNTTドコモと電通グループの合弁になったのは、まさにこの潮流の帰結です。

アドテク・MarTech業界の6カテゴリーと主要プレイヤー

カテゴリー事業内容代表的なプレイヤー求められる中心スキル
① 広告配信プラットフォーム(DSP/SSP)広告枠のリアルタイム取引、配信最適化フリークアウト・ホールディングス(6094)、マイクロアド(9553)、GENIEE、Supership(KDDIグループ)大規模低レイテンシ基盤、入札ロジック、機械学習、SRE
② 広告代理・運用デジタル広告の運用代行、クリエイティブ制作サイバーエージェント、CARTA HOLDINGS、アドウェイズ、電通デジタル広告運用、アカウントプランニング、クリエイティブディレクション
③ 成果報酬・アフィリエイト/LTV最適化成果連動型マーケティング、LTV分析基盤Macbee Planet、各種ASP事業者データ分析、アトリビューション、パートナー開拓
④ MarTech SaaS(MA/CDP/Web接客)顧客データ統合、シナリオ配信、パーソナライズプレイド(KARTE)、データX(b→dash)、Repro、SATORI、シャノン、トレジャーデータSaaS営業、カスタマーサクセス、実装コンサル、データエンジニアリング
⑤ データ/オーディエンス基盤DMP、オーディエンスデータ、クリーンルームインティメート・マージャー、各キャリア系データ事業データパイプライン、プライバシー設計、法務リテラシー
⑥ リテールメディア/コマース広告小売の会員・購買データを使った広告事業大手小売・EC各社のメディア事業部門、支援スタートアップ事業開発、小売との折衝、広告商品設計、効果測定

この6つのうち、いま最も伸びしろが大きいのは⑥、最も安定して採用が続いているのは④だと見ています。⑥は市場そのものが立ち上がる途中で、事業開発(BizDev)のスキルが最も活きる領域です。④はSaaSなので景気に対する耐性があり、営業・CS・データ人材の需要が途切れません。

逆に率直に申し上げると、①のDSP/SSP単体プレイヤーは競争環境が厳しいです。グローバルプラットフォーマーの取り分が大きく、国内独立系は統合・提携の波にさらされています。CARTA HOLDINGSの非公開化はその最たる例です。この領域を志望される方は、会社が「単独で勝つ」シナリオを持っているのか、「どこかと組む」シナリオなのかを面接で必ず確認してください。

なお、インフルエンサー活用やUGCを軸にしたマーケティングは、広告配信技術とは求められるものが異なります。そちらはクリエイターエコノミー/インフルエンサーマーケティング業界の転職ガイドで詳しく扱っています。マーケティング職そのもののキャリア設計はマーケティング職(Webマーケター)の転職・キャリア完全ガイドをご覧ください。

アドテク・MarTech業界の年収相場【職種別】

職種年収レンジ(目安)コメント
広告運用担当400万〜600万円業界の入口。3年程度で次のキャリアを決める必要がある職種
アドテク営業(メディア/広告主向け)400万〜700万円インセンティブ比率が高い会社も多く、実績次第で上振れする
MarTech SaaS営業(AE)550万〜1,000万円エンタープライズ担当は上限が高い。詳細はアカウントエグゼクティブ(AE)転職ガイド
カスタマーサクセス/実装コンサル500万〜900万円MA・CDPの設計まで踏み込める人は希少。カスタマーサクセス転職ガイド参照
アドテクエンジニア(配信基盤)500万〜900万円秒間数万リクエストの世界。低レイテンシ設計ができると1,000万円超も
データエンジニア600万〜1,100万円BigQuery/Snowflake/dbtが中心。データエンジニア転職ガイド参照
データサイエンティスト/機械学習エンジニア700万〜1,300万円入札最適化・LTV予測。データサイエンティスト転職ガイド参照
マーケティングエンジニア/MarTechアーキテクト650万〜1,200万円SQL・Python・API連携でMA/CDPを設計する職種。日本ではまだ人数が少ない
プロダクトマネージャー700万〜1,300万円PdM転職ガイドを参照
CMO/CxO1,000万〜2,000万円+SOCXO転職ガイドを参照

※上記は私が支援の現場で見ているレンジで、企業規模・フェーズにより上下します。人材紹介各社の公開データでも、アドテク業界の年収はおおむね営業400万〜700万円、エンジニア500万〜900万円、運用担当400万〜600万円とされており、大きな乖離はありません。相場観の全体像はベンチャー企業の年収相場、報酬パッケージの考え方は年収・手取りガイドにまとめています。

この表で強調したいのは、広告運用担当とデータサイエンティストの間に3倍近い差があるという事実です。同じ「デジタルマーケティング業界」にいながら、これほど開くのは他業界ではあまり見ません。入口は広告運用でいいのですが、そこに5年留まると年収が頭打ちになります。これは私が業界の方々に対して一貫してお伝えしていることです。

職種別の必要スキルとキャリアパス

① 広告運用 → データ/グロースへ

広告運用は、日本のデジタルマーケティング人材の最大の供給源です。ただし管理画面の操作だけでは代替されます。SQLでログを叩き、アトリビューション分析やLTV分析まで語れるようになった瞬間に、市場価値が階段状に上がります。BigQueryとLooker/Tableauあたりを触れるようにしておくのが、最も投資対効果の高い自己投資です。

② マーケティングエンジニア/MarTechアーキテクト

2026年に最も需要が伸びている職種のひとつです。HubSpot、Marketo、Salesforce Marketing Cloud、b→dash、KARTEといったMA/CDPを、SQL・Python・API連携で組み上げる仕事です。メール配信、Webパーソナライズ、アプリのプッシュ通知、広告オーディエンス連携までを一貫して設計します。マーケティングとデータとエンジニアリングの三点を橋渡しできる人は、日本にまだ驚くほど少ない。だからこそ狙い目です。

③ アドテクエンジニア

広告配信基盤は、秒間数万〜数十万リクエストを数十ミリ秒で捌く世界です。Go、Java、C++、Kubernetes、リアルタイム入札のアルゴリズム。技術的難度で言えば、国内SaaSの中でもトップクラスで、ここで鍛えられた方はどこへ行っても通用します。AIエンジニア転職ガイドフロントエンドエンジニア転職ガイドも参考になります。

④ MarTech SaaSの営業・カスタマーサクセス

顧客のマーケティング組織そのものを設計し直す提案が求められます。ツールを売るのではなく、データ統合の絵を描ける方が評価されます。エンタープライズ営業・SaaS営業への転職完全ガイドで必要なスキルを整理しています。

⑤ リテールメディアの事業開発

小売企業の会員データ・購買データを使って広告商品を作る仕事です。小売側の言語と広告側の言語の両方を話せる人がほぼいないため、いま最も「先に手を挙げた人が獲る」領域だと思っています。

未経験からアドテク・MarTech業界へ転職する5ステップ

  1. アドテクかMarTechかを決める — 前述のとおりビジネスモデルが別物です。広告費のマージンで戦うのか、SaaSのMRRで戦うのかを先に決めてください。
  2. SQLを最低限使えるようにする — この業界で最も費用対効果の高い準備です。基本的な集計と結合ができるだけで、応募できる求人の幅が変わります。
  3. 実際に管理画面を触った経験を作る — 自分でリスティング広告を少額で回してみる、無料版のMAツールを試す。「使ったことがある」は面接で明確な差になります。
  4. 電通「日本の広告費」を一度は読む — 業界の共通言語です。2025年にネット広告費が構成比50.2%で初の過半数、動画広告が1兆円突破——この程度は語れる状態にしてください。
  5. 非公開求人に強いエージェントを併用する — 特にリテールメディアやCxOポジションは表に出ません。転職エージェントの選び方 完全ガイドを参考にしてください。

アドテク・MarTech業界のメリット・デメリット

メリットデメリット
成果が数字で明確に出る。実力主義で若くても評価されやすいアドテク側は広告市場の景気に直結する。不況時に予算が最初に削られる
データ・技術・ビジネスの三点を同時に鍛えられる稀有な領域技術・規制・プラットフォーム仕様の変化が速く、学び続ける前提が必要
ネット広告費4兆459億円という巨大市場。ポジションの絶対数が多い広告運用に留まると年収が頭打ちになりやすい
リテールメディアという新市場が立ち上がり中で、先行者利益がある業界再編が激しい。CARTA HOLDINGSのように資本が変わることがある
身につくスキルの汎用性が高く、事業会社のCMO・グロース責任者に転じやすいプライバシー規制と法務リテラシーの負荷が年々重くなっている

向いている人・向いていない人

向いている人

  • 数字とロジックで意思決定するのが好きな方
  • マーケティングと技術のどちらか一方に閉じたくない方
  • ツールや仕様の変化を「面白い」と感じられる方
  • 短期のPDCAを高速で回すのが苦にならない方
  • データを扱う際の倫理・プライバシーを重く受け止められる方

向いていない人

  • ルールと業務が固定された環境で腰を据えたい方
  • 数字で成果が可視化されることにストレスを感じる方
  • 学び直しを続けるのが負担な方(3年で常識が変わる業界です)
  • 景気変動の影響を受けたくない方(アドテク側は特に受けます)
  • 広告というビジネスモデル自体に納得感を持てない方

年代別のアドテク・MarTech転職戦略

20代 — 入口を広告運用にして、2〜3年でデータ側へ抜ける

未経験でも入りやすい数少ないデジタル領域です。ただし「運用歴5年」だけで30代に入るのは危険です。20代のうちにSQLとデータ分析を身につけ、次の階段を用意してください。20代のベンチャー転職完全ガイドを参考に。

30代 — マネジメントか専門性か、ここで決める

30代は、運用チームのマネージャーになるか、データ/プロダクトの専門職に振り切るかの分岐点です。どちらつかずが最も市場価値を落とします。35歳の転職は遅い?も参考にしてください。

40代 — 事業責任者・CMOポジションを狙う

広告主側のCMO、事業会社のマーケティング責任者、MarTech SaaSの事業部長。「広告費を預かって成果を出した経験」は、事業会社側から見ると極めて希少です。40代のベンチャー・スタートアップ転職ガイドをご覧ください。

50代以降 — 顧問・社外役員・大手との橋渡し役

大手広告主やメディアとの関係資産が価値になります。CARTA HOLDINGSの事例のように大手資本との連携が増えている今、大企業側の意思決定プロセスを知っている人材の需要は上がっています。50代のベンチャー・スタートアップ転職完全ガイド年齢別転職ガイドを併せてご確認ください。

アドテク・MarTech転職でよくある失敗パターン7選

  1. アドテクとMarTechを区別せずに応募する — 面接で「弊社はSaaSですが、広告代理のご経験をどう活かしますか」と聞かれて答えられない方が非常に多い。
  2. 企業の資本構成の変化を確認していない — CARTA HOLDINGSは2025年12月に上場廃止となり、ドコモ・電通の合弁になりました。上場企業のつもりで受けるのは致命的です。
  3. 広告運用の経験だけで市場価値が上がると思っている — 管理画面の操作は自動化が進んでいます。分析と設計に踏み込まないと5年で頭打ちになります。
  4. 景気耐性を考えずにアドテク側だけを見る — 広告予算は不況で真っ先に削られます。BtoB SaaS比率のある会社のほうが構造的には安定します。
  5. プライバシー規制を「もう緩んだ」と誤解する — Googleはcookie廃止方針を撤回しましたが、改正電気通信事業法の外部送信規律は生きています。同意管理を語れない人材は評価されません。
  6. インセンティブ込みの提示額を年収と信じる — この業界は変動報酬の比率が高い会社が多い。固定給と変動給の内訳は必ずオファー時に確認してください。
  7. 「グロースハッカー」的な肩書きに惹かれて実態を確認しない — 中身が単なる広告運用というケースは今も珍しくありません。KPIと権限範囲を具体的に聞いてください。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 未経験でもアドテク・MarTech業界に入れますか?

入れます。特に広告運用職とインサイドセールスは未経験採用の枠があります。ただし「IT・Web・広告業界での3年以上の経験」を要件にしている求人が多いのも事実です。完全未経験なら、まず運用代理店で経験を積むのが最短ルートです。

Q2. 文系でもエンジニア以外で活躍できますか?

できます。というより、この業界の中核人材の多くは文系出身です。ただしSQLは文理を問わず必須になりつつあります。プログラミング全般ではなく、まずSQLだけに集中してください。

Q3. サードパーティcookieの規制はどうなったのですか?

Googleは当初のChromeにおける段階的廃止の方針を撤回し、cookieを維持する形に転換しました。ただし日本では2023年6月に改正電気通信事業法の外部送信規律が施行されており、ユーザーへの通知・公表義務は継続しています。「規制が消えた」わけではありません。むしろファーストパーティデータの重要性は上がり続けています。

Q4. リテールメディアは本当に伸びますか?

2025年の国内市場は6,066億円で前年比129%、2029年には約1.3兆円との予測が出ています。特に実店舗事業者はまだ830億円と小さく、伸びしろが残っています。私は、この領域の事業開発職がここ数年で最も面白いポジションのひとつだと考えています。

Q5. アドテクとMarTech、どちらに行くべきですか?

景気耐性とキャリアの汎用性を重視するならMarTech、変化の速さと技術的な刺激を求めるならアドテクです。迷っている方には、私はMarTech側をお勧めすることが多いです。SaaSのビジネスモデルは他業界にも持ち出しやすく、キャリアの選択肢が広がるからです。

Q6. 生成AIでこの業界の仕事はなくなりませんか?

広告クリエイティブの量産と入札調整は、確実にAIに置き換わっていきます。ただし減るのは作業であって、戦略設計とデータ基盤の設計は残ります。むしろAIを配信ロジックやCDPに組み込む側に回れる人材の需要は上がっています。

Q7. 年収を上げるには何をすればいいですか?

最短は「SQL+データ分析+MA/CDPの実装経験」の3点セットです。この組み合わせを持つ方は日本にまだ少なく、MarTechアーキテクトやCDPマネージャーといったポジションで一気に条件が上がります。

まとめ — 「広告を配る側」から「データを設計する側」へ回れるかが分かれ目

最後に要点を整理します。

  • 2025年の日本の総広告費は8兆623億円で4年連続過去最高。インターネット広告費は4兆459億円で初の4兆円超、構成比50.2%と初めて過半数に到達した
  • 動画広告は1兆275億円(前年比121.8%)で初の1兆円突破。縦型動画とコネクテッドTVが牽引している
  • 国内リテールメディア広告市場は2025年6,066億円(前年比129%)。実店舗事業者はまだ830億円と小さく、ここが今後の成長余地
  • CARTA HOLDINGSは2025年12月8日に上場廃止。NTTドコモ51.61%・電通グループ48.39%の合弁へ。通信・小売・メディアがファーストパーティデータを軸に再編される流れの象徴
  • アドテクとMarTechはビジネスモデルが別物。景気耐性とキャリアの汎用性ではMarTech側が有利
  • 年収は広告運用(400万〜600万円)とデータサイエンティスト(700万〜1,300万円)で3倍近い差。入口を運用にするのは正しいが、5年留まると頭打ちになる

私は約25年、ベンチャー・スタートアップの転職支援をしてきました。この業界で長く活躍している方には、共通点があります。「広告を配る仕事」から「顧客データをどう設計するかの仕事」へ、どこかのタイミングで自分を移した人たちです。逆に、管理画面の操作に習熟することを専門性だと信じてしまった方は、残念ながら30代後半で苦しくなっています。この業界は動きが速い分、階段を上がるチャンスも他業界より多い。ぜひ意識的に設計してください。

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MarTechと地続きにあるのがセールステックです。マーケティングで獲得したリードをどう商談化し受注につなげるかを扱う領域で、RevOps(Revenue Operations)のようにマーケティングから営業・カスタマーサクセスまでを横断する職種も生まれています。マツリカの営業AIエージェント「DealAgent」がSalesforceとの連携を始めたように、両領域の境目は年々曖昧になっています。カテゴリ別の構造と年収相場はセールステック(SalesTech)業界転職完全ガイドで解説しました。

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執筆者:高野 秀敏

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、12,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。80社以上の投資、9社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。178社上場支援実績あり。顧問、アドバイザー、社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。「ベンチャーの作法」ダイヤモンド社5万部を超えるベストセラー
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