UIターン転職・地方移住の完全ガイド【2026年最新】年収データ・移住支援金最大100万円・地方スタートアップ求人・後悔しない進め方を高野秀敏が解説

執筆者:高野秀敏
株式会社キープレイヤーズ/代表取締役
東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、12,000人以上のキャリア面談、4,000人以上の経営者と採用相談にのる。80社以上の投資、9社上場経験あり、2社役員で上場、クラウドワークス、メドレー。178社上場支援実績あり。顧問、アドバイザー、社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数100回以上。「ベンチャーの作法」ダイヤモンド社5万部を超えるベストセラー

こんにちは、キープレイヤーズ代表の高野秀敏です。リクルートを経て2005年に独立し、約25年にわたってベンチャー・スタートアップの転職支援をしてきました。もともとは東京の求人が中心でしたが、ここ数年で明らかに増えた相談があります。「地元に戻りたい」「東京以外で働きたい」というご相談です。

そして毎回、同じところでつまずく方を見てきました。「移住」の話ばかり調べて、「転職」の話を後回しにしてしまうことです。住む場所は探せば見つかります。難しいのは、その土地で自分の経験に値段がつく仕事があるかどうかです。ここを詰めずに動いた方は、2年以内に「やっぱり東京に戻ります」と相談に来られることが多い。

この記事では、UIターン転職を「移住のノウハウ」ではなく「キャリアの意思決定」として扱います。2026年時点の実データ(UIターン比率36%、平均年収413.4万円、満足度64.3%)をもとに、年収がどれだけ下がるのか、生活コストでどこまで取り戻せるのか、移住支援金はいくら出るのか、地方でどんな求人が増えているのか、そして失敗する人の共通点まで、忖度なくお伝えします。

年収そのものの考え方は年収・手取りガイド、年代別の動き方は年齢別転職ガイドとあわせてお読みください。

この記事でわかること

  • Uターン・Iターン・Jターンの違いと、それぞれの難易度
  • 2026年のUIターン市場データ(UIターン比率22%→36%/満足度64.3%)
  • 年収は実際にいくら下がるのか(平均413.4万円・約80万円ダウンの中身)
  • 生活コストで年収ダウンをどこまで取り戻せるかの試算
  • 移住支援金・起業支援金の金額と要件(最大100万円+子育て加算)
  • 地方で求人が増えている6分野と、地方スタートアップの現在地
  • UIターンのメリット8つ・デメリット7つ
  • 向いている人・向いていない人
  • 後悔しないための7ステップ(在職中にやるべき順番)
  • 失敗する6パターンと、20代〜50代の年代別戦略・FAQ10問
目次

今回のキャリア相談

相談者:高野さん、36歳・都内のIT企業で企画職、年収680万円です。妻の実家が九州で、そろそろ地元に戻ろうかと話しています。ただ調べるほど「地方は年収が200万円下がる」「仕事がない」という情報ばかりで不安です。実際のところ、どうなのでしょうか。

高野の回答:「年収が下がる」は半分正しく、半分は古い情報です。データを見ると、UIターン転職者の平均年収は413.4万円で、転職前から約80万円のダウン。ただし同じ調査で、年収800万円以上の層の割合は4%から7%に増えています。つまり「全員が下がる」のではなく、「下がる人」と「下がらない人」に分かれ始めているということです。

そして、下がらない人には共通点があります。移住先で職を探すのではなく、今の職種の需要が地方にもある状態を作ってから動いていることです。あなたの場合、IT企画職は九州(特に福岡)で需要があります。まずやるべきは物件探しではなく、福岡の求人票を10件読むことです。順番に説明します。

まず整理:Uターン・Iターン・Jターンの違い

種類 意味 強み 難易度
Uターン 地方出身者が都市圏で就職し、地元へ戻る 土地勘・人脈・実家がある。企業側も「定着する」と見る 低〜中
Iターン 都市圏出身者が、縁のない地方へ移住する 住む場所を自由に選べる。支援制度も使いやすい 高(定着意思を疑われやすい)
Jターン 地方出身者が、地元近くの中核都市へ移る 求人量と生活環境のバランスが最も良い

私が一番おすすめすることが多いのはJターンです。実家からは車で1時間圏内、しかし仕事は県庁所在地クラスの都市で探せる。求人量が確保できるうえに、親の介護など本来の目的も果たせます。「地元の町に戻る」と決め打ちすると、求人が一気に減ります。

2026年のUIターン市場データ

指標 数値 出典 読み方
UIターン転職比率 22%→36% エンリージョン 2026年版UIターン転職動向 1年で14ポイント増。地方企業が都市部人材の受け入れを積極化
移住相談件数 年間7万件超(過去最多) ふるさと回帰支援センター 2025年 「考えている人」は急増している
移住希望地ランキング 1位 群馬/2位 栃木/3位 長野 同上(2025年) 都内通勤圏が上位。「完全な地方移住」ばかりではない
UIターン転職者の平均年収 413.4万円(前職から約80万円減) マイナビ 地方移住転職に関する調査 平均では下がる。ただし分布に注意
年収800万円以上の割合 4%→7% 同上 高年収帯は増加。「地方=必ず下がる」は崩れ始めた
移住転職の満足度 64.3%が「良かった」(「良くなかった」15.5%) 同上 6割超が肯定。ただし約6人に1人は後悔している
最大の不満・苦労 仕事の選択肢の少なさ 同上 住環境ではなく「求人量」がボトルネック
都道府県の年収格差 最上位と最下位で約230万円の差 都道府県別平均年収ランキング各種(2026年) 「地方」で一括りにできない。県によって別世界

この表で一番読んでほしいのは、最後の「約230万円の差」です。地方といっても、県によって年収水準はまったく違います。「地方に行くと年収が下がる」ではなく「どの県のどの産業に行くかで決まる」のが実態です。

年収は本当に下がるのか:生活コストで取り戻せる範囲を試算する

年収80万円ダウンという数字だけを見ると、多くの方が尻込みします。ただ、比べるべきは額面ではなく「可処分所得−固定費」です。私が相談者と一緒によく作る試算がこれです。

項目 東京(例) 地方中核都市(例) 差(年間)
額面年収 680万円 600万円 −80万円
家賃・住居費(3LDK想定) 月20万円 月11万円 +108万円
駐車場・自動車維持(2台想定) 0円(車なし) 月4.5万円 −54万円
保育・教育(塾・習い事) 月4万円 月2.5万円 +18万円
移住支援金(初年度のみ) 世帯100万円+子育て加算 +100万円〜
初年度の実質差 +92万円
2年目以降の実質差 −8万円(ほぼ互角)

※金額はあくまで一例です。実際の家賃・車の必要台数・支援金の有無は自治体と物件で大きく変わります。

この試算で言いたいのは、「年収80万円ダウンは、住居費の差でほぼ相殺できる水準」だということです。ただし条件があります。車が2台必要になる地域では、年間50万円前後のコストが乗ること。ここを見落として「地方は安い」と考えると、家計が想定より苦しくなります。

そしてもう一点、必ず確認してください。住宅ローンを組む予定がある方は、転職のタイミングで審査が通りにくくなります。順番を間違えると詰みます。転職と住宅ローンの関係を先に読んでおいてください。

移住支援金・起業支援金:金額と要件

国と自治体による「地方創生移住支援事業」があります。東京圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)から対象地域へ移住し、要件を満たすと支給されます。

制度 金額の目安 主な要件
移住支援金(単身) 最大60万円 東京圏からの移住、対象求人への就業/テレワーク継続/起業のいずれか
移住支援金(2人以上世帯) 最大100万円 同上。世帯全員での移住が条件
子育て加算 18歳未満の子1人あたり30〜100万円 自治体により金額が異なる。加算がない自治体もある
起業支援金 最大200万円 地域課題解決型の起業。都道府県の審査あり
併用時 最大300万円超 移住支援金+起業支援金+子育て加算の組み合わせ
支援金で必ず注意すべき3点

  • 「対象求人」からの就職でないと出ない場合がある——各県のマッチングサイトに掲載された求人が条件になっていることが多い。良い会社でも掲載がなければ対象外です
  • 5年以内に転出すると返還義務がある——多くの自治体で全額返還。合わなかったから1年で戻る、が高くつきます
  • 年度ごとに制度が変わる——金額も要件も自治体単位で変わります。必ず移住先の市町村に直接確認してください

正直に言えば、支援金を目的に移住先を決めるのは順番が逆です。100万円は1年分の家賃差程度でしかありません。仕事とキャリアで選んだ結果、たまたま支援金が使えるならラッキー、くらいの位置づけが健全です。

地方で求人が増えている6分野

「地方には仕事がない」は、業界を絞れば正しくありません。私が見ている範囲で、地方の求人が明確に増えているのは次の6分野です。

分野 背景 主な地域 年収目安
半導体・製造装置 工場新設に伴う技術者・生産管理・調達の大量採用 熊本・北海道・宮城・三重 500〜900万円
地方スタートアップ スタートアップ・エコシステム拠点都市の整備で調達環境が改善 福岡・札幌・仙台・広島・北九州 400〜800万円+SO
製造業の中核ポジション 技術継承が進まず、経験者の中途採用に頼らざるを得ない 全国(特に中部・北陸) 500〜850万円
医療・介護・ヘルスケア 高齢化により需要が構造的に増加。管理者層が不足 全国 400〜700万円
地方企業のDX・情シス IT人材が社内に1人もいない中堅企業が非常に多い 全国 450〜750万円
事業承継・後継幹部 経営者の高齢化で、番頭役・次期経営者の招聘ニーズが拡大 全国 600〜1,200万円

地方スタートアップについて補足します。内閣府のスタートアップ・エコシステム拠点都市として、グローバル拠点都市に東京、愛知・名古屋、大阪・京都・兵庫神戸、福岡が、推進拠点都市に札幌・北海道、仙台、広島、北九州が選定されています。オンライン化が進んだことで、地方にいながら首都圏・海外のVCとつながって資金調達をする企業が明確に増えました。10年前とはまったく状況が違います。

特に注目してほしいのが最後の「事業承継・後継幹部」です。地方の優良企業で後継者が不在という案件は非常に多く、東京で経営企画・財務・営業マネジメントを積んだ方が、役員待遇で迎えられて年収が上がるケースがあります。これがまさに、UIターンで年収800万円以上の層が増えている中身のひとつです。CxO・幹部としての移り方はCXO転職ガイドにまとめています。

UIターン転職のメリット8つ

  • 住居費が劇的に下がる——同じ広さで家賃が半分近くになる地域が多く、年間100万円規模の差が出る
  • 通勤時間が減る——往復2時間が30分になれば、年間350時間以上が戻ってくる
  • 実家の近くで親を支えられる——介護が始まってから動くより、始まる前に動くほうが選択肢が広い
  • 子育て環境と保育の入りやすさ——待機児童の状況は都市部より緩やかな自治体が多い
  • 相対的な希少性が上がる——都市部では普通のスキルが、地方では代えのきかない能力になる
  • ポジションが上がりやすい——同じ実力でも、より上の役職・裁量を任されやすい
  • 支援金・住宅補助が使える——移住支援金に加え、自治体独自の住宅取得補助がある地域も多い
  • 経営層との距離が近い——地方の中堅企業では、社長と直接仕事をする機会が格段に増える

UIターン転職のデメリット・注意点7つ

  • 求人の絶対数が少ない——満足度調査でも最大の不満は「仕事の選択肢の少なさ」。合わなかったときの再転職が難しい
  • 年収は平均で約80万円下がる——職種を維持できない場合、下げ幅はさらに大きくなる
  • 車が必須になり、固定費が増える——世帯2台なら年間50万円前後。住居費の差を食う
  • 配偶者の仕事が見つからないリスク——本人だけ決まって家族が決まらず破談、が非常に多い
  • 企業文化のギャップ——意思決定の速度、IT化の度合い、働き方が都市部と違うことがある
  • 支援金の返還義務——5年以内の転出で返還を求められる自治体が多い
  • 「スローライフ」は思い込みであることが多い——地方の中核ポジションほど、業務範囲が広く忙しい

最後の点は強調しておきます。「地方に行けばゆっくり働ける」と考えているなら、それはほぼ幻想です。むしろ人手が足りないぶん、1人が担う範囲は広くなります。ゆっくり働きたいのであれば、それは移住ではなく職種と役割の問題です。

UIターン転職が向いている人・向いていない人

向いている人 向いていない人
移住の目的が明確(親の近く/子育て環境/地元貢献) 目的が「今の環境から逃げたい」だけ
職種を変えずに移れる専門性がある 今の会社でしか通用しない業務をしてきた
家族全員の合意が取れている 配偶者の仕事・子の転校を後回しにしている
年収が1割程度下がっても家計が回る 住宅ローン審査の直前・直後である
業務範囲が広がることを歓迎できる 職務範囲を明確にしたいタイプ
「定着する意思」を言葉で説明できる 数年で都市部に戻る前提を隠している

最後の行が採用側の最大の関心事です。地方企業がUIターン人材の採用で最も恐れているのは「またすぐ東京に戻られること」です。能力よりここを見ています。だから面接では、なぜこの土地なのか、いつまでいるつもりなのかを、具体的な理由(実家、配偶者の実家、子の進学)で語れるかが決定的に効きます。

後悔しないUIターン転職の7ステップ

  1. 目的を1文で書く(1週間)——「親の近くに住みたい」「子を自然の中で育てたい」など。ここが曖昧なまま進むと、条件交渉で必ずぶれます。
  2. 候補地を3つに絞り、求人票を各10件読む(2〜3週間)——物件より先に求人票です。自分の職種の求人が10件見つからない土地は、いま行くべきではありません。
  3. 家計シミュレーションを作る(1週間)——額面ではなく「手取り−住居費−車費用」で比較。車の必要台数を必ず入れること。
  4. 配偶者の仕事を同時に検討する(並行)——本人だけ先に決めない。ここで破談になる相談を何度も見てきました。
  5. 地域特化エージェント+全国型を併用する(1〜2ヶ月)——地方の非公開求人は地域特化型が強い。一方で年収レンジの相場観は全国型で掴む。選び方は転職エージェント選び方ガイドへ。
  6. 必ず現地に2回以上行く(1〜2ヶ月)——1回目は面接、2回目は平日の生活動線(通勤路・スーパー・病院・保育園)。観光目線で見ないこと。
  7. 内定後、支援金の対象求人か自治体に確認してから承諾する——承諾後では要件を満たせないことがあります。内定承諾の進め方もご確認ください。

全体で3〜6ヶ月。在職中に進めるのが鉄則です。先に退職して現地に移ってから探すのは、最も後悔しやすいパターンです。在職中の進め方は在職中の転職活動にまとめています。

UIターンで失敗する6パターン

  • ①住む場所から決める——気に入った町に、自分の職種の求人がない。仕事から決めれば防げます
  • ②家族の合意を後回しにする——配偶者のキャリアと子の学校を軽く見て、直前で破談になる
  • ③生活コストを楽観する——車2台・灯油代・冬タイヤ・帰省費用。家賃差だけ見ると外します
  • ④「地方だから」と年収を下げすぎる——最初に低く受けると、その土地での基準額が固定されます。下げ幅は1割を目安に
  • ⑤会社を業界だけで選ぶ——地方は転職先の選択肢が少ないぶん、1社目のミスが致命傷になる。ブラック企業の見分け方は必ず読んでください
  • ⑥退職してから探す——収入が止まった状態で選択肢の少ない市場を探すと、条件を飲まざるを得なくなる

ケース:私が見てきた3つの実例

ケース1:38歳・都内SaaSの営業マネージャー → 地元中核都市の製造業で営業部長(680万円→720万円)
「地方だから下がる」を覆した例です。ポイントは、地方の中堅企業には「体系立った営業マネジメントを知っている人」がほとんどいないこと。都市部では普通のスキルが、そこでは希少性になりました。

ケース2:33歳・Webエンジニア → 福岡のスタートアップ(620万円→560万円+ストックオプション)
額面は下がりましたが、家賃が月9万円下がったため実質はプラス。ご本人いわく「東京にいた頃より貯金が増えた」。ストックオプションの条件は必ず書面で確認してください。

ケース3:41歳・大手メーカー勤務 → 地元へUターン(750万円→520万円、2年で東京に戻る)
うまくいかなかった例です。原因は明確で、職種を変えてしまったこと配偶者の仕事が見つからなかったこと。そして支援金の返還も発生しました。この方は「先に生活を決めて、仕事を後から合わせようとしたのが間違いだった」と話していました。

年代別・UIターン戦略

年代 戦略 注意点
20代 まず都市部で3〜5年、再現性のあるスキルを作ってから戻る。今すぐ戻るなら地方スタートアップ 実績がない段階で戻ると、地方の給与テーブルに固定されやすい
30代 最も動きやすい。職種を維持して地域だけ変える。子の就学前がタイミングとして最適 住宅ローンと転職の順番を必ず確認する
40代 マネジメント経験を武器に、部長・役員クラスの求人を狙う。事業承継案件が有力 プレイヤーとしてだけ売ると、年収は大きく下がる
50代 後継幹部・技術継承・顧問。複数社の業務委託を組み合わせる形も現実的 役職名より、実際の権限と任期を書面で確認する

副業や業務委託を組み合わせる働き方は副業・業務委託という選択肢で解説しています。完全リモートで東京の会社に所属したまま地方に住む方法はフルリモート転職をご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 地方に行くと年収は必ず下がりますか?

いいえ。平均では約80万円下がりますが、年収800万円以上の層は4%から7%に増えています。職種を維持し、その土地で希少な専門性を持って行けば、上がることもあります。下がるのは、職種を変えた場合と、その土地で誰でもできる仕事に就いた場合です。

Q2. 移住先はどうやって決めればいいですか?

候補を3つに絞り、それぞれで自分の職種の求人票を10件読んでください。10件見つからない土地は、いま行くべきではありません。住む町ではなく、通勤できる範囲に県庁所在地クラスの都市があるかで選ぶのがコツです。

Q3. 移住支援金は誰でももらえますか?

いいえ。東京圏からの移住であること、対象求人への就業・テレワーク継続・起業のいずれかに該当することなど要件があります。5年以内に転出すると返還義務が生じる自治体が大半です。必ず移住先の市町村に直接確認してください。

Q4. リモートワークで東京の会社に残ったまま移住するのはどうですか?

年収を維持できる点で最も有利な選択肢です。ただし2つ注意点があります。①会社の制度が将来変わるリスク(出社回帰は実際に起きています)、②その会社を辞めたとき、現地に受け皿がないこと。移住した時点で「地元にも選択肢を作っておく」のが安全です。

Q5. Iターンで縁のない土地に行くのは無謀ですか?

無謀ではありませんが、Uターンより難易度は上がります。理由は能力ではなく「定着するか」を疑われるからです。地域おこし協力隊や副業からの接点作り、あるいは配偶者の実家がある土地を選ぶなど、「定着する理由」を用意できると通りやすくなります。

Q6. 転職エージェントは地域特化型と全国型のどちらがいいですか?

両方使ってください。地方の非公開求人と自治体のマッチングサイト連動求人は地域特化型が強く、年収レンジの相場観は全国型のほうが正確です。エージェントの見極め方も参考にしてください。

Q7. 面接で「なぜ地方に来るのか」をどう答えればいいですか?

キャリア上の理由だけで答えないでください。採用側が知りたいのは定着の可能性です。実家・配偶者の実家・子の進学など、動かしにくい生活基盤の理由をはっきり伝えるほうが評価されます。逆に「自然が好きだから」だけだと、必ず不安がられます。

Q8. 配偶者の仕事はどう探せばいいですか?

本人の内定より前に、配偶者の職種の求人が現地にあるかを確認してください。順番としては、両方の求人が同時に見えている状態で初めて意思決定するのが正解です。ここを飛ばした方の破談率は、体感でかなり高いです。

Q9. 地方のスタートアップは選択肢になりますか?

10年前とは状況が変わり、十分に選択肢になります。福岡・札幌・仙台・広島・北九州などは拠点都市として支援も入っています。ただし資金調達の状況は必ず確認してください。判断軸はベンチャー転職 完全ガイド失敗・後悔ガイドに整理しています。

Q10. 一度地方に行くと、東京に戻れなくなりませんか?

戻れます。ただし職種を変えずに行った人は戻りやすく、職種を変えた人は戻りにくいのが実際のところです。「戻れるか不安」という方こそ、職種を維持したまま地域だけ変えてください。それが最大のリスクヘッジになります。

まとめ:住む場所ではなく、仕事から決める

  • UIターン転職比率は22%→36%へ急増。地方企業の受け入れ姿勢は明確に変わった
  • 平均年収は413.4万円(約80万円ダウン)だが、年収800万円以上の層は4%→7%に増加
  • 年収ダウンは住居費の差でほぼ相殺できる。ただし車の維持費を必ず計算に入れる
  • 移住支援金は最大100万円+子育て加算。ただし5年以内の転出で返還義務が生じることが多い
  • 満足度は64.3%。最大の不満は「仕事の選択肢の少なさ」=1社目選びの重要性が高い
  • 失敗の原因はほぼ「住む場所から決めた」「家族の合意を後回しにした」「職種を変えた」の3つ

約25年、東京の転職市場を中心に見てきた私が言うのも変ですが、働く場所の選択肢が本当に広がったのはここ数年です。地方の企業が「東京の人材は来ない」と諦めなくなり、東京の人材も「地方だと年収が下がる」と諦めなくなりました。この変化は本物だと思っています。

ただし、うまくいくかどうかは制度でも土地でもなく、順番で決まります。仕事から決めて、家族と合意して、現地を平日に見て、それから動く。この順番さえ守れば、後悔する確率は大きく下がります。

キープレイヤーズでは、ベンチャー・スタートアップへの転職のサポートを実施しています。地方の企業の幹部ポジションや、地方スタートアップのご相談も承っています。「戻りたい気持ちはあるが、自分の経験に値段がつくのか分からない」という段階でも構いません。壁打ちの相手として、いつでもお使いください。

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この記事を書いた人

東北大→インテリジェンス出身、キープレイヤーズ代表。東北大学特任教授(客員)、文部科学省アントレプレナーシップ推進大使。1万2000件以上のキャリア面談、4,000名以上の経営者と採用相談にのる。80社以上のエンジェル投資、投資して上場は9社。うち2社は役員として上場(クラウドワークス、メドレー)。178社以上の上場支援実績。顧問・社外役員30社以上、キャリアや起業、スタートアップ関連の講演回数300回以上。「ベンチャーの作法」(ダイヤモンド社)5万部を超えるベストセラー

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