リクルートの年収│年齢別・職位別年収や転職のポイント

執筆者:高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身。11,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。55社以上の投資、7社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。165社上場支援実績あり。バングラデシュで不動産会社、商業銀行の設立からの株主、渋谷のバーのオーナーなど。

リクルートは求人広告事業からITソリューション事業まで、幅広い事業を展開する事業会社です。

リクルートのサービスである「リクナビ」や「SUUMO」は有名であり、リクルートという会社を知っている方は多いです。しかし、平均年収やリクルートへの転職については詳しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。

そこでこの記事では、高収入と言われるリクルートの年収や転職情報を解説していきます。

目次

リクルートの年収

2022年3月現在のリクルートの平均年収は、997万円です。

日本人の平均年収は433万円程度であり、一般的な水準からしてもリクルートはかなりの高年収であると言えます。

下の表はリクルートが発表している有価証券報告書で示されている、平均年収の推移です。

年月 平均年収
2018年3月 958万円
2019年3月 962万円
2020年3月 964万円
2021年3月 950万円
2022年3月 997万円

リクルート全体の業績が下がった2021年には一時的に平均年収が減少していますが、概ね平均年収は増加傾向にあります。この背景には、近年、リクルートの事業のひとつであるIndeedなどが好調であることが挙げられ、今後もこの増加傾向は続くと思われます。

尚、この平均年収は総合職と一般職を合算したものです。そのため、総合職の場合には1000万円程度の更なる高年収となることが予想されます。

リクルートの年収【年齢別】

リクルートの年収は年齢があがるごとに、上がっていきます。

下の表はOpenworkに掲載されている、リクルート社員の年齢別の平均年収です。

年齢 平均年収
25歳 591万円
30歳 746万円
35歳 930万円
40歳 967万円

リクルートは基本的に実力主義の色が強く、年齢が若い社員でも結果さえ残すことができれば、年収が上がりやすくなります。表で、年齢が上がるほどに年収が上がっているのは、チームリーダーやマネージャー、部長といった社内の役職に就く割合が高くなっているためです。

また、リクルートでは、若い年齢で退職して独立する社員も多く、社内でも彼らを「卒業生」といって応援する動きがあります。そのため、50−60代まで長い間リクルートに勤め上げる社員は少なくなります。

リクルートの年収【職位別】

リクルートでは、年齢に関わらず、職位が高い場合には高い年収を得ることができます。

下の表はリクルートの職位ごとの年収になっています。

メンバー 500−550万円
チームリーダー 700−900万円
グループマネージャー 1000−1200万円
部長 1300−2000万円

リクルートの「マネージャー」は一般的な事業会社の課長相当の職位です。リクルートでは、チームリーダーまでは比較的年齢に応じて昇進し、昇給することができます。

しかし、マネージャー以降では年次よりも、成果がより重視されます。そのため、若い優秀な社員がマネージャーになることも珍しくなく、早い人では28歳ごろから昇進の可能性があります。

リクルートの年収【手取り】

リクルートの平均年収997万円の手取りは、約714万円です。

手取りとは、給与・賞与の支払金額から、税金と保険料などが引かれ、実際に受け取ることができる金額を指します。年収997万円の場合、支払金額から以下の金額が引かれます。

住民税 62万円
所得税 79.7万円
健康保険料 49.7万円
厚生年金保険料 87.1万円
雇用保険料 4.99万円
合計 約283万円

つまり、年収997万円-約283万円で手取りは約714万円となります。

ただし、扶養控除や生命保険料・地震保険料の控除などによって住民税と所得税の金額が低くなる場合は、手取りの金額は増加します。また、前述のとおり平均年収997万円は総合職と一般職を合算した金額なので、総合職の場合はより手取り金額が増えるでしょう。

リクルート年収ランキング【他社比較】

リクルートの年収は人材業界の中で、第一位となっています。

下の表は人材業界の主な企業の有価証券報告書で示されている平均年収(2022年)です。

会社 平均年収
リクルート 997万円
パーソルHD 730万円
パソナグループ 619万円
アルプス技研 505万円
メイテック 500万円

人材業界で最も高い水準の年収であるリクルートでは、成果へのプレッシャーが強いです。そして、こうした高プレッシャーでありながらも高年収であるリクルートは転職市場においても非常に人気の会社となっています。

尚、上記の表に掲載されている企業は、それぞれリクルートと展開している事業内容が異なります。そのため、より詳細な年収事情を知りたい方はそれぞれの企業について調べるようにしましょう。

リクルートのボーナス

リクルートの募集要項には、ボーナスは年2回、6月と12月に支給されると記載があります。金額については公式の情報はありません。

Openworkに投稿されている2023年1月~2023年4月の口コミ50件によると、事務職を除く年間のボーナスの平均金額は約120万円でした。最高額は540万円、最低額は20万円です。

グレードによって変動するため、幅が大きいようです。評価されたときの上がり幅が大きいため、やりがいを感じられるという声もあります。

リクルートの残業代

同じくOpenworkの2023年1月~2023年4月の口コミのうち、残業代に関するものは24件あり、月の残業代の平均は約6万円でした。最高額は20万円です。

リクルートではどの職種でも基本的に35時間分の固定残業代が支給されます。超過した分に関しては、超過勤務手当が支給されますが、Openworkによると月の平均残業時間が39.6時間のため、大幅に超過することは少ないようです。

リクルートの評価制度

リクルートでは実力成果主義が取り入れられており、成果によって給与が変わる仕組みです。そのため、年齢は関係なく成果を出し続ければ昇給・昇格ができ、成果が出せなければ減給や降格もありえます。

リクルートの評価制度である「ミッショングレード制度」と「インセンティブ制度」について、詳しく解説します。

ミッショングレード制度

ミッショングレード制度とは、本人の能力と会社からの期待値によって、職務と報酬が決定する制度です。

年齢や社歴に関わらず、個人の能力と期待値が大きければ、高いミッショングレードが設定され、報酬も高くなります。

インセンティブ制度

インセンティブ制度は、あらかじめ設定されている目標を達成した場合に報酬がもらえる制度です。

担当部署によって、インセンティブの内容や目標設定期間が異なります。営業であれば、1ヶ月や3ヶ月で設定された目標に対する達成度で、インセンティブの有無が発生します。

リクルートへの転職難易度

この記事を読んでいる人のなかにも、リクルートへの転職を視野に入れている人も多いでしょう。

リクルートへ入社を希望するのは、新卒だけではなく中途入社も多いです。希望者が多いので入社へのハードルが高いことも想定されます。そのため、転職対策は念入りに行う必要があります。

リクルートへの転職は難しい

リクルートへの転職は、難易度が高く難しいといえます。

リクルートは面接が厳しいことで有名で、転職希望者がリクルートに対してどのように貢献できるのか、熱意はあるのかなどの質問で、適正人材かを判断するようです。

企業研究をしっかり行い、リクルートに対する熱意や貢献できるスキルや経験の提示、入社後のキャリアプランなどを伝える準備は必須でしょう。

ちなみにリクルートは、一度不採用になると再び求人応募ができない仕組みです。面接の質問への受け答えで、リクルートに向いていないと判断された場合、その時点で選考が終了し不合格になる可能性が高いでしょう。リクルートに入社したいのであれば、十分な準備と対策が必要です。

ぜひ、あとで紹介する転職を成功させるポイントを参考にしてください。

リクルートの選考

リクルートが公開している選考フローは、以下の通りです。

  1. エントリーシートの提出
  2. テスト受検(SPI)
  3. 書類選考
  4. 複数回の面接
  5. 内々定

リクルートの選考フローは、他企業と大きな違いはありません。

SPIや書類選考で落とされてしまうと面接までいけないので、履歴書などの作り込みもしっかり行いましょう。そして、面接での応答や本人の印象が合否に大きく影響するので、面接対策として自己分析や企業分析、将来のキャリアプランの明確化などは必須です。

複数回の面接では、人事担当者からの面接で始まって、マネージャークラス、事業部長、役員などの役職者も出てくることが予想されるので、さまざまな質問を想定して準備しておきましょう。

リクルートの求人情報の確認方法

リクルートの求人情報の確認は、以下の方法で行います。

  • リクルートの公式サイトで確認する
  • 転職エージェントから紹介してもらう

検索エンジンで「リクルート 採用」と検索すると、「採用情報|株式会社リクルート」とヒットします。

▶︎採用情報|株式会社リクルート

2023年3月時点では、2024年度に向けた新卒採用と300件以上の中途採用の募集がありました。募集内容を確認して、自身のやりたい仕事や叶えたいキャリアプランをもとに仕事を探してみてください。

転職エージェントでは、一般公開されていない募集情報を提供してもらえる可能性があります。また、転職希望者一人ひとりに専属のエージェントがサポートしてくれるところも多く、転職への悩みや書類・面接対策も行えます。

転職難易度の高いリクルートだからこそ、転職エージェントを活用して、転職の成功確率を高める方法がおすすめです。

リクルートの事業領域・職種

リクルートの事業は、販促領域と人材領域の2つに分類されます。

販促領域には、住宅、美容、結婚、旅行、飲食などの分野があります。「スーモ」や、「ホットペッパービューティー」、「じゃらん」、「ホットペッパーグルメ」などの聞きなじみのあるプラットフォームを展開しています。

人材領域には、新卒採用、パート・アルバイト・社員採用、中途社員採用、中途採用人材紹介などがあります。こちらも「リクナビ」や「タウンワーク」など誰もが一度は耳にしたことがあるようなサービスです。

これらの幅広い事業領域における職種が細かく分かれています。営業やソリューション営業、マーケティングからエンジニアまで多岐に渡り、2023年5月時点で募集中の職種は237件にも上ります。

リクルートへの転職を考える場合、自身の希望や能力に合った職種を見つけやすいでしょう。

リクルートの福利厚生

リクルートの福利厚生は非常に充実しています。

特に年間休日が145日と他の大手企業と比較しても多いのが特徴です。土曜・日曜・祝日に加え有給休暇のほか、自由に取得できる休日が設けられています。出産育児休暇や、家族やペットのケアの際に使用できるケア休暇、在籍3年ごとに1度取得できるSTEP休暇という長期休暇もあります。

提携保育園や病児保育利用サポートなど、子育てとの両立を支援する制度も充実しています。

さらに、時代に合わせた柔軟な働き方ができる制度も整っています。一部の職種を除いて、理由や回数の制限がなくリモートワークを行うことができるようです。

リクルートは福利厚生が十分に整っており、個人の事情や生活スタイルに合わせて働きやすい環境といえるでしょう。

リクルートへの転職を成功させるポイント4つ

リクルートへの転職を成功させるポイントは、以下の4つです。

  • 企業側の採用目的を把握している
  • スキルや経験の棚卸しをする
  • SPI対策を行う
  • 転職エージェントを利用する

それぞれ詳しく解説します。

企業側の採用目的を把握している

企業の採用ニーズを把握していると、理想の転職を実現しやすくなります。

企業はやみくもに採用活動をしているのではなく、採用ニーズに基づいた人材を積極的に雇用したい背景があるからです。

例えば、企業研究を徹底し、自分の保有しているスキルを活かせる求人に応募することで、通常の採用率が高めになります。

リクルートでも当然、自社のニーズに適した人材かを見極めています。例えば、以下の内容はリクルート中途採用のマーケティングポジションでの採用画面です。

赤枠で囲っている応募条件や応募要件をしっかり確認すると、リクルートがどのような人材を必要としているかが分かります。

多少の時間をかけても十分に企業研究に取り組むことで、転職の成功確率も上がりますし、自分自身の転職への熱意も高まるでしょう。

スキルや経験の棚卸しをする

企業は、転職希望者がどのようなスキルを身につけており、今までどのような経験を積んできているかが気になります。そして、その経験をもとに自社に対して何ができるのかを聞きたいわけです。

そのため、前職での具体的な業務内容・ポジション・保持する能力やスキル(資格なども含め)を人事担当に示し、「すぐに御社に貢献できる」といった趣旨のアピールは必須でしょう。

面接できちんと答えられるように、事前にスキルや経験の棚卸しをしておきます。

SPI対策を行う

リクルートではSPIが実施されるため対策が必須です。

SPIとは、リクルートマネジメントソリューションズが開発した適性検査で、「性格検査」と「能力検査」の2つを受けることになります。

「性格検査」は複数の質問から、人柄や仕事の向き不向きを診断するものです。性格検査のみで合否が判断されることは考えにくいですが、重要な要素の一つではあります。

「能力検査」は「言語分野」と「非言語分野」の2種類に分類されます。「言語分野」は国語のような問題で、「非言語分野」は算数や数学のような問題です。

問題自体は義務教育レベルであり、過去に受験したことがある人もいると思いますが、とにかくスピードが求められるため、受験の直前に問題集を解くなどで対策を行うことをおすすめします。

転職エージェントを利用する

転職エージェントを利用すると、転職希望者一人ひとりに担当者がつき、転職活動に関してさまざまなサポートをしてくれます。

具体的には以下のようなサポートがあります。(※転職エージェントによってサポート内容は異なります。)

  • スキルや経験、キャリアからおすすめの求人情報の紹介
  • 非公開求人の紹介
  • 面接対策
  • 履歴書の添削
  • 面接日時の設定
  • 給与の交渉 など

特にリクルートへの転職のように、難易度の高い転職活動を行う場合は、転職市場に詳しいエージェントと対策するのがおすすめです。

転職エージェントは基本的に無料で利用できるので、本気でリクルートへの転職を目指したい人は、ぜひ活用してみてください。

リクルートへの転職でおすすめの転職エージェント3選

リクルートへの転職でおすすめの転職エージェントは、以下の3つです。

  • リクルートエージェント
  • doda
  • パソナキャリア

それぞれ詳しく解説します。

リクルートエージェント

求人数国内最大級の転職サービス|リクルートエージェント
dodaの公式サイトキャプチャ
  • リクルート運営で安心の転職エージェント
  • 完全無料で利用可能
  • 国内最大級の求人数
  • 専門コンサルタントが転職サポート!
  • 年収や条件の交渉もできる!
評価 企業群 種類
★★★★★ 大手企業 エージェント

\リクルートの転職サービス/

リクルートエージェント公式

おすすめの転職エージェントとしてまずあげられるのが、リクルートエージェントです。

リクルートエージェントは、求人数の多さが特徴の転職エージェントで、「リクルート」に関する求人も2023年4月7日時点で17,000件以上あります。

勤務地や職種を絞るとより細かく希望通りの求人が見つかるのではないでしょうか。

非公開求人の紹介も期待できそうなので、リクルートへの転職を考えたら、まず利用しておきたい転職エージェントです。

doda

王道の転職エージェント|doda
dodaの公式サイトキャプチャ
  • 経験豊富な転職エージェントが多数在籍
  • 完全無料で利用可能
  • 業界最大級の求人数あり
  • 転職活動の手続き代行も
  • プロによる選考対策のサポート
評価 企業群 種類
★★★★★ 大手〜ベンチャー エージェント

\転職エージェントの王道/

doda公式

リクルートへの転職を考えた場合は、dodaの利用もおすすめです。

dodaはリクルートエージェントと並んで、日本の人材業界を代表する大手転職エージェントです。

リクルートの公開求人は2023年4月時点で1,400以上です。

公開求人で1,000以上の求人がヒットするので、希望の職種への転職案件が見つかる可能性が高いでしょう。

求人数こそはリクルートエージェントに劣るものの、dodaならではの診断・書類作成ツールが充実しており、初めての転職活動でも安心して取り組めるでしょう。

パソナキャリア

出典:パソナキャリア

年収アップを叶えたい人には、パソナキャリアの利用がおすすめです。

パソナキャリアは一部上場企業としても有名な「株式会社パソナ」が運営している転職エージェントです。

気になるリクルートの求人数は2023年4月時点で以下の通りです。

リクルートエージェントやdodaに比べると求人の数は少ないですが、掲載されている求人は高年収のものが多い傾向にあります。

パソナキャリアの最大の特徴は、転職後の年収アップ率が67.1%と高いことです。そのため、リクルートでの求人も転職後に年収アップが期待できるでしょう。

ただし、リクルート側からの期待値が大きくなることが予測されます。現職のキャリアアップとして、しっかりとした計画のもと転職を進められる人にはおすすめのエージェントです。

まとめ

今回は、リクルートの年収について解説しました。

リクルートでは、「ミッショングレード制度」と「インセンティブ制度」を取り入れており、成果を出せば出すほど高収入を得られる企業です。

ただし、転職の難易度は高い傾向にあるので、自己分析と企業分析、そして明確なキャリアプランを提示できるようにする必要があるでしょう。

転職活動を成功させるためにも転職エージェントの利用もおすすめします。

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