年収が高いイメージのある職業の一つがコンサルタントですが、実際はどれくらいの給料が発生しているのでしょうか。
また業務内容についても、コンサルタントと聞くと、企業や人にアドバイスをし、結果が出せるよう導く仕事とザックリと理解している人も多いでしょう。
本記事では、コンサルタントの具体的な業務・目的を紹介しつつ、コンサルタントのジャンルの説明、各コンサルタントのおおよその年収について解説していきます。
コンサルタントへの就職や転職をお考えの方がいらっしゃいましたら、ぜひ本記事を参考にして下さい。
コンサルタントの平均年収は大手企業のサラリーマンの年収と同じ
例外はあるものの、国内コンサルタントの代表とも言える経営コンサルタントを例に出すと、平均年収はおよそ500万~800万円ほどです。
一般的な企業の社員よりは高めの収入とも言えますが、大企業のサラリーマンと比較すると、ほぼ同じくらいの年収ラインですね。
もちろん、雇用でも専門分野に特化して結果を出している方、独立して高単価、あるいは多くの仕事を請け負っている方の場合、数倍の年収を獲得されている方もいらっしゃいます。
外資系のコンサルタントの場合は雇用でも年収が高いと言われており、1000万円超えのプレーヤーが多く存在しています。
コンサルタントの年収【業種・外資・国内別に解説】
国内コンサルタント企業に就職した場合の大まかな年収を、以下の表にまとめましたのでご覧ください。
職種 | 20代の年収 | 30代の年収 | 40代の年収 |
経営コンサルタント | 600万円~2,000万円 | 2,000万円~5,000万円 | 5,000万円~2億円 |
会計コンサルタント | 550万円~650万円 | 600万円~750万円 | 700万円~900万円 |
人事コンサルタント | 350万円〜400万円 | 450万円〜500万円 | 550万円〜600万円 |
ITコンサルタント | 450万円~550万円 | 600万円~750万円 | 800万円~900万円 |
建築コンサルタント | 350万円~450万円 | 400万円~550万円 | 500万円~700万円 |
同じコンサルタントでも、特に経営コンサルタントと他のコンサルタントの年収が大きく開いており、企業の命運を握っている経営コンサルタントの責任の重さが金額に現れているとも言えます。
他のコンサルタントについては、IT人材不足やDX導入など、戦略ニーズの観点からもITコンサルタントがやや年収が高く、会計・人事・建築コンサルタントはそれほど年収に違いがないことが伺えます。
【企業別】コンサルティング会社の平均年収ランキング
ここでは、コンサルティング会社別の平均年収ランキング1位から10位を紹介します。
ランキング | 企業名 | 平均年収 | 企業の特徴 |
1位 | M&Aキャピタルパートナーズ | 3,161万円 | 中堅・中小企業を対象にM&A仲介を行う会社。 |
2位 | ボストンコンサルティンググループ | 1,463万円 | 世界50ヵ国90拠点以上を構える、経営戦略コンサルティングファーム。 |
3位 | A.Tカーニー | 1,363万円 | アメリカのシカゴで創立された会社。金融や通信、ハイテクなど幅広い業界で活躍している。 |
4位 | マッキンゼー・アンド・カンパニー | 1,259万円 | 全世界に3万人以上のコンサルタントを抱える世界屈指のコンサルティングファーム。 |
5位 | 日本M&Aセンター | 1,209万円 | 幅広い業界でM&A仲介を行う会社。 |
6位 | 野村総合研究所 | 971万円 | 日本のコンサルティング会社。金融と流通業界に特に強いのが特徴。 |
7位 | PwCコンサルティング | 955万円 | 世界150ヵ国以上に支社を構えるコンサルティングファーム。経営戦略の策定から実行までを総合的に行う。 |
8位 | デロイト・トーマツ・コンサルティング | 937万円 | 世界140ヵ国でサービス提供しているコンサルティングファーム。最大級の会計事務所である有限責任監査法人トーマツと連携している。 |
9位 | 日本IBM | 909万円 | IBMグループのコンサルティング会社で、ビジネスからシステム構築、業務アウトソーシングまでを一貫してサービス提供している。 |
10位 | アクセンチュア | 873万円 | 世界中に50万人以上の社員を抱える世界最大級のコンサルティングファーム。 |
参考2:openwork
コンサルティング会社でも、コンサルティングを行う業界によって年収に差があります。ここで紹介している会社は半分以上が平均年収1,000万円を超えており、成果次第で高額年収が狙える企業ばかりです。
そもそもコンサルタントとはどのような仕事なのか
コンサルタントは、企業や個人の経営・運営の課題を浮き彫りにし、目的に応じた戦略立案や業務全体の設計の修正、必要なシステムを導入するなど、企業や個人が抱える問題点を改善するための手伝いをする仕事です。
経営戦略や専門性の高い知識を持って第三者視点を持ってアドバイスをし、客観性を失っている企業の経営陣や個人の戦略を軌道修正、経営状態を改善したり、目的達成のアシストをするのが役割ですね。
コンサルタントの最終的な目標はクライアントに利益をもたらすことであり、特に物やサービスを売っているわけではありません。クライアントへ「利益に繋がる経営・運営の戦略的な向上」を販売しているのがコンサルタントだと言えるでしょう。
コンサルティングファームとは
コンサルティングファームは、問題や課題を抱えた企業に対して助言や意見をし、解決に導く企業のことを指しています。
実際に業務を行うコンサルタントとして複数の社員が勤務し、専門性の高い知識、問題の発見と解決能力を持った人材が集まって形作っている企業ですね。
コンサルタントはコンサルティングを行う社員個人、コンサルティングファームはコンサルタントが集まる会社だと覚えておくと良いでしょう。
次の項目からは、コンサルティングファームの種類と、国外のコンサルティングファームの年収について、アメリカを例に解説しています。
コンサルティングファームの種類
一言でコンサルティングファームとは言っても、扱っている問題解決のテーマが、ファーム毎に異なっている点も留意しておく必要があるでしょう。
- 総合コンサルティングファーム
- 戦略コンサルティングファーム
- ITコンサルティングファーム
- マーケティング系コンサルティングファーム
- 人材系コンサルティングファーム
- シンクタンク系コンサルティングファーム
上記には、一般的にコンサルティングファームとして有名なジャンルについて記載しましたが、細かく選り分けるとまだいくつか存在しています。総合コンサルティングファームのように多様なコンサルティングを請け負うファームもあれば、ITや人材系など、専門性に特化したファームがあるのも特徴ですね。
また、政府や自治体といった公的機関からの依頼を受け、収集したデータや調査を解析し、政策への提言や運営の助言を行うシンクタンク系と言われるコンサルティングファームも存在しています。
一般的な企業や個人だけでなく、政治や行政といった分野のサポートまで行っているのがコンサルティングファームなんですね。
アメリカ国内のコンサルタントの平均年収について
日本のコンサルタントの平均年収については解説しましたが、国外のコンサルタントの年収はどれくらいなのでしょうか。
世界でも特に高収入だと言われているアメリカのコンサルタントを取り上げてみると
- 有名なコンサルティングファーム「マッキンゼー」の年収 101,000ドル(日本円で約1,200万円)
- 数多くの著名人を輩出した「ボストン コンサルティング グループ」の年収 100,800ドル(日本円で約1.400万円)
となっており、国内のコンサルティングファームの大手企業のサラリーマンの年収と同等といった金額を、大きく上回るファームがいくつも存在するんですね。
アメリカ国内では、Google、Apple、MicrosoftといったモンスターIT企業が年収ランキング上位を走る中、複数の戦略系コンサルティングファームが年収ランキングトップを独占するなど、日本以上にコンサルタントの年収が高いことがわかります。
外資系・国内、戦略コンサルタントと総合コンサルタントの年収の違い
それでは、外資系・国内のコンサルタントや、戦略・総合コンサルタントによる年収の違いは、どのようになっているのでしょうか。
ここでは3つの項目に分け、上記の違いについて解説していきます。
コンサルタント業内における年収の大まかな順序
コンサルタント業内での年収の順序を大まかに表すと
- 戦略系コンサルタントファーム
- 外資系総合コンサルタントファーム
- 日系総合コンサルタントファーム
- 中堅コンサルタントファーム
の順に年収が高い傾向があります。
それぞれの順位間における年収の金額差を割合にすると1~2割で、理由としてはクライアント企業の規模、案件毎の単価の違いが挙げられます。
例えば、外資系戦略コンサルティングファームのシニアコンサルタントの年収が1,000万円だとして、外資系総合コンサルティングファームで同じシニアコンサルタントの年収は800万円ほどになる差分のイメージですね。
当然、1位と4位、5位になればその開きは大きくなり、数百万~数千万円といった年収差が生まれる場合もあります。
会社の給与体系によっても変わってくる
コンサルティングファームのジャンルの違いによる年収差以外にも、案件の結果に応じたインセンティブや、一定期間の成績によって付与される賞与など、企業毎に設けられた給与体系の仕組みによっても年収は変わってくるでしょう。
例を出すと、ある戦略コンサルティングファームでは基本給による年収が2,000万円で、さらにインセンティブとして給与の30%ほどの上乗せがなされているといったケースもあります。
また残業代などが含まれているのか別途なのかによっても変わりますし、必ずしもコンサルティングファームのジャンルだけでは計れない部分がある点も留意しておいて下さい。
MBA支援制度の有無も会社によって違う
年収と直接関係はありませんが、MBAのような高い費用がかかる資格取得に対し、コンサルティングファームが資格支援制度を設けているかどうかも違いがあります。
経営学修士を取得しながら、高度な経営マネジメントを学習できるMBAですが、入学金だけでも30万~100万円の費用がかかり、授業料も50万~200万円ほどかかるため、非常に高額な資格となっています。
もちろんMBA以外の資格も含めてではありますが、コンサルティングファームに就職する際は、資格取得の支援制度の有無は確認しておく必要があるでしょう。
コンサルタントの種類
それでは、コンサルタント自体にはどのような種類があり、どういった課題・問題解決の目的を持って業務に取り組んでいるのでしょうか。
ここでは4つのコンサルタント業を取り上げ、業務内容を含めた解説をしていきます。
経営コンサルタント
経営コンサルタントは、企業の経営状態を把握し、経営陣からヒアリングを行いながら経営戦略の見直しと改善をサポートするのが仕事です。
企業単体だけでなく、業界全体の動きやトレンドを押さえ、論理的思考能力、経営に関する知識など、高い客観性とそれを支える知識が必要なコンサルタントですね。
企業に向けてセミナーを開催することも多々あり、非常に優れたコミュニケーション能力を必要とする仕事でもあります。
会計コンサルタント
会計コンサルタントは、企業の会計や財務に関して、クライアントとコミュニケーションを取りながらサポートを行うのが仕事です。
また、クライアント企業の依頼によっては、資金調達や投資、M&A戦略についての助言を行うこともあります。
業務の遂行にあたっては、会計・財務に関する知識や経験の蓄積、IT化などの時代の変化に付いていくための日々の学習などを必要とするため、地道な努力を積み重ねる仕事だと言えますね。
人事コンサルタント
人事コンサルタントは、クライアント企業から依頼された採用や人事についての戦略再考、人材育成カリキュラムの作成など、人事面における経営課題を解決に導くのが仕事です。
人材の確保と育成は企業の未来を左右する重要事項であるため、人件費コストの削減といった単純な戦略ではなく、将来を見据え、人材獲得の投資としての戦略提示を行う場合が多いのが特徴でしょう。
例えば、スペシャリストの育成制度や、組織・人事評価制度の見直し、離職者を減らす経営を目指すことで能力の高い社員を確保するなど、中長期目線を持ち、人材確保の観点からクライアント企業の経営を支えるのが業務になります。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、クライアント企業の運営状況や経営戦略に合わせてIT戦略を策定し、システム開発案やシステムの最適化する案をクライアント企業に取り入れてもらうことにより、経営をサポートするのが仕事です。
IT戦略を提示する前には、クライアント企業の経営者やIT担当者から現状の経営状態や業務フローについてヒアリングし、聞き取った内容を分析することで課題を浮き彫りにします。
ITコンサルタントには特別な資格は必要ありませんが、理解力と論理的思考力はもちろん、システム開発やハードウェア、ネットワーク、アプリケーションといったITに関する広い知見が求められますね。
建設コンサルタント
建設コンサルタントは、建造物の設計に関する調査や計画を提示するのが業務で、非常に専門性の高い仕事ですね。
主なクライアントは市・区役所、国土交通省といった行政機関で、河川やダムなどの整備や新たな建設の際に依頼を受け、近隣住民の意向や需要について調査し、計画全体を設計立案してクライアントに提案します。
税金を投じたインフラなどの整備や建設を請け負っているため責任が重く、人命に関わる設計ミスや、工程の不具合がないよう常に細部まで目を光らせる必要があるため、正確性が求められるコンサルティング業務ですね。
コンサルタントの給与体系・年収の構造
コンサルタントの年収についてはお伝えしましたが、ではどういった流れや構造で各コンサルタントの給与が決まるのでしょうか。
大手コンサルティングファーム、新卒からコンサルティングファームへの就職、中途採用の3つの項目に分け、それぞれの給与体系について解説していきます。
大手コンサルティングファームでの給与の決まり方
大手コンサルティングファームの場合、賃金テーブルがきっちり決まっており、面接時の評価、社内にいるコンサルタントたちと比較し実力・能力を査定、職位(役職)を決定し、オファー金額が算出されます。
基本的には職位(役職)によっておおよその年収が決まり、職位(役職)のランクによって年収に差が出てくる形ですね。
職位(役職)について例を出すと、企業によって名称や数は違うものの、コンサルタント・シニアコンサルタント・マネージャーといった複数のポジションに分かれており、それぞれの立場によって同じジャンルのコンサルタント業であっても年収が変わってきます。
一般的な企業と同じく、マネージャーのような管理を含めたポジションであるほど給与が高くなり、パートナーやプリシンバルといった経営の意思決定に参加できる立場になると、1,700万円~3,000万円ほどの高額になるケースもあります。
新卒からコンサルティングファームに就職
実力・成果主義であるコンサルティングファームは、新卒入社であっても年収400万円以上の企業が多いです。ベテランであろうと、中堅であろうと評価基準は同じであり、20代の内にもマネージャーの職位(役職)まで上り詰め、1,000万円に近い年収を獲得しているコンサルタントも存在していますね。
また、クライアント企業の執行役員や社長といった上層部を相手取ってプレゼンやヒヤリングなどを行うため、若い内から他の企業では考えられない経験を積むことができるのも特徴で、年収以上に価値のある部分だと言えます。
逆に言うと実力が発揮できなければ昇給はなく、他の企業と比較して労働・勉強量と拘束時間が長いため、とてもハードな業務であることも事実でしょう。新卒からコンサルティングファームで高収入を得るには、職位(役職)を上れるほどの優れた能力と体力が必要なのは言うまでもありません。
中途採用でコンサルティングファームに就職
現在コンサルタントをしており、別のコンサルティングファームへ転職する場合は、基本的には前職の実績・職位(役職)などを考慮して入社後の職位(役職)を割り振り、年収が決定されます。
年収が前職より上下するかは転職先のファーム次第ではありますが、短期間で様々な経験を蓄積することが是とされているコンサルティング業界は、引き抜きや移動が当たり前であるため、ファームによってそこまで大きな年収の上下はないものと考えておくのがベターでしょう。
また、前職のコンサルティングファームでのやり方にこだわってしまうあまり、転職先のコンサルティングファームでのやり方に適合できず、職位(役職)のステップアップが阻害されてしまうケースなどもあります。そのような場合は成績が振るわず職位(役職)が止まり、年収アップさせることが難しくなることもあるでしょう。
雇用から独立した場合について
コンサルティングファームに所属して雇用される立場から、独立して個人でコンサルタント業を行っていく場合には、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは2つの項目に分け、独立したコンサルタントのプラス面についてお伝えします。
年収が大幅に上がる可能性がある
コンサルティングファームに勤務している場合、大手企業のサラリーマンと同額程度の500万~800万円といった年収が平均相場(職位(役職)によって違い有り)ですが、独立した場合、上手く業務が回れば2000万円以上の年収を獲得することも可能でしょう。
独立したコンサルタントの場合、基本的にはクライアントへ請求する「コンサルティング料金」が基準となり、収入の上下が決定されます。「コンサルティング料金」には特に決まりがなく、相場的な額はあるものの、コンサルタントそれぞれが自由に設定していいのが特徴です。
コンサルティングの専門性やニーズの訴求、内容の質を上げて「コンサルティング料金」を高額に設定する方や、逆に問題・課題の規模が小さいクライアントや中小企業中心に仕事を請け負い、「コンサルティング料金」を安めに設定して数をこなすコンサルタントもいます。
どちらにしても、雇われていた時よりもさらに成果が収入に直結し、より実力・結果主義的な環境に身を置くことになるのが、独立という選択でしょう。
独立前の顧客・人脈が案件に繋がりやすい
コンサルティングファームに所属していた時に形成された人脈が独立後にも活き、一定数の案件を獲得できる場合があります。
例えば、コンサルティングファームに所属していた時のクライアント企業の同僚や友人、企業自体から再依頼が届いたりなど、特に実績を作っている方であれば新規クライアント獲得に注力せずとも、独立後に仕事をある程度獲得できてしまうケースがあるんですね。
新進気鋭のITベンチャーやメガベンチャーといった企業とは格段に信頼関係を結びやすく、こういった人脈は独立後のセーフティネットとしても機能しますので、繋がりを構築できている方であれば、より腰を据えてコンサルタント業に打ち込むことができるでしょう。
未経験からコンサルタント業への転職について
コンサルタント未経験の場合は、前職の経験と照らし合わせ、ニーズのある分野においてコンサルティングできると判断された場合は年収が高く設定され、前職との親和性がない場合の転職などでは、前職よりも年収が下がってしまうケースが見受けられます。
例えば前職がエンジニアの場合、SAPやリスク管理などのニーズの高い分野での導入や開発実績がある場合は、そういった分野のクライアントに対応できるため年収が高くなる傾向にあり、逆に営業からITコンサルタントに転職した場合などは、まったく畑違いなため即戦力性がなく、年収が最低ラインに設定されてしまうこともあるでしょう。
とはいえ、基本的には前職以上の年収の提示を受ける転職者が多く、このことからも、コンサルタント業の年収は他の一般企業と比較すると高いことがわかりますね。もちろんその分、業務はハードで勉強することも多い業界ではありますが、取り組み甲斐があり、社会に高い価値をもたらす仕事であることは間違いないでしょう。
コンサルタント業に適正がある人
コンサルタント業に適性がある人は、以下の5つの基準を満たしているかどうかでしょう。1つでも欠けていると適正があるとは言えず、入社後にトレーニングや勉強を積む必要が出てきます。
- 体力がある
- ロジカルに物事を考えられる
- 成果・結果主義
- 勤勉
- ポジティブ思考
体力が必要な理由は、コンサルタントの業務はハードであり、長時間でかつ膨大な量の業務をこなす必要があるからです。さらに業務外での勉強などの必要もあり、時代背景などに合わせて新たな知識やスキームを取り入れ、常に自身をアップデートしていくことが必須だからですね。
ロジカル思考が必要な理由は、コンサルタントはデータや情報を収集し、数字を見て状況を判断したり、結果から逆算して工程を組み立てていくなど、理屈を伴った戦略を練るのが業務の根幹を支えているからです。また、クライアントや同僚に説明したりプレゼンをする際にも、説得力のある論理を用意する必要があるためですね。
成果・結果主義が必要な理由は、クライアントの利益を第一に考えて業務にあたるためです。当たり前ですが、コンサルタントを依頼してきたクライアントは、問題や課題の解決を望んでおり、その先にある利益を得ることを目的としています。コンサルタントである以上、クライアントの目的を達成させてあげることが使命であり、そこに向かって全てを注力する思考を持っているかどうかは適正において重要な素養になるでしょう。
勤勉さが必要な理由は、体力の項目でも解説した通り、時代背景や状況に合わせて、新しい知識・スキーム・能力を獲得していく必要があるからです。特にテクノロジーの急速な進歩が目覚ましい昨今では、ビジネスにおいても、半年前に通用したやり方がアップデートされてしまっているなど、常識が日進月歩で変化しているのが当たり前です。時代の変化に対応するためにも、勤勉さは必須の素養であると言えますね。
ポジティブ思考が必要な理由は、とてもハードな業務であることはもちろん、重大な責任を伴う企業の経営方針にタッチしたり、計算ミスが許されない金融関係のサポートをしたりと、心理的な負担となる仕事が避けられないからですね。また、クライアントとの意見の相違やトラブルなども想定され、小さな摩擦に引きずられてしまうメンタリティでは身が持たないのがコンサルタント業界でしょう。常に現状をポジティブにとらえ、問題解決を第一に行動できる思考を持っているかどうかも、コンサルタントの適性には必要になってきます。
コンサルタント業へ転職した方の声
この項目では、実際にコンサルタント業へ転職した方の感想や意見を引用し、参考にしていきましょう。
環境が変わると、慣れないことで四苦八苦することも多い。
けど、自分のレベルが上がっている感覚が持てているのが、心地よい。不安をそっと隣において、環境を変えたのは良かった。
コンサルタントになり、大変な業務をこなしながらも日々精進し、自身の成長と充実感を得ている方の意見ですね。コンサルタント業はハードで激務ではありますが、他の業界では得ることが難しい知識や経験、結果がダイレクトに収入に直結する構造など、挑戦する仕事としては最高の業界と言えます。
こちらは人生の大先輩の方で、コンサルタント業をし始めた頃のことを書かれています。十数年間、国際物流の現場でしっかりと能力と知識を身に着け、結果を出せる人材になったからこそ、コンサルタントとして起用していただけるようになったんですね。実力・結果主義の世界であることがわかるエピソードでしょう。
コンサルタント業への転職は実力に見合った条件を選ぶ
現在のコンサルティング業界は求人倍率が高まり、売り手市場になっています。オファー金額もコンサルティングファーム同士で競うように高騰し、同業者の転職だけでなく、未経験での挑戦でも前職より年収がアップすることが当たり前になっていますね。
しかし、コンサルティング業界は徹底して実力と結果主義の世界です。能力に見合っていない職位(役職)に就き、高い年収を貰ってしまったがため、クライアントやファームの期待に応えられずに、途中で心折れてドロップアウトしてしまう方が次々に生まれてしまっているのも事実です。
コンサルティングファームに転職する際は、成長と継続の両方の観点からも、まずは今の自分の力に見合った職位(役職)で入社し、適正額の年収でオファーを受けることが鉄則です。年収は実力を身に着け、職位(役職)を上げてステップアップするように増やしていくのが望ましいんですね。
転職エージェントを活用する
コンサルティング会社への転職は難易度が高く、今までの経験や実績、提供できるスキルを聞かれますし、論理的な話し方なども見られます。
そのため、個人で転職の準備をするよりも、転職活動のプロから客観的な意見をもらい、転職先の斡旋や面接対策などをしてもらうのがおすすめです。
転職エージェントは、自ら転職先を探す転職サイトと異なり、転職希望者1人ひとりに担当者がつき、希望条件や経験、スキルを考慮して最適な求人企業を提案してくれるサービスです。
コンサルティング会社のような難易度の高い転職を目指す際に、少しでも転職の成功確率を上げるためにも転職エージェントを活用してみましょう。
転職が確約されるものではありませんが、自分では探せない求人を紹介してもらえたり、さまざまなサポートを受けられたりと、転職の可能性が高まります。
具体的には、以下のようなサポートを受けられます。(※転職エージェントによってサポート内容は異なります。)
- スキルや経験、キャリアからおすすめの求人情報の紹介
- 非公開求人の紹介
- 面接対策
- 履歴書の添削
- 面接日時の設定
- 給与の交渉 など
転職エージェントは基本的に無料で利用できるので、コンサルティング会社への転職を考えた方はぜひ活用してみてください。
コンサルタント業におすすめの転職エージェント
ここからは、コンサルタント業へ転職する、もしくは就職する際に活用できる転職エージェント・サイトを6つ紹介します。
転職エージェント毎に掲載求人の特色・傾向が違っていますので、参考にして頂ければと思います。
ビズリーチ
ハイクラス専門の転職エージェントである「ビズリーチ」は、有名コンサルティングファームからのヘッドハンティングやスカウト、高額なオファー金額を提示する企業が多く登録しています。
掲載求人の最低年収は600万円で、主に優れた経歴と実績を持つ転職者が利用しています。コンサルティングファームの求人も数多く掲載されており、オールジャンルのコンサルティング求人に対応しているのも魅力でしょう。
また、役職付きの求人も多く掲載されており、前職の役職・実績に応じたポジションを提示してもらえるのも良い点と言えます。掲載されていない企業からオファーが届く場合もあり、ハイクラスの転職希望者であれば登録しておいて損はありません。
JAC Recruitment
出典:JACリクルートメント
掲載されている企業の60%が外資系企業で、海外にも拠点を置いている「JAC Recruitment」は、コンサルティングファームへの転職実績が豊富な転職エージェントです。
外資系企業の豊富さからコンサルティングファームの求人も多く、30代の転職者が多く利用しているため、30代以降に向けた求人が多いのが特徴ですね。
オファー金額が高めの設定の求人を数多く掲載しており、掲載企業がポジションを複数用意してくれているため、前職での役職や実績を考慮した、希望に沿う形の転職が可能な点も魅力でしょう。
リクルートエージェント
約33,000件もの求人数を誇り、転職成功の実績も業界トップ、日本で一番大きな転職エージェントが「リクルートエージェント」です。公開求人の数倍もある非公開求人の数が魅力で、関連オファーが届きやすいのも特徴でしょう。
コンサルティングファームの知見を持った専属アドバイザーが在籍しており、転職希望者からヒアリングし的確な助言をしてくれるため、求めている条件や業務のコンサルティングファームにマッチしやすいのも良い点ですね。
転職エージェント屈指の求人数、面接対策などのサポート、アプリ上で簡易的に完結するスムーズな進行といった使いやすさの面から、どの転職エージェントを利用しようか迷っている方にはとりあえず「リクルートエージェント」がおすすめです。
アクシスコンサルティング
有名企業への転職成功例が豊富で、大手ITコンサルティングファームへの紹介実績など、キャリアアップや年収を上げたい方におすすめできる転職エージェントが「アクシスコンサルティング」です。
特徴的な部分が、コンサルタント未経験者のコンサルティングファームへの転職のサポートに力を入れている点です。SEとして数年経験を積んだ方がITコンサルティングファームへ転職成功するなど、未経験でのコンサルタント業への挑戦をアシストしてくれていますね。
未経験からコンサルタント業への転職だけでなく、大手企業へ転職したい方、上流工程に移行したい方など、賃金・待遇面でより理想的な職場環境にキャリアアップしたい方に活用してもらいたい転職エージェントでしょう。
アンテロープ
出典:アンテロープ
コンサルティングファームの紹介や、金融、会計業界の求人を主に掲載している転職エージェントが「アンテロープ」です。会計や財務といった金融の専門知識を豊富に持つアドバイザーが在籍しており、会計コンサルタントなどへの転職については特化していると言えます。
入社後に転職者をフォローする「スタートアップ・コーチング」サービスや、新たな職場環境への適応をサポートする「ソフトランディング支援」、パフォーマンス向上をアシストしてくれる「ハイパフォーマンス支援」など、転職後の支援体勢が整っているのも魅力的ですね。
アセットマネジメントやM&Aアドバイザリーといった専門分野をカバーする知識を持つアドバイザーがいるため、金融関連における各領域での専門性が高く、お金を扱う仕事に就きたい方であれば「アンテロープ」が活用先の筆頭となる転職エージェントでしょう。
クライス&カンパニー
出典:クライス&カンパニー
ハイクラスの転職に特化し、26年間の実績の中で築き上げた企業との太い繋がりが魅力の転職エージェントが「クライス&カンパニー」です。コンサルティングファームの求人も掲載されており、大手企業を相手取った組織人事コンサルティングファームなど、ハイクラスの仕事への転職を希望している方におすすめできます。
「クライス&カンパニー」に在籍する転職コンサルタントは、中長期のキャリア形成を見越した転職を提案してくれるため、数年後の姿をしっかりとイメージしつつ、現在の転職活動と転職後の仕事に取組むことができる点も魅力でしょう。
「いつかは転職してみたい」といった方のサポートも行っているため、何となくの段階でも相談を受け付けているのもありがたいですね。「今後の人生について」といった、根本的な部分から転職先を選ぶことができますので、ハイクラスのキャリア形成に悩んでいる方であれば、一度相談してみて欲しい転職エージェントです。
まとめ
以上、本記事ではコンサルタントの年収について、業種・外資・国内外別に解説しました。
コンサルタントの年収は、コンサルティングファーム勤務であれば平均的には大手企業のサラリーマンと同額程度であり、さらに職位(役職)と言われるポジションによって変化することをお伝えしましたね。
また、外資系の例としてお伝えしたアメリカのコンサルティングファームは国内のファームより年収が高く、アメリカ本土ではIT業界を抜いて高収入と呼ばれる仕事であることもお分かりいただけたでしょう。
コンサルティング業界は徹底した実力・結果主義の世界なのが理由であり、ハードな業務とトレードするように年収が高く設定されており、成長意欲の高い方、年収を上げることに貪欲な方にはもってこいの業界だと言えます。
本記事を参考に、志を持ってコンサルティング業界への就職・転職に挑戦していただける方がいらっしゃれば幸いです。
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